ノーベル賞を受賞した日本人は何人?歴代の受賞者と2019年の候補

2019.06.29

様々な分野の発展において高い貢献をした人物に贈られるノーベル賞は、受賞した本人だけでなく、国民にとっても誇らしいものです。ここでは日本人の主な受賞者を振り返るとともに、2019年に受賞が予想される人物を紹介します。

ノーベル賞とは?

まずはそもそもノーベル賞とはどんな賞なのか、その歴史を振り返っていきましょう。

ノーベル賞の始まり

ノーベル賞はスウェーデンの科学者であり、ダイナマイトの発明者でもある『アルフレッド・ノーベル』によって創設された賞です。

ダイナマイトは、今まで使っていた爆薬に比べると安全でありながら爆発力が強いため、土木工事の解体作業などに多く使われるようになりました。しかしダイナマイト発明までの道のりは決して平坦なものではなく、事故が多発し、多くの犠牲が出てしまう苦難の道のりだったのです。

事故によって多くの人命が奪われたことを悲しんだノーベルは、ダイナマイトの発明によって得た利益を世界の平和や発展のために使いたいと願い、ノーベル賞が創設されました。ノーベル賞は、ノーベルの死後5年が経った1901年から開催されるようになり、これ以降毎年12月10日に授賞式が開催されています。

ちなみに12月10日はノーベルの命日であり、授賞式開始時間である4時30分はノーベルが亡くなった時刻です。

ノーベル賞の分野は6種類

現在ノーベル賞の分野は『物理学賞・化学賞・生理学賞・医学賞・平和賞・文学賞』の6種類があり、選出される人数は各部門3人ずつです。

受賞者の選出はノーベルの遺言に従い、『過去1年間の間に人類の発展に貢献するような偉大な発明や発見をした人物、また後世に残るような素晴らしい作品を作った人物』という基準に沿って決められます。

受賞者には金メダル・賞状・賞金の授与がありますが、賞金の金額に関してはノーベル財団の収益によって左右される仕組みです。

ノーベル賞を受賞した日本人の人数

ノーベル賞の基本的なことがわかったところで、次は日本人の受賞者に注目しましょう。

歴代の受賞者の人数は26人

今のところ、日本人のノーベル賞受賞者は26人となっており、幅広い分野で受賞歴があります。それぞれの受賞者は以下の通りです。なおカッコ内は受賞した年となっています。

  • 湯川秀樹:物理学賞(1949年)
  • 朝永 振一郎:物理学賞(1965年)
  • 川端康成:文学賞(1968年)
  • 江崎玲於奈:物理学賞(1973年)
  • 佐藤栄作:平和賞(1974年)
  • 福井謙一:化学賞(1981年)
  • 利根川進:生理学・医学賞(1987年)
  • 大江健三郎:文学賞(1994年)
  • 白川秀樹:化学賞(2000年)
  • 野依良治:化学賞(2001年)
  • 小柴昌俊:物理学賞(2002年)
  • 田中耕一:物理学賞(2002年)
  • 南部洋一郎:物理学賞(2008年)
  • 小林誠:物理学賞(2008年)
  • 増川敏英:物理学賞(2008年)
  • 下村脩:化学賞(2008年)
  • 根岸英一:化学賞(2010年)
  • 鈴木章:化学賞(2010年)
  • 山中伸弥:生理学・医学賞(2012年)
  • 中村修二:物理学賞(2014年)
  • 赤崎勇:物理学賞(2014年)
  • 天野浩:物理学賞(2014年)
  • 大村智:生理学・医学賞(2015年)
  • 梶田隆章:物理学賞(2015年)
  • 大隅良典:医学・生理学賞(2016年)
  • 本庶佑:生理学・医学賞(2018年)

以上です。

うち2人はアメリカ国籍を取得

さきほどリストアップした受賞者の中には、アメリカ国籍を取得している人もいます。それは南部陽一郎氏と中村修二氏です。

この2人を『日本人受賞者』とするかは議論の余地があります。特に南部氏に至っては1952年から活動拠点はアメリカであり、日本での活動はほとんどありません。そのため文科省の記録では『アメリカ人』と記載されているほどです。

中村氏は元々日本独特の保守的な在り方に疑問を持っていた人物でもあり、日本に見切りをつけるような形で日本国籍を捨て、アメリカ国籍を取得しました。

今回のリストでは南部氏と中村氏も記載しましたが、もしこの2人を抜けば日本人受賞者は24人ということになるでしょう。

ノーベル賞受賞者の多い大学は?

