卓球のボールの基礎知識。自分に合った種類のものを見つけよう

2019.06.28

卓球のボールには、試合で使う公式球からレジャー用のものまで、さまざまな種類があります。価格や打ちやすさなど、それぞれに特徴があるので自分の卓球スタイルに合うボールを見つけましょう。卓球ボールの基礎知識とおすすめのボールを紹介します。

ボールに使われる素材の種類

2014年まで、卓球ボールの素材にはセルロイドが使われていました。しかし最近ではABS樹脂などの、セルロイド以外のプラスチック素材が主流となっています。

ボールの素材が変わった背景とセルロイドのデメリット、新しく使われているプラスチック素材の特徴をみていきましょう。

素材がプラスチックへ変更

セルロイドは、19世紀後半に象牙の代用品として開発された、人類史上最初の合成樹脂です。プラスチックの元祖と言ってもよいでしょう。

熱を加えると簡単に成形でき、水や油に強いことから急速に広まり、眼鏡のフレームや写真のフィルム、玩具、卓球ボールなど、さまざまな製品に使われてきました。

しかし劣化が早く、とても燃えやすいことが難点で、時代が進むにつれて、耐久性があって安全な、プラスチック素材が代わりに使われるようになります。

もちろん、セルロイド製の卓球ボールも例外ではありません。2015年にはすべての国際大会で非セルロイドのプラスチック製ボールを使うことが決まります。それ以降、セルロイドボールが新しく製造されることはなくなりました。

セルロイド製ボールのデメリット

セルロイド製ボールが使われなくなった最大の理由は、可燃性の高さにあります。セルロイドの原料の1つ、ニトロセルロースは火薬の材料に使われるほど燃えやすい物質で、セルロイド工場や保管倉庫での火災が多く発生し、社会問題となっていました。

さらにセルロイド製ボールに追い打ちをかけたのが、飛行機への持ち込み禁止です。2004年のアテネオリンピックでは、国際オリンピック連盟が卓球ボールの輸送を航空会社から断られ、2カ月かけて船で運んだという出来事もありました。

また、最新のプラスチック素材に比べると、劣化が早く長持ちしないことや、もう1つの原料である樟脳(しょうのう)が、高価で供給が安定しないこともデメリットと言えるでしょう。

プラスチック製ボールの特徴

ボールの素材がセルロイドからほかのプラスチックに変わったことで、火災や劣化、供給不足の問題が改善され、より安心して卓球を楽しめるようになりました。

また、素材の変化は卓球のプレースタイルにも少なからず影響を与えています。プラスチックボールはセルロイドボールよりも大きくて重いため、パワーが出やすくなります。

表面に凹凸がなく、回転がかかりにくいのもセルロイドボールとの大きな違いです。ボールに強い回転をかける『カット』が効かなくなる一方で、力強い打球によるラリーが長続きするようになりました。

カットの代わりに弧を描くような回転をかける『ドライブ』など、プラスチックボールの特徴を活かした新しいテクニックも台頭し、試合の楽しみ方が広がっています。

ボールの大きや重さ

卓球ボールの規格には、公式試合で使われる『硬式球』のほかに、『ラージボール』と『レジャー用ボール』があります。それぞれ大きさや重さが違うので、特徴を理解して自分に合うボールを選びましょう。

公式で定められている規格

卓球ボールといえば、一般的には試合や部活動などで使用する『硬式球』を指します。硬式球の規格は公式ルールにより、直径40mm、重さは2.7gと定められています。

ただしこの大きさになったのは、2000年のシドニーオリンピックからで、その前はボールの直径は38mmでした。直径が2mm違うだけですから、ぱっと見ただけでは違いはわからないかもしれません。

しかし2mm大きくなるだけでもボールが受ける空気抵抗が増え、スピードが落ちてラリーを続けやすくなります。ボールの軌道がわかりやすいので、観客も試合をより楽しめるようになりました。

ラージボールとは?

