楽しみ方が分からない!そんな人のための博物館の楽しみ方

2019.07.14

博物館とはどのようなところでしょうか。実は美術館や科学館なども含まれる意義や、日本における博物館の歴史などについて解説しています。また、博物館の楽しみ方や、国内でのおすすめについても見ていきましょう。

博物館とは?

博物館とは、資料を集めて保管・展示し、集めた資料に対する調査研究を行う機関です。そのため本来の博物館は、『博物館』と名付けられているものだけでなく、動物園や水族館、美術館や科学館なども含まれるのです。

また、日本では展示される場所として発展してきましたが、本来は教育施設であり研究機関でもあります。

芸術や文化などの資料を集めて展示する

芸術や文化など、個別の博物館が持つ研究対象に関する資料を収集し、展示するのも博物館の目的です。日本の博物館においては、『展示と教育』に力が入れられている側面があり、勉強する場所とも捉えられています。

博物館に展示されている資料を見て、利用者が日常で疑問を解消できるような場所を目指して、運営されているケースもあるそうです。

また博物館は世界では4万館以上、日本には4000館以上あるともいわれています。それぞれの博物館が専門としている研究対象について、時系列や分類ごとなどに分けて保存・展示されている場所が世界にはたくさんあるのです。

博物館の意義

特定のモノについて、系統立てて保管を行い、そうしたモノについて研究と調査を実施し、後世に伝えていくことが博物館の意義です。

例えば郷土博物館の場合には、その地方に由来する歴史的に価値のある資料を集め、発見された物品を収集します。そこから集めた資料から新しい知恵を得ていくような文化・教育などの根本を支えることに、意義があると考えられています。

自分たちが何気なく立っている場所にはかつて何があったのか、といった歴史や物事の仕組み、成り立ちなどについて知れる場所が博物館でもあるのです。

博物館の種類

博物館は、その博物館の持つ機能や展示内容、博物館の形式や施設の管理者などによって、いくつかのパターンに分類可能です。

展示内容で分けるなら、絵画や陶芸作品などを展示する美術館と、動物や植物などの資料を扱う自然史博物館では『展示対象に違い』があります。

また、展示場所によって『館内展示型や屋外展示型』、記念館など資料を現地で保存し展示している『現地保存型』に分けられます。

一部の博物館を『博物館法』によって分ける方法もあり、その場合には登録博物館・博物館相当施設・博物館類似施設の3つに分類されます。

管理者による分類

博物館を設置者や管理者を基準に考え、分類する方法もあります。

国や省庁などが設置・管理しているものが『国立博物館』、地方の自治体などが設置・管理するものは『公立博物館』、それ以外の企業や個人が設置・管理しているものが『市立博物館』です。

この分類によって日本の博物館を見ていくと、4000以上ある博物館のうち、私立博物館は全体の20%程度で、ほとんどが国や地方自治体が管理する国立博物館や公立博物館であることがわかります。

しかし、これは博物館全体の数字で、例えば美術館に的を絞ると、半数近くが私立になるのです。

展示内容による分類

絵画や古美術品などが展示されている美術館や天文学や理工系の展示物がある施設を科学博物館など、博物館は展示内容による分類ができます。

これらは大きく、『人文科学系博物館・自然科学系博物館・統合博物館』の三つに分けられます。

さらに細分化すると、人文科学系博物館は、美術館などを内包する美術系博物館と、歴史系の郷土博物館や歴史博物館などの歴史系博物館に分けることができます。

自然科学系博物館も動物園・水族館なども該当する自然史系博物館と、科学技術や産業などが該当する理工系博物館として考えられます。

博物館の楽しみ方

博物館と聞いて、堅苦しい印象を抱いてしまう人もいるでしょう。

最近では、ゲームやアニメなどの作品をきっかけに、刀剣などの展示された特別展に行ってみる人も増えているようですが、興味のあることや学びたいことがある場合以外にも、博物館を楽しめる方法を紹介します。

さまざまな角度から鑑賞する

博物館や美術館に行ってみると、作品を正面から見て、向き合おうとしがちです。あるいは、端から端まで順に見て回ろうとするかもしれません。しかし、博物館はもっと自由に作品を楽しんで良い場所です。

時代背景や、作品の持つ経緯や歴史に気を取られず、展示品の持つ機微や情緒を味わうことができるのです。

それぞれの作品に思いを馳せてみたり、作品の変化から作者の心情の変化を想像してみたりするなど、さまざまな角度から作品たちを鑑賞してみると、正面から見たときとは違った印象を抱くこともできるしょう。

