天気の変化はなぜ起こる?仕組みや世界の気候の特徴を知ろう

2018.09.14

毎日天気予報のチェックを欠かさないという人は多いですが、天気がどのような仕組みで変化しているのか興味を持ったことはありますか?世界各地の気候は、様々な自然の影響を受けてそれぞれ特徴を持っています。知っておくと少し生活に役立つ、天気の基礎知識を紹介します。

天気の仕組み

台風、大雨、大雪など日本は自然災害が多い国です。自然と一緒に生きていかなければいけない私たちにとって、天気の正しい知識を持つことは大切なことです。

風はどこから吹くのか、雲はなぜあるのか、雨はどうやって降るのか、それぞれの基本的な事柄について解説していきます。

風の起こり方

空気は温度が上がると膨張し、温度が下がると収縮する性質があります。

空気が膨張すると空気の分子密度が低くなるので低気圧、空気が収縮すると空気の分子密度が高くなるので高気圧と呼び、空気は気圧の高い方から低い方に向かって流れます。この流れる空気が『風』です。

天気予報の中で、日本地図の上に書かれている線を『等圧線』と言い、気圧の差が大きい場所は、等圧線の間隔が狭くなり、気圧の差が小さい場所は等圧線の間隔が広く書かれています。

風は、気圧の差が大きい程強く、気圧の差が小さい程弱く吹くので、等圧線の間隔で風の強さが読み取れます。

また、地球が自転している影響で、地球上にある固体が動いていない状態でも、宇宙から見ると固体が移動しているように見えます。この見かけの力を『コリオリの力』と言い、風に対してもこの力が働いています。

雲の発生の仕方

海や地面の水が、太陽によって温められると水が蒸発して水蒸気になり、空気と一緒に上昇気流に運ばれて上空に飛ばされます。

空気中には約0.03%の水蒸気が含まれていますが、この一定量を超えた水蒸気は水滴として現れます。上空で冷やされたものは氷になり、小さなちりとくっついて、直径0.02〜0.08mmの粒となります。この粒がたくさん集まったものが『雲』です。

高度が高いところにある雲は多くの光が当たるので白い雲、高度が低いところにある雲は光があまり当たらないので暗い雲に見えます。

雨が降る仕組み

雲の中では、さらに小さな水滴や氷がくっつきあい、粒が大きくなります。大きくなった粒は、雲の中で重くなって浮かんでいられなくなり落下します。これが『雨粒』です。

雲は次の10種類に分けられ、高さ・形・雨を降らせるか否かによって、名前がつけられています。

  1. 巻雲(すじ状の雲)
  2. 巻積雲(うろこ状の雲)
  3. 巻層雲(薄い雲)
  4. 高積雲(羊雲)
  5. 高層雲(おぼろ雲)
  6. 乱層雲(雨雲)
  7. 積乱雲(入道雲・雷雲)
  8. 積雲(わた雲)
  9. 層積雲(うね雲)
  10. 層雲(霧雲)

『巻』は上層、『高』は中層にできる雲を差し、『積』は塊、『層』は横に広がった雲の形を表しています。そして、『乱』が付く雲は、雨を降らせる雲です。

天気に関連する基準

天気を観測する気象庁は予報用語を使って、各種予報や注意報、警報、気象情報などを発表しています。

では、天気予報で使う『晴れ、曇り、雨』などの定義はどのように決めているのでしょうか?

