ビジネスにも使える心理学とは?コミュニケーションツールとして学ぼう

2019.07.03

人と人の関わりの中で築かれる人間社会には、さまざまな人の心の働きが作用しています。心と行動の科学である『心理学』の知見から、コミュニケーションやビジネスで生かせる心理テクニックを学んでみてはいかがでしょうか。

心理学の基礎知識

人間社会で生きていく中では人と人とのさまざまな関わり合いが生じます。心の働きを言葉で説明できるようになれば、その知識を心理テクニックとして活かしていくことができるでしょう。心を解き明かす『心理学』の基礎知識を紹介します。

心理学とは

『心理学』とは心や行動を研究する学問分野の総称です。人が五感から何かを知覚して、その内容をどのように考えて理解し、それがどういう行動に結び付くか、といったことを研究対象にしています。

精神や心は人類にとって身近にありながら、その本質が掴み辛いもので、古くは古代ギリシア時代の哲学者たちの関心事でもありました。

観察や実験など科学的手法を用いて心が研究されるようになったのは19世紀末で、心理学が科学分野として成立したのは、人類史においてはごく最近のことといえるでしょう。

現代では心理学の知見を教育の現場に生かしたり、社会学や経済学にも応用され、『AI(人工知能)』の研究開発にも活用されています。

心理学には種類がある

1879年の『実験心理学』を始まりとして、心と行動の研究には、その研究対象や研究方法によってさまざまなアプローチが考え出されてきました。

それらは大分類として、感情や認知などの一般法則を探求する『基礎心理学』と、基礎心理学で得られた知見を現実的な問題に応用する『応用心理学』の二つに大別されます。

応用心理学とは、心理的な問題を抱えた人の援助・回復・予防を目的とした『臨床心理学』や、心理学の知見を教育に応用する『教育心理学』などです。

現在主流な分野は『認知心理学』といい、五感から入力される情報を記憶・学習・思考するといった知的な働きを研究対象にしています。脳やAIとの関わりの中で『認知科学』とも呼ばれる先端的な学問分野です。

よく聞く心理学用語と意味

心理学用語として一般的なものを基礎的な知識として押さえておきましょう。

思い込みで効果が出るプラシーボ効果

『プラシーボ効果』は、実際は有効成分が入っていない『偽薬(プラシーボ)』を、効果があると信じ込んで服用したときに何らかの改善が見られる作用のことです。『偽薬効果』『プラセボ効果』とも呼ばれます。

例えば肩が痛いという人に、良く効く鎮痛剤だと説明して偽薬(ただのブドウ糖)を飲んでもらうと痛みが改善した、というようなケースです。痛みの根本的な解決にはならなくとも、自覚症状の改善は見込める効果があります。

また、偽薬によって望まない副作用が出たり、効かないと思い込むことで薬剤の効果がなくなったりすることを『反偽薬効果』『ノーシーボ効果』『ノセボ効果』といいます。

占いなどでも使われるバーナム効果

「あなたにはまだ発揮されていない素晴らしい才能があります」というような誰にでも当てはまるような言葉を、自分に向けられたものだと捉えてしまう現象を『バーナム効果』または『フォアラー効果』と呼びます。

例えば占いで「幼い頃に大きな失敗をしたことがありますね」といわれて納得しても、実際には子どもなら誰でも何かしら失敗はするものです。

「そうかもしれない」と思える問いかけを何度も繰り返していくと、あらかじめ用意された質問表を読んでいるだけであるのに、多くの人が「確かにそれは自分のことだ」と納得してしまったりします。

バーナム効果は、回答者が質問者の権威を信じていて、分析が前向きなものであるほど、正に自分を表していると思いやすい傾向があるといわれています。

ダメなことほど興味が沸くカリギュラ効果

「ここから先は閲覧禁止です」と禁止されるほどやってみたくなる心理現象を『カリギュラ効果』といいます。

1980年公開の映画「カリギュラ」が、その内容の過激さのため一部地域で公開禁止になったとき、逆に世間の注目を集めたことから取られた言葉です。

例えば開けてはいけない襖を開けた「鶴の恩返し」や、玉手箱を開けてしまった「浦島太郎」などがこれに当たります。また、TV番組で「ピー」音やモザイクを使うことで、かえって視聴者の興味を引くこともカリギュラ効果の利用例といえるでしょう。

ビジネスに使える効果的な心理学用語

ビジネスの現場で使える三つの心理学用語を紹介します。心理テクニックを用いた効果は良い方向にも悪い方向にも作用しますので、使い方次第というところにも注意して見てみましょう。

印象を変えるハロー効果

『ハロー効果』は、ある人物や団体などの特徴的な印象に引きずられて、その他の性質の評価が歪められる心理現象を指します。『後光効果』『光背効果』ともいいます。

例えば名刺に「弁護士」という肩書きがあれば、専門分野の法律以外での発言もきっと信頼できるものだろうと感じることがあるでしょう。

また、ビシッとスーツを着こなしてビジネスシューズや爪先まで清潔、姿勢もきれいで明るく挨拶すれば、仕事がデキる人というイメージを演出するのに効果的です。

こういった良い方向の思い込みを『ポジティブ・ハロー効果』といい、第一印象で不当に低い評価を受けてしまうような場合は『ネガティブ・ハロー効果』といいます。

信頼性を高くするウィンザー効果

思い込みによる認識の偏りを『認知バイアス』といいます。この例としてハロー効果の他に『ウィンザー効果』と呼ばれる心理現象があり、これは第三者からの評価に引きずられて、自分が元々持っていた評価が歪められるというものです。

よく挙げられる例が「口コミ」で、多くの人が良いと判断している商品ならきっと良い物なのだろうと思ってしまったり、逆に批判に晒されることが多過ぎる人ならきっと悪い人なのだろうと感じてしまうことがウィンザー効果にあたります。

第三者のお墨付きをもらう、客観的な高評価を示すことができるというのは良い意味での信頼性の向上につながるでしょう。

相手にNOをいわせないダブルバインド

コミュニケーションを行う際に、表向きのメッセージと『メタメッセージ』(隠された真意)が矛盾した状況で、選択肢が固定化されてしまうような緊張状態に置かれることを『ダブルバインド』と呼びます。

例えば仕事上の要求をする場合で「これやってもらって良い?」と聞くとき、表情がこわばっていれば無言の内に「ダメとはいわせない」というメタメッセージを感じさせNOといえなくさせる、といった状況です。

使い方によってはうまくYESを引き出すことができますが、パワーハラスメントにつながったり関係不良を招きやすいので注意が必要といえるでしょう。

心理学用語も学べるおすすめの本

ここまでは心理学用語について簡単に触れてきました。より深く心理を学んで実践的な知識を身に付けるためには、さまざまな良書を読むことをおすすめします。

現代広告の心理技術101

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心理学用語を覚えると面白い

人間社会の中では、どんなサービスも商品も人と人との関わりの中で生まれ、消費されていくものといっても過言ではないでしょう。心と行動の科学である心理学を学ぶことは、社会の仕組みをより深く理解することにもつながります。

心理学用語を知ると、今まで肌感覚で理解していた物事が言葉で説明できるようになります。実際に心理テクニックとして運用することでメリットを生み出すことも可能です。より実りある人生のために、心理学を学んでみてはいかがでしょうか。

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