国立故宮博物院で人類の歴史を学ぶ。見どころを解説

2019.06.25

世界4大博物館のひとつとして数えられている国立故宮博物院。紀元前8000年から清王朝時代までの中国文明の歴史を、70万点もの所蔵品で紹介しています。すべての所蔵品を見るには10年かかる、と言われるほどの巨大博物院、その見どころを紹介します。

歴史に翻弄された国立故宮博物院

中国では代々の王朝が、中国文明の証しや工芸品、美術品を、すべて宮廷に集め、管理していました。権力の象徴として大切にされた文物が大規模に所蔵されているのが国立故宮博物院ですが、戦争によってその文物たちは分かれて所蔵されることになりました。

故宮博物院のなりたち

1900年初頭、これらの文物は清王朝の宮廷があった紫禁城(現在の北京)に所蔵されていましたが、300年にわたる清王朝の時代が終焉すると、1925年、一般の人が観覧できる場所として故宮博物院が設立されました。

ところが、紫禁城に集められた収蔵物は、その後、第2次世界大戦、国共内戦の戦火をさけて中国各地に散逸します。

現在は、中国の北京と台湾の2か所に

1948年には、蒋介石率いる国民党中央政府が、政治拠点の移転とともに選り抜きの文物が台湾に運びました。これが、1965年に国立故宮博物院として設立されます。一方で残った文物は、現在も北京・紫禁城の「故宮博物院」に展示されています。

1万年前の歴史がわかる中国美術工芸品

国立故宮博物院の見どころは、人類の文化の旅路をそのままたどることのできる展示にあります。中国芸術文化の集大成とも言える所蔵品を紹介しましょう。

石器、青銅器、鉄器…人類文化の祖をたどる

人類は、最初に石器を使いはじめたといわれています。その後、より強固な銅を使った紀元前17世紀初頭ごろの青銅器や、紀元前500年ごろに、使われ始めた鋳造型の鉄器(斧、鎌などの農工具や武器)も展示されています。これらは考古学的にも重要な文物となっています。

陶磁器、文献、書画…個別の歴史を俯瞰

ただ歴史にそって、展示品を見ていくのではなく、ジャンル別にみていくこともおすすめです。とくに、陶磁器や、医薬典籍などの文献、昔の皇帝の書や画などは、他の国に散逸しておらず、ほとんどが故宮博物院に収められているといってもいいほどです。

見どころは白菜?角煮? 皇帝の愛した珍玩類

代々の皇帝が、当代一の技術者たちに作らせた珍玩類は、珍しい素材を組み合わせ、目や手で愛でる古雅なつくりのものが多いのが特徴です。特に親しみの持てる文物は、「白菜」「角煮」として有名です。

本当に人間がつくった!? 超絶精微な宝物品

「翠玉白菜」とは、天然に大きなヒスイ(緑と白のまじりあった宝石)を、白菜とその上にとまる虫の形に彫り上げたもの。虫は、多産の象徴キリギリスとバッタといわれています。

また、「肉形石」は、本当の東坡肉(豚の角煮)と見間違うような形と質感です。玉髄といわれる石で、含有物が層状に積み重なった縞模様を生かした彫刻です。

とても小さな展示物も多く、虫眼鏡を使って鑑賞できるようになっているものもあります。本当に人間の手で作ったの?と 思わずうなる工芸品ばかりです。

アクセス、所要時間、入場料は?

台北市北部にある博物院へは、鉄道、「士林駅」または「剣南路駅」「大直駅」からバスが利用できます。

また、開院時間は、月〜木曜日は、朝8時30分から18時30分まで、金・土曜日は夜21時までとなっています。

料金は一般料金350元、学生150元ですが、元旦や国慶節など毎年5~6日ほど無料デーがあります。詳しくは公式サイトをチェックしてみてください。

国立故宮博物院

中華文明ならではの精微な芸術品に注目

国立故宮博物院では、ほかの国では見られない、優美で成功な芸術品ばかり。特に考古学や中国の歴史に詳しくなくても、「本当に人間の手で作ったの?」「こんな昔にどうしたらこんな細かいものができたの?」と楽しめる博物院となっています。ぜひお近くに立ち寄った際は訪れてみてください。きっと素敵な旅の思い出になることでしょう。

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