特別展の開催日に行く

各地にある博物館などでは、特別展が開催されています。駅などでポスターや告知などを目にする機会もあでしょう。

そうした特別展の際には、普段とは違ったものが展示されています。

昨今では歴史的なテーマや、創作作品にまつわるものを展示したりなど、多様なジャンルを対象に開催されているので、興味のある特別展の開催されているときに足を運んで見るのも面白いでしょう。

しかし、特別展の開催期間中は普段より人が多くなるので、静かに芸術品を楽しんでみたい人は、特別展の日を避けていくと良いといえます。

鑑賞以外にも楽しみがある

博物館に訪問する目的は、主に展示品の鑑賞などになりますが、それ以外にも楽しみ方があります。

例えば、ニューヨークのセントラルパークに面したアメリカ自然史博物館は、長い歴史と多くの展示品がある一方で、内部は20を超える建物と多くの展示室から成る迷路のような構造になっており、建物自体が興味深い場所です。

国内でも大阪にあるあべのハルカス美術館は、気軽に芸術に触れられることが特徴的な都市型美術館で、ショッピングや観光のついでに訪問可能です。

また、博物館に併設されているカフェで休憩したり、ショップで物品を購入したりと行った目的で訪れる人もいます。

博物館のマナー

博物館には、展示内容に合わせたマナーが設定されています。

マナーを守って利用することは、利用者同士が気持ちよく利用できるだけでなく、展示されている資料や作品を守ることにもつながるので、マナーをしっかり守って博物館を利用しましょう。

作品に触らない

博物館に共通するマナーとして、まず挙げられるのが『作品に触らない』ことです。

博物館に展示されている資料や作品は、本物やレプリカの場合もありますが、一つ一つは貴重な作品であり、資産であることには変わりません。

作品やケースに触れることで、傷が付かなくとも傷んだり、破損の原因となってしまうことが考えられるので、作品には触らず目で見て楽しみましょう。

撮影禁止マークに気をつける

博物館に展示されている作品の中には、スマートフォンやカメラを使って撮影を行っても良いものと、そうでないものが混在しています。一律で決められていないのは、主に著作権の所在などにより作品ごとに対応が違うことが理由です。

撮影の可否については、博物館のごとにそれぞれルールが異なり、展示室単位で撮影の許可・不許可が決まっているケースや、撮影可能な展示室内でも撮影禁止のマークが掲示されている作品もあります。

博物館内で写真を撮影してSNSなどにアップロードしたい場合には、『博物館内の決まりをしっかり守って撮影を行いましょう』。また、スマートフォンで撮影する際には、シャッター音などにも気を使ったほうが良いでしょう。

飲食や電話などは禁止

博物館内では、基本的に『飲食は禁止』されています。これは、飲食物を不意にこぼしてしまった際に他の利用者に迷惑がかかることや、作品が汚れることを考慮して設定されているものです。

博物館内には、レストランや喫茶店が併設されていることや、飲食可能なスペースが定められているケースが多いので、飲食はそれらのスペースで行いましょう。ペットボトルを持ち込む際に、ビニール袋などに入れる必要のある場合もあります。

また、スマートフォンによる通話やメールの使用も、基本的には禁止されています。館内では素直にマナーモードに設定するか、電源を切りましょう。

博物館の豆知識

博物館にも現在の形に至るまでの歴史や、博物館ならではのイベントやサービスなど、一般にあまり知られていない事項があります。

世界最古の博物館に関することや、日本における博物館の成り立ちなど、ちょっとした豆知識を紹介します。

日本における博物館の歴史

日本における最初の博物館は、『東大寺正倉院』だと考えられています。正倉院は、世界最古の博物館とされている場所で、1000年以上前に書物などを展示する施設としての機能を持っていたのです。

現在、国内で最古の博物館といわれているのは1872年に開館した現『東京国立博物館』です。その歴史を簡単にたどっていきましょう。

同年、ウィーン万国博覧会への準備として、湯島聖堂大成殿を会場に開かれた博覧会によって博物館の創立・開館とされました。

この際、ガラスの陳列ケースや展示されている伝統工芸品の数々が好評を集め、近代博物館のきっかけとなったといわれています。

その後、組織改革や関東大震災などさまざまな歴史を経て、1952年に東京国立博物館となっています。

なお、1800年代の終わりには、帝国京都博物館や帝国奈良博物館など、日本全国に博物館が設立され始め、徐々に現在の形に近い専門分野を対象にした博物館となっていきました。

