緑茶に飲みすぎってあるの?1日の目安や正しい飲み方とは

2019.07.14

さまざまな栄養成分を含み、健康飲料としてのイメージの強い緑茶ですが、大量に飲みすぎると健康に影響を及ぼす可能性があります。体に影響を与える可能性がある成分や、飲みすぎないための目安について解説します。

緑茶の種類と成分

まずは緑茶の基礎知識として知っておきたい、緑茶の種類と成分について解説します。

緑茶の種類

緑茶は栽培方法や製造工程によって種類が細かく分けられます。

栽培方法では、茶畑に寒冷紗などを使って覆いをかけて遮光するかしないかで大きな違いが生まれます。

覆いをかけることによって茶葉に含まれるアミノ酸の一種テアニンが増え、渋みや苦味よりも甘みや旨味を強く感じるようになります。

遮光時間によっても種類が異なり、遮光期間が短い順に、かぶせ茶、玉露、碾茶(てんちゃ)です。碾茶は抹茶の原材料です。

一方、新芽から摘み取りまで覆いをかけずに太陽の光を浴びせて育てるのが、一般的に飲まれる煎茶になります。

摘み取る時期によって一番茶・二番茶・三番茶・四番茶と名称が異なり、一番茶は上等品として扱われ、三番茶・四番茶はブレンドして番茶として販売されることがほとんどです。

煎茶は発酵を抑えるために高温で蒸し、揉んで形を整えます。長時間蒸すと深蒸し煎茶、揉み作業を行わないとぐり茶となります。

主な成分

お茶に含まれる主な成分は以下のとおりです。

  • カテキン(タンニン)
  • カフェイン
  • テアニン
  • ビタミン類

カテキンとカフェインについては後述しますので、その他の成分について解説します。

テアニンはアミノ酸の一種で緑茶の旨味や甘みの成分です。テアニンにはリラックス効果があり、脳の緊張緩和や体の血行促進が期待できます。

茶葉に含まれるアミノ酸は日光に当たると渋み成分であるカテキンに変化するため、光を当てずに育てる玉露にはテアニンが豊富に含まれており、煎茶よりも旨味や甘味を強く感じるのが特徴です。

緑茶にはビタミン類も多く含まれており、特に煎茶のビタミンC含有量はレモン12個分にも相当します。

飲み過ぎに注意が必要な成分

緑茶にはさまざまな栄養素が含まれており、基本的には体に良いとされている緑茶ですが、過剰に摂取することで体に影響を与える恐れのある成分もあります。それらの成分について解説します。

カテキン

緑茶の渋み成分であるカテキンはポリフェノールの一種で、緑茶に最も多く含まれている成分です。抗酸化作用、抗菌・殺菌作用、虫歯・口臭予防、高血圧・肥満予防といった効果があるとされます。

カテキンを摂り過ぎても特に害になるようなことはありませんが、まれに便秘を引き起こしたりすることがあるようです。

また、カテキンは鉄分の吸収を妨げるため、貧血の人は飲み過ぎに注意した方が良いとも言われています。ただし、常識的な量を飲む分には問題がなく、重度の鉄欠乏症でなければそれほど気にする必要はなさそうです。

カフェイン

カフェインは緑茶の苦味成分です。疲労感や眠気を取り除いたり、集中力を高めたりする効果があります。また、代謝や胃液の分泌を促進する効果もあります。食後にお茶を一杯飲むのは理にかなっていると言えるでしょう。

カフェインは過剰に摂取すると中枢神経系が刺激され、めまいや心拍数の増加、興奮や不眠などの症状が出ることがあります。消化器官にも作用し、吐き気や下痢を引き起こすこともあるようです。

WHO(世界保健機関)の定めでは1日のカフェイン摂取量は300mgを限度とされています。煎茶には100mlあたり約20mgのカフェインが含まれているので、よほど過剰に飲みすぎなければカフェイン摂取過多となることはないでしょう。

シュウ酸

シュウ酸は尿路結石の原因となる物質です。緑茶や紅茶に多く含まれており、過剰に摂取することで尿路結石のリスクが高まります。

人は1日に2リットル以上の水分を摂取する必要があると言われていますが、この水分全てを緑茶で摂ることは避けた方が良いかもしれません。

もしお茶をたくさん飲むのであれば、シュウ酸の多い玉露ではなく、ほうじ茶や麦茶、番茶などを選ぶようにしましょう。

ちなみにシュウ酸はお茶以外にもほうれん草やたけのこ、チョコレートなどに多く含まれています。シュウ酸はカルシウムと一緒に摂ることで体外に排出されやすくなるので、合わせて摂ると良いでしょう。

緑茶を飲み過ぎるとどうなる?

