世界で初めて上映されたミュージカルとは?知っておきたいミュージカルの歴史

2019.06.26

芝居、歌、踊りが同時に楽しめるのがミュージカルの醍醐味です。ですが「オペラとはどう違うの?」「ミュージカルはいつから発展したの?」と思っている人も多いことでしょう。そこでこの記事では、ミュージカルの歴史についてご紹介していきます。

ミュージカルの定義と歴史

ミュージカルは、「オペラが変化したもの」と言われていますが、厳密にはどういったものを指すのでしょうか。そこでまずは、ミュージカルとはいったいどんなものなのかからご紹介します。

ミュージカルの定義

実のところ、ミュージカルに厳密な定義は存在しません。

しかし一般的には、「自由な歌唱」「歌手によるダンス」「打楽器を多用した自由なバンド編成」「英語など自由な歌詞」などの要素を踏まえた歌劇のことを『ミュージカル』と呼ぶことができるでしょう。

ミュージカルの基となった『オペラ』が、「オペラ発声の歌手」「クラシック編成の管弦楽団」「バレエダンサーによる舞踊」「主にイタリア語・ドイツ語などの歌詞(英語のオペラは少ない)」などを特徴としていることを考えると、かなり違うことが分かると思います。

また、作曲家のレナード・バーンスタインによると、「歌によってドラマが進行するのがオペラ。ドラマの結果としての感情を歌に託すのがミュージカル」と定義されています。このように、オペラは歌をメインとする歌劇なのに対し、ミュージカルはストーリーに花を添える劇中歌が豊富な演劇である、と理解することもできます。

ミュージカルの歴史

前述の通り、ミュージカルの起源をさかのぼっていくと『オペラ』にたどり着きます。

その『オペラ』で世界最古のものは、1607年にイタリアで上演された『オルフェオ』という作品だといわれています。なんと今から400年以上前にすでにオペラというものがあったのですね。

その後19世紀半ばになると、その派生形である『オペレッタ』が流行るようになります。『オペレッタ』とはイタリア語で「小さいオペラ」の意味で、喜劇が中心です。

そのオペレッタをアメリカに持ち込み、ショーとしての要素を加えたのが、ハンガリー生まれのアメリカの作曲家シグマンド・ロンバーグ( 1887年7月29日 – 1951年11月9日)です。

シグマンド・ロンバーグの曲は『ロンバーグ・メロディ』と呼ばれ、現在ではこれを原型とするショーとしての要素を加えたオペレッタが『ミュージカル』だと解釈されています。

その意味では、シグマンド・ロンバーグはミュージカルの先駆者といえるでしょう。

最初のミュージカルはアメリカで上演された

世界で最初のミュージカルは1927年にアメリカで上演された、『ショウボート』だと言われています。

先述の通り、ミュージカルの定義が厳密には存在していない以上、線引きが難しいですが、「ダンスがある」「第1幕と第2幕の間に休憩がある」「登場人物が物語の展開に即して歌う」などの点で従来のオペレッタとは異なっており、ここがミュージカルというジャンルが生まれたターニングポイントとみなしてよいでしょう。

その後、1943~1965年頃にはブロードウェイ黄金期と呼ばれるミュージカルの絶頂期を迎えます。

この時期の代表作には、『オクラホマ』や『ウエスト・サイド・ストーリー』『サウンド・オブ・ミュージック』など現代にいたるまで上映が続く名作中の名作があります。この時期がいかに豊作な時期であったかが分かると思います。

また、1971年頃からはイギリス発のミュージカルが流行り、1990年代に入ると、エンタメ界の巨人『ディズニー』がミュージカルを発表するようになります。

名作『アラジン』や『ライオンキング』はこの時期の作品ですが、ミュージカルというものをより多くの人に広めたという意味では、ディズニーの貢献度は高いといえるでしょう。

日本で最初のミュージカルは宝塚?

アメリカでは1927年上演の『ショウボート』が最初だとされていますが、日本ではどうなのでしょうか。

日本での初公演となったミュージカルが何だったかについては諸説ありますが、もっとも有力な説は、1914年に上演された『ドンブラコ』です。『ドンブラコ』は桃太郎をモチーフにした北村季晴作詞・作曲の歌劇で、宝塚歌劇団の第一回公演として上演されました。

アメリカ発祥の文化としてのミュージカルとは少し意味合いが異なりますが、それでもアメリカより10年以上も前に、日本では歌と踊りを交えた演劇文化が発祥していたのですね。

また、映画の世界では、1931年に公開の『マダムと女房」が日本初のミュージカル映画だと言われています。

ミュージカルの歴史はオペラから始まった

ミュージカルの歴史はオペラから始まっており、紆余曲折を経ながら独自の歌劇文化として進化してきました。アメリカ発祥のミュージカルも素敵ですが、日本で独自に生まれた歌劇も見逃せません。

オペラは本来貴人の嗜みでしたが、これをより現代的に・大衆的に変容させ、親しみやすくなったのがミュージカルということもできるかもしれません。ぜひこの記事をきっかけに、ミュージカルの世界を堪能してみてください。

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