喫茶店の魅力を探ろう。喫茶店の歴史や一度は訪れたいお店を紹介

2018.09.03

喫茶店は手軽にテイクアウトができる店や、レストランのように腰を据えて飲食ができる店など、時代とともにさまざまな進化を遂げています。そんな喫茶店について、ちょっとした豆知識のほか、マナー、おすすめのお店をなどご紹介します。

西洋文化の到来 喫茶店ヒストリー

おしゃれで趣のある店内、ふんわりと漂うコーヒーの香り…喫茶店は今も昔も多くの人の心を魅了してきました。

しかし、西洋文化の中で生まれた喫茶店がどのようにして日本に広まり、現在のように人々に親しまれるようになったのか、不思議に思いませんか?

そこでまずは喫茶店のヒストリーをご紹介します。

日本では上野の可否茶館が第一号

喫茶店の始まりは、明治時代までさかのぼります。日本初の喫茶店は、1888年(明治21年)に上野に開店した『可否茶館(かひちゃかん)』です。

当初は「可否茶館に行く」というとハイカラであり、流行の最先端でした。店は西洋風の趣ある装いで、飲食のスペースのほか、ビリヤード台、雑誌、トランプ、囲碁などが置かれており、さまざまな娯楽が楽しめます。

店主は、西洋で文化人が集まり社交の場となったコーヒーハウスのようにしたいと考え、可否茶館を開店したのです。

しかし設立当時、日本はまだ西洋文化が馴染んでおらず、可否茶館は赤字経営となり、開店からわずか4年で閉店となりました。

明治時代後期に相次いで銀座に開店

1911年(明治44年)から、パリやロンドンのスタイルを取り入れた喫茶店『カフェー』が相次いで銀座に開店しました。この時代になると、西洋文化は広く一般に浸透しており、可否茶館のように敬遠されることもありません。

西洋スタイルの店と、コーヒー、洋食はおしゃれだと人気を呼び、多くの人でにぎわうようになりました。

また、喫茶店によっては美人女給(ウエイトレス)を売りにしている店舗もあり、女給を目当てに通う人も多かったといわれています。

誰かに教えたくなるカフェーライオンの話

銀座4丁目にある『ライオンビヤホール』は日本最古のカフェーとして創業した店舗です。

開店当初は『カフェーライオン』という名前でしたが、経営が築地精養軒から大日本麦酒(現在のサッポロビール)に変わると、店名は『ライオンヱビスビヤホール』になり、ビヤホールとして営業を開始します。

そして現在は、『銀座ライオン』『ライオンビヤホール』という名前で親しまれています。

  • 店舗名:ビヤホールライオン 銀座七丁目店
  • 住所:東京都中央区銀座7-9-20 銀座ライオンビル1F
  • 電話番号:03-3571-2590
  • 営業時間:平日 ランチ11:30〜14:00、ディナー14:00〜23:00
    • 休日 11:30〜22:30
  • 定休日:無休
  • 公式HP

喫茶店のメニュー 昭和から愛される定番料理

喫茶店を訪れたら、飲み物だけでなく、小腹がすいたときの軽食や、ランチ・定食などのメニューを頼む方も多いでしょう。

喫茶店には、トースト、ハムエッグ、サンドウィッチなど、古くから多くの人に愛されてきた『定番料理』があります。

日本独自のサンドウィッチ

食パンの耳を落として、薄切りにしたパンに卵やレタスを挟んで食べる……そんな喫茶店の定番『サンドウィッチ』は、実は日本独自で発展した料理です。

海外のサンドウィッチは、長楕円状パンに切れ込みを入れて具を挟んだ『サブマリン・サンド』や、サンドイッチをフライパンで熱した『ホットサンド』などさまざまなものがありますが、どれも日本のサンドウィッチとは形が違います。

そんな日本のサンドウィッチは手軽に作れるだけでなく、バリエーションが豊富なことから、多くの喫茶店で食べられる定番メニューとなりました。手軽な調理方法だからこそ、各店の個性が光ります。

喫茶店に行ったら、ぜひサンドウィッチを食べてみてください。

関西風の玉子サンドは厚くボリューム大

シンプルなパンに玉子を挟む玉子サンドは、関西と関東で作り方が異なります。

『関東の玉子サンドは玉子サラダに使用される細かく砕かれた玉子をサンド』するのに対し、『関西の玉子サンドはだし巻き卵のように調理された玉子焼き(またはオムレツ)をサンド』します。

