中古バイクの走行距離と寿命の関係は?中古で買う時のチェックポイント

2019.07.17

中古でバイクを購入する時に気になるのが、購入した後、どのくらいの期間乗れるのかという『寿命』です。一般的にバイクの寿命は走行距離から判断してしまいがちですが、走行距離だけでは推し量れないバイクの寿命について紹介します。

バイクの走行距離と寿命は関係ある?

中古バイクを購入する際、『走行距離』で寿命を判断するケースが多くあります。

走行距離と寿命の関係については諸説ありますが、一般的に『走行距離が長い=傷んでいる』という図式が浸透しています。

しかし、これは決して正しい認識ではなく、あくまでも『目安』であることを踏まえ、正しい知識で中古バイクを購入しましょう。

走行距離はあくまでも目安

『走行距離』という言葉は、文字通り『そのバイクが今までに走った距離』ですが、走行距離はあくまで中古バイクを購入する時の『目安』であり、そのバイクの『寿命を表す数字』ではありません。

購入する側の気持ちとしては、走行距離が短い方が当然バイクの傷みが少なく、これからも長持ちしそうな印象を受けます。

しかし、走行距離5万kmで1度もメンテナンスしていないバイクと、走行距離10万kmながら1万kmごとにメンテナンスし続けたバイクでは、『走行距離の長い=寿命が短い』とは、一概にいい切れないのです。

走行距離はあくまで『目安』と割り切り、実際は『その車がどのようなメンテナンスを受けてきたのか』で選ぶことが、後悔しない中古バイクの購入方法です。

排気量と寿命の関係

『バイクの寿命=エンジンの寿命』と言い換えられるほど、バイクの排気量と寿命には密接な関係があります。エンジンさえ大丈夫なら、ほかのパーツは取り替えさえすれば、よい状態を保てるためです。

排気量ごとの寿命の目安は『50cc以下は、1万5000〜2万km』『125cc以下は、2〜3万 km』『250ccは、2〜5万km』『400ccは、3〜6万km』『大型バイクは、4〜8万km』といわれています。

排気量が少ないバイクの寿命が短い理由は、バイクの使用用途に関係します。

大きなバイクは長距離を走ることが多く、短距離であることが多い小さなバイクは、エンジンが温まる前にエンジンを止めてしまうため、エンジンオイルの劣化を招き、寿命が短くなりやすいと考えられています。

走行距離ごとに必要なメンテナンスの目安

バイクも走行距離を重ねれば、何らかのトラブルがおこるのは当然です。

トラブルがおきた時、メンテナンスせずに乗りつぶして、また違うバイクを購入する人と、メンテナンスしながら長い時間大切に乗った後、下取りに出して、また次のバイクを購入する人がいます。

長年バイクに乗っている人は、下取り価格が『メンテナンス』に直結していることを知っているため、丁寧な扱いで走行距離を重ねていきます。

できればそのように大切に扱われたバイクを購入したいものです。

走行距離ごとに必要なメンテナンスには、どのようなものがあるのか、具体的に紹介します。

1万kmまでは問題なく走る

一般的に1万kmまでは、それほど大きなトラブルは見られません。まだまだ走行距離も少ないため、エンジン周り・足回り・ブレーキなどの消耗品に、気を使う必要もあまりないでしょう。

