謎多き忍者の世界を知りたい。歴史から体験スポットまで紹介

2018.08.28

忍者は、映画や本などにもよく登場し、NINJAとして世界でも人気が高く有名です。しかし日本人でも、忍者が、いつ誕生してどんな働きをしていたのかわかる人はあまりいないものです。忍者の歴史・忍術とともに忍者体験ができるスポットを紹介します。

忍者の歴史からひもとく

忍者は、アニメや映画などにもよく登場して世界的にも有名ですが、そもそも実在していたのでしょうか?

ここでは、忍者の起源・歴史について解説します。

忍者の起源は諸説ある

忍者の始まりについては、色々な説があります。その中でよく語られているが『日本古来説』と『中国説』の2つの説です。

日本古来説とは、聖徳太子が大伴細人に志能便(しのび、志能備とも)という名前を与えたことが始まりと言われている説です。

聖徳太子は戦争に勝った後も、戦を防ぎ政権を守るために志能便を使い、朝廷内の動きや情報を探っていたとされています。

また中国説は、それよりも以前の紀元前500年前の書に間(かん)と呼ばれる諜報員についての記述があり、中国から日本へ伝わったのではないかという説のことです。

現時点では、どの説が正しいのかはわかりませんが、忍者はその起源さえもミステリアスですね。

忍者の呼び方は時代、年代によって違った

そもそも忍者とは、忍術を使う人たちのことを呼びます。忍者という言葉は、昭和に入ってからの呼び方で、時代によっても下記のように呼び方が違っていました。

  • 飛鳥時代:志能便
  • 奈良時代:伺見(うかみ)
  • 戦国時代:間者(かんじゃ)・乱破(らっぱ)
  • 江戸時代:隠密(おんみつ)
  • 大正時代:忍術者・忍者(にんしゃ)

また地域によっても違い、呼び方が統一されていなかったことが、実在しなかったのではと言われる原因の1つです。

忍者の有名な流派2つ

忍者の流派には、文献に乗っているだけでも70以上と言われています。全国各地に忍者はいましたが、中でも『伊賀』と『甲賀』は有名な流派です。

伊賀とは、伊賀国の忍者の流派のことで、現在の三重県伊賀市・名張市辺りにありました。

甲賀とは、近江国の1郡である甲賀郡の忍者の流派のことで、現在の滋賀県甲賀市辺りにありました。

この2つの流派は、対立しているといったストーリーで語られますが、実際には対立しておらず、どちらかが攻められれば、一緒に戦うなど、むしろ互いに協力関係にありました。

ここでは、伊賀と甲賀の有名な2つの流派について解説します。

伊賀忍者

伊賀忍者とは、伊賀国に住んでいた忍者のことで、日本で最も有名な忍者として知られる服部半蔵も伊賀忍者の1人です。伊賀忍者は、この服部半蔵の大活躍によって有名な流派となりました。

奈良時代から伊賀には、貴族や寺院の領土である東大寺などの多くの荘園ができました。

この荘園を保有する荘園領主に対して反抗し、奇襲や撹乱などの戦法を仕掛けていた、荘園付近に住む人々を『悪党』と呼びますが、彼らが忍者の始まりではないかと言われています。

また、聖徳太子の志能便としては大伴細人のほかにも服部氏族がおり、この服部氏族が服部半蔵の祖先であるとも言われていますが、この悪党が、伊賀忍者の起源と考える方が現実的でしょう。

