読み始めたら止まらない!初心者におすすめの日本・海外の推理小説6選

2019.07.04

「犯人はこの中にいる」この言葉に魅力を感じるなら推理小説に挑戦してみてはいかがでしょうか。ミステリーとサスペンス、トリックと謎解きなど推理小説の基礎に触れ、読破する準備を整えましょう。まず読んでおきたい国内外の傑作推理小説を紹介します。

推理小説の基礎知識

探偵小説・怪奇小説・空想科学小説とさまざまなジャンルの小説がありますが、これらの物語はそれぞれ独自の『謎』を持っています。この謎の『推理』を主眼においた『推理小説』の基礎を見ていきましょう。

推理小説ってどんなジャンル?

『推理小説』とは、犯人を特定して事件を合理的な解決へ導いていく物語の中で、読者にも「推理」させることを目的とした小説のジャンルです。

推理とは、犯人が巧妙に仕組んだ『トリック』や謎を、作中に散りばめられたヒントや伏線を手繰り寄せて解き明かしていくプロセスを指します。

犯人が犯行を行うことや犯行現場にいたことが不可能に見える『密室トリック』や『アリバイトリック』、あるいは作者が読者を欺くための『心理トリック』などが用いられる中で、作者との知恵比べが行われるのです。

ミステリーやサスペンスとの違い

『ミステリー』とは推理小説を拡大した概念です。推理や謎解きを目的としていますが媒体は小説に留まらず、映画・ドラマ・漫画などでも表現されます。

例えば『刑事コロンボ』はミステリーですが、小説版なら推理小説と呼ばれることもある、といった具合です。

『サスペンス』は不安や緊張感を煽る演出で「手に汗握る」展開をする作品・手法を指します。

例えば、孤島や出口の見つからない建物の中で得体の知れない殺人鬼が迫ってくる、といった危機的状況からの脱出をイメージすると良いでしょう。

この場合、殺人鬼の描写が明確で推理が主眼でないならミステリーとは呼ばず、犯人や謎の解明を目的とするならサスペンス要素のあるミステリー、ということになります。

推理小説の魅力

最後まで犯人がわからない、トリックが解明できないなど、推理小説にはさまざまな伏線が盛り込まれているものです。ここでは、推理小説の面白さを引き立てる三つの要素を見てみましょう。

発端の不可思議

良質な推理小説の冒頭は、その物語がいかに『不可思議』で、犯罪が『不可能性』に満ちているかを表現することに費やされます。

推理小説においては、読者は推理を求めている、ということが前提です。目の肥えた読者たちが見たこともない、『オリジナリティ溢れる謎』を提示できるかが、作品の評価を左右する第1関門といえるでしょう。

物語中盤のサスペンス

ショッキングな幕開けを迎えた物語がどのように展開していくのか、という読者の期待に応えるために、物語の序盤から中盤にかけてサスペンス要素を導入することが一般的です。

いつ次の殺人が起こるかわからない、どこか違和感のある文章の中に見え隠れするヒントを見逃すわけにはいかない、そういった『不安や緊張感』を煽りつつ物語は展開していきます。

一瞬も気が抜けないような『緊迫した読書体験』が得られるところも推理小説の魅力といえるでしょう。

意外な結末

さまざまな『ヒントと伏線』を手繰り寄せ、遂に犯人を特定し謎は解明された、となっても物語はまだ終わらない場合があります。

捕えるべき悪とされていた犯人が抱えていた秘密が暴露され、物語の世界が根底から覆されたり、解決した事件は序章に過ぎなかったことが示されたりするなど、『読者の想像の外を行く展開』が待ち構えているのです。

物語の魅力に引き込まれているほど大きく裏切られる、作者との知恵比べに勝つだけでは終わらない『後日譚』にも期待して、推理小説の世界に入って行きましょう。

日本国内のおすすめ推理小説

いざ推理小説を読んでみようとしても、作品数が多過ぎますし、タイトルからイマイチ内容が想像できないものもあり悩んでしまうかもしれません。始めに読んでおきたい3冊を紹介します。

占星術殺人事件 島田荘司

1981年に発表された『占星術殺人事件』は、日本の本格推理小説界の巨匠である島田荘司のデビュー作です。

古き良き「変人の探偵と常識人の助手」という構図を踏襲した「御手洗潔シリーズ」の第1作目でもあり、最高峰の密室トリックを描いているとして国内外で非常に高く評価されています。

