東京五輪の前に知っておきたい。『卓球』のルールや有名選手をおさらい!

2019.06.26

近年の卓球ブームの影響もあり、卓球に興味をもっている人も多いことでしょう。そこで、卓球の基本的なルールや注目選手、2018年に国内で開幕したTリーグについてご紹介します。これから卓球を始めたい人やより深く卓球を理解したい人におすすめです。

卓球の基本的なルール

卓球の基本的なルールで最低限理解しておくことは、『サービス』と『レシーブ』です。

サービスは、球を自分のコートに1回バウンドさせた後、相手コートに1回バウンドさせます。レシーブは、相手が自分のコートに1回バウンドさせたら、ノーバウンドで相手コートに返球するだけです。

ゲームの流れと得点

卓球は、11点を先取した側が1ゲーム取ることになります。ただし10対10になったら、以降の流れはどちらかが相手に2点差をつけるまでゲームは終わりません。

1ゲーム終わるごとに『チェンジエンド(コートを交代)』します。7ゲームズマッチなら4ゲーム先取、5ゲームズマッチなら3ゲーム先取した側が勝利です。

基本的にミスをすると相手のポイントになりますが、『促進ルール(※)』が適用された場合は、レシーバーが13回返球するとレシーバーのポイントになります。

※促進ルールは、長時間の試合を防ぐための変則ルールで、各ゲームが開始して10分経っても終了しない場合に適用されます。ただし、両者の得点の合計が18以上の場合は適用されません。

ラリー中のルール

ラリー中にもいくつかルールがあります。違反した場合は、相手のポイントになるので注意しましょう。

  • サービス以外のネットインは認められる
  • サービスがネットインしたらノーカウントでやり直し
  • 卓球台のエッジ(ふち)に当たっても得点は認められる
  • 卓球台のサイド(側面)に当たったらミスになる
  • ネットや支柱にラケットや体の一部が触れてはいけない
  • フリーハンド(※)は卓球台に触れてはいけない

※フリーハンドとは、ラケットを持たない側の手首から指先のことです。

シングルスとダブルスの違い

ダブルスは2対2で試合を行い、シングルスとは異なるルールが適用されます。下図のようにプレーヤーAがサーバーの場合、サービスは自分のコートの右半分に1回、相手コートの右半分に1回バウンドさせなければなりません。

出典:卓球の基本的なルール|公益財団法人日本卓球協会

打球の順番も決まっています。プレーヤーAがサーバーなら、AからXへ、XからBへ、BからYへ、YからAへと交互に打たなければなりません。

1ゲームごとにチェンジエンドし、同時に打球順も変わります。サーバーがプレーヤーAなら、AからYへ、YからBへ、BからXへ、XからAへと最初のレシーバーをXからYへ変更するのがダブルスのルールです。

ラケットについて知ろう

ここでは、ラケットの構成や種類、規定について説明します。

ラケットの構成

ラケットは、木とラバーから構成されています。木の種類は、単板・合板・特殊素材入り合板の3種類です。

  • 単板:1枚の板でできており、板が厚いほど球の反発力が高くなる
  • 合板:複数の板を合わせて作られ、3枚・5枚・7枚の3種類があり、組み合わせる板の種類や枚数により性能が変わる
  • 特殊素材入り合板:トップ選手に多く使用され、特殊素材により反発力が強い、打球感が良いなど性能が異なる

ラバーにも種類があり、プレースタイルに合わせてラバーを選びましょう。

見た目 特徴 プレースタイル
裏ソフトラバー 表面が平らに加工 球を回転させやすい・反発力が強い ドライブ型
表ソフトラバー 表面が小さな突起状に加工 球を回転させにくい・反発力が強い 速攻型
粒高ラバー 表ソフトラバーの突起をさらに高く加工 球の回転の影響をほとんど受けない・レシーブしやすい 守備型(カットマンなど)
一枚ラバー ラケットに直に表ソフトラバーが貼られている 球を回転させにくい・反発力が弱い・安定したレシーブが可能 利用者はほとんどいない
アンチラバー 裏ソフトラバーに似ている 回転がかかりにくい 利用者はほとんどいない

