天気で風も気にしてる?仕組みや用語など風についての理解を深めよう

2018.09.23

みなさんは、風についてどれだけ知っていますか?学校で少し習っただけでよく知らない、考えたこともないという人は、風が吹く理由や台風の仕組み、用語やマーク、風力発電など様々な角度から、風について一度考えてみましょう。

風が吹くのはなぜか

風は、周囲の空気の動きによって起こります。では、そもそも空気はなぜ動くのでしょうか。

天気予報は日々精度が上がっており、風速や風向きの情報まで手に入れることができます。この予報は、風が吹く仕組みを踏まえ、『なにが起こるのか』を科学的に予測したものです。

風が吹く理由を知れば、天気予報を見たときに理解が深まり、様々な情報を読み取ることができるようになります。

気圧の差で風が起こる

気圧の性質により、高気圧の場所では空気の押し合う力が強く、低気圧の場所ではその力が弱いということになります。

そして風は、気圧が高いところから低いところへ向かう性質があります。高気圧の場所では空気の圧力が強く空気が外へ逃げようとするため、低気圧の方に向かって流れていくのです。こういった性質から、気圧の差があると風が起こります。

風が強いかどうかにも気圧が影響

風の強さは気圧の差によって決まります。その差が大きければ大きいほど風は強くなり、小さければ小さいほど風が弱くなるのです。

天気図には等圧線というものが引かれております。これは気圧の差を表すためのもので、気圧が高い場所ほど等圧線の間隔が狭く、気圧の低い場所は広くなっています。等圧線を見ることで風がどの程度の強さなのかがある程度わかります。

そういった知識があると、天気予報を見た時に一歩進んだ見方ができるかもしれません。

風に影響する要素

気圧以外にも、風に影響する要素がいくつかあります。まず、『コリオリの力』と呼ばれるものです。これは、北半球上の動いている物体は進行方向を右に曲げられていくという現象で、このコリオリの力は、風にも作用します。

また、竜巻や台風のように風が回転運動をしている場合は、遠心力が働きます。台風の目ができるのは、この遠心力によるものです。

ほかにも、摩擦力も風に影響します。意外かもしれませんが、地表の近くを流れる風には、地表との間に摩擦が生まれるのです。この摩擦力は風に対する抵抗となって、風の向きに影響を及ぼします。

台風の仕組み

日本は台風がよく起こる国、というイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし台風の起こる原因と、その明確な定義についてはご存じでしょうか?台風の起こる仕組みや性質について勉強していきましょう。

台風の発生

台風の源となるのは、上に向かって流れていく気流、いわゆる上昇気流です。年中を通じて暑い熱帯地方の海上には水蒸気をたくさん含んだ空気が生まれるので、上昇気流が起こりやすい環境になっています。

そこで雲が作られると、目に見えない水蒸気が、雲を作る水滴として凝固します。そしてそのときに、たくさんの熱を出すのです。それが上昇気流と呼ばれるものになります。

それを何度か繰り返していくうちに上昇気流はどんどんと大きな渦となり、熱帯低気圧が生まれます。これがさらに発達することによって、台風になるのです。

以上の事から台風が生まれるのはほとんどの場合、とても暖かい熱帯地方の海の上、ということになります。

台風の構造について

台風というと、天気予報でよく見るような、雲が渦巻いた衛星写真を思い浮かべるかもしれません。しかし、台風の構造を考えるときは、断面図で考えるほうがわかりやすいでしょう。

台風はきのこ型をしていて、真ん中にいわゆる『台風の目』と呼ばれるの空洞があります。シフォンケーキを作る型をイメージするとわかりやすいかもしれません。

その空洞を取り巻くように、『アイウォール』があります。これは、積乱雲が発達したものです。このアイウォールの空間では、暴風雨が発生し、ニュースなどで言われる『台風が直撃』の状態になります。

アイウォールの外側には『スパイラルバンド』があり、こちらもまた激しい雨が降ります。さらにその外側、台風の中心から約200〜600kmの範囲は『アウターバンド』と呼ばれ、にわか雨や雷雨が降ります。

温帯低気圧との違いは?

熱帯低気圧とよく似た言葉として、『温帯低気圧』という言葉があります。台風は勢力が弱まった後、温帯低気圧や熱帯低気圧になるので、聞いたことがある人も多いでしょう。

温帯低気圧とは、北側の冷たい空気と南側の暖かい空気が混ざって低気圧になったものを指します。温帯低気圧には温暖前線と寒冷前線があり、季節関係なく発生するものです。

一方熱帯低気圧は、暖かい空気によってできた、前線を伴わない低気圧のことを指します。この熱帯低気圧の風速が17.2m/sを超えたものが『台風』です。温帯低気圧の風速が17.2m/sを超えても、台風とは呼びません。

春一番や木枯らし1号について知ろう

天気に関する表現として、よく『春一番』『木枯らし一号』という表現を耳にしますよね。ふだんあまり深く考えずに聞き流しているかもしれませんが、ちゃんと意味と定義があります。

春一番の由来とは?