天気に関する定義と、夏日と冬日に関する定義に付いて説明します。

天気の定義

気温や湿度、降水量などは、日本各地にある観測機によって知ることができますが、天気については気象庁の予報官が全天を見渡して、空の何割が雲に覆われているかを目視して判断をしています。

雲の量が0〜1割の場合は『快晴』、2〜8割の場合は『晴れ』、9〜10割の場合は『曇り』、そして降水があった場合は『雨』です。

晴れの幅は広く、8割も雲が空を覆っていても、予報では『晴れ』として扱われます。一方で、1mmでも雨が降ると、予報では『雨』になり、降水確率が発表されます。

ちなみに、降水確率は10%刻みで四捨五入されるので、10%未満は降水確率0%として発表されています。また、小雨でも強烈な集中豪雨でも、同じ降雨として観測されるので、降水確率だけで傘の有無を判断しない方が良いかもしれません。

夏日や冬日

夏日は、その日の最高気温によって次のように決められています。

  • 猛暑日:最高気温が35℃以上の日
  • 真夏日:最高気温が30℃以上の日
  • 夏日:最高気温が25℃以上の日
  • 熱帯夜:夜間の最低気温が25℃以上の日

真冬日はその日の最高気温、冬日はその日の最低気温によって次のように決められています。

  • 真冬日:最高気温が0℃未満の日
  • 冬日:最低気温が0℃未満の日

天気予報の仕組み

天気予報は必ず当たる訳ではありませんが、毎日多くの人が利用していますよね。

では、天気予報はどのように予測されているのでしょうか?また、なぜ的中率が100%ではないのでしょうか?

数値予報とは

気象庁では、予報する目的に応じて様々な数値予報モデルを利用して、天気予報を発表しています。

『数値予報』とは、物理学の方程式に使って、現在の大気の観測を基に、将来の大気の状態をスーパーコンピューターで計算・予測する、天気予報の根本となる方法です。

コンピュータを用いた数値予報の実験は、1920年頃にイギリスで始まり、日本では59年から気象庁で行われるようになりました。

観測データの収集は、大気を含む地球一体を、規則正しく並んだ細かい格子で覆い、その各格子点で気圧や気温、風の数値を記録され、数値予報の計算に使われます。

観測の方法

地上では、アメダス、気象衛星、気象レーダー、高層気象観測網などの観測方法が用いられています。

全国には、『アメダス』という『地域気象観測システム』が840カ所にあります。さらに、降水量だけを観測するものも含めると、実にその数は1300カ所にものぼります。

アメダスには、風向風速計や、日照計、温度計、雨量計などが設置されていて、風向や気温、降水量などの観測を自動的に行っています。

『気象衛星ひまわり』は、赤道上空約36000km上空から、日本付近の雲や風の状況、海面の水温などを観測しています。

『気象レーダー』は、電波を使って雨や雪の振り方を観測しています。

『高層の気象観測』は、観測機を気球に取り付けて、地上約30kmの高さから気圧や湿度、風向風速を観測したり、地上から約7〜9kmの高さまで電波を発射し、上空の風を観測したりする方法です。

カオスとは

これだけ多くのデータが集まり、最新のスーパーコンピューターを利用しても、『カオス』という数学的な現象により、予報が外れてしまう可能性があります。

現在ある天気予報システムは、実際に収集したデータを初期値として入力し、未来の天気を予想しています。

もし、この天気予報システムが正解率100%の計算をする完璧なものだとしても、人間が観測したデータには必ず誤差があるため、初期値が正確ではありません。

『天気予報』のモデルでは、初期値が微妙に変化しただけで、全く違った結果を生み出す性質のある『初期値敏感性』という部類のカオスに分類されており、結果として天気予報が外れるということになってしまうのです。

しかしながら、数値予報の精度は年々向上しています。今後も数学や物理、コンピュータ技術の進歩によって、より正確さを高めていくでしょう。

日本の主な地域別天気の特徴

世界の国々の中には、1年を通して暑い国もあれば、夏でもコートがいる寒さの国もあります。また、1年を通して雨が降る国がある一方で、砂漠のように滅多に雨が降らない国も存在します。

南北に長い日本列島は、冬の寒さが厳しい北海道は『亜寒帯』、冬でも暖かい沖縄は『亜熱帯』に属していますが、その他のほとんどの地域は1年を通して温暖な『温帯気候』に属しています。