日本人のノーベル賞受賞者が多く輩出されている大学をご存知でしょうか?現段階でノーベル賞受賞者が最も多い大学は『京都大学』で、出身者から7名、大学研究科から4名、教授から5人を輩出しています。

2018年に受賞した本庶佑さんは、京都大学名誉教授として有名です。この京都大学と双璧をなすのは『東京大学』で、受賞の度に順位が入れ替わるような状況となっています。

日本を代表する名門校の出身者がしのぎを削りながら、世界に貢献してきたのです。

日本の受賞者数は世界で何番目?

次は、日本の受賞者は世界で何番目に多いのか見てみましょう。

日本は世界6位の受賞者数

さきほどもお話ししたように、日本人のノーベル賞受賞者は26人です。これは世界で6番目に多い数です。欧米の国々がランキングの上位を占める中、アジアの国としては唯一日本がトップ10にランクインしています。

ちなみに世界1位はアメリカで、受賞者数は271名です。主な受賞者には元アメリカ大統領ルーズベルトや『老人と海』で有名なヘミングウェイなどがいます。

各分野ごとの国別受賞者数

日本人が受賞したノーベル賞の中では、物理学賞が最も多く11人が選出されています。世界で最も受賞者が多いアメリカでは生理学・医学賞が最も多く71人、2位のイギリスでは化学賞が最も多く24人です。

さらに詳しく調べると、特徴的なポイントがあります。それは文学賞です。文学賞は世界ランク4位のフランスが最も多く11人となっています。

実はノーベル賞というのはアメリカの独壇場と言っていいほど、アメリカが圧倒的な強さを見せているのですが、この文学賞だけは、トップの座をフランスに譲っているのです。

2018年にも日本人からの受賞者が

毎年日本人受賞者が出るというわけではないので、受賞者が出た年は日本中で喜びの声が溢れます。2018年にも日本人から受賞者が選出され、祝福ムードに包まれました。

本庶佑氏が医学・生理学賞を受賞

2018年にノーベル賞医学・生理学賞に選出されたのは京都大学名誉教授の本庶佑氏です。

1942年に京都に生まれた本庶氏は、京都大学を卒業後渡米しカーネギー研究所などで免疫学の研究に打ち込み、帰国後は京都大学の教授としてキャリアを積みました。現在は京都大学高等研究院の特別教授として活躍しています。

新しいがん免疫療法を確立

今回の受賞に当たって高い評価を受けた研究が、がん免疫療法の研究でした。本庶氏はT細胞表面にあるタンパク質『PD-1』を発見し、この細胞が免疫を抑えるブレーキの役割をしていることを突き止めました。

これによって『PD-1』が起こしているブレーキを無くし、免疫が再び働くようにすれば、がんを治療できることがわかったのです。

がんの新治療薬に期待

この発見によって誕生したのが抗がん剤『オプシーボ』です。現在オプシーボは主に肺がんや皮膚がんに多く使われ、多くの人々の命を救っています。

2019年の日本人受賞者の候補は?

ここまでは今まで受賞してきた日本人について解説してきました。ここからは今後受賞が期待される日本人を紹介します。

物理学賞と化学賞

日本には、ノーベル賞を受賞するに値する実績を持った人物が多く存在しています。そんな中物理学賞の候補としてよく挙げられるのは東京大学教授である十倉好紀氏でしょう。

十倉氏は電気と磁石の性質を併せ持った物質である『マルチフェロイック物質』を開発したことで有名で、この発明によって物理学に大きく貢献したことが世界的にも評価されているのです。

また化学賞では、同じ東京大学教授である藤田誠氏もノーベル賞にふさわしい研究をしています。

藤田氏は分子が自分の意思で集まる現象である『自己組織化』の研究で有名な人物で、2018年にウルフ賞化学部門を受賞しています。今までこの賞を受賞した人の4分の1がノーベル賞を受賞しているため、期待が高まっているのです。

生理学・医学賞

医学・生理学賞では、京都大学教授の森和俊氏が有力です。森氏は細胞の働きの一つである『小胞体ストレス応答』の仕組みの解明に尽力しています。

この研究が将来、糖尿病やがんの治療に役立つと高く評価されているため、森氏を推す声が挙がっているのです。

経済学賞と文学賞

経済学賞では、プリンストン大学教授の清滝信宏氏が有力視されています。経済学賞はまだ日本人の受賞がありませんので、もし受賞できれば日本初の快挙です。

文学賞は村上春樹氏が筆頭に挙げられます。『ノルウェーの森』や『1Q84』などの作品で高い評価を受ける村上氏は以前より受賞が期待されており、ノーベル賞の時期になると毎年のように名前が挙がる人物です。

今後も日本人の受賞に期待

ノーベル賞を日本人が受賞するということは、それだけ日本人が世界の進歩に貢献しているという証でもあります。

今後もたくさんの受賞者が現れることを期待しましょう。

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