ただし、アルミ部分の腐食や変色や、発売後3年以上経ったモデルなら、放置されていた可能性もあるため、慎重に見極める必要があります。

この走行距離だと、たまにメーカー試乗車のような『掘り出しバイク』もあります。

1~3万kmでトラブルが出はじめる

一般的に『バイクのトラブル』が発生しはじめるのがこの距離です。排気量によっては、エンジンやブレーキに異音がしたり、オイル漏れが発生したりします。

特に、エンジンのバルブクリアランスの調整を行っているか、タイヤの摩耗・溝の減り・亀裂・ヒビは大丈夫か、『メンテナンス履歴』と『タイヤ交換履歴』の確認が必要です。

中古バイク市場では、2万kmを超えると価格が落ちる傾向にあるため、手ごろな金額の中古バイクが豊富な走行距離であるともいえるでしょう。

5万kmからは修理費が高くなってくる

5万kmにもなると、ほとんどのパーツにガタつきや緩みという『劣化症状』が発生します。

特に、エンジン音やブレーキ音に異音があった場合、修理金額が高額になる可能性があります。

日頃から点検やメンテナンスをしており、1年間の走行距離が3000km程度であり、エンジンの摩耗が少ない乗り方をしていれば、さらに寿命を伸ばせる可能性もあります。

しかし、年間1万km以上走っていたバイクだと、エンジンにかかっていたであろう負担が大きいため、購入後も頻繁なメンテナンスが必要です。

10万km以上は買い替え時

バイクを愛する人は、メンテナンスこそ大切にします。一般に10万km走ったバイクであれば、パーツだけではなく、外装にも劣化が生じている頃でしょう。

エンジン内部の摩耗が進んでいれば、オイル漏れをしている可能性もあり、寒い時期にエンジンがかかりにくくなるトラブルに見舞われる可能性も予見できます。

しかし、手入れをされ続けたバイクであれば、乗り心地よくなっている頃であり、さらに入念なメンテナンスを続けることで、20万kmまで走行することも不可能ではないでしょう。

バイクの走行限界を伸ばすためには

『バイクの走行限界』と聞くと、エンジンの寿命を連想する人も多いと思います。

エンジン以外のパーツが先に寿命を迎える場合もありますが、基本的には『バイクの寿命はエンジンの寿命』であると考えておきましょう。

特に、10万km以上になれば、『タペット音』が出るようになったり、異常にエンストする回数が増えたり、オイルが上がって白い煙が出たりする恐れがあります。

タペット音は、エンジンから『カチカチ』と聞こえる異音で、この音が聞こえたら、バイク寿命のカウントダウンがはじまると考えられています。

しかし、オーバーホールをすることで、まだまだ数万km走れる可能性もあります。あきらめずに丁寧なメンテナンスをすることで、バイクの走行限界は伸ばせます。

定期的なメンテナンス

バイクの寿命を伸ばす最適かつ唯一の方法は、定期的なメンテナンスです。特に、エンジンのメンテナンスは、こまめに行う必要があります。

エンジンが焼き付いたり、オーバーヒートを起こしたり、ピストンリングなどの劣化が見られた場合、そこであきらめるのではなく、それぞれのパーツを交換することで、そのバイクに乗り続けることは可能です。

しかし近年では、メンテナンス費用も安くはないため、『タペット音が聞こえたバイクは廃車が近い』というイメージが定着しています。せめてその音が聞こえるまで、こまめにメンテナンスしたほうがよいでしょう。

運転1回の走行距離

バイクの排気量と走行限界には、密接な関係があります。排気量が小さければ走行限界は短くなり、大きければ長くなります。

バイクの寿命は排気量だけでなく、運転1回の走行距離にも起因します。走行限界を伸ばすためには、年間を通じてバランスよく、多く運転しましょう。

具体的には、年間10回乗るより、週に4〜5回乗る方が、バイクにとってよい環境です。また、1回の乗車で20 km以上運転する方が、バイクの寿命を伸ばすといわれています。

1回距離が短いとエンジンオイルが劣化し、長すぎてもエンジンに負荷がかかるため、走行距離に気を配りましょう。

走る環境によっても異なる

バイクの走行限界や寿命には、メンテナンスや距離以外にも、気候などの環境や速度からくる『走行環境』が影響しています。

夏や冬は、エンジンに膨大な負荷がかかります。エンジンをかけてすぐに走り出すのではなく、エンジンを暖めてから走行する『暖気』の習慣をつけましょう。暖気をしっかり行うことで、バイクの寿命は変わってきます。

スピードの出し過ぎや急発進も、当然エンジンに負荷がかかり、保管場所によってもエンジンが傷むので、エンジンの急激な温度変化に気をつけましょう。

バイクを中古で購入するときのポイント

車検証への走行距離の記載や、デジタルメーターの搭載により、発生件数こそ減りましたが、中古バイクを購入する時にチェックしておきたいのが『メーター』です。

走行距離を目安に中古バイクを購入する人が圧倒的に多いため、見せかけの走行距離を減らす違法な手段が相次いで発生しました。

バイクを中古で購入する時は、その車の持っているデータが正確かどうか、故意に隠された履歴はないかなど、必ず確認してから購入することをおすすめします。

走行距離が正確かどうか確認する

素人が中古バイクを購入するとき、目安にするのが『走行距離』です。そこに目をつけた悪徳業者による、メーター数値の改ざんや、メーターごと取り替える事件が頻発しました。

