動物園が果たす役割とは?理解してから有名な動物園に行ってみよう

2018.09.11

全国各地には大小さまざまな動物園がありますが、その存在意義は意外と知られていないものです。動物園の魅力や役割とともに、国内外にある一度は訪れたい人気の動物園を紹介します。子どもだけでなく大人にもおすすめです。

動物園とは

動物園は、主に陸上動物を飼育し、一般人に公開する施設と定義づけられています。

さまざまな形態があり、サファリパークや牧場のような開放的な場所もあれば、移動動物園や特定の動物を集めた地域の小さな動物園も含まれます。

動物園はなぜ人々にとって必要なのか、その役割や意義についてみていきましょう。

本物を間近で見られる点が魅力の施設

動物園の一番の魅力は『本物を間近で観察できる』ことです。

絵本の中の動物には、動きも匂いも声もありません。動物園で実際に動く動物を目にした子どもたちは、その迫力や可愛らしさに興奮し、感動します。視覚だけでなく、触覚、嗅覚、聴覚など五感がフルに刺激されるといえるでしょう。

生きている動物は、毎日違った表情や行動を私たちに見せてくれます。じっくりと観察することで、さまざまな驚きや発見があるかもしれません。

また、動物の暮らしぶりや現状を知ることは、地球全体の生態系、環境に思いを馳せることに繋がります。

動物園の存在意義や役割

動物園は、どのような目的や役割で存在しているのでしょうか?公益社団法人日本動物園水族館協会によれば、動物園は以下の4つの目的をもっています。

  • 種の保存・環境保護
  • 教育
  • 調査・研究
  • レクリエーション

野生の動物は年々減少傾向にあり、絶滅危惧種に指定される動物が増加しているのはご存じでしょう。『種の保護』とは、こういった動物を保護し、繁殖活動を助ける役目のことを指します。

同時に動物たちが快適に暮らし、飼育環境下でも繁殖ができるように、研究者による研究・調査が行われています。

また、子どもから高齢者まで、動物を見て笑顔になったり、新しい発見があったりする動物園は、レクリエーションや教育の観点からも最高の場ということができるでしょう。

動物園の動物は減っていく?

動物園の将来は楽観的なものではありません。動物園の数は全国的に減少傾向にあり、存続の危機にある園も少なくないのです。

動物園に搬入できる野生動物の種数及び数が減っていること、国際的な飼育基準に合った環境整備を整えるのが難しいことなどが理由です。

たとえば、日本ではゾウは輸入のみに頼り、国内での繁殖活動を行っていません。ゾウは個体数が減少し価格が高騰しているため、現存のゾウが亡くなった後、地方の動物園が新たなゾウを迎えられる可能性は高くはありません。

このように、動物の飼育数が減少した園は閉鎖せざるを得ないのです。私たちにとって現在の動物園は「動物にとって何ができるか」を考える場ともいえますね。

パンダが見られる東京 恩賜上野動物園

東京の『上野動物園』は、パンダが見られる動物園として人気を博しています。それ以外にもたくさんの魅力があり、連日大勢の人で賑わいます。

自然や景観を維持する都市型動物園

東京にある上野動物園は、明治15年に開園した、日本で最も歴史のある動物園です。都心にありながら自然のままの景観を維持し、約350種2500点の動物を飼育しています。

上野公園の丘陵地に位置する『東園』と不忍池北側の『西園』に分かれており、それぞれの生態系にあった飼育・展示がなされています。

上野動物園のパンダは3頭

日本にはたくさんの動物園がありますが、パンダがいる園は非常に少ないため、上野動物園にはパンダを見ることを目的にして、遠方からも多くの観光客が多く訪れます。

上野動物園で飼育されているパンダは3頭で、シャンシャン(メス)、リーリー(オス)、シンシン(メス)です。

シャンシャンは上野動物園初の自然交配で生まれたジャイアントパンダで、今後の成長過程が注目されています。

無料デーには上野に行ってみよう

上野動物園の入場料は、大人600円、65歳以上300円、中学生200円ですが、年に数回無料の開園日が設けられています。以下の3日間は、子どもから大人まで全ての入場料が無料となります。

  • 開園記念日(3月20日)
  • みどりの日(5月4日)
  • 都民の日(10月1日)

その他、こどもの日(5月5日)は全ての中学生が無料、老人週間(9月15日~9月21日)は、60歳以上と、付添者(1名)が無料となります。

  • 施設名:東京都恩賜上野動物園
  • 住所:東京都台東区上野公園9-83
  • 電話番号:03-3828-5171
  • 営業時間:9:30~17:00
  • 定休日:月曜日・年末年始
  • 公式サイト

キーウィが唯一見られる大阪 天王寺動物園

天王寺動物園は、約11ヘクタールの園内に約200種1000点の動物を展示・飼育している大阪最大の動物園です。動物の生息地の景観を可能な限り再現しているため、他では飼育されていない珍しい動物も見ることができますよ。

