お化け屋敷のストーリーとは?大人も楽しめる新感覚お化け屋敷

2018.09.13

最近では様々なタイプのお化け屋敷があり、見世物などのからくりを楽しむだけではなく、ストーリー性があるものやメディアとコラボしたものなど、進化を遂げています。大人でもたっぷりと恐怖の世界を楽しめる、おすすめのお化け屋敷を紹介します。

近年のお化け屋敷のトレンド

『お化け屋敷』というと、白塗りのお化けが横からワッと脅かしてきたり、恐怖を煽るような音楽が流れてきたり…といった仕掛けをイメージする方も多いのではないでしょうか?

以前はこうしたものが主流でしたが、近年ではお化け屋敷も多様化しており、異なるトレンドも存在しています。最新のお化け屋敷を理解するためにも、まずはお化け屋敷の歴史と変遷からみてみましょう。

お化け屋敷の歴史と進化

日本で初めてお化け屋敷ができたのは1830年、江戸時代です。大森(現在の東京都大田区大森)に住んでいた医師、瓢仙が自宅の庭に作った『大森の化け物茶屋』が起源だと言われています。

その後、大正時代に入ると、博覧会の延長のような形で、日本全国でお化け屋敷が特設されるようになりました。

デパートの催し物として期間限定で開催されたり、お祭りの会場に臨時で作られたりし、その後に遊園地のアトラクションとしても親しまれるようになりました。

ウォークスルー型が主流

時代の流れとともに、お化け屋敷のスタイルは徐々に移り変わっていきました。現在のスタイルは施設内の決められた通路を歩いて回る『ウォークスルー型』が主流です。

ウォークスルー型をベースにして、音響や光、映像や人形、実際の人間が演じるお化けや妖怪、ゾンビ、からくり的な仕掛けなどがなされます。

様々なメディアとコラボ

元々は見世物的な要素が強かったお化け屋敷ですが、現代では様々なメディアとのコラボによって、よりリアルで刺激の強い恐怖に包まれるお化け屋敷が登場しています。

2007年には富士急ハイランドにある『戦慄迷宮』というお化け屋敷が、人気サバイバルホラーゲーム『バイオハザード』とコラボしました。襲い来るゾンビを倒すというゲーム性もあり、世界最恐とも評されました。

また、11年には映画『パラノーマル・アクティビティ』が東京ドームシティとコラボしたアトラクションが作られました。入場者は、設置してあるカメラによって監視されながら、次々に起こる恐怖の超常現象を体験するというものです。

お化け屋敷プロデューサー五味弘文氏の世界

江戸時代からお化け屋敷がある日本ですが、現在では『お化け屋敷プロデューサー』なる職業も存在しています。

その第1人者ともいえるのが五味弘文氏です。斬新なアイディアをお化け屋敷に盛り込み、今までのものとは異なる面白さを開拓しました。そんな五味弘文氏の仕事や手がけた作品について解説します。

お化け屋敷プロデューサーの仕事とは

お化け屋敷プロデューサーの仕事とは、お化け屋敷がどうしたらより怖く、さらに面白くなるかを考え、企画・演出を行うことです。

この職業はもとは存在していませんでしたが、五味弘文氏がその新たな分野を研究し、現在では株式会社オフィスバーンの代表取締役として全国のお化け屋敷を盛り上げています。

後楽園ゆうえんち(現:東京ドームシティアトラクションズ)でのお化け屋敷イベントの企画・演出を手掛けたことをきっかけに、お化け屋敷プロデューサーとしての仕事が始まりました。

『機械仕掛けのお化け』が出てくるだけのお化け屋敷ではなく、『生身の人間が演じるお化け』によるリアルな怖さや悲しさの表現も、五味弘之氏による企画・演出の特徴です。

ストーリー重視タイプのお化け屋敷の立役者

以前は、さまざまな音やオブジェ、敷地内の仕掛けなどを使い、お化け屋敷に入った人を『驚かせる』手法が主でした。

しかし、五味氏はお化け屋敷そのものにストーリー性を持たせた、新たなタイプのお化け屋敷を生み出します。

まるでストーリーの主人公になったような感覚で、物語に沿ってミッションを達成するタイプのお化け屋敷は画期的で、大ヒットとなりました。

五味氏が手掛けたお化け屋敷のストーリー

お化け屋敷にストーリー性を与え、それに付随した巧みな演出を施し、お化け屋敷を訪れる人に重要なミッションを与えます。

五味氏によると「自分よりも怖がりな人と入るのがおすすめ」というお化け屋敷ですが、そのストーリーを簡単に紹介します。

伝説の革命的お化け屋敷 赤ん坊地獄

1996年、赤ちゃんを守りながら進むという革新的なアイディアで大ヒットとなった『パノラマ怪奇館’96~赤ん坊地獄』は、お化け屋敷業界を震撼させました。

幽霊と人間の子どもとして生まれた唱子は、人間界で平和に暮らしていました。そして結婚し、子宝にも恵まれます。ある日、唱子は生んだ赤ん坊に子守唄を歌いますが、それは歌ってはならない禁断の唄だったのです。

赤ん坊は、子守歌のせいで霊界に引き戻されてしまいました。大切な我が子と離れ離れになり、唱子は苦しみます。霊界に足を踏み入れたら帰ってはこれないと言われていますが、どうにかして赤ん坊を取り返さなければなりません。