メーターの改ざんや交換ならまだしも、ひどいものになると、エンジンを載せ替えて走行距離をわからなくしたり、1回転したメーターでも何事もないように販売したり、非常に悪質な手口が横行しました。

中古バイクを購入する時はメーターではなく、車検証の走行距離を確認させてもらうようにしましょう。

事故歴の確認

事故車は、市場で非常に低い価値しかつけられません。理由はもちろん、購入者の精神的な要因もありますが、バイク内部の見えないところに歪みが生じ、運転に悪影響を及ぼす可能性があるためです。

事故車であることをごまかす業者からは、購入しないよう注意しましょう。

事故車かどうかを見分けるポイントは、優良な業者であれば、必ず『フレーム溶接箇所』と『フレーム塗装歴』を記載しています。

修復歴が記載されていない場合は、自分で見分けるしか方法はありません。具体的なチェックポイントは『フレームの溶接痕』です。

もし1台だけを見て、溶接されているかどうか自信が持てなかったら、同じ車種のほかのバイクと見比べます。明らかに違和感があれば、それは事故車の可能性が高いといえるでしょう。

走行距離と買取り価格の関係

中古バイクにとって走行距離は目安であり、バイクの良し悪しを決めるのはメンテナンスですが、中古バイクを購入する人の中には、走行距離の長さでバイクのコンディションを判断するケースも多いでしょう。

『走行距離が少ない=買取価格が高い』という図式が走行距離と買取価格の関係に影響していることもあるので、詳しく見ていきましょう。

走行距離が少ない程買取り価格が高い

「走行距離が少ない車を買いたい」というのは、実は日本独自の考え方です。

それは車検制度にも由来していて、日本人はとにかく物を大切にする文化があるため、バイクも大事に長く乗りたいと考えている人が多いようです。

外見的な傷みはもちろん、エンジン内部のような見えないパーツの傷みまで、非常に気にします。結果的にそれが『走行距離』という、目に見える数字に頼ることになり、買取価格に影響しているのです。

実際には走行距離だけではなく、年式も査定のポイントになってくるため、年式が新しく走行距離が短ければ高く買取され、年式が古く走行距離が長ければ、安く査定される傾向にあります。

バイクの用途と走行距離

同じ年式・車種であっても、通勤・通学用のバイクと、週末だけツーリングで使うバイクでは、査定金額が違うのを知っていますか?

バイクは定期的に乗っていないとエンジンが傷むため、週に4〜5回乗るバイクのほうが、買取価格が高くなる傾向にあります。

とはいえ商業車のように、毎日数十kmを乗っていたバイクでは、当然エンジンやほかのパーツの傷みが激しいため、減額される可能性があります。

用途と走行距離だけで査定価格が決まるわけではありませんが、購入する時の目安にしてみましょう。

相場は変動する

バイクの相場は毎日変わります。1年のうちで、最も中古バイク市場が賑わうのは3月です。

4月1日にバイクを保有していると、1年分の自動車税を納付する義務が発生するため、3月31日までに駆け込み売却するライダーが多いためです。

逆に、購入ラッシュとなるのが4月2日以降なので、税金を払っても3月に購入したほうが、金額的に安い場合もあります。

税金以外でも、雑誌に掲載されて人気になったとか、テレビドラマで俳優が乗っていたという評判一つで、バイクの相場は大きく変動します。

売るときも買うときも、必ず複数社から見積もりを取り、実際に現物を見て決めるのが、失敗しないバイク選びのコツです。

バイクは走行距離よりもメンテナンスが大切

バイクの走行距離はあくまで寿命の目安であり、実際には走行距離よりもメンテナンスが重要です。

一般的にバイクの寿命は10万kmといわれていますが、きちんとしたメンテナンスがされていれば、20万km走るバイクも存在します。

中古バイクを購入するときは、走行距離だけに目を奪われずに、そのバイクのメンテナンス状態をよく観察して、長く乗れる「とっておきの1台」を見つけましょう。

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