博物館のサービスやイベント

最近の博物館では、利用者のために独自のサービスや個性的なイベントを開催しているところが増えています。特別展覧会中の期間中などに、トークショーやライブ、演劇などのイベントを開催しており、その内容は展示内容などにより多様です。

具体的に見ていきましょう。

東京国立博物館においては、春に庭園を一般開放して、染井吉野や大島桜を代表に多彩な桜が咲き乱れる様が楽しめるほか、桜に合わせた作品の展示などのイベントが行われています。

またスマートフォン向けアプリを公開して、展示内容に合わせた動画や音声が再生される仕組みになっています。

その他の場所でも、上記のアプリや有料の音声ガイドを端末に向けて配信している博物館もあります。

世界最古の公共博物館

イギリスに現存するアシュモレアン博物館は、イギリスで最古、そして世界最古の大学博物館であり誰もが利用できる公共博物館です。

ここは、1677年、イギリスの政治家で熱心なコレクターだったというエリアス・アシュモールが、オックスフォード大学に当時のヨーロッパで流行ってい珍品などコレクションを集めた部屋を寄贈しました。

その後、オックスフォード大学は1683年に、この部屋を『アシュモレアン博物館』の名で公開したことが開館の経緯です。

正式名称はアシュモレアン美術・考古学博物館で、現在でも古代エジプトにまつわる品々が展示されており、壁画や像、複雑な意匠の掘られた壺など、歴史的に価値のあるコレクションが数多く収められています。

Welcome | Ashmolean Museum

日本にある4つの国立博物館

ここからは実際に行ける博物館として、東京・京都・奈良・九州にある国立博物館4つを紹介していきます。

東洋文化を展示する東京国立博物館

東京国立博物館は、東京都台東区・上野公園内に本館があり、数多くの国宝や重要文化財が収められている博物館です。

日本に現存する中では最古の博物館で、展示館は本館に加えて東洋館・表慶館・平成館・法隆寺宝物館など6箇所、所蔵品の数も国内では最大規模になります。

法隆寺献納宝物、朝鮮半島を含むアジアの歴史的に価値のある遺物や美術などの常時展示のほか、特別展では法隆寺金堂壁画や、雪舟・北斎など日本美術の展示、三国志をテーマにした展示など、東洋文化を中心とした展示が行われているのも特徴です。

また、博物館内にはレストランや喫茶店4箇所あり、東洋館別館にあるホテルオークラレストランゆりの木では、和洋中に加えてデザートも楽しめます。

  • 博物館名:東京国立博物館
  • 住所:東京都台東区上野公園13-9 東京国立博物館
  • 電話番号:03-5777-8600
  • 営業時間:9:00~17:00(毎週金曜日、土曜日は21:00まで開館)
  • 休館日:月曜日、ただし月曜日が祝日の場合は営業して次の平日が休館
  • 公式HP

京都文化を展示する京都国立博物館

京都国立博物館は、京都市東山区・旧恭明宮跡にある、京都の文化財が中心に収められている博物館です。

明治時代に東京・奈良・京都に設置された帝国博物館が前身となっており、帝国京都博物館や、京都帝室博物館などの名称を経た後、1952年に京都国立博物館となった経緯を持っています。

展示館は、本館である明治古都館と、2014年に設立された平成知新館の二つです。

赤いレンガ造りの洋館が特徴的な明治古都館は、旧正門や塀も含めた建物が重要文化財に指定されており、この建物自体も明治の様相を思わせる展示物の一つになっています。

  • 博物館名:京都国立博物館
  • 住所:京都市東山区茶屋町527
  • 電話番号:075-525-2473
  • 営業時間:9:30~17:00
  • 休館日:月曜日、ただし月曜日が祝日の場合は営業し、火曜日が休館
  • 公式HP

仏教美術を展示する奈良国立博物館

奈良国立博物館は、奈良県にある奈良公園内に位置し、仏教系の文化財を中心に収められている博物館です。

1874年から1890年に例年開催されていた奈良博覧会が前身となっている博物館で、第1回奈良博覧会では、正倉院を代表に多くの寺社から価値のある器物など美術品が集めて展示品され、80日の開催期間中に17万人以上の人が来場したといわれています。

現在の奈良国立博物館では、国宝に指定されている十一面観音像を含む100体以上の仏像を中心に、秋に開催される特別展正倉院展など、仏教系の芸術品が数多く展示されています。