赤ん坊を抱いて守りながら、襲い来る霊たちに負けずに唱子のもとまで届けてあげる、というミッションを遂行するストーリーです。

裸足で歩む恐怖 足刈りの家

10年東京ドームシティの夏季限定お化け屋敷として作られた『足刈りの家』も、大ヒットとなりました。

ある家に嫁いだ女性は、帰ってこない夫、厳しい義母のいる環境で子どもも無く、辛い結婚生活を送っていました。

彼女の唯一の楽しみは、昔付き合った男性にもらった赤い靴を内緒でこっそり履いてみることです。しかし、ある日それを夫に見られてしまい、彼の逆鱗に触れた女性は足を鎌で切り落とされてしまいます。

その後、女性は精神を病み、足の傷も治らぬまま亡くなります。ですがその強い怨念はその家に残ったまま…。「出たい、出たい…。足をちょうだい…」どこからか女性の悲痛な霊の声が聞こえます。

靴を脱いで入ることが、唯一のミッションです。あなたの素足を狙って襲い掛かる女性の霊に耐えられるでしょうか。

怨霊の薬指に指輪をはめる 呪い指輪の家

『呪い指輪の家』は15年のお化け屋敷です。

子どものころからピアノが上手だった鮎子は、母親が亡くなるとき「いつもお母さんが守っていてあげる」と左手薬指に指輪をはめられました。鮎子は成人し、木崎という男性と結婚することになります。

結婚指輪を付けるため、彼は鮎子の指輪を外そうとしますが、まったく外れません。木崎は怒り、鮎子の薬指を折って母親からの指輪は外れますが、腫れた指に結婚指輪はハマらず…。

それでもピアノを弾く日々を送る鮎子に、自分への当てつけだと木崎は鮎子の指をピアノの蓋で思い切り叩きつけ折ってしまいます。鮎子は亡くなり木崎も鮎子に呪い殺されます。

その怨念は強く、まだ家の中を彷徨っています。彼女の折れた指に、あなたの心を宿した指輪をはめてミッションは完了です。

昼と夜で恐怖度に変化が 超怨霊座敷

東京ドームシティにて18年7月14日~9月24日まで開催されるのが『超怨霊座敷』です。昼の部のノーマルバージョンと、夜の部のハードバージョンに分かれており、ハードバージョンは恐怖演出が倍となっています。

夜雨子の付き合っていたのは、蛾の収集が趣味の男でした。いつしか他の女性を標本室に連れ込むようになります。

とある停電の夜、標本室で誤って蛾を踏んでしまった夜雨子の足の裏を、男は「この足が悪い!」と熱いアイロンで焼いてしまいます。男は浮気をしていて夜雨子が邪魔だったのです。

足は壊死し、やがて亡くなった夜雨子の怨念が屋敷の中に棲みつきます。ミッションは、怨念が強く宿った夜雨子の足首を、清めの縄で縛ってくるというものです。あなたの力でどうか哀しみの怨念を鎮めてください。

五味氏の著書と映像作品

五味弘之氏は、お化け屋敷プロデューサーとしての活動のほか、ホラー小説の執筆やお化け屋敷プロデュースについての著書、メディアとコラボした作品など幅広く発表しています。代表的なものを見ていきましょう。

単行本でお化け屋敷の真髄を覗いてみよう

著書『お化け屋敷になぜ人は並ぶのか』は、恐怖ビジネスによって集客できる理由などについてまとめたビジネス書です。

怖いとわかっているお化け屋敷に、お金を払って、さらに並んででも入ってしまう、人間の心理についてもふれています。

『怖いもの見たさ』という言葉がありますが、怖いとわかっていても気になってしまうのが人間の心理です。

お化け屋敷という一見ビジネスとは関係のないように思える世界でも、企画や発想、顧客の心を動かす方法を学べるかもしれません。

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家と病院が舞台、恐怖のメディアミックス

ホラープロジェクト2013『黒い歯』は、黒い歯に憑依された別々の人間のストーリーをドラマ・お化け屋敷・小説のコラボによって展開した企画です。

ドラマ『悪霊病棟』は、TBS系列で13年7~9月まで深夜に放送されました。夏帆さん演じる霊感のあるナースは、病院の旧病棟で謎の存在に出会い、恐怖の怪奇現象に次々と襲われます。

『呪い歯』シリーズは、大阪・名古屋・東京で開催されたお化け屋敷です。密八号から密十号までのお化け屋敷があり、それぞれストーリー内容が異なります。ミッションはどれも恐ろしく『口の中』に関するものです。

五味氏の小説『憑き歯』は郷土資料館に赴任した笹川が、子どもの歯が埋め込まれた人形と謎の紙片を見つけたことから始まります。毎年出る『祟られ者』には黒い歯が生え始め…。細かな心理描写が絶妙で、ジワジワと怖さの増す作品です。

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進化を続けるお化け屋敷をとことん楽しもう

五味弘之氏の登場で、お化け屋敷界はさらに盛り上がりを見せています。生身の人間の怖がるツボをしっかりととらえた作品ばかりです。

怖いだけでは終わらせない、感情を揺さぶる企画・演出はとても新鮮に感じられることでしょう。大人だからこそ、一度体験すると、なぜかまた行ってみたくなる不思議なお化け屋敷の世界を楽しみましょう。

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