『春一番』は急発達した低気圧のことで、この名前は1859年に長崎県の壱岐郡で漁船が転覆し、53人もの死者が出たことに由来していると言われています。

漁師たちが低気圧を警戒するために『春一』と呼んでいたのが、『春一番』に転じて定着したのです。

『春一番』と言われると春の訪れを告げるロマンチックなイメージがあるかもしれませんが、実際は海はシケやすく海難事故が起こりやすい時期なので、漁師たちはとくに警戒しなくてはならないものでした。

春一番の定義について

春一番には、しっかりとした定義があります。気象庁によると、以下の3つがポイントになります。

  • 立春から春分までの約1カ月半程度の間に初めて吹く
  • 風速8m/s以上
  • 日本海で発達した広い範囲の低気圧

もっと簡単に言えば、『春一番』はその年になって初めて吹いた南寄りの強い風のことです。春一番が吹いた日は、暖かな陽気になります。だからこそ、『春の訪れ』と呼ばれるのです。

木枯らし1号とは

木枯らし1号というのは、その年初めて吹く北よりの強い風のことです。だいたい、秋の終わりから冬の始め頃に吹く風で、こちらも風速8m/s以上のものに限られます。

この木枯らし1号が吹いた後は気圧配置が冬型になるので、本格的な冬に突入する合図です。『春一番』の対極のような存在ですね。

しかしこの木枯らし1号は、実は東京都や近畿地方でしか使われません。それは、この木枯らし1号が季節風の影響によるものなので、その影響が大きい地域で観測されるからです。

風に関する用語

風についての知識を深めるために、風に関する用語もチェックしていきましょう。用語を理解することで、天気に関する話題や天気予報などがより深く理解できるようになります。

風向とは

『風向』とはその名の通り、風が吹いてくる方向のことを指します。つまり、どの方向に向かって風が吹いているかという意味です。

気象観測の際は、16もしくは36方位で表しますが、天気予報では東西南北と北東、南東、南西、北西、の8つの方向で表されます。

また、天気予報で使われる風向の用語は、以下のような意味があります。

  • 方向+風:予報の期間内、範囲内の平均風向が、その方向を中心として45度の範囲。例『北の風』
  • 方向+よりの風:東西南北のどれか1つの方向を中心として、それぞれ東西の範囲でばらつきがある風。例『北よりの風』は、北と北東、北西に吹いている
  • 方向1+または方向2の風:観測の場所によって、方向1の風が吹いたり方向2の風が吹いたりする。例『北または西の風』

風速とは

風速を簡単にいえば、1秒間の間にどれだけ早く風が吹き抜けるかという風の強さです。天気予報などでは『風速』は10分間の平均風速を意味し、『○m/s』のように表されます。

最大風速は10分間の平均風速の最大だった値を表し、瞬間風速は3秒間の平均風速という意味になります。最大瞬間風速は、この2つを組み合わせたものです。

また、天気予報などでよく聞く『やや強い風』『強い風』などにも、しっかりと定義があります。

  • やや強い風:10m/s以上15m/s未満の風
  • 強い風:15m/s以上
  • 非常に強い風:20m/s以上30m/s未満
  • 暴風:20m/s以上

このような意味を持ちますので、天気予報を見て出かける際には注意して聞いてみてください。

その他の用語

ほかにも、覚えておくと便利な用語がいくつかあります。例えば『突風』は突然起こる強い風のことで、『季節風』はそれぞれの季節の影響を受けた特性を持つ風のことを指します。

また、『乱気流』は気流が激しく上下に揺れる現象で、航空機に大きな影響を与えます。『竜巻』は夕雲や積乱雲とともに生まれる風の渦巻きのことです。

『風力』は、気象庁が定めている風力階級表に基づいていて、0〜12の区分で風速を現れています。0が1番弱く、風速が1ノット未満で、7になると海上風警報に相当し、10になると海上暴風警報となります。

天気記号の風マークについて知ろう

みなさんは、『天気記号』についてどれほど知っているでしょうか。「学校で習った気がするけどあんまり覚えていない」という人も多いかもしれません。

風についてさらに理解を深めるために、天気記号もマスターしていきましょう。

中天気図の風に関する記号の見方

風向と風速を表すddffという記号は、風の向きと強さを理解するためには必須の記号です。風向は36方位で表され、風速は二捨三入で5ノットを最小単位として表します。

二捨三入とは、端数が0~2なら切捨て、3~7なら『5』として扱い、8~9は切り上げる端数処理のことです。

ddffの見方は、以下のようになっています。

  • 短矢羽:5ノット
  • 長矢羽:10ノット
  • 旗矢羽:50ノット

風力の階級章は、水平の線に対し何本線が書き出されているかで、風力階級を表します。

日本式の天気記号

天気図というのは世界共通のイメージがあるかもしれませんが、実は国際式の天気図記入方法と、日本式の天気図記入形式は少し異なります。

しかし日本式の天気記号は世界の基準を踏まえて作られているため、大きく逸脱しているわけではありません。

ただ、国際式天気図記号よりも日本式のほうが簡易的で種類が少ないため、より分かりやすく見やすいという特徴があります。

国際式の天気記号

国際天気図記号は、より細かく正確に伝えられるようになっています。例えば、日本では曇りを示す天気図記号は1つだけに対し、国際式天気図記号では7種類もの曇りのマークがあり、どれだけ雲が多いかを読み取ることも可能です。