このように、日本国内でも季節風や海流の影響で、地域によってそれぞれ天気に特徴があります。各地方の特徴を詳しくみていきましょう。

東京など関東甲信地方

関東甲信地方は、日本で最も大きい平野部と最も高い山があることから、『海岸気候』『内陸気候』『山岳気候』の3種類の特性があります。

沿岸に近い地域では、海洋の影響を大きく受けます。海水は温まりにくく冷めにくいため気温の変化も小さいですが、風が強く、湿度が高くなるのが特徴です。

内陸部では海洋の影響を受けにくいため、気温の変化が大きく、空気は乾燥しがちです。山岳地帯では、地表の温度が比較的涼しめで、山谷風が吹くこともあります。

春季は日本海で低気圧が急速に発達し、強い南風が吹きます。6〜7月中旬にかけて梅雨前線の影響で雨が続き、梅雨が開けた8月頃の気温が最も高くなることが多いでしょう。

9〜10月にかけては、秋雨前線の影響により雨や台風が多くなります。冬季は日本海から流れ込む雪雲の影響で、山岳部や山間部では雪が多くなりますが、平野部では晴れの日が続きます。

愛知など東海地方

東海地方は、太平洋側の海岸平野と北側の山岳地帯や盆地で構成されています。太平洋側では黒潮の影響で温暖な気候が続きますが、内陸では冬場を中心に寒冷な気候なのが特徴です。

3〜5月にかけて、低気圧と高気圧が交互に通過するため、周期的に天気の変化が見られ、次第に晴れの日が多くなります。6〜8月は、梅雨前線の影響で前半は雨が続きますが、後半は太平洋高気圧が発達して晴れの日が多くなります。

9〜11月は春季と同じく低気圧と高気圧の影響で、天気の変化が多くなりがちです。冬季には冬型の気圧配置により、太平洋側では晴れ、山間部では曇りや雨または雪の日が多くなります。

大阪など近畿地方

近畿地方は、日本海、瀬戸内海、太平洋に接しています。また、北南東にはそれぞれ山地や高地、山脈があり、山に囲まれた地形です。

春季には、低気圧と高気圧が交互に通過し、周期的に天気の変化が見られます。春先には、晴れて風のない夜などに、地表付近の熱が放出されて気温が下がることで晩霜になる『放射冷却現象』が起きることがあります。

また、日本海側では急速な低気圧の発達により春の嵐が起きやすく、急な雨や突風に注意が必要です。

6〜7月中旬は梅雨前線や南からの湿った空気により雨が続き、7月後半頃には太平洋高気圧が梅雨前線を北に押し上げ梅雨が明けます。

秋季は春と同様に、周期的に天気が変化します。冬季はシベリアから日本へ寒気が流れ込み、風上の日本海側では雪や雨、風下の太平洋側では晴れが続く日が多いでしょう。

アメリカの天気の特徴

広大な国土を持つアメリカでは、地域によってどのような天気の特徴が見られるのでしょうか?