ラージボールは、1988年に日本卓球協会と大手卓球用品メーカーのニッタクが、共同で始めた競技です。ボールやラケットのラバー、ネットの高さを変えて、初心者や高齢者でも簡単にラリーを続けられるよう工夫しています。

ラージボールの規格は直径44mm、重さは2.4gで、硬式球よりも大きくて軽いのが特徴です。ラケットに当てやすくてスピードが出ないため、ゆったりしたラリーを楽しめます。

ラージボール専用の大会も開催されており、健康増進やレジャーの一環として卓球を取り入れたいときにおすすめです。

レジャー用の変り種ボール

公式の試合には使えませんが、レジャー用の安価な卓球ボールもたくさん販売されています。ピンクやグリーンなどのカラフルなもの、ほかの球技のボールを模したもの、直径が55mmもある大きなものなど、バリエーションも豊富です。

パーティーや合宿の余興などで使うと、とても盛り上がるでしょう。ただしこうしたボールはあくまでもレジャー用品なので、品質は保証できません。

直径40mmと書かれていても大きさが微妙に違っていたり、すぐに割れてしまったりすることもあります。レジャー用のボールを本格的な卓球の練習に使うのは、避けたほうがよいでしょう。

ボールの色について知ろう

公式ルールでは、卓球ボールの色は白またはオレンジと定められています。当初は白が主流でしたが、時代によってはオレンジが主流になったり、どちらも同じくらい使われていたりと、試合での使われ方はさまざまです。

ちなみに現在、日本の公式試合では高校生以上は白、中学生以下はオレンジを使うことになっています。

そもそもなぜ、卓球ボールの色はこの2色になったのでしょうか?卓球ボールの色の変遷と、プレーに及ぼす影響などをみていきましょう。

オレンジ色が生まれた理由

卓球ボールの色は、もともとは白または黄色と定められていました。しかしほとんどの試合で白いボールが使用されていたため、卓球ボールといえば白というイメージが、長い間定着していました。

ところが1988年のソウルオリンピックで卓球が正式種目に採用されたことで、その歴史が変わります。

ここでも白いボールが使われていたのですが、試合会場を訪れたIOC(国際オリンピック委員会)の会長が、観客への配慮から色のついたボールを使うことを提案します。

このことをきっかけに、翌年にはオレンジ色のボールが導入され、現在に至っているのです。

ボールがオレンジ色の理由

IOC会長の提案を受けて、ボールの色がオレンジに決まったのは、オレンジが白よりも大きく見えるうえに、目で追いやすい色だったからです。

当時は今よりもボールが小さく、高速なラリーが展開されていたため、ボールの軌道が観客席からはよく見えませんでした。

このため、できるだけ見やすい色として、オレンジが採用されたのです。ボールの軌道が見やすいことは観客だけでなく、選手にとってもメリットが大きく、一時期はほとんどの試合でオレンジボールが使われていたほどです。

しかし現在ではボールが大きくなり、以前よりもラリーの軌道を目で追いやすくなったことから、ボールの色による差はほとんど見られなくなりました。

ユニフォームとの兼ね合い

白いボールが主流だった頃は、ボールが見えなくならないように、選手のユニフォームは濃い単一色と決められていました。

しかしオレンジ色のボールが導入されてからは、ユニフォームの色に制限はなくなっています。

もちろん何を着てもよいわけではなく、試合で使われるボールの色とは逆の色のユニフォームを着る必要があります。

たとえば白いボールなら濃い赤や青、オレンジボールなら白や紺、水色などがふさわしいとされています。

ボールの選び方

卓球ボールを買うときは、試合用と練習用を分けて選ぶのが基本です。試合用のボールは高価ですから、毎日の練習には安価なトレーニングボールを使い、本番と同じ公式球は、試合前の調整用として使うとよいでしょう。