関西風の玉子サンドは、分厚い玉子焼きがサンドされているため、食べ応えも抜群です。

モーニングでお馴染みのトースト

喫茶店モーニングといえば、『トースト』です。

喫茶店によっては、パンを焼いたシンプルなトーストに、茹で卵やサラダなどが添えられ、飲み物にはコーヒーや紅茶が付いてきます。シンプルながらやさしい味わいが魅力です。

また、トーストには「ピザトースト」「フレンチトースト」「小倉トースト」「ハニートースト」など種類があり、喫茶店によって出されるトーストも異なります。

小倉トーストは主に愛知県の喫茶店だけで食べられるご当地料理です。ハニートーストは、アイスクリームや果物などがトッピングされたものもあります。

喫茶店に行ったら、好みのトーストを探してみてください。

定番のトーストにも変わり種が存在

東京都神田駅近くの路地裏ある、昭和モダンな喫茶店『珈琲専門店エース』では、『のりトースト』という変わり種を扱っています。

のりトーストは、のり弁をヒントに「ごはんの変わりにパンを使用したらどうだろう?」という店主の発想から生まれました。

醤油、のり、バターを挟んだシンプルなのりトーストは開店当初から評判が良く、それを目当てに訪れる常連客も多くいます。

神田に訪れた際は、ぜひのりトーストを味わってみてください。

  • 店舗名:珈琲専門店 エース
  • 住所:東京都千代田区内神田3-10-6
  • 電話番号:03-3256-3941
  • 営業時間:平日7:00~19:00 、土曜日7:00~14:00
  • 定休日:日曜祝日
  • 公式HP:なし

モーニング発祥の地は名古屋ではない?

喫茶店のモーニングといえば、名古屋というイメージが強い方も多いでしょう。しかし、モーニングの発祥は、名古屋でも愛知県でもありません。

日本で初めてモーニングを開始したのは、広島県にある喫茶店『ルーエぶらじる』だといわれています。

広島のルーエ ぶらじるが日本で最初か

『ルーエ ぶらじる』は、広島市タカノ橋商店街にある喫茶店です。トーストにたまご、コーヒーをセットで提供する、モーニングメニューを初めて作った店として記録が残されています。

モーニング発祥の店舗があるにも関わらず、広島は名古屋に比べ、モーニングの文化が広まることはありませんでした。

しかし、ルーエぶらじるは1日に600人もの客が訪れる人気店として、70年以上も愛され続けています。

夢の三点セットをモーニングとして提供

ルーエ ぶらじるの創業者は、モーニングのトースト、たまご、コーヒーの3点セットを『夢の3点セット』と呼んでいました。

今では当たり前で、ともすると素朴・質素にも感じるセットですが、ルーエ ぶらじるが創業した当時は人々の憧れのメニューでした。広島は、第二次世界大戦で甚大な被害を受け、食糧難だったためです。

この夢のようなセットを提供したいと考えたルーエ ぶらじるの創業者によって、モーニングは生まれたのです。

  • 店舗名:ルーエ ぶらじる
  • 住所:広島県広島市中区大手町5-6-11
  • 電話番号:082-244-2327
  • 営業時間:平日7:00~20:00、土日祝7:00~19:00
  • 定休日:無休
  • 公式HP:なし

喫茶店での作法やコーヒーの味わい方

誰でも気軽に立ち寄れることが魅力の喫茶店ですが、最低限守っておきたいマナーは存在します。

また最近では、低価格で回転率を重視した喫茶店も出てきており、長時間の滞在ができない店舗も現れました。

そこで知っておきたい喫茶店のマナーやコーヒーの味わい方をご紹介します。

長時間の居座りはマナー違反?

