アルコール度数で味が変わる?泡盛好きなら知っておきたい豆知識

2019.07.13

泡盛というと、どれも同じくらい度数の高いお酒で、 どれを飲んでも同じだと思っていませんか?実は泡盛にも、 度数に違いがあるのです。 度数について理解することで適切な飲酒ができ、 自分に合った泡盛を選択できるようになります。

お酒と度数の基礎知識

まずは、お酒と度数の基礎知識を学ぶところから始めてみましょう。二者の関係についてきちんと理解できていれば、お酒を選ぶときの参考にもなります。

度数とは

お酒のアルコール度数とは、『お酒に含まれるエタノールの体積の割合(パーセント濃度)』です。度数はお酒の製造方法や飲み方によっても変わってきます。

蒸留を経ない醸造酒のアルコール度数は低く、醸造酒に蒸留という工程を加える蒸留酒やリキュールは度数が高くなるのが一般的です。

主なお酒の種類と度数

よく目にする主なお酒と、その度数について解説します。原料を発酵させる醸造酒であるビールで5度程度、日本酒やワインで10~15度です。

リキュールはアルコール度数のばらつきが大きい傾向にあり、よく女性が頼むカシスオレンジなどに含まれるカシスの原酒は約20度あります。

カクテルにすると薄まり、5~8度ほどになります。ただ、ハーブ系リキュールなら40~60度と、非常にばらつきがあります。

蒸留酒であるウィスキーやジンやラム、ウォッカなどのスピリッツ、泡盛は30~40度と、同じお米が原材料である日本酒より高く、ハーブ系リキュールなどよりは低くなっています。

度数と酔いの関係

酔いの程度は、脳内のアルコール濃度によって決まります。度数によって、適量が変わってくるのです。

飲み会などで、途中で飲むお酒を変える「ちゃんぽん」が危険だと言われているのは、アルコール度数の違ったお酒を一気に入れることで、急激に許容量を超えやすく、泥酔しやすいからなのです。

1度の飲酒での適量は個人差もありますが純アルコール量20~25g程度とされます。例えばアルコール度数5%のビールなら500ml程度、今回紹介する泡盛をロックで薄めず飲むならば、グラス半分くらいの100ml程度が適量だと考えられています。

泡盛の平均度数や最高度数

アルコール度数の基本が理解できたところで、泡盛を飲む際に気にすべき平均度数や、その最高度数が何度あるのかを知っておきましょう。

60度のものも存在

泡盛のアルコール度数は、国の定めた酒税法で上限が45度と決まっています。居酒屋や酒屋で手にする泡盛のアルコール度数は30度、古酒であれば40度くらいが一般的です。マイルド泡盛と呼ばれるものなら、アルコール度数が25度以下のものもあります。

それに対し、与那国島で造られている『花酒』である「入波平酒造 舞富名」は、アルコール度数が60度以上あります。ただ、これは前述の酒税法の範囲外となるので、正確には泡盛を名乗ることができません。

度数が高くなる仕組み

では、どうしてこんなにもアルコール度数が高くなるのでしょうか。

蒸留は、熱で気化させたアルコールを冷やし液体にする工程です。その中で、より純度の高いアルコールが抽出されます。つまり、蒸留自体がアルコール度数を高めるための工程なのです。

逆に日本酒やビール、ワインなどの醸造酒が低い度数なのは、酵母がアルコールに弱いためです。

表記について

ここからは、『泡盛』という表記にまつわるあれこれを見ていきましょう。泡盛だと思って購入したけれど、実は違うものだったということがないように、しっかり知識として蓄えておきましょう。

琉球泡盛の表記

泡盛のラベルに『琉球泡盛』と表示されているものがあります。この表記があるものは、沖縄県で造られたものであるという証明がなされているのです。

どうしてこのような表記が必要なのでしょうか。その理由は、かつて沖縄県以外でも泡盛が造られていた歴史にさかのぼります。実は今でも法律的には、泡盛の製法を守っていれば沖縄以外の地域でも泡盛を作ること自体は可能なのです。

そのような事情が相まって、県外産泡盛と沖縄産泡盛との差別化のため、このような表示がされることになっているのです。

原料用アルコールの表記

アルコール分が45度を超えるものを『原料用アルコール』といいます。原料用アルコールの中には、連続的蒸留機により製造されたアルコールのほか、米を原料とした焼酎なども含まれています。

泡盛でもアルコール度数が45度を超えている『花酒(はなさき)』は『泡盛』とは表記されず、酒税法上、原料用アルコールと表示されています。

マイルドの表記

最近では、女性や泡盛を飲んだことがない層へ向けて、マイルドと銘打った泡盛の発売もブームとなっています。ラベルに『マイルド』と表示してある泡盛は、アルコール度が25度以下にする決まりになっています。

マイルド表記の名の通り、アルコール度数も低めです。割って飲めば、さらに飲みやすくなるでしょう。食中酒として楽しめるよう、ワイン、日本酒と同等の12~15度といったものもあります。

