日本酒の歴史は奥が深い?歴史を学べる資料館もあわせて紹介

2019.06.28

日本酒作りは昔ながらの製法を大切にしながら、現代に受け継がれてきました。昔ながらの製法だからこそ、昔ながらの味わいを楽しむことができる。まさに、歴史を大事に思う日本人ならではの考え方です。そんな日本酒の歴史についてご存知の方はどれほどいるでしょうか。今回は、日本酒の歴史についてスポットを当ててみました。

日本酒の歴史とは

古くより日本で愛されてきた日本酒ですが、「日本酒の歴史は?」と聞かれてとっさにこたえられる人はあまり多くないと思います。さっそくここから日本酒の歴史についてまとめていきます。

日本酒の起源

日本酒の起源ははるか昔、弥生時代ごろ誕生したとされています。縄文時代から弥生時代になり、稲作が開始されたことをきっかけに、米を原料とするお酒も造られ始めたのではないかと推測されています。

ただし弥生時代には書き言葉はなく、現代にまで残る文献などがないこともあり、はっきりと実証できるわけではありません。また日本酒の起源には、弥生時代に自然発生的に生まれたという説のほかにも、中国から伝わってきた説など諸説あるためこれが正解だということははっきりと言えません。ただし、少なくとも千年以上の歴史があるのは確かといえるでしょう。

記録に残る日本酒のルーツ

それでは記録に残っている日本酒のルーツにはどのようなものがあるのでしょうか?

日本におけるお酒にかかわる記述は、日本最古の歴史書といわれる『古事記』や『日本書紀』にも登場しています。ただ、そうした文献にも「米を使った酒(=日本酒の元祖)」であることが判断できないことも多くあります。

そうした日本酒の起源にかかわる記述の中で、今回は3つの起源を紹介したいと思います。

有名な『スサノオノミコト伝説』

こちらは720年に編纂された『日本書紀』に記述があります。スサノオノミコトという神様が、ヤマタノオロチという怪物を倒す際、『八塩折之酒(やしおりのさけ)』と呼ばれるお酒を作らせた、という旨の記述があります。このため、この『八塩折之酒』が日本酒の起源だとする説があります。

ただし、文献には原料や詳しい製法についての記載がなく、日本酒のルーツと呼ぶにふさわしい『米』をもとにして作られたという確証がありません。原料は木の実や果実だったのではないかという説もあり、はっきりしたことはわかっていません。

確実なルーツ『口嚼ノ酒』と『カビの酒』

確実に『米』を原料としており、日本酒のルーツといえる記述に関しては、2つがあります。

大ヒット映画でおなじみ『口嚼ノ酒』

1つは『口嚼ノ酒(くちかみのさけ)』と呼ばれるものです。口噛み酒とは、米を噛みくだいて容器に入れ、それを寝かすことでアルコール発酵を促し、日本酒を作るという伝統的なお酒造りの方法です。映画『君の名は。』にも登場したことで、なんとなくイメージがわく人もおおいのではないでしょうか。

『口嚼ノ酒(くちかみのさけ)』という記述は、713年以降に書かれたとされる『大隅国風土記』に記載されています。こちらの方は原料が米であるという旨の記述が明確にあることから、このころには少なくとも日本酒の起源と呼べるお酒が存在していたことがわかっています。

現代と同じ製法?『カビの酒』

もう一つの記述としては、『カビの酒』というものです。これは715年以降に編纂されたとされる『播磨国風土記』に記載されており、「神様に供えた干し飯にカビが生えたので、それを使ってお酒を造り、神様に献上したのちに宴会を行った」という旨の記述があります。

現代の日本酒は『麹菌』という酵母を使用してアルコール発酵を促しますが、この麹菌はカビの仲間。つまり、『カビの酒』とはまさに現代の日本酒と同じ製法で造られたお酒とも言えるのです。

こうした起源をもとに、日本酒はその都度製法や形を変えながら、現代にいたるまで脈々とつながっているのですね。

日本酒の歴史が学べる場所

それではここで、日本酒の歴史を学ぶことができる場所について紹介します。興味のある方はぜひ、出かけてみてください。

菊正宗酒造記念館

最初に紹介するのは、『菊正宗酒造記念館』です。この記念館は、日本酒で有名な酒造会社『菊正宗酒造』が運営する美術館です。

この記念館では、酒造りに使用されていた貴重な小道具類などが展示されており、日本酒造りをささえてきた道具や工程をじっくりと学ぶことができます。

また、一通り回ることで伝統的な生酛(きもと)と呼ばれる酒造りの工程が把握できるようになっており、まさに日本酒の歴史が詰まった場所と言えます。

  • 名称:菊正宗酒造記念館
  • 住所:神戸市東灘区魚崎西町1-9-1
  • 公式HP

月桂冠大倉記念館

続いて紹介するのは、『月桂冠大倉記念館』です。こちらも日本酒で有名な酒造会社『月桂冠』の記念博物館。日本酒の醸造の歴史や仕組みを見ながら、月桂冠の歴史も学べる施設となっている他、併設された「きき酒処」でお酒の飲み比べも体験できます。

日本を代表する日本酒ブランドの歴史を、ぜひ体感してみてください。

  • 名称:月桂冠大倉記念館
  • 住所:京都市伏見区南浜町247番地
  • 公式HP

白鶴酒造資料館

続いて紹介するのは、『白鶴酒造資料館』です。この資料館は、大正初期に建造された酒蔵を利用した施設です。大正ロマンあふれる歴史的な建物もさることながら、昔ながらの酒造工程や作業内容までくわしく学べる展示が充実。

ちなみにこちらの資料館ですが、なんと入場は無料です。日本酒の歴史をまずは学んでみたいという方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。

  • 名称:白鶴酒造資料館
  • 住所:兵庫県神戸市東灘区住吉南町4-5-5
  • 公式HP

日本酒の歴史は知れば知るほど面白い

日本酒の歴史について紹介しました。日本酒の起源についてはいまだ諸説があり、その歴史は謎が多いままではありますが、実際に日本酒を触れ合うことで、日本の意外な面白さが見えてくるかもしれません。ぜひ、飲むだけではない日本酒の世界を楽しんでみてください。

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