喫茶店といえば、のんびりくつろげる飲食店というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。しかし、店舗によっては『長時間の利用お断り』という場合があります。

特に、訪れる人が多い店舗での長時間の居座りは断られるケースが多いです。

さらに、『大人数で来て飲食をするのは数人だけ』・『ほとんど頼まないのに長時間居座る』というのもマナー違反になります。

喫茶店は多くの客が訪れて注文をしてもらうことで収益を上げています。特に頼みもしないのに長時間居座られるのは営業妨害にもなりかねません。

客が多い店舗や、席数が少ない店舗での長時間の居座りはやめましょう。

お気に入りの場所にこだわりすぎない

あまりに居心地が良いからと言って、いつも同じ場所にいるのもマナーとしてはグレーゾーンです。店舗によっては「もっといろいろな人に席を使ってもらい、良さを感じて欲しいのに…」と嫌がられているかもしれません。

例えば、『どんなに混んでいてもお気に入りの場所にしか座らない』・『埋まっていたら空くまで近くの席で見張っている』など、行き過ぎた愛情は周囲の迷惑になっている場合があります。

お気に入りの場所にこだわりすぎず、周囲の迷惑にならない程度に喫茶店ライフを楽しみましょう。

コーヒーは五感で楽しむ

コーヒーの魅力を最大限に楽しむポイントは、『味覚』・『触覚』・『視覚』・『嗅覚』の五感で味わうことです。

香り一つとっても、豆を挽くときの香りと、コーヒーを入れたカップから漂う香り、口に含んだときの鼻から抜ける香り、の3つが楽しめます。

また、コーヒーの種類や抽出の仕方によって、口に含んだ時に感じる、まろやかさ、とろみなども変わってきます。

コーヒーを飲む際は、5感を使って、隅々まで堪能するのがツウの楽しみ方です。ぜひ試してみてください。

ついつい大声で話さないように

美味しいコーヒー、趣にある内装にテンションが上がってつい声が大きくなることもあるでしょう。しかし、喫茶店に訪れる客は、落ち着いた雰囲気を楽しみにくる方が多くいます。

喫茶店では大声で話さないように注意してください。

喫茶店のカレーはなぜ美味い

喫茶店で食べるカレーが美味しいと感じたことはありませんか? 実は、『コーヒーが美味しい店はカレーもおいしい』という評判が付くほど、喫茶店とカレーは切り離せない関係にあります。

ではなぜ、喫茶店のカレーは美味しく感じるのでしょうか。

実はコーヒーとの食べ合わせが良かった?

カレーに使用されている生姜や唐辛子などのスパイスは血行促進や消化促進、頭をクリアにする効果などが期待できます。

また、コーヒーのポリフェノールは抗酸化作用があり、カレーの成分と合わせて取ることで相乗効果が期待できます。

辛いものの後に、刺激物を口に入れると辛みが増すといわれており、コーヒーはカレーの辛みをさらに引き立てることが可能です。

ピリッとスパイスの効いた、辛みのあるカレーを味わいたいときは、喫茶店でカレーとコーヒーを食べ合わせてみましょう。

ダイエット効果も期待できる?

カレーのスパイスの香りは、脂肪燃焼効果が期待できます。さらに、コーヒーのカフェインによってその効果が高まるとの研究結果があります。

ダイエットをしたけど、カレーも食べたいという場合は、カレー+コーヒーを頼みましょう。

万定フルーツパーラーはカレーが大人気

『万定フルーツパーラー』は、レトロな店構えの老舗喫茶店です。1914年に創業された店舗は、地震や戦火にも耐え抜き、当時のまま営業をしています。

そんな万定フルーツパーラーでは、カレーが美味しいと口コミで人気が広まり、カレー目当てに多くの人が訪れるようになりました。

歴史を感じるノスタルジックな店内を眺めながら、人気のカレーを楽しみましょう。

  • 店舗名:万定フルーツパーラー
  • 住所:東京都文京区本郷6-17-1
  • 電話番号:03-3812-2591
  • 営業時間:11:00〜15:00
  • 定休日:不定休
  • 公式HP

