ワインに賞味期限はある?飲み頃の時期や劣化を防ぐ保存方法を解説

2019.07.02

自宅でワインを愛飲している人は増えていますが、賞味期限や飲み頃を知らないという人も少なくありません。さまざまワインの適切な飲み頃や正しい保存方法を知り、ワイン本来のおいしさを堪能して、より長く楽しみましょう。

ワインの賞味期限ってどのくらい?

ワインには賞味期限がないと見聞きしたことがある人も少なくないでしょう。通常、食べ物や飲み物にある賞味期限がないというのは、どういうことなのでしょうか?

ワインには腐敗という概念がない

ワインは発酵させることで造られます。ボトルに詰められた後も、未開封のままであれば成熟し続ける『生きている飲み物』なので、そもそも腐敗するという概念がありません。

20年以上熟成させたワインも珍しくなく、高級ワインの中には100年以上もかけて熟成させたものもあります。

ワインラベルに賞味期限の表示がない理由

ワインは買ってすぐに飲むのがベストな物、長年熟成させたほうがおいしくなる物など、その飲み頃はさまざまです。

飲み頃が数日~何十年とかなり幅広いため、賞味期限として日付で明確に表すのは難しいというのも大きな理由でしょう。

最もおいしい飲み頃はワインによって違う

ワインの飲み頃はものによってさまざまで、断定するのは難しいのが現状です。しかし、ワインの種類により、ある程度の目安はあるのでぜひ参考にしましょう。

おおよその目安は製造後1年から3年

500~2000円前後のテーブルワインのほとんどは、すでに飲み頃の状態で店頭に並べられています。したがって、購入後すぐに飲むのがよいでしょう。

また、スパークリングワインも、飲み頃のものが店頭に並んでいるので、すぐに飲むのがおすすめです。

一般的なワインの飲み頃は、白ワインで1~2年前後、赤ワインで2~3年前後です。ただし、熟成ワインの飲み頃は、原産地や品種などにより大きく異なります。

中でもブルゴーニュ地方やボルドー地方の赤ワインは、ゆっくり時間をかけて熟成させることで風味や香りが増すワインが多いといわれています。

また、ブルゴーニュ地方の白ワインの中にも、長期間熟成させたほうが飲み頃として適しているものもあります。

ペットボトルワインは早めに飲もう

割れる心配がない、容器が軽い、持ち運びに便利などの理由で、注目を集めているのが『ペットボトル』に入ったワインです。

通常のガラスボトルと比べて、気密性に欠けるというデメリットもあります。そのため、空気に触れると酸化して風味や香りが変わるワインをいれるには不向きなように思われます。

しかし、ペットボトルは内側に特殊なコーティングを施すことで、ガラス瓶と同等に酸化を防止できるものも存在します。すべてのペットボトルがワインに不向きというわけでもないのです。

とはいえ、長期保存には適していないため、ペットボトルワインを購入後はなるべく早めに飲み切るようにしましょう。

100年後においしく飲めるワインもある

ワインには、スティルワイン・スパークリングワイン・フォーティファイドワイン・フレーバードワインの4種類があります。

フォーティファイドワインは、製造過程でアルコールを加えたもので、『酒精強化ワイン』とも呼ばれています。中でもマデイラワインやシェリー、ポートワインなどが有名です。

世界三大酒精強化ワインであるマデイラワインは、加熱処理により酸化熟成させたワインなので、空気に触れてもほとんど劣化しません。そのため、100年という長期保存が可能なのです。

飲み頃を迎える前に劣化してしまうことも

ワインは保存状態により、飲み頃を迎える前に風味や香りが劣化することがあります。主な原因は、『熱』と『コルク』による劣化です。

高温で中身が膨張、液漏れして劣化する

ワインを高温な場所に保存すると、中身が熱により膨張します。これによりボトルからコルクが押し出され、ワインが漏れてしまうことがあります。

そのままの状態で放置していると、ボトルの中に空気が入り込み、酸化の原因になることがあるので注意しましょう。

なお、ワインは酸化すると、しだいに褐色に変色していくのが大きな特徴です。風味や香りだけでなく、色も確認するようにしましょう。

汚染されたコルクの影響で劣化する

約5%のワインに起こるといわれているのが、コルクが原因の劣化です。一般的に『ブショネ』と呼ばれており、汚染されたコルクによってワインにコルク臭が移り、劣化を引き起こす現象です。

ワインの香りを嗅いでみてカビ臭さを感じたら、ブショネにより劣化している可能性が高いでしょう。

未開封のワインの正しい保存方法

ワインの保存環境は、風味や香り、品質に大きく影響します。きちんと適した環境で保存することが、おいしくワインを味わうには大切なことなのです。

光や振動のない場所で寝かせて保存しよう

ワインは光に弱く、直射日光や紫外線を浴びると劣化が進んでしまうので、暗い場所に保存するようにしましょう。

室内に置いていても、蛍光灯や電灯によって品質に影響を与えるため、新聞紙などで包んで光に当たらない工夫をして保存します。

また、振動によりボトル内の空気がワインに過剰に触れると、酸化が進んでしまい劣化の原因となります。なるべく振動のない場所に保存することも大切です。

なお、近年の研究では、ワインボトルを立てて保存しても、コルクが乾燥することで中に空気が入り込み、酸化の原因になることはないという結果もでているようです。

しかし、コルクが乾燥すると弾力性がなくなるため、オープナーのスクリューを刺したときにコルクが割れ、うまく抜けなくなる可能性があります。このことを考慮すると、横に寝かせて保存するのがよいでしょう。