ラケットの種類

ラケットの種類は大きく2種類あり、主流はシェイクハンドです。

  • ペンホルダー
  • シェイクハンド

ペンホルダーは2種類あり、ラバーが片面の日本式ペンと両面の中国式ペンになります。ペンホルダーとシェイクハンドのメリット・デメリットを以下の表にまとめました。

メリット デメリット
ペンホルダー 手首の可動範囲が広い・フリックなど小技に適している・素早いスイングが可能・スピンがかけやすい バックに向かない(日本式ペン)
シェイクハンド フォア、バックどちらにも対応できる・スイングが安定する・ドライブに向いている 手首の可動範囲が狭い・フリックなど小技に適さない・スピンがかけにくい

ラケットの種類によってが変わるのも、卓球ならではの醍醐味といえるでしょう。

ラケットの規定

公式試合に使用されるラケットには規定があります。グリップを除いたラケット面の85%以上が天然の木材であることが必須条件です。

ラケットは15~16cm程度の楕円型のものが広く使用されていますが、サイズの規定はありません。つまり、大きくても小さくても問題ないのです。

卓球台について知ろう

ここでは、卓球台の種類や構造、規定について説明します。

卓球台の種類

卓球台は以下の3種類に分けられます。

  • 一体式(内折式)
  • セパレート式
  • 組み立て式

一体式は真ん中で折りたためる卓球台で、セパレート式は天板が片面ずつ独立しており、片面ずつ開閉できる卓球台です。組み立て式は天板と脚部分が分離している卓球台で、世界大会などで使用されています。

メリット デメリット
一体式(内折式) 設置や収納に便利・天板に傷がつきにくい・天板の調整が簡単 設置には最低でも大人2人が必要・左右同時に展開しなければならない
セパレート式 片面ずつの開閉や移動が可能・高さ調整機能つきの台もある・片面を閉じれば壁打ちができる ぶつかって傷ができやすい
組み立て式 天板と脚部分を分離できる・脚部分の素材の種類が様々(木・シースルー素材・モニター内蔵など) 収納場所が広く必要・移動に複数人が必要

天板の構造

天板は主に4種類に分けられ、構造の違いによって特徴も大きく異なります。

天板の種類 特徴
スーパープライコア天板 最高ランクの競技用天板・表面が均一で、反りや歪みに対する強度がある・脚部のビス保持力が高い
CFB化粧張パーティクルコア天板 高品質で、国際大会などで使用されている・反りや歪みなどに対する強度がある・スーパープライコア天板には劣るが、強度がある
メラミン化粧張パーティクルボード メラミン樹脂が天板の硬度を高める・汗や水分による天板の劣化を防ぎ、水拭き可能で手入れしやすい・比較的安価なものが多い・反りや歪みが出ることもある
パーティクルボード ・見た目は競技用と遜色ないものが多い・比較的安価・耐久性や反り、歪みへの強度は劣っている

卓球台の規定

卓球台にも規定があり、競技用の卓球台はすべて国際規格の公式サイズで統一されています。

  • 長さ:274cm
  • 幅:152.5cm
  • 高さ:76cm
  • ネットの高さ:15.25cm

卓球台の厚みの目安は1.8cm以上とされていますが、厚みよりも30cmの高さから球を落とした際に、台上のどこでも23cm弾むことが重要です。

著名な男子卓球選手

ここでは、注目の男子選手3名を紹介します。

注目のホープ張本智和

張本智和選手は15歳の若さで、すでに世界ランキング4位(19年3月現在)に名を連ねています。17年のITTF(国際卓球連盟)ワールドツアー・チェコオープンのシングルスで、史上最年少優勝を果たしました。