「密室」を扱う推理小説は数多くありますので、まずはその傑作に挑戦して、推理と謎解きの感覚を養ってみてはいかがでしょうか。

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慟哭 貫井徳郎

1993年に刊行された『慟哭』は、推理小説の文学賞選考委員としても活躍する貫井徳郎(ぬくいとくろう)のデビュー作です。

幼女誘拐殺人事件をベースとして、新興宗教や家族愛などの要素を交え、日常に潜む闇と心の叫びを切なく描き出しています。

複雑怪奇なトリックを味わうというより、小説としての読み応えに定評がある作品ですので、推理小説の入門としておすすめの1冊です。

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怪人二十面相 江戸川乱歩

江戸川乱歩が1936年に発表した『怪人二十面相』は、変装と手錠抜けの達人である怪人二十面相を敵役とした推理小説のシリーズ第1作です。

怪盗と対峙するのは名探偵・明智小五郎とその助手・小林少年で、血を好まない紳士盗賊が引き起こすさまざまな事件を名探偵コンビが暴いていきます。

一般的に推理小説は殺人犯との対決を描きますが、本作とそのシリーズは殺人以外の犯罪・事件を扱い、エンターテインメント性の高い派手な演出と複雑怪奇なトリックが特徴です。

本格推理小説の入門編ともいえる少年向けの探偵小説という位置付けですが、明智小五郎を登場させることで、大人でも推理の楽しみを味わえる作品となっているといえるでしょう。

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初心者でも読みやすい海外の推理小説

全ての推理小説の原点となった作品と、日本国内で特に評価が高く、愛され続けている3作を紹介します。

モルグ街の殺人 エドガー・アラン・ポー

エドガー・アラン・ポーが1841年に発表した『モルグ街の殺人』は、推理小説というジャンルを生んだ記念碑的な作品です。

天才的な探偵と平凡な語り手(助手)、クライマックスでの推理の披露、意外な犯人像といった推理小説の原型はここに形成され、現在もこれらを踏襲した作品が数多く発表されています。

物語を彩る怪奇趣味やサスペンス、探偵とともに読み進める謎解きの面白さが凝縮されており、推理小説を読み始めようとするすべての人におすすめの1冊です。

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Yの悲劇 エラリー・クイーン

エラリー・クイーンが1932年に発表した『Yの悲劇』は、日本において今なお突出した人気を誇る古典的名作です。

ドルリー・レーンを探偵役とする『悲劇4部作』の2作目であり、本作で特徴的な陰鬱かつ奇怪な一族における連続殺人のスタイルは、その後の日本推理小説界に多大な影響を与えたといわれています。

怪奇趣味に彩られた物語、周到な伏線と明晰な推理、知的好奇心をくすぐる推理小説に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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幻の女 ウイリアム アイリッシュ

ウィリアム・アイリッシュが1942に発表した『幻の女』は、大戦後から現在に至るまで日本国内で絶大な人気を集め続ける、抜群のストーリーとサスペンスを持つ傑作推理小説です。

期限内に事件を解決しなければ死んでしまうという状況で、一般的な推理小説とは大きく異なるドラマティックな物語が展開されます。

論理展開の巧みさもさることながら、文章表現は詩的かつ映像的で、実際に何度も映画化・TVドラマ化されました。

また、作者は『幻の女』の知名度の高さからアイリッシュ名義が有名ですが、作品の多くは『コーネル・ウールリッチ』名義でも発表されています。まずは代表作を堪能した後に、ウールリッチの作品群に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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推理小説を楽しもう

推理小説には謎解きとサスペンス、知的好奇心をくすぐる刺激が溢れています。

作品によって『謎』の性質はさまざまで、単純に犯人の特定だけを目的とするのではなく、なぜ・どうやって犯罪が行われたのかを解き明かそうとするアプローチも楽しめるでしょう。

数多くの推理作家たちが謎を提示していく中で、怪奇趣味やエンターテインメント性、また本格推理小説としての純粋なロジックを堪能できる作品が生み出され続けています。

まずは名作に触れ、嗜好に合う作品を探してみてはいかがでしょうか。

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