また、所在地である奈良公園内には、奈良国立博物館以外に東大寺や興福寺などもあり、歴史に触れるにはぴったりの場所です。

  • 博物館名:奈良国立博物館
  • 住所:奈良市登大路町50番地
  • 電話番号:050-5542-8600
  • 営業時間:9:30~17:00(金曜日及び土曜日は20:00閉館)
  • 休館日:月曜日、ただし月曜日が祝日の場合は営業して次の平日が休館
  • 公式HP

文化交流の歴史を展示する九州国立博物館

九州国立博物館は、福岡県太宰府市にある、文化交流の歴史を展示している博物館です。2005年にオープンした新しい博物館で、壁が一面ガラス張りとなっている近代的な構造の建物では、体験コーナーなども含むアジアの文化に触れられます。

文化交流展示室には、旧石器時代の品々から近世の収蔵品まで、三つの国宝を含む展示品が毎週入れ替えを行いながら展示されています。また、菅原道真を学問の神として祀る太宰府天満宮が、九州国立博物館の隣にあることも特徴の一つです。

  • 博物館名:九州国立博物館
  • 住所:福岡県太宰府市石坂4-7-2
  • 電話番号:092-918-2807
  • 営業時間:9:30~17:00(金曜日及び土曜日は20:00閉館)
  • 休館日:月曜日、ただし月曜日が祝日の場合は営業して次の平日が休館
  • 公式HP

少し変わったおすすめの博物館

ここからはアプローチを変えて、貨幣を展示している博物館や、地下鉄やカップヌードルなど、少し変わったユニークな展示品の博物館を紹介していきます。

日本銀行金融研究所貨幣博物館

日本銀行金融研究所貨幣博物館は、日本銀行本店前に建っている、日本銀行金融研究所2階にある博物館です。

内部は赤い絨毯が目を惹くクラシックな内装が特徴的で、日本で使われてきた富本銭や渡来銭、江戸時代に作られていた金貨である大判や小判など、数多くの貨幣が展示されています。

時代ごとの貨幣が収集されており、最初の貨幣として知られる貝や、国外の貨幣などの展示も行われています。

  • 博物館名:日本銀行金融研究所貨幣博物館
  • 住所:東京都中央区日本橋本石町1-3-1
  • 電話番号:03-3277-3037
  • 営業時間:9:30~16:30(最終入館は16時まで)
  • 休館日:月曜日(祝日の場合は開館)
  • 公式HP

地下鉄博物館

地下鉄博物館は、東京都江戸川区・東西線葛西駅の近くにある、地下鉄の博物館です。

日本の地下鉄の歴史について知ることができる場所になっており、当時走っていた車両に乗ったり、立体映像でトンネルの掘り方を体験しながら、日本の地下鉄の成り立ちに触れられます。

そうした展示に加えて、実際に走っている電車と同じ運転台で、運転やゆれを体験できシミュレーターや、東京の地下を再現したミニチュアの中を模型電車が走るメトロパノラマなど、利用者を楽しませる施設が多数用意されています。

  • 博物館名:地下鉄博物館
  • 住所:東京都江戸川区東葛西6-3-1 東京メトロ東西線葛西駅高架下
  • 電話番号:03-3878-5011
  • 営業時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
  • 休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は営業。次の平日が休館)
  • 公式HP

カップヌードルミュージアム

カップヌードルミュージアムは、大阪府池田市と横浜にある、カップヌードルやチキンラーメンに関する博物館です。中でも大阪池田はインスタントラーメン発祥の地といわれています。

チキンラーメンやカップヌードルの開発者である安藤百福氏の辿ってきた軌跡の展示や、世界のインスタントラーメンについての展示もさることながら、最大の特徴は体験型の施設にあります。

チキンラーメンファクトリーおよびマイカップヌードルファクトリーでは、自分の手でチキンラーメンとカップヌードルを作る工程が体験でき、でき上がったインスタントラーメンは実際に持ち帰って食べられます。

  • 博物館名:カップヌードルミュージアム
  • 住所:大阪府池田市満寿美町8-25
  • 電話番号:072-752-3484
  • 営業時間:9:30~16:30(入館は15:30まで)
  • 休館日:火曜日(祝日の場合は翌日に休館)
  • 公式HP

博物館で文化に触れてみよう

博物館の持っている意義など基礎的な内容から、国内の現存する博物館についてまで幅広い内容に触れてきました。

貴重なモノを集めて展示し、調査して伝えていく目的を持っている一方で、近年では併設ショップやカフェなども楽しむことができ、誰もが気軽に楽しめる場所になっています。

興味をかき立てられる博物館があったら、ぜひ足を運んでみてください。

その他のテーマ

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