ランク別のボールの選び方について解説します。

公式戦に出るなら3スターボール

卓球ボールのランクは、ボールにプリントされた星の数を見ると分かります。もっともランクが高いのは、星のマークが3個の『3スター(スリースター)』と呼ばれるボールです。

公式戦では3スターボールを使うことが決められているので、試合直前には同じボールを使って練習し、感覚を掴んでおくとよいでしょう。

また、同じ3スターボールでも、メーカーによって微妙に打球感が異なります。せっかく練習するなら、できるだけ試合で使われるメーカーのボールを使うのがおすすめです。

ボールの質を確認しよう

同じメーカーの同じボールを使っていても、すべてが同じ品質であるとは限りません。バランスの悪いボールが入っていることもあるので、使う前に確かめておきましょう。

個々のボールの品質を確かめたいときは、台の上で1個ずつ回してみます。バランスの取れたボールなら、長くきれいな回転が続くでしょう。

また、バランスが悪いボールは、打つたびに打球感覚が変わったり、コントロールが効かなくなったりします。普段の練習はともかく、試合直前の練習には使わないほうがよいでしょう。

練習には値段が安いトレーニング用ボール

3スターボールは品質がよい代わりに、試合球として公認されるための厳しい条件をクリアしなければならないので、価格が高いのがネックです。

1個につき200~400円ほどかかるため、日常的な練習には向いていません。思い切り練習するためには、価格の安いトレーニング専用のボールをたくさん用意しておくのがおすすめです。

おすすめの3スターボール

ここからは、おすすめの卓球ボールを具体的にみていきましょう。まずは国際試合でも使われている、高品質の3スターボールを3点紹介します。

3スターボールは主に3個または12個単位で販売されています。1個当たりの単価は12個入りのほうが安くなりますが、試合直前の調整程度なら、3個入りでも充分です。

無駄のないように、目的に合った個数を購入しましょう。

ニッタク 国際公認球 3スター

ニッタクの3スターボールは、世界中の卓球ボールの中でも最高の品質と評判になるほど、ハイレベルなプラスチックボールです。

セルロイドに比べて均一に作るのが難しいプラスチックボールですが、ニッタクのボールにはムラがなく、継ぎ目もほとんどありません。このため常に安定したプレーが可能です。

  • 商品名:ニッタク 国際公認球 3スター
  • 価格:12個入り3130円/3個入り943円(税込)
  • Amazon:商品ページ

TSP CP40+ 3スターボール

TSPは日本の卓球用品メーカー、株式会社VICTASが展開する、ボールやラケットなどのブランドです。国際試合で使われるものと同じ品質の3スターボールを、リーズナブルな価格で提供しています。

1個当たりの価格を12個入りで比較すると、ニッタクの約260円に対してTSPは約167円と、とても安いことがわかります。

さらにTSPの3スターボールには60個入りもあり、1個当たり約122円という破格の値段で購入できます。ここまで安ければ、練習用として購入してもよいくらいです。

耐久性も充分で、コストパフォーマンスに優れた商品です。

  • 商品名:TSP CP40+ 3スターボール
  • 価格:60個入り7348円/12個入り2002円/3個入り583円(税込)
  • Amazon:商品ページ

バタフライ スリースターボール

バタフライの3スターボールも、国際試合ではよく使用されているボールです。バタフライは水谷隼選手や張本智和選手などの人気選手が契約している、卓球用品メーカーで、ピンク色の羽根のようなマークが、とても印象的です。