一度は堪能したい ランチがおすすめの店

喫茶店にはランチメニューを扱っている店も多くあります。ランチの内容は店舗によって異なるため、独自性が光るポイントです。

ここでは、ランチメニューが美味しいと評判のお店をご紹介します。

吉祥寺のカヤシマ

吉祥寺にある『カヤシマ』では、毎日、日替わり弁当や日替わりランチなど、25種類ものランチメニューが選べます。

すべての食事にドリンクが付いており、さらに、ご飯の大盛が無料という嬉しいサービス付きです。

お腹いっぱい食べたいときにはピッタリの喫茶店です。

孤独のグルメで紹介された絶品ナポリタン

カヤシマの名物料理は、漫画「孤独のグルメ」に登場したこともある『ナポリタン』です。

ベーコン、ピーマン、玉ねぎなどの具と、もちもちした中太麺がケチャップで味付けをされており、『これぞ喫茶店のナポリタン』というシンプルな味わいとなっています。

また、ナポリタン+ハンバーグなどを組み合わせたメニューも注文可能です。

昔ながらの庶民的なナポリタンを食べたくなったら、ぜひカヤシマに足を運んでみてください。

  • 店舗名:カヤシマ
  • 住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-10-9
  • 電話番号:0422-21-6461
  • 営業時間:ランチ11:00〜18:00、ディナー18:00~24:00
  • 定休日:無休
  • 公式HP

高円寺の七つ森

高円寺にある『七つ森』は瓦屋根の日本らしい外観が特徴の喫茶店です。外観は和風色が強いですが、お店に入ると、昭和時代にタイムスリップをしたようなレトロ感の漂う内装となっています。

この七つ森では、自家製ケーキとオリジナル料理が楽しめます。

ふわふわで和風なオムごはん

七つ森に訪れたら食べたいのが、ふわふわの『和風オムごはん』です。牛肉のしぐれ煮を混ぜ合わせた白米の上に、ふわふわのオムレツが乗ったオムごはんは、この七つ森でしか食べられないオリジナルメニューです。

  • 店舗名:七つ森
  • 住所:東京都杉並区高円寺南2-20-20
  • 電話番号: 03-3318-1393
  • 営業時間:10:30~24:00
  • 定休日:無休
  • 公式HP:なし

ディナーの後に行きたくなる店

喫茶店は夜に訪れても楽しめます。特に夜間をメインにしている喫茶店は、個性的な店舗が多く、1人でふらりと立ち寄りたくなる魅力があります。

そんな、ディナーの後に行きたくなる喫茶店をご紹介します。

名古屋のジャズ喫茶 YURI

名古屋のジャズ喫茶『YURI』は、名古屋にいるなら一度は訪れたい喫茶店です。店内にはジャズミュージックが流れ、棚にはレコードがズラリと並びます。これぞ『大人の喫茶店』という雰囲気です。

ジャズ喫茶YURIの名物料理は、『チキンライス』です。バターとケチャップで味付けされたチキンライスは昔ながらの素朴な味付けですが、リピーターが出るほど美味しいと評判のメニューです。

ディナーの後、小腹が空いたときにいかがでしょう。

  • 店舗名:JAZZ&Coffee YURI
  • 住所:愛知県名古屋市東区東桜1-10-40
  • 電話番号:052-951-7800
  • 営業時間:火~土 12:00~24:00、日祝12:00~22:00
  • 定休日:月曜日
  • 公式HP:なし

深夜まで開店 阿佐ヶ谷のgion

阿佐ヶ谷にある『gion(ギオン)』は深夜2時まで営業している喫茶店です。店内のイスはブランコのように吊るされており、ピンク色の壁と相まって不思議の国に迷い込んだような雰囲気があります。

gionに行ったら注文したいのが、『青色のクリームソーダ』です。透き通った海のような美しい青色は、見ているだけで心が落ち着きます。

夜の喫茶店でブランコに揺られながら、青色のクリームソーダを飲む……なんて非日常を味わってみるのはいかがでしょうか。

  • 店舗名:gion
  • 住所:東京都杉並区阿佐谷北1-3-3 川染ビル1F
  • 電話番号:03-3338-4381
  • 営業時間:8:30~翌2:00、日曜9:00〜翌2:00
  • 定休日:年中無休
  • 公式HP:なし

喫茶店で時を忘れてレトロな空間に溶け込む

喫茶店は、今も昔も人の心を惹きつけてやまない不思議な魅力があります。日常の喧騒を忘れて、たまには喫茶店でのんびり過ごすのもおすすめです。

今回紹介した喫茶店は、どれも一度は訪れてみたい魅力ある店舗ばかりです。喫茶店選びに迷ったらぜひ参考にしてください。

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