伊賀忍者は、雇い主とは金銭での契約が基本でした。

伊賀流忍術

伊賀忍者の起源である悪党の中には、修験道や山伏から戦術を習得したものも多くいました。それらの戦術が元となっているため、戦闘分野において活躍しました。

また、伊賀流忍術は、火術と呪術も得意分野としています。火術とは、火薬を使った忍術のことで有名なものには火遁の術があります。

火遁の術は、火薬を使って爆発させた間に姿を消す忍術です。そのため、伊賀忍術は、戦では山や橋を火薬で崩すなどの活躍をしていました。

また、呪術とは、催眠術や手品を使って惑わす忍術です。これらの忍術を伊賀忍者は、幼いころからの訓練によって身に付けていました。

甲賀忍者

甲賀は、伊賀に比べると非常に小さかったにもかかわらず有名になったのには、望月出雲守という甲賀忍者の活躍が背景にあります。

室町幕府が近江国の武家・六角氏を討伐しようとし、六角氏は甲賀へ逃げこみました。甲賀忍者たちは、六角氏を守るために幕府と戦い、守りました。

その時の戦で大きく活躍したのが望月出雲守で、この戦いによって甲賀忍者の実力が広く認められるようになりました。

甲賀忍者の特筆すべき点は、大名の統治を受けながらも甲賀に関わる仕事・問題に関しては『惣』という共同体の中で多数決によって決めていたことです。時代を考えると、これが大変珍しいことだったことが分かりますね。

甲賀流忍術

甲賀忍術は、戦闘に参加して忍術・戦術を用いて戦う伊賀忍者とは違って、農民や商人などに変装して敵地の情報収集などの諜報活動がメインでした。

戦が始まると、敵地に赴き情報収集のほかに視察などを行っていました。甲賀忍術は、薬学や手妻と呼ばれる呪術が得意分野と言われています。

薬学に詳しい甲賀忍者は、薬売りとして色々な土地の出入りをし、情報を集めていました。また、薬学に詳しいため、毒薬などを使った忍術も特技でした。

また、甲賀は伊賀よりも開けた土地に位置していたことから、外部からの人の出入りが盛んでした。そういったことから、早くから渡来人による火薬製造が行われており、鉄砲伝来以前から火薬を使った忍術を習得していたと言われます。

忍者はどんな活動をしていたのか

甲賀・伊賀と忍者によっても、それぞれ得意分野が異なりますが、共通していることも多くありました。

ここでは、忍者はどんな活動をしながら過ごしていたのかについて紹介します。

主な仕事は情報収集

忍者と言えば、黒装束に身を包み、手裏剣を使って戦うイメージがありますが、実際には、昼間に行動をして情報収集することが主な仕事でした。

その際には、周りの人に怪しまれることなく情報を聞き出すために、農民や商人などの格好に変装していました。場合によっては、僧侶に変身することもあったようです。

情報をしっかりと収集して、持ち帰って伝えることが主要任務であった忍者は、戦って危険を冒すのではなく、逃げるための忍術を主に使っていました。

情報が漏洩しないための警備や見張り

情報収集以外にも、忍者には自国の情報を守るという仕事もあります。自国に敵国の忍者が忍び込まないように見張りをしたり、自国に忍び込んだ忍者を攻撃したりすることも忍者の仕事でした。

また、自国の情報の漏洩を防ぐために、敵地との出入りをする商人たちにうその情報を流したとも言われています。

忍者と忍術についてわかる三大忍術秘伝書

忍者と忍術について書かれた本は、たくさん販売されていますが、なかでも『三大忍術秘伝書』と言われている3冊は、忍術の伝承のために活字化された本格的な忍術秘伝書です。

どの本も、昔日本で使われていた言葉で記載されているため、内容を理解するには時間がかかりますが、忍者がどのような忍術を使っていたのかがよくわかります。

ここでは、三大忍術秘伝書をそれぞれ紹介します。

万川集海

『万川集海』は、バンセンシュウカイもしくはマンセンシュウカイと読まれています。

『すべての川が海に集まる』という意味から、有名流派の伊賀・甲賀の2つの流派の忍術のすべてが記された全22巻の秘伝書です。

三大秘伝書の中でも、最も内容が多いため第1の秘伝書とされており、主に下記について記されています。

  • 忍者の心得
  • 忍者とは何か
  • 忍者を使うものの心得
  • 諜報活動の心得・方法
  • 隠密活動の心得・方法
  • 天文学
  • 手裏剣の使い方

この本は、忍者の精神面について多く記されており、忍術をより高尚なものにしたかったという意思が感じられます。

信憑性については賛否両論ありますが、色々な忍術の本をまとめたものとして考えられています。万川集海は様々な写本がありますが、『完本 万川集海』では万川集海を全編収録しています。