100年の歴史をもつ動物園

天王寺動物園は大正4年に開園し、大阪の街とともに、さまざまな歴史を歩んできた動物園です。

『鳥の楽園』のそばには服を着た2頭のチンパンジーの像が立っていますが、戦時中に日本軍に戦意高揚として利用され、芸を教え込まれた悲しい歴史を象徴しているそうです。

平和と命の尊さを考えることができるのも、歴史のある天王寺動物園の魅力といえるでしょう。

キウイそっくりのキーウィ

天王寺動物園では、フルーツのキウイそっくりの鳥『キーウィ』が飼育されています。キーウィは、ニュージーランド生まれの鳥類で、羽を持っていますが空を飛ぶことができません。

ふわふわの可愛らしい姿に似合わず、ダチョウと同じくらいのスピードで走ることができるそうですよ。夜行性なので、『ナイト ZOO』がおすすめです。

野生動物保護の取り組み

絶滅危惧種を、生息地から取り出して守ることを『生息域外保全』といいます。天王寺動物園も世界的なこの取り組みに賛同し、積極的に活動しています。

たとえば、園での繁殖を目指し、2015年にドイツの動物園から絶滅危惧種の『クロサイ』を迎え入れています。

その他にも、環境省のレッドリストにある『ナベツル』の保全や、『ホッキョクグマ』の繁殖への貢献など、数々の取り組みを行っています。

  • 施設名:天王寺動物園
  • 住所:大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-108
  • 電話番号:06-6771-8401
  • 営業時間:9:30~17:00
  • 定休日:月曜日
  • 公式サイト

コアラが見られる名古屋 東山動物園

名古屋市にある東山動植物園は、文字通り動物園と植物園が一体化した広大な施設で、広さは60ヘクタールに相当します。

動物園には、約500種の動物が展示・飼育されており、コアラが見られる動物園としても有名です。

ゾウやコアラが人気の動物園

東山動物園で特に人気なのが、ゾウやコアラといった動物たちです。

ゾウが展示されている『ゾージアム』はスリランカをイメージした建物で、大きさは日本最大級を誇ります。

また、ガラス越しにコアラが観察できる『コアラ舎』や、コアラの知識を深める学習施設『コアラフォレスト』など、コアラの展示・飼育に力を入れています。13時頃からは、コアラが餌を食べる様子を見ることができますよ。

ナイトZOOが開催されることも

東山動植物園では、夏の期間限定で『ナイトZOO』を企画しています。園内がライトアップされるので、いつもとは違った幻想的な雰囲気が楽しめるでしょう。

ホッキョクグマ舎の大きな壁面に映像を投影する『プロジェクションマッピング』や動物のスペシャルフォト&ムービーを公開する『ひがしやま夜空シアター』など、見どころは満載です。

再生プランが進行中

東山動植物園は「持続可能な地球環境を次世代に残す」、「自然と人との懸け橋となる」という21世紀の新しい役割・使命を担うため、園を再生させることを決定しました。

これを『再生プラン』といい、『人と自然をつなぐ場』を軸に、『調査・研究、教育普及、娯楽、自然保護』の4つをより充実させる内容です。

具体的には、名古屋市都心に広がる410ヘクタールの『なごや東山の森』と動植物園の一体的活用や、学習施設やプログラムの充実など、さまざまな計画が盛り込まれています。

  • 施設名:名古屋市東山動植物園
  • 住所:愛知県名古屋市千種区東山元町3-70
  • 電話番号:052-782-2111
  • 営業時間:9:00~16:50
  • 定休日:月曜日、年末年始
  • 公式サイト

行動展示が特徴の北海道 旭川市旭山動物園

旭山動物園は、北海道旭川市にある動物園で、動物の行動や能力を人々に見せる『行動展示』がされていることで有名です。動物たちの生き生きした様子が見たい人はぜひ北国まで足をのばしてみましょう。

日本最北の動物園

旭山動物園は、日本にある最北の動物園です。昭和42年に開園し、広さは約15万ヘクタールとなっています。

ホッキョクグマ、ペンギン、アザラシなどの極寒に生息する動物が多く展示され、北国らしさを感じることができるのも魅力です。

特に12月中旬から雪解けの3月までに見られる『ペンギンの散歩』は旭山動物園の冬の風物詩となっています。

行動展示とは

旭山動物園は一時期、客足が減少し、閉園の危機にもさらされましたが、動物本来の能力を引き出す『行動展示』という展示手法を見出すことで、人気の動物園へと変貌を遂げました。

多くの動物園が『動物の姿形を見せること』に重きを置いているのに対し、『行動展示』は『動物の動きや見せること』を目的としています。

たとえば、本来なら鳥が逃げないように羽の一部を切り取りますが、旭山動物園の巨大なバードゲージの中では、鳥は自由に飛び回ることができます。

本来、木の上で生活するオラウータンには「空中運動場」を設置しているので綱渡りをしている様子も見られるでしょう。

このように、環境をできるだけ野生の生態系に近づけ、より活発な動きが観賞できるのが『行動展示』なのです。

もぐもぐタイムを見に行こう

旭山動物園の見どころのポイントは、飼育員が動物にエサを与えながら特徴を解説する『もぐもぐタイム』です。餌を食べているときは、動物の野生の姿が最もよくあらわれます。