日本の常温はワインにとっては過酷すぎる

ワインを保存する際は、『温度』と『湿度』に気を付ける必要があります。ワインの保存に適した温度は、12~15℃前後と涼しく、温度変化が少ない場所が理想的です。

温度が高すぎると酸化が進み、逆に温度が低すぎると熟成がうまく進みません。また、温度差が激しい環境も、膨張や縮小を繰り返すことでコルクに不具合が起こり液漏れなどの原因になります。

また、ワインの保存には65~80%と少し高めの湿度が適しています。湿度が低すぎるとコルクが乾燥し、縮小してボトル内に空気が入り込み、酸化を進ませてしまうので注意しましょう。

家の中で保存に向いている場所はどこ?

ワインの保存には、温度・湿度・光・振動などの条件を全て満たす『ワインセラー』が最も適しています。しかし、ワインセラーがない場合は、冷蔵庫に保存するのも一つの方法です。

特に野菜室は、温度変化や振動が少ない場所なので、冷蔵室よりもワインの保存環境としてはよいでしょう。保存の際は、新聞紙や緩衝材でくるんで温度や光を調整するのがポイントです。

また、床下収納もワインの保存場所に適しています。床下は暗く涼しい場所ですし、開け閉めすることも少ないので温度変化もほとんどありません。

家の中で比較的涼しい北側にある部屋の押し入れも保存場所として使えます。しかし、温度や湿度に影響を与える夏場のエアコンや冬場の暖房、梅雨時の湿度などには注意する必要があります。

開封後のワインの賞味期限は?

飲みかけのワインは、未開封のワインのように長期保存ができません。飲み切る目安、長くおいしく飲むためのコツや便利なアイテムを紹介します。

もし、ワインの風味が落ちたと感じたら、料理に使っておいしく再利用しましょう。

1週間くらいまでが目安と考えよう

ワインは開封すると、ワインが空気に触れるため酸化がどんどん進み、風味や香り、色などを劣化させます。開封したワインの賞味期限の目安は、以下の通りです。

  • スパークリングワイン:1~2日
  • 白ワイン:2~3日
  • 赤ワイン:3~5日

赤ワインの場合は、保存環境により1週間くらいまでおいしく飲めるものもあります。とはいえ、ボトルの中のワインの量が少ないほど、内部に空気が多く入りこみ、劣化しやすくなります。

開封したワインはできるだけ早く飲み切るか、料理などで使い切るようにしましょう。

少しでも長い間おいしく楽しむには

飲みかけのワインを長持ちさせるには、酸化の原因となる空気にできるだけ触れさせないことです。コルクで再び栓をしても完全密閉はできず、ボトル内は空気が入った状態となっています。

近年は、簡単に酸化防止ができる便利な保存器具がたくさん販売されているので、手軽に利用してみましょう。

例えば、小型の手動ポンプとゴム栓がセットになっていて、ポンプを上下するだけでボトル内の空気を簡単に吸い出せるものがあります。

ほかにも、酸化防止フィルター付のキャップをかぶせるだけで、酸化防止と香りを保つ効果があるタイプも人気です。

保存しやすいスクリューキャップもおすすめ

ワインの栓にはコルクが使用されていることが多いですが、ニュージーランドでは約90%のワインにスクリューキャップが使われています。低コストやブジョネの回避が主な理由です。

スクリューキャップは、コルクとは違い密閉性が高いため、乾燥によって中に空気が入り込む心配もありません。ワインオープナーを使う必要がなく、ひねるだけで簡単に開けられるのも魅力です。

また、飲みかけのワインを真空状態が作れるボトルに移し替えて保存するのもおすすめです。風味や香りを最良のままキープ可能ですし、冷蔵庫に保存する際も場所を取りません。

味が落ちたワインは料理に使おう

飲み頃を過ぎたワインを捨てていませんか?実は、風味が落ちても、さまざまな料理においしく活用できます。

例えば、赤ワインはミートソースやビーフシチュー、鶏肉のトマト煮込みなど肉料理や煮込み料理に幅広く使えます。また、カレーの隠し味やサングリアに利用するのもおすすめです。

白ワインは、あさりのワイン蒸し、アクアパッツァなど貝類や魚料理にすると風味が増しておいしく仕上がります。また、肉を柔らかくする効果があり、豚肉や鶏肉料理にも活用してくれるでしょう。

ワインの飲み頃を知っておいしく味わおう

ワインに賞味期限はありませんが、一番おいしく飲める『飲み頃』があります。温度・湿度・光・振動に注意し、正しくワインを保存することで、最良の状態をより長く保つことが可能です。

開封後に残ったとしても、酸化を防げる便利な保存器具を使えば、急いで飲み切る必要はありません。ワインの飲み頃を知り、保存方法を守ってワイン本来の持つおいしさを存分に味わいましょう。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME