ダイヤモンドの和名は「金剛石」?奥深い宝石の世界を解説

2019.07.06

その色や輝きで多くの人を魅了する宝石にはさまざなま種類があります。いざ宝石を贈ろうと思っても何を選べばよいのか迷ってしまうという人は少なくないでしょう。名前の由来や意味など、知っておくと役立つ宝石の知識について解説します。

宝石について知ろう

宝石と呼ばれるものにはさまざまな種類のものがあります。まずは宝石の基礎知識として押さえておきたいポイントについて説明していきます。

宝石の種類と数

宝石は一般的に以下の種類に分類されます。

  • 天然宝石
  • 処理宝石
  • 人工宝石
  • 人造宝石
  • 模造宝石

天然宝石は、カットや研磨以外の人の手が加わっていない宝石を指します。資産価値が高く、美術品として博物館などに収蔵されているものはほとんどが天然宝石です。

処理宝石は、天然宝石にトリートメント(改良・改変)処理を加えた宝石を指します。一般的に天然宝石として流通している宝石はほとんどが処理宝石です。

人工宝石は化学的に合成された宝石となります。天然宝石と同一の成分や特性を持っているのが特徴です。人造宝石は天然宝石とは全く異なる物質で作り出されたもの、模造宝石はプラスチックやガラスなどで作られたものです。基本的にこれらは宝石と扱われません。

また、一般的に宝石の数は100~200種類ほどと言われています。ただし、何をもって宝石と定義するかによって数は変わることに注意が必要です。

宝石の定義

宝石と呼ばれるものは世界的に定義が決まっています。まずは外見が美しいこと、産出量が少なく希少性が高いこと、そして耐久性が高くモース硬度が7以上の天然鉱物であることの三つが必須の条件です。

モース硬度とは爪や金属で引っ掻いたときの傷の付きにくさを示す尺度で、例えばダイヤモンドは最も硬い10、ルビーやサファイアは硬度9、チョークに使われる滑石は最も柔らかい1と表されます。

ただし、真珠やサンゴ、オパールなどは硬度7以下ですが、希少性の高さと外見の美しさから宝石として扱われることが一般的です。

鑑定書について

鑑定書とは、別名ダイヤモンドグレーディングレポートと呼ばれるダイヤモンドのグレード分けに使われる証明書です。ダイヤモンド以外の宝石に鑑定書が付くことはありません。

鑑定書にはダイヤモンドの価値を決める4C(カラー・クラリティ・カット・カラット)が書かれています。

カラーはダイヤモンドの色のことで、無色に近いものほど高く評価されます。クラリティは透明度のことで、傷や内包物の大きさや位置などを鑑定した結果です。

また、ダイヤモンドの持つ輝きを十分に引き出しているか鑑定したものがカット、ダイヤモンドの重さを表す単位がカラットになります。なお、1カラットのダイヤモンドは0.2gです。

主な宝石と和名

宝石には一般的な名称のほかに、和名と呼ばれるものがあります。よく耳にする宝石の種類とその和名を紹介します。

四大宝石の種類と和名

四大宝石とはダイヤモンド・ルビー・サファイア・エメラルドの4種類の宝石のことを指します。

結婚指輪として人気の高いダイヤモンドは和名を『金剛石』と呼び、最も硬い(硬度10)の宝石です。

ルビーの和名は『紅玉』です。赤色が特徴的なルビーですが、鉱物的にはサファイアと同じコランダム(酸化アルミニウムの結晶)で、赤みの強いものをルビー、それ以外をサファイアとして分類します。

ルビーの兄弟とも言えるサファイアの和名は『蒼玉』です。サファイアというと青色をイメージしますが、ピンクや黄色、オレンジなど青以外の色も存在します。

エメラルドは和名を『翠玉』と呼びます。グリーンが鮮やかなエメラルドは、宝石の中でも内包物が多いのが特徴です。そのため、一定方向から強い衝撃を受けると簡単に割れてしまうため、慎重な取り扱いが求められます。

誕生石と和名

誕生石とは1~12月の各月にちなんだ宝石のことを指し、自分の誕生月の宝石を身につけると幸せになると言われています。ただし、誕生石は日本と海外、また占星術を元にしているものでぞれぞれ定義が異なるため注意が必要です。

以下に日本国内で一般的に使われる各月の誕生石とその和名をまとめます。

  • 1月:ガーネット/柘榴石
  • 2月:アメシスト/紫水晶
  • 3月:コーラル/珊瑚・アクアマリン/藍玉
  • 4月:ダイヤモンド/金剛石
  • 5月:エメラルド/翠玉・ジェイダイト/翡翠
  • 6月:パール/真珠・ムーンストーン/月長石
  • 7月:ルビー/紅玉
  • 8月:サードオニックス/赤縞瑪瑙(めのう)・ペリドット/橄欖(かんらん)石
  • 9月:サファイア/蒼玉
  • 10月:オパール/蛋白石・トルマリン/電気石
  • 11月:トパーズ/黄玉・シトリン/黄水晶
  • 12月:ターコイズ/土耳古(トルコ)石・ラピスラズリ/瑠璃・タンザナイト/黝簾(ゆうれん)石

四大宝石の名前の由来

宝石の中でも四大宝石と呼ばれるダイヤモンド・ルビー・エメラルド・サファイアについて、名前の由来を解説します。

ダイヤモンド

ダイヤモンドという名前は古代ギリシア語「征服されない」「壊せない」という意味の言葉adamas(アダマス)に由来していると言われています(諸説あります)。

名前の由来どおり最高の硬度を持つダイヤモンドには、「純潔」や「永遠の絆」といった石言葉があり、結婚指輪などにダイヤモンドが用いられるのもそのためです。

サファイア

サファイアは青を意味するラテン語sapphirus(サッピールス)に由来すると言われています。和名も蒼玉ですから、まさに青い宝石の代表的存在と言えるでしょう。

サファイアの石言葉は「誠実」「慈愛」です。また、「一途な想い」という意味もあり、結婚指輪や婚約指輪にサファイアが使われることもあります。

エメラルド

エメラルドの語源は古代ギリシア語で緑色の石を表すSmaragdus(スマラグドス)に由来すると言われています。

絶世の美女として名高いエジプトのクレオパトラはエメラルドを非常に愛し、自分の名前を付けたエメラルド鉱山を持っていたそうです。

なお、エメラルドの石言葉は「幸運」「希望」「安定」です。

ルビー

深い赤が印象的なルビーは、ラテン語で赤を意味するrubeus(ルベウス)が語源だと言われています。

ルビーの石言葉は「情熱」「純愛」「勇気」「自由」です。新成人のプレゼントとしてルビーが贈られることが多いのは自由、つまり独立の意味が込められているそうです。

色別の宝石の種類と意味

宝石の持つさまざまな色は見る人を魅了する大切な要素です。色別の宝石の種類とその意味を紹介します。

紫の宝石

紫の宝石といえばアメジストをイメージする人も多いのではないでしょうか。2月の誕生石であるアメジストは「誠実」「心の平和」といった石言葉を持っています。

また、アメジストを身につけると二日酔いをしないという言い伝えがあります。これはアメジストの語源となったギリシア語amethystos(アメテュストス)の「酒に酔わない」という意味に由来しているそうです。

12月の誕生石タンザナイトも紫の宝石のひとつです。タンザナイトは、タンザニアの夕暮れをイメージさせるような複雑な青紫色が魅力の宝石で、一説にはダイヤモンドの1000倍希少だとも言われています。タンザナイトの石言葉は「高貴」「冷静」「空想」です。

青の宝石

透明感のある淡い青色が特徴のアクアマリンは、石言葉に「勇敢」「聡明」「沈着」を持つ宝石です。

アクアマリンの中でも最も希少価値が高いのがブラジルのサンタマリア鉱山で見つかったサンタマリアアクアマリンです。通常のアクアマリンに比べ濃い青色をしているサンタマリアアクアマリンの輝きは、青い海に注ぐ太陽の光をイメージさせ、多くの人を魅了しています。

瑠璃とも呼ばれるラピスラズリも青い宝石の一種です。果てしない星空を思わせる深い青色のラピスラズリは、その神秘的な存在からパワーストーンとして世界で初めて認識された宝石でもあります。

ラピスラズリの石言葉は「尊厳」「崇高」、神秘的な印象のこの宝石にピッタリの石言葉だと言えるでしょう。

ピンクの宝石

「美愛」「優しさ」という意味を持ち、ピンク色のバラを思わせるようなローズクォーツは水晶の一種です。ローズクォーツの多くは不透明でピンク色が薄く、また大きなクラック(ひび割れ)が入っているため、通常はカットしたりビーズなどの装飾品に使われたりします。

ロードクロサイトもピンク色の宝石です。「バラ色の人生」という意味を持ち、インカローズとも呼ばれるこの宝石は、その名のとおりバラのような色をしています。ただし市場に出回っているのは不透明なものがほとんどです。

しかし中には透明度の高いものや桜のような淡いピンク色をしたロードクロサイトもあり、宝飾品として高い人気を集めています。

カットの種類や名前も知っておこう

宝石の持つ透明度や輝きを引き出し、宝飾品としての価値を高めるのがカットです。主なカットの種類とその特徴について解説します。

ファセットカット

ファセットカットとは、角度の違う小さな面(ファセット)を幾何学的に組み合わせたカットのことを指します。カットによって宝石の透明度を引き出すことができるため、透明度の高い宝石に用いられるのが一般的です。

ファセットカットにはダイヤモンドのカットに用いられるブリリアントパークと、エメラルドのカットに用いられるステップカットの2種類に分けることができます。

ブリリアントカットは宝石の透明度と輝きを最大限に引き出すためのカット方法です。宝石の形に合わせて最適な角度などを計算してカットします。

ステップカットは宝石の外周をカットし、テーブル(最も大きい平らな部分)を広く見せるカット方法です。エメラルドの破損防止のために多く用いられたことからエメラルドカットと呼ばれることもあります。

カボションカット

カボションカットは宝石を磨いて半球状(ドーム状)に仕上げるカット方法です。透明度の高い宝石に使われるファセットカットに対し、カボションカットは不透明な宝石に用いられます。

カボションカットには表面に付いた傷を目立ちにくくする効果があり、傷の付きやすい硬度7以下の宝石も用いられるカット方法です。

名前や意味を知ることでより親しみがもてる

宝石が敷居が高いものと考える人も多いですが、宝石の名前や由来、意味などを知れば、意外と親しみやすいものであることが分かります。

特に宝石の名前や意味を知っておけば、宝石を贈るときの知識として役に立つはずです。宝石によってさまざまな意味がありますから、これを機にいろいろと調べてみてはいかがでしょうか。

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