もぐもぐタイムのスケジュールは、その日の朝に発表されるので、「今日はどんな動物かな?」と楽しみになりますね。

  • 施設名:旭川市旭山動物園
  • 住所:北海道旭川市東旭川町倉沼
  • 電話番号:0166-36-1104
  • 営業時間:夏期開園9:30~17:15、夜の動物園9:30~21:00、冬期開園10:30~15:30
  • 定休日:平成30年4月9日~27日、11月4日~11月10日、年末年始
  • 公式サイト

琉球弧の動物が見られる沖縄こどもの国

沖縄こどもの国では、琉球弧に生息する生き物など、約200種類の動物を展示・飼育しています。ミュージアムやのりものコーナーなどもあり、見るだけでなく、体を動かして遊べるのが特徴です。

珍しい生き物が間近で見られる

沖縄こどもの国では、国内で8番目に多い、約200種類の動物を有しています。

ゾウやキリン、カンガルーなどの定番の動物の他、琉球犬、ヤクシマザル、ベンガルヤマネコ、ウタイチャーンなど、琉球弧に生息する生き物も飼育されているのが特徴です。

琉球列島舎には、沖縄特有の動物が展示され、餌を食べる様子を間近で観察できる時間も設けられています。

年間を通して季節の花や植物が見られるのも、南国・沖縄ならではです。

子どもたちのさまざまな能力を育む

沖縄こどもの国は、動物園、ワンダーミュージアム、チルドレンズレンターの3つから成っています。

『ワンダーミュージアム』は、「理解と創造は驚きに始まる」というコンセプトのもと、実際に触れることができる体験型展示(ハンズオン展示)や、多種多様なワークショップを開催しています。

『チルドレンズレンター』では、地元に根差した講座プログラムやボランティア活動などを開催しています。

子どもの知恵や感性を刺激し、自主性やクリエイティビティを育むことができるでしょう。

大人も満足のテーマパーク

沖縄こどもの国は、子どもだけでなく、大人も楽しむことのできるテーマパークです。

土日は、園内にある大きな池を利用して釣りをすることができます。200円で釣りのセットが借りられるので、家族みんなで楽しむのもいいでしょう。

また、1日限定5名(予約制)で動物飼育員の仕事を体験する『大人の飼育体験』も開催しており、人気を博しています。なお、平成30年度の募集はすでに終了しました。

  • 施設名:沖縄こどもの国
  • 住所:沖縄県沖縄市胡屋5丁目7番1号
  • 電話番号:098-933-4190
  • 営業時間:夏時間(4~9月)9:30~18:00 冬時間(10~3月)9:30~17:30
  • 定休日:火曜日・年末年始
  • 公式サイト

海外の動物園

海外にはどんな動物園があるのでしょうか?日本と違った風土、気候の海外では、日本ではなかなか見られない動物が展示されていることもあります。

園内の雰囲気や、お土産、グルメなども楽しむことができるでしょう。

ハワイで人気のホノルル動物園

ハワイのワイキキビーチから徒歩で行くことができる人気の動物園が『ホノルル動物園』です。子連れの日本人観光客の来園も多く、園内からはダイヤモンドヘッドが望めます。

広さは上野動物園とほぼ同じくらいで、約220種類の動物が展示・飼育されています。国際保護鳥に指定されている鳥『ネネ』に関するコーナーは必見です。

園内の至る所には公園のような芝生のスポットがあり、疲れたら木陰で休憩できるので、のんびりと園内の探索を楽しむことができるでしょう。

  • 施設名:ホノルル動物園(Honolulu Zoo)
  • 住所:151 Kapahulu Ave. Honolulu HI 96815
  • 電話番号:+1 808-971-7171
  • 営業時間:9:00〜16:30
  • 定休日:クリスマス
  • 公式サイト

世界トップクラスのサンディエゴ動物園

アメリカカリフォルニア州のサンディエゴにある『サンディエゴ動物園』は世界トップクラスの広さを誇ります。

敷地の広さは東京ドーム約8個分で、約660種、3600頭の動物が飼育・展示されているというから驚きです。

歩いて回るのは難しいので、解説付きで回れるバスツアー『Guided Bus Tour』や入り口から最奥地までを結ぶロープウェイ『Skyfari Aerial Tram』を利用しましょう。

園内は9つのゾーンに分かれており、世界のエリアに生息する数々の動物を見ることができます。園内には70万本を超える植物が植えられているので、眺めながらゆっくりと散歩するのも良いでしょう。

  • 施設名:サンディエゴ動物園(San Diego Zoo)
  • 住所:2920 Zoo Dr, San Diego, CA 92101  USA
  • 電話番号:+1 619-231-1515
  • 営業時間:9:00~21:00(日によって変動する可能性あり)
  • 定休日:なし
  • 公式サイト

役割を理解してから行くと見え方が変わる

動物園は小さい子どものための場所だと思われがちですが、種の保存や環境保護など、さまざまな役割があることを考えれば、動物園の見方が変わるのではないでしょうか?

人と人の距離を縮める交流の場でもあるので、ぜひ家族や友人と一緒に動物園を楽しみましょう。

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