張本選手の特徴は、トップレベルの正確なバックハンドと天性のボールタッチです。

天才型と称される丹羽孝希

丹羽孝希選手は、16年のリオデジャネイロ五輪・男子団体で銀メダルを取ったメンバーの1人です。09年には、世界選手権個人戦に日本男子史上最年少で代表に選出され、12年の世界選手権団体戦では銅メダル獲得に貢献しました。

丹羽選手の特徴は卓球台近くでの速攻で、打球点の速さは『世界最速』ともいわれています。

全日本選手権V10の水谷隼

水谷隼選手は、19年の全日本選手権・シングルスで前人未到の10回目の優勝を成し遂げました。16年のリオデジャネイロ五輪では、男子団体で銀メダルを、シングルスでは日本人初となる銅メダルを獲得し、日本卓球界における偉業を達成しました。

水谷選手の特徴は柔らかいボールタッチと、高い身体能力が武器のオールラウンダーであることです。また、天性の卓球センスをもった数少ない選手といわれています。

著名な女子卓球選手

ここでは、注目の女子選手を3名紹介します。

日本女子の牽引役 石川佳純

日本女子卓球界を牽引しているのが石川佳純選手です。12年のロンドン五輪・女子団体では日本卓球界初となる銀メダルを獲得し、16年のリオデジャネイロ五輪・女子団体では5戦全勝とエースとしての貫禄を見せつけ、銅メダル獲得に貢献しました。

15年の全日本選手権では、シングルス・女子ダブルス・ミックスダブルスの3冠を達成しています。

石川選手の特徴は、どんなプレースタイルの選手にも対応できるラリー力と相手のミスをうまく誘う緩急をつけた攻撃です。

全日本3冠の伊藤美誠

伊藤美誠選手は、19年の全日本選手権で女子史上初の2年連続3冠を達成しました。16年のリオデジャネイロ五輪・女子団体では、15歳300日で卓球史上最年少のメダリストとして歴史に名を残しています。

伊藤選手の特徴は、トップレベルの回転数の多いドライブと独自で編み出したプレースタイルです。

高速ラリーが魅力の平野美宇

平野美宇選手は、14年のITTFワールドツアー・ダブルスで最年少優勝し、ワールドツアーグランドファイナルでも優勝しました。16年のワールドカップと全日本選手権のシングルスでも優勝をおさめ、シングルスでもその才能を開花させています。

平野選手の特徴は、高速ラリーと超攻撃的な強打をしかけるプレースタイルです。

卓球ワールドツアーについて知ろう

ここでは、ワールドツアーの概要や賞金、世界ランクについて説明します。

ワールドツアーとは

ワールドツアーとは、ITTF主催の国際オープン大会の総称です。ワールドツアーで獲得したポイントの上位15名と開催国の協会枠1名の計16名のみに、グランドファイナルへの出場が認められます。

ワールドツアーの賞金

ワールドツアーの賞金は大会ランクによって異なり、プラチナが最高ランクの大会になります。

  • プラチナ
  • レギュラー
  • チャレンジ

Seamaster 2017 ITTFワールドツアープラチナライオン卓球ジャパンオープン荻村杯の賞金金額です。

シングルス(米ドル) ダブルス(米ドル)
優勝 2万5000 8000
準優勝 1万2600 4000
ベスト4 6600 2000
ベスト8 3600
ベスト16 1800
ベスト32 900

ライオン卓球ジャパンオープン荻村杯2017

Seamaster 2018 ITTFワールドツアーグランドファイナルの賞金金額は以下になります。

シングルス(米ドル) ダブルス(米ドル)
優勝 10万 1万4000
準優勝 5万5000 7500
ベスト4 3万5000 3750
ベスト8 2万5000 2000
ベスト16 1万5000