強い酒、きつい酒というイメージから泡盛を敬遠してしまう人は、マイルド表記のある泡盛から試してみてはいかがでしょうか。

古酒の表記

全量が泡盛を3年以上貯蔵したものに限って『古酒』の表記が許されています。古酒年数をしっかり表記した泡盛の場合、5年なら全量が5年以上、7年なら全量が7年以上というように、表示された年数以上熟成されていなくてはなりません。

ちなみに、古酒同士をブレンドした混和酒・ブレンド酒の場合、貯蔵した年数が若い泡盛の方の年数を表示しなくてはなりません。例え20年古酒が9割で3年古酒が1割であっても、表記上は『3年古酒』となるのです。

度数と味について

度数が高ければおいしいのか、それとも低ければ飲みやすいのか。そんな疑問が浮かんできますよね。それでは、泡盛において度数と味にはどのような関係性があるのかを見ていきましょう。

度数の高い低いと味の特徴

アルコール度数が高い泡盛・低い泡盛では、どのように味の違いがあるのでしょうか。

度数の高低と味わいは、実は大きく関わりがあります。通常、蔵元では、泡盛を44度で貯蔵します。香りや旨味の成分は44度で飲んだ時、最もおいしく出るように造られるわけです。

ここから度数を下げるため水を加えていくと、香りや旨味の成分の量が落ちてしまいます。そのため、アルコール度数が下がると味が薄くなったと感じるのです。

これは泡盛の高低だけではなく、居酒屋などで水割りを頼んだ時、水の量の多さによって味が変わるのと原理は変わりません。

『どちらが美味しいのか』という基準でいえば、好みもありますから、一概に判断するのは難しいでしょう。

低いアルコール度数では薄いと感じたり、しっかりお酒自体のコクやうまみを感じたいという人は、アルコール度数の高いものがおすすめです。味の濃さよりも飲みやすさを優先したい人は、低めの度数の泡盛のほうが美味しく頂けるでしょう。

主な酒造の銘柄と度数

最後に、泡盛を作っている主な酒造の銘柄と度数を紹介していきます。度数だけではなく、酒造ごとに味や香りに違いがあります。

今回はおすすめの泡盛を3本紹介していきますので、自分の好みに合わせて泡盛を選べるよう、今後の参考にしてください。

名門酒造の瑞泉酒造

首里城近くにある瑞泉酒造は120年以上の歴史があり、沖縄屈指の貯蔵量を誇る酒造所です。銘柄は質の高い古酒がメインで、古酒の年代だけではなく、度数のバラエティも豊かなのが特徴です。

口に含む時に広がる古酒独特のまろやかな味わいが絶品な『瑞泉おもろ甕貯蔵10年古酒』は、度数も高く43%です。同じ43%でも『瑞泉3年古酒』はカメ熟成ならではの芳香な香りと深いコクが特徴です。

泡盛ビギナーなら、12%の8年古酒『瑞泉migaki』がおすすめです。気品のある米の旨味から生み出されるピュアで雑味のない軽やかな甘さ、ふんわりとしたやさしい口当たりが魅力的な泡盛に仕上がっています。

度数は30%と平均ですが、大戦の戦火をまぬがれて脈々と生き続けた黒麹菌により、奇跡的に発酵に成功した唯一無二の泡盛である『御酒』は、泡盛好きなら一度は飲んでみたい銘酒です。

お土産にも人気の久米島の久米仙

初心者向けの飲みやすい製品もあれば、泡盛通をうならせる製品も取りそろえている豊富なラインナップが特徴の久米仙酒造は、もちろん度数もバリエーション豊かです。

度数43%とは思えないまろやかな味わいが特徴な『久米仙ブラック古酒』は、トロっと濃厚な味わいに泡盛通も満足の逸品です。ロックで飲むのが特におすすめで、豊かな余韻に浸ることができます。

また、お土産にするな透き通るような優しい色彩の琉球びーどろのガラスで作られた『びーどろガラス』もおすすめです。青と緑がありますので、好みに合わせて購入しましょう。もちろん味も、芳醇なうまさと爽やかな飲み口が楽しい一杯となっています。

残波で有名な比嘉酒造

「ザンクロ」の愛称で知られる『残波黒』は、沖縄の居酒屋では定番とも言えるひと瓶です。後述する残波白と比べると、芳醇な香りとコクのバランスがよく、厚みのあるどっしりとした味わいが特徴です。度数も30度と白より高めとなっています。

「ザンシロ」の愛称で広く親しまれる25度の『残波ホワイト』は軽い飲み口が好きな人におすすめです。フルーティーな香りと透明感のある爽快な飲み口が特徴なので女性でもトライしやすく、男女ともに高い人気を誇っています。

度数を理解して楽しく飲もう

銘柄ごとにさまざまな個性をもつ泡盛は、度数によっても味や風味が変わってきます。ただ度数が高いものを選べばおいしいというわけではなく、味わいや風味の違いを理解して選ぶことが大切です。

泡盛は、メーカーの伝統とこだわりが反映されているのも魅力のひとつです。度数を正しく理解したうえで、自分好みの泡盛をぜひ見つけてみてください。

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