アメリカの各都市の気候について見ていきましょう。

ニューヨークやボストンなど中西部から東部

東海岸中部に位置するニューヨークやボストンは寒暖の差が激しく、夏場は30℃近く気温が上がりますが、冬場の最低気温は氷点下になります。

中西部では、内陸に行くほど乾燥していて、4〜6月にかけて雷雨や竜巻が発生しやすい地域もあります。

ロサンゼルスやサンフランシスコなど西海岸南部

太平洋側の西海岸では、1年を通して大雨になることがほとんどなく、比較的暖かい気候が続きます。

ただし、大気が乾燥しているため、気温が日差しの影響を受けやすく、昼と夜の温度差が激しいのが特徴です。

シカゴやミネアポリスなど五大湖から北東部

北海道とほぼ同じ経度に位置するシカゴや五大湖付近は、冬の寒さが厳しく、降雪量も多いのが特徴です。

春と秋の期間は短く、夏は湿度が低く過ごしやすいですが、冬場はミシガン湖から吹く強い風を受けて気温が氷点下20℃近くまで下がります。

ハワイ

常夏の島ハワイの気候は、雨が少なく、1年を通して常に東から西に貿易風が吹いているため、24〜30℃と安定した気温が続きます。

気候の変化が少ないハワイには春と秋がなく、雨の少ない5〜10月が夏にあたり、比較的雨が多い11〜4月が冬にあたります。

ヨーロッパの天気の特徴

ヨーロッパ大陸は、地域によって差はありますが、北太平洋の亜熱帯循環により発生する『メキシコ湾流』と呼ばれる暖流によって、全体的に温暖な気候が特徴です。

しかし、ヨーロッパは温帯の中でも、それぞれ特徴を持つ西岸海洋性気候と地中海性気候に区分される地域があるので、それぞれの違いを見ていきましょう。

西岸海洋性気候に区分されるイギリス周辺

イギリス周辺は『西岸海洋性気候』に区分され、北大西洋海流の暖流と偏西風の影響で、暖かい日が続きますが、雨が多いのが特徴です。

日中は日が照っていても、夕方急に土砂降りの雨になったり、夏でもジャケットが必要になったりして、『1日の中で四季がある』と言われています。

地中海性気候に区分されるイタリア周辺

イタリア周辺は『地中海性気候』に区分され、夏にはサハラから北上してくる高気圧の影響で気温の高い日が続き、冬には暖流と偏西風の影響で雨の日が多くなります。

ローマの気温は年間を通して東京とほぼ同じで四季も春夏秋冬がはっきりしています。しかし湿度は低く、夏場は日中でも日陰は涼しく、夜は肌寒く感じます。

その他の地域の天気の特徴

その他、東南アジアやアフリカ、南アメリカの天気についても、特徴を見ていきましょう。

雨季と乾季のある東南アジア

東南アジアの地域は、ほとんど地域が熱帯気候に属していて、赤道直下のインドネシアやシンガポールは、四季がなく1年中常夏です。赤道付近では、太陽が地表を温め続けることによって上昇気流が発生するため、年間降水量が多くなります。

また、東南アジアの気候の特徴として、『モンスーン』という季節風が吹くことが挙げられるでしょう。5〜10月頃は南西からの季節風により雨季となり、11〜4月頃は北東からの季節風により乾期となります。

熱帯と砂漠気候のアフリカ

アフリカの中心部も赤道直下にあたるため熱帯気候で、年間を通してよく雨が降ります。地域によって海抜高度が高いところは温帯気候に属しています。

赤道から離れるにつれ乾燥帯気候となり、常に乾燥した高気圧が居座るため、1年を通して雨が少なくなります。そのため樹木がほとんど育たず、一体が砂漠気候に支配され、大陸の1/3はサハラ砂漠です。

季節が日本と逆の南アメリカ

大陸のほとんどが南半球にある南アメリカは、季節が日本と逆で、12月下旬頃から夏になり、6月下旬頃から冬になります。

赤道付近の北部では熱帯気候で、気温が高く、雨も多いですが、南に行くにつれて気温は下がり、雨が少なくなります。

地域から地球規模まで天気はつながっている

気象予報士や最新技術のおかげで、私たちは毎日の天気予報を確認することができます。

衛生画像、構想観測、地上観測など、世界各国のデータが収集・交換され、また地球一体と大気を包んだ格子ごとに観測されている気象情報が、それぞれの地域の天気予報に役立てられています。

もし、天気予報が全くなければ、豪雨や台風の発生などを事前に知ることもできず、人命に関わる事態になる可能性もあります。

自然災害が多い日本にとって、天気予報は特に生活に欠かせない情報です。天気の仕組みについて理解を深め、日々の予報を意識すると万一の時に役立つかもしれません。

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