SEAMASTER 2018 ITTF WORLD TOUR

世界ランクの決め方

世界ランクはITTFの世界ランキング規定によって定められており、19年1月1日に新規定が施行されました。新規定における変更点は11カ所あります。

特に国内で注目を集めている変更点は、ワールドツアー優勝を高く評価し、順位に応じた獲得ポイントが変更した点です。他にも以下のような変更点があります。

  • 獲得ポイントの有効期間が12カ月から翌年の同大会まで有効
  • アジア大会など地域限定の大会のポイント加算は1大会まで
  • シード選手の初戦敗退における獲得ポイント半減の廃止
  • 決勝トーナメント進出時、予選リーグの獲得ポイントは加算されない
  • 世界ランキングは毎週更新

今回の改定により、優勝や準優勝などの好成績を残した選手の獲得ポイントの差が大きくなる一方、予選敗退した際の獲得ポイントの差が小さくなります。つまり、優勝によるポイント獲得合戦が激化するといえるのです。

Tリーグについて知ろう

18年10月、日本スポーツ界に新たなリーグ『Tリーグ』が誕生しました。ここでは、Tリーグの概要や試合形式、魅力について紹介します。

Tリーグとは

Tリーグはプロとアマチュアが混在し、男女4チームずつが参加しています。レギュラーシーズンは10月から翌年2月までです。

試合は、7回戦総当たりで各チーム21試合行い、翌年3月に上位2チームがファイナルを行って優勝チームを決めます。

Tリーグに参加している男子チームと主な選手は以下の通りです。

  • 木下マイスター東京:張本智和選手、水谷隼選手
  • T.T彩たま:吉村真晴選手
  • 岡山リベッツ:森薗政崇選手
  • 琉球アスティーダ:丹羽孝希選手、江宏傑選手

女子チームと主な選手は以下になります。

  • 木下アビエル神奈川:石川佳純選手、張本美和選手
  • トップおとめピンポンズ名古屋:森薗美咲選手、徐孝元選手
  • 日本生命レッドエルフ:平野美宇選手、早田ひな選手
  • 日本ペイントマレッツ:加藤美優選手・馮天薇選手

試合形式と勝ち点

Tリーグの試合形式は団体戦です。第1マッチから第4マッチまでに決着がつかない場合は、1ゲーム(11点先取)のみのビクトリーマッチが行われます。

  • 第1マッチ:ダブルス
  • 第2~第4マッチ:シングルス
  • ビクトリーマッチ:シングルス(1ゲームのみ)

勝ち点の仕組みは以下の通りです。勝ち点を積み上げていき、年間順位が決定します。

  • 勝ち点4:マッチカウント4-0
  • 勝ち点3:マッチカウント3-1もしくは3-2(ビクトリーマッチ)
  • 勝ち点1:マッチカウント2-3(ビクトリーマッチ)
  • 勝ち点0:マッチカウント1-3もしくは0-4

Tリーグの魅力とは

Tリーグは『世界No.1の卓球リーグの実現』を掲げ、18年に開幕しました。参加チームには、最低1人は世界ランク10位以内相当の選手の加入が条件とされており、世界No.1の卓球リーグを目指すべく始まっています。

Tリーグの魅力は、公式戦にはない独自のルールを設けている点です。たとえば、以下のようなルールがあります。

  • チームには過去2年で世界ランク10位以内を経験した選手を最低1名入れる
  • 最終ゲームは6-6から開始
  • マッチカウントが3-0となっても第4マッチは必ず行い、勝ち点に反映させる
  • マッチカウント2-2になったら、1ゲームのみのビクトリーマッチを行う
  • すべての試合日にAAAランク(世界ランク20位以内)以上の選手、日本人選手を1名以上出場させる

これらのルールによって、世界トップレベルの選手同士のハイレベルな試合を毎回観られます。また、日本代表には惜しくも選ばれなかった選手や若手選手を知る機会ともなるでしょう。

卓球を詳しく知って楽しもう

卓球のルールは、サーブを打ってレシーブをするというシンプルなものです。しかし、使用するラケットの種類や得意とするプレースタイルを持つことで面白さは変わってきます。

また、ワールドツアーやTリーグの世界トップクラスの選手の試合を観てテクニックを分析してみると、さらに試合を楽しむことができるでしょう。

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