ピアノの詩人と呼ばれた『ショパン』の代表作。華麗なる旋律を堪能しよう

2019.07.07

ピアノの詩人といわれたフレデリック・ショパン(1810年~1849年)は、ポーランドのロマン派音楽を代表する作曲家。作品のほとんがピアノ曲でピアニストにとって重要なレパートリーです。美しく叙情的なショパンの代表作品を詳しくご紹介いたします。

ショパンの舞曲

ワルシャワ近郊のジェラゾヴァ・ヴォラという美しい田舎に生まれたショパン。マズルカとポロネーズはショパンの祖国であるポーランド起源の舞曲です。

マズルカ

ポーランドの民族舞踊。付点のリズムと3連符、2拍目や3拍目にアクセントがくるという特徴があります。全58曲から成ります。

第5番Op7-1 イ長調

ウキウキとするような軽快で明るい曲調のマズルカです。マズルカの中で一番有名な作品です。

第38番Op.59-3 嬰ヘ短調

ショパンのマズルカの代表作でマズルカの傑作の一つです。ドラマティックでピアニスティックな作品です。

ポロネーズ

「ポーランド風」の意味するフランス語です。3拍子のポーランドの民族的舞踊で、結婚式や祭典などに歌ったり踊ったりします。

第6番「英雄ポロネーズ」Op.53 イ長調

TV番組やアニメなどでも取り上げられることが多いので大変知名度があり、カッコイイので人気が高い曲です。中間部の左手のオクターブの連続が手の小さい人には難儀な曲です。

第3番「軍隊ポロネーズ」Op.40-1 イ長調

「英雄ポロネーズ」ほど技術的に難しくないので、ピアノ発表会の定番です。力強く堂々としているのでステージ映えします。

ワルツ

ショパンの作品を最初に弾くのはワルツではないでしょうか。全17曲から成ります。ワルツは当時流行っていたウィンナワルツとは違い、踊るために書かれたワルツではありません。全19曲から成ります。

小犬のワルツOp.64-1 変ニ長調

最も親しまれている作品です。恋人ジョルジュ・サンドが飼っていた犬が自分の尻尾を追いかけてクルクルと廻っている様子が見事に書かれています。「1分間のワルツ」といわれていますが、実際に1分で弾くのは難しいです。

華麗なる大円舞曲Op.18 変ホ長調

ワルツ第1番。その名の通り華麗なるワルツで演奏効果が高い作品です。「トムとジェリー」にも登場したクラシックとしても有名です。

高い演奏技巧を要する作品

リストの曲には「超絶技巧」という言葉が当てはまる派手さがあり、ショパンの作品は緻密に弾かなければ破綻してしまう難しさがあります。

バラード

「バラード」は物語という意味のフランス語です。ポーランドの詩人アダム・ミツキェヴィッチの詩にインスプレーションを得て書かれたといわれています。

第1番 Op.23 ト短調

4曲から成るバラードの中でも抜群に人気が高い作品です。圧巻のコーダは火のように激しい演奏が求められます。羽生選手のショートの演技で聴いた人は多いのではないでしょうか。原曲は10分近くかかる大曲です。

スケルツォ

「スケルツォ」とは冗談という意味ですが、ショパンの「スケルツォ」は深刻で冗談からかけ離れているといわれています。

第2番 Op.31 変ロ短調

4曲から成る「スケルツォ」の中で一番有名で人気が高い作品です。冒頭の3連符がとても印象的で重々しい感じから一気に躍動的に華やかなに展開するのが素晴しく、演奏効果がとても高い作品です。

舟歌 Op.60 嬰ヘ長調

ヴェネチアのゴンドラを漕いでいる様子が書かれています。優雅で哀愁に満ちたショパンならではの作品。最高傑作の一つです。8分の12拍子(4拍子系)を用いて書かれました。複雑な和声が用いられバラート4番と共に難しい作品です。

エチュード

「エチュード」とは練習曲のことですが、ショパンのエチュードは単なる指の練習ではなく芸術性の高い作品です。作品10を初見で弾けなかったリストは特訓のために姿を消し、見事に演奏してショパンを驚かせました。

別れの曲 Op.10-3 ホ長調

ショパンは曲にタイトルを付けることを好まなかったので、ほとんどの曲はショパンが付けたタイトルではありません。「別れの曲」というタイトル名が成り立っているのは実は日本だけなのです。

ショパンはリストに「これほど美しい旋律を今まで書いたことがない」といったそうです。作品10-3はショパンの自信作といえます。

革命 Op.10-12 ハ短調

ポーランドの首都ワルシャワがロシアの支配下に置かれ、人々は自分たちの国を取り戻すために革命を起こしましたが失敗に終わりました。それを知ったショパンは激しい怒りを込めてピアノを弾いたといわれています。「革名」というタイトルはリストが付けました。

ピアノ協奏曲

ショパンのピアノ協奏曲は2曲あり、実は2番の方が先に書かれました。5年おきにワルシャワで行われるショパン国際ピアノコンクールでは圧倒的に1番を選ぶ人が多いです。

第1番 Op.11 ホ短調

ピアノが登場するまでの序奏が長い分、待ってましたとばかりに登場するピアノが堂々として素敵です。都はるみさんの「北の宿から」にとても似ていると話題です。哀愁の漂う美しい旋律がショパンらしい作品です。

ショパンの人気曲

ショパンの作品の中で有名であり、人気の高い作品をご紹介します。

ノクターン

ノクターンとは「夜想曲」という意味で、アイルランドの作曲家ジョン・フィールドが創始者です。

第2番Op.9-2 変ホ長調

あまりにも有名なこの曲は、日本ではすっかりポピュラーな作品です。技術的にも比較的容易なので学習者にも人気があります。

第20番 遺作 嬰ハ短調

「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」(遅く表情豊かに)ともよばれています。「戦場のピアニスト」でも有名になった作品です。

プレリュード

プレリュードとは「前奏曲」という意味です。全24曲から成り、ピアノリサイタルでは24曲演奏されることが多いです。

第15番「雨だれ」Op.24-15 変ニ長調

スペインのマジョルカ島で静養したいたショパンですが、長く降り続く雨の多い時期に滞在していた修道院の部屋で聞いた雨の音を書いたといわれています。美しい名曲として知られています。

アンプロンプチュ

アンプロンプチュとは「即興曲」という意味で4曲から成ります。ピアノの演奏会で全曲演奏されることは少ないですが、1番&4番はよく演奏されます。

第4番「幻想即興曲」 Op.66 嬰ハ短調

ショパンは生前この曲を出版しませんでした。理由はベートーヴェンの「月光」の第3楽章に似ているからなどいわれていますが、定かではありません。弟子のフォンタナによって日の目を見ることになった名曲です。

ショパンの心臓はポーランドに

祖国ポーランドを愛していたショパンは39歳という若さで亡くなり、2度と祖国に帰ることができませんでした。ショパンは姉のルドヴィカにポーランドへ帰して欲しいと遺言を残し、現在はワルシャワの「聖十字架協会」に安置されています。

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