  • 商品名:バタフライ スリースターボール
  • 価格:12個入り3248円/3個入り998円(税込)
  • Amazon:商品ページ

トレーニング用におすすめのボール

毎日の練習には、安価なトレーニングボールが便利です。60個入りや120個入りなど、たくさん入っているものが多いので、1箱買えば、存分に練習できるでしょう。

硬式球とラージボールの、おすすめトレーニングボールを3点紹介します。

ニッタク 卓球 ボール 練習用

ニッタクのジャパントップトレ球は、比較的公式球に近い感覚で打てることで評判のトレーニングボールです。

トレーニングボールにしては珍しく、6個入りが用意されています。試合を想定した練習用に、少しだけ買いたいときに便利です。

  • 商品名:ニッタク 卓球 ボール 練習用 ジャパントップトレ球
  • 価格:60個入り4478円/6個入り680円(税込)
  • Amazon:商品ページ

TSP 卓球 ボール CP40+ トレーニングボール

TSPのCP40+トレーニングボールは、120個入りなら1個50円を切る低価格が魅力です。同社の3スターボール同様耐久性も高いので、割れや紛失を気にせず練習に集中できるでしょう。

マシンを使った練習や、サーブ練習などに最適です。

  • 商品名:TSP 卓球 ボール CP40+ トレーニングボール
  • 価格:120個入り5252円/60個入り3570円(税込)
  • Amazon:商品ページ

ニッタク 練習用 ラージボール

こちらはニッタク製の、ラージボール専用トレーニングボールです。ニッタクが作っている硬式用のトレーニングボールと同じく、3スターボールに近い打球感覚を得られます。

  • 商品名:ニッタク 練習用 ラージボール
  • 価格:120個入り1万1982円/24個入り2476円(税込)
  • Amazon:商品ページ

ボールケースで安全に持ち運ぶ

小さく軽い卓球ボールですが、壊れやすいため試合や練習に持ち運ぶときには、意外に神経を使います。

お気に入りの卓球ボールを見つけたら、ぜひ専用のボールケースも用意しておきましょう。ボールケースを使うメリットと、おすすめの商品を紹介します。

ボールケースはなぜ必要か

卓球ボールは、ほかの球技用ボールと比べると、圧倒的に小さくて軽いのが特徴です。このため、移動のときもバッグに入れて、簡単に持ち運べるイメージがあります。

しかし卓球ボールは薄いプラスチックでできています。しかも中が空洞なので、割れたり潰れたりしやすく、少しでも潰れると元には戻りません。

ダメージを受けると2度と使えなくなってしまうので、移動中の割れや潰れは極力避けたいところです。たとえ数個でも、移動の際は専用のケースに入れ、ほかの荷物とは分けて持ち運ぶようにしましょう。

ニッタク ケース ボール 3個入れ用

ニッタクの3個入れ用ボールケースは、ペットボトルケースのようなすっきりしたデザインが特徴です。耐久性があり、そのままバッグに入れてもボールをしっかり保護します。

カラフルな生地と白い大きなロゴがとても目立ち、大きなバッグの中に入れておいてもすぐに見つけられそうです。

硬式球とラージボール、どちらにも対応しています。3スターボールを買ったら、すぐに入れ替えておきたくなるケースです。

  • 商品名:ニッタク ケース ボール 3個入れ用
  • 価格:864円(税込)
  • Amazon:商品ページ

ニッタク メニーズボールケース

ニッタクのメニーズボールケースは、大量のトレーニングボールを持ち運ぶときに便利です。巾着部分の紐が長いので、肩にかけて楽に持ち運べます。

また、ネット部分を内側にたたんでボールを入れると、練習用ボールバケツとしても使えます。黒字に白のロゴが入ったシンプルなデザインで、中のボールが見えやすいのもポイントです。

こちらも硬式球とラージボールの両方に対応しています。

  • 商品名:ニッタク メニーズボールケース
  • 価格:1620円(税込)
  • Amazon:商品ページ

ボールにこだわって卓球を楽しもう

卓球ボールの素材や色、そして大きさは、さまざまな事情によって変化しながら現在の形となっています。ボールの歴史を知れば、卓球の奥深さが見えてくるかもしれません。

この機会に、普段何気なく使っている卓球ボールも、こだわりを持って選んでみてはいかがでしょうか。

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