体に良いからと緑茶をたくさん飲むことは推奨されていません。体質によっては良くない影響を及ぼす可能性があるからです。

特に貧血の人や妊娠中の女性には注意が必要です。具体的な症状と対処法について紹介します。

貧血などの症状がある場合

貧血は、血液中のヘモグロビンが減少することによって起こり、めまいや立ちくらみ、倦怠感、動悸・息切れなどの症状を引き起こすといわれます。

この貧血を巡っては、緑茶に含まれるカテキン(タンニン)が、鉄分と結合しやすいため、鉄分の吸収を阻害すると従来の研究では指摘されてきました。

前述の通り、常識的な量の緑茶を飲む分にはさほど問題は少ないといえます。また、最近の研究ではカテキンが貧血に与える影響はわずかであるとの報告もあり、詳細な因果関係については、今後の研究調査が待たれる状況となっています。

貧血が気になりつつも、どうしても緑茶を飲みたいときは、食後30分~1時間程度経ってから飲むことで、食事で摂った鉄分とタンニンが結合することを防ぐことができます。また、鉄瓶で沸かしたお湯を使うなどの工夫も有効でしょう。

妊娠中は特に注意が必要

妊娠中の女性はお茶に含まれるカフェインに気をつけたいところです。カフェインの過剰摂取は胎盤の材料となる血液を減少させる可能性があるとされます。カフェインは他の栄養素と一緒に胎盤を経由して胎児に届くことにも注意が必要です。

また、緑茶に含まれるタンニンが胎児の成長に影響する可能性もあるため、妊娠中は緑茶を飲む量を減らしたほうが良いかもしれません。

お茶が飲みたいと感じたときは、ノンカフェインのお茶やハーブティーなどをうまく活用すると良いでしょう。ただしハーブティーにはさまざまな効果があるので、飲む前に医師に相談した方が安心です。

緑茶の種類と成分量の目安

緑茶に含まれるさまざまな成分は、お茶の種類によって含有量が異なります。それぞれの成分の含有量について解説します。

緑茶の種類とカテキンの成分量

緑茶に含まれるカテキン量は種類によって異なります。具体的には以下の通りです(乾燥茶葉の場合)。

  • 煎茶:12%
  • 番茶:10%
  • 玉露:9%
  • ほうじ茶:2%

また、茶葉の成長によっても異なり、特に若い芽に多く含まれているため、一番茶は12~14%、二番茶は14~15%と、他の茶葉よりも多くのカテキンを含んでいます。

緑茶の種類とカフェインの成分量

カフェインもカテキンと同じくお茶の種類によって含有量が異なります。具体的には以下のとおりです(100mlあたり)。

  • 煎茶:20mg
  • 番茶:10mg
  • 玉露:160mg
  • ほうじ茶:20mg

100mlのコーヒーに含まれるカフェインは約60mgですから、緑茶のカフェイン量はそれほど多くないと言えるでしょう。

また、緑茶のカフェインはテアニンと結合して作用が緩やかになったり、お湯の温度が高いほどよく抽出される特徴があります。

玉露のカフェイン量が突出していますが、そもそも玉露は低温で入れるためカフェイン抽出量が少なく、また、多量に飲むものでもありませんのでそれほど神経質になる必要はないでしょう。

緑茶の種類とシュウ酸の成分量

お茶に含まれるシュウ酸の含有量は以下のとおりです(100gあたり)。

  • 玉露:1350mg
  • 煎茶:1000mg
  • 番茶:670mg
  • ほうじ茶:286mg

前述のとおり、尿路結石の原因となるシュウ酸ですが、水分やカルシウムを摂取することで体外に排出されやすくなります。バランスのよい食生活や生活習慣を心がけることが必要です。

適量を守って緑茶を味わおう

健康に良いと言われている緑茶ですが、過剰に摂取することで体に影響を与える可能性があるということを覚えておきましょう。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」のことわざどおり、何事もほどほどにしておくのが一番だと言えそうです。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME