自分でできるバイオリンの弦の交換方法。交換時期や手順も紹介

2019.07.15

バイオリンの弦の交換は、一度覚えてしまえば簡単にできます。交換時期やチェックポイント、手順を押さえて、自分好みの音色の弦へ近づけましょう。詳しい手順と注意点を参考に、初心者の人でも交換にチャレンジしてみてください。

バイオリンの弦の基礎

まずは、バイオリンの弦のチューニング方法や選び方の基礎知識からチェックしてみましょう。大切なバイオリンの管理のためにも、知っておくと便利です。

チューニング方法

バイオリンの弦は4本あり、高い音の方からE線(えーせん)=1弦、A線(あーせん)=2弦、D線(でーせん)=3弦、G線(げーせん)=4弦という名前が付いています。

張られている弦の種類としては、主にナイロン弦、スチール弦、ガット弦の3種類があり、それぞれ特徴が違うため、張り替えやチューニングが必要となるのです。

チューニングは、『スクロール』と呼ばれるネックに取り付けられたペグ(糸巻)で行います。それぞれのペグに1本ずつの弦が取り付けられ、チューニングしたい弦のペグを、締めたり緩めたりするのが基本です。

弦の選び方

弦は、先に述べたナイロン、スチール、ガット弦の三つから自分に合うものを選んでいくことになります。

ガット弦は音の響きが豊かですが、『寿命が短く』音色を奏でるのに『技術が必要』なことから中・上級者におすすめです。

ナイロンやスチールの弦は、耐久性が高く扱いやすさもあることから、初心者にぴったりと言えるでしょう。

スチール弦では力強い音色のもの、ナイロン弦では柔らかな音色のものが多くあります。好みの音色やメーカーで選ぶのも手です。自分にあった弦を見つけてみましょう。

バイオリンの弦の交換について

バイオリンの弦は、張っておくと徐々にへたっていき、本来の音色が出せなくなります。よい音色を保つためには、定期的な交換が必要です。目安や注意点についてチェックしてみましょう。

交換時期の目安とは?

交換時期の目安と言われているのは、半年から1年です。演奏時間が長いと、その分だけ消耗してしまうため交換時期が短くなります。

響きが明らかに悪くなった、弦の色が変わった、などの劣化が見られた場合も交換時期の目安と言えるので気をつけてみましょう。

弦の手入れを怠ってしまうと劣化の進行が早まり、楽器本体にも悪い影響を与えます。弦がサビてきてしまうこともあるため、ほつれ・サビ・くたびれなどが見られたら、楽器を守るためにも交換するのがおすすめです。

演奏会などの予定があるときには、その少し前に弦を交換しておくと、切れなどの不具合が出ても余裕をもって対応できるため、安心できるでしょう。

交換時の順番や注意点

4本の弦を一度に新しいものに交換をする場合、順番には特に決まりはありませんが、一般的に4弦、1弦、3弦、2弦の順番で行われています。

外側から張っていくと交換しやすいことから、このような手順が好まれますが、1弦、4弦、2弦、3弦の順番で張る人など、人それぞれです。

注意点として、弦の交換は全ての弦を一度に外して行うのではなく、1本ずつ交換する弦を外して付け替える方法が原則です。

弦を全て外し、交換してしまうと、弦のテンションだけで立っている駒や魂柱などの部分が倒れてしまい、特に魂柱は専門店などで直してもらわなければならなくなるため、やめましょう。

弦の交換方法

それでは、実際に弦を交換する方法を紹介します。初めて交換する人は、焦らずゆっくりと時間の余裕をもって張り替えを行うのが失敗しないコツです。

ちなみに、交換する弦を入手する際に注意しておきたいのが『E線の形状』です。ボールエンドとループエンドの2種類があるため、自分の使っているバイオリンのテールピースに付いているアジャスターを確認してから購入しましょう。

古い弦の外し方

まずは、交換する順番を決めて古い弦を1本外します。弦の交換のときにしか丁寧に掃除できない部分は、外したときに適宜きれいにしておきましょう。

  1. 交換したい弦のペグを弦がたるむまで徐々に緩める
  2. 弦をテールピース穴の下方向に向けてスライドさせる
  3. スライドさせた弦を引き抜く
  4. 弦を外したペグに少量のコンポジション(適度な滑りや摩擦を与える調整剤)を塗る

コンポジションを塗るのは、ペグとペグボックスが当たっている(摩擦が生じている)箇所です。

新しい弦のセット

古い弦を外したら新しい弦を張っていきます。鉛筆でナットと駒の溝をなぞるのは、弦の滑りをよくして切れるのを予防するためです。

  1. 新しい弦をテールピースにセットする
  2. 柔らかい芯の鉛筆でナットと駒の溝をやさしくなぞる
  3. 弦をペグの穴に通して奥側に一周させる
  4. 飛び出した弦の手前側に一周させて挟み込むように巻く
  5. ペグボックスの内壁に当たるようにさらに弦を手前側に巻いていく

テールピースにボールエンドが通らないときには、テールピースの裏面から新しい弦を通して引っ張るようにします。

弦をペグの穴に通して巻く際は、まず飛び出した弦を奥側、手前側の順番で挟み込むように一周させるのが基本です。

ペグを回す

全ての弦の交換が終わったら、ペグを回して『チューニング』を行います。チューナーや音叉などを用いて、それぞれの弦のペグを回して正しい音階に合わせましょう。

経年劣化によってペグが細くなったり、ペグ穴が広がってしまい、正しくチューニングができなくなることがあります。最悪の場合は、ペグボックスが壊れてしまうので、疑わしい場合は専門店に相談しましょう。

自分の手で弦交換できるようになろう

自分の手で弦を交換できるようになれば、それだけ楽器に愛情を注げます。自分が目指す音色に近いものへと変えていけるため、より理想的な表現に近づくことにも繋がるでしょう。

難しい工程はあまりないため、じっくり時間をかけて丁寧に交換するのがコツです。弦の交換を行い、いろいろな弦に触れるのも学びの場所となるので試してみてはいかがでしょうか。

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