ふだん日本の天気予報を見るだけならば日本式だけで問題ありませんが、本格的に気象について学ぶのであれば、国際式の天気記号も勉強することをおすすめします。

過去の風に関するデータ

風について勉強をしているなかで、過去のデータが必要になるときがあります。そのときは、気象庁による『歴代全国ランキング』を参考に、過去の風に関するデータを調べていきましょう。

過去のデータは、情報の宝庫です。じっくりと見て自分なりに分析するだけでも、さまざまなことを学ぶことができますよ。

最大風速

観測したなかで最大となった最大風速は、1942年4月5日の富士山で観測された72.5m/sの風です。2番目は1965年9月10日、高知県の室戸岬で観測された69.8m/sで、3番目は1966年9月5日に沖縄県の宮古島で観測された60.8m/sとなります。

ちなみに、富士山と室戸岬両方の地点で観察されたときの風向は、両方とも西南西でした。

最大瞬間風速

最大瞬間風速の上位3つの記録は、順番は変わるものの最大風速と同じ地点で観測されています。

1番は1966年9月25日に富士山で観測された91.0m/s、2番目は1966年9月5日に観測された宮古島の85.3m/s、3番目は1961年9月16日に室戸岬で観測された84.5m/sです。

富士山は強い風が吹きやすので、静岡県は景観を損ねないように注意しつつも、再生可能エネルギーによる発電を推進しています。

風と風力発電

近年注目されている再生可能エネルギーのなかでも、より身近でイメージしやいいのが風力発電です。

島国である日本は他国から電力を供給してもらうことができないので、自国内で発電するしかありません。安定した電力供給はとても大事ですが、それと同時に環境に配慮した発電方法もまた発展させていく必要があります。

風力発電は日本でも少しずつ取り入れられている、再生可能エネルギーによる発電の代表的な方法のひとつです。

風力発電の仕組み

風力発電とは、風の力を使って電力を生み出す発電方法です。風車のような形をした風力発電機のブレード部分(プロペラのような部分)に風が当たると、ブレードが回転します。そして発電機によって、この回転から電気を生み出すのです。

北海道や東北、九州で多い

風力発電は自然の力に依存するものなので、設置場所は慎重に検討しなくてはいけません。

日本では、北海道や東北、九州に多く設置されていて、2012年度の風力発電設備導入量は青森県が国内トップとなっています。設置基数のトップは北海道で、青森が2番目に多く、さらに鹿児島、静岡、福島が続きます。

風力発電を積極的に取り入れている地域は強風が吹きやすいという気象条件を備えている必要があるので、必然的に設置場所がある程度偏るのです。

風力発電の導入実績と現状

2017年、日本の全発電量のなかで風力発電によるものは、0.6%に止まっています。2014年、2015年、2016年は0.5%だったため、ほぼ横ばい状態です。

しかし2017年3月末は前年に比べ、設備容量が7.3%増、設置基数が5%増を記録しました。

日本の発電は8割以上火力に頼ってはいますが、原子力や火力に頼らずできるだけ環境への負担が少ない再生可能エネルギーを使う発電に切り替える努力は続けられているのです。

メリットとデメリット

風力発電のメリットは、何といっても燃料が不要なことです。そのため、二酸化炭素や排気ガス使用済み燃料などが出ません。これは大きな魅力で、風力発電は環境に優しい発電手段だといえます。

その一方で、自然エネルギーに依存する発電方法なので、風が吹かないときや風が強すぎて発電を止めなくてはいけないときなどは、発電ができなくなってしまいます。

風力発電は継続した安定した電気を供給するのには向いていないので、風力発電をメインに据えるのは今後の課題ではあります。

風の基本から発電まで教養を深めよう

普段身近ではあるものの、風についてあまり考えたことがないという人も多いのではないでしょうか。そんな人は、改めて一度、風について学んでみましょう。

風についての知識が深まれば、日常の何気ない瞬間でも「こういう理由で明日寒くなるんだな」「自分が住んでいる地点は台風の中心から300kmほどだから雨が降っているのだ」と理解できるようになります。

風が吹く仕組みや用語の意味を知ることで天気図を読み取れるようになり、風力発電をはじめとした再生可能エネルギーに関するトピックも身近に感じることができます。

風について学び、より深く、身の回りの天気や気象について理解していきましょう。

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