  • 商品名:完本 万川集海
  • 価格:6,912円(税込)
  • Amazon:商品ページ

正忍記

『正忍記』は、ショウニンキあるいはセイニンキと読み、三大忍術秘伝書の1つに数えられる書物です。上・中・下の全3巻で構成されています。

江戸時代の紀州藩の軍学者、名取三十郎正澄が、新楠流軍学における忍術を記したものです。

江戸幕府8代将軍吉宗が御庭番として直属で雇っていた紀州流の隠密集団の設立に大きな影響を与えたとも言われています。

正忍記の内容は主に下記のとおりです。

  • 忍術の歴史
  • 忍びの必需品
  • 困ったときの対処法
  • 変装の仕方
  • 諜報活動の心得
  • 人相・心相の見定め方

忍者にとって任務を遂行する上で必需品である「忍び六具」と、変装術の基本である7つの職業に変装する「七方出」は、正忍記が根拠と言われています。

  • 書品名:忍術伝書 正忍記
  • 価格:38,788円(税込)
  • Amazon:商品ページ

忍秘伝

『忍秘伝』は、伊賀忍者である服部半蔵家に伝わる全4巻から成る忍術秘伝書です。

この秘伝書には、服部半蔵正成が書き記した説や、服部半蔵正成の著作と見せかけて後世に作られた説、服部半蔵からの伝承をのちに服部美濃(みの)守保清がまとめた説などいくつかの説があります。

現在のところ、誰が記したものかについては定かではありませんが、伊賀甲賀の忍術について詳しく記載されています。

  • 商品名:忍秘伝(1971年)
  • 価格:130,000円(税込)
  • Amazon:商品ページ

忍者の世界を体験、全国にある忍者村4選

忍者の世界を体験できる忍者村や忍者テーマパークが全国各地にあります。子供だけでなく、大人も存分に楽しめるので、ぜひ訪れて忍者体験をしてみましょう。

ここでは、おすすめの忍者村4選を紹介します。

登別伊達時代村

北海道の登別市内にある『登別伊達時代村』は、園内を忍者の貸衣装を着ながら歩けるほか、忍者ショーや弓矢・手裏剣・吹き矢などの忍術体験ができるアミューズメントパークです。

忍者の貸衣装は、子供サイズだけでなく大人サイズもあるので、幅広い年代の人が忍者体験できます。

  • 施設名:登別伊達時代村
  • 住所:北海道登別市中登別町53-1
  • 電話番号:0143-83-3311
  • 営業時間:9:00~17:00(11月1日〜3月31日までは16:00まで)
  • 定休日:なし
  • 公式HP

伊賀流忍者博物館

伊賀忍者の発祥の地・三重県伊賀市にある『伊賀流忍者博物館』は、抜け道・隠し戸などの仕掛けやからくりを備えた忍者屋敷を、くノ一(女性の忍者)が案内します。

他にも、実際に忍者が使用していた手裏剣・小刀などの忍具を400点以上も展示している忍術体験館があります。

忍者がどのように忍具を使って忍術をしていたかを、本物の忍具を使って実演する忍術ショーも迫力満点です。

  • 施設名:伊賀流忍者博物館
  • 住所:三重県伊賀市上野丸之内117
  • 電話番号:0595-23-0311
  • 営業時間:9:00~17:00
  • 定休日:12月29日~1月1日
  • 公式HP

からくり忍者屋敷

『からくり忍者屋敷』は、東映太秦映画村内にある、からくりがたくさん仕掛けられた忍者屋敷です。

どんでん返しや、隠し通路などを通りながら出口を目指します。小さな子供から大人まで幅広い年代の人が楽しめます。

  • 施設名:からくり忍者屋敷
  • 住所:京都府京都市右京区太秦東蜂岡町10
  • 電話番号:075-864-7716
  • 営業時間:3月~7月・9月 平日 9:00~17:00(土日祝は18:00まで)、8月9:00~18:00 ※月により異なる
  • 定休日:2019年1月21日〜1月25日
  • 公式HP

甲賀の里 忍術村

甲賀の里忍術村は、甲賀忍者発祥の地甲賀にあります。鈴鹿山麓の豊かな自然に囲まれた広大な敷地内には、まるでタイムスリップしたかのような雰囲気が楽しめます。

本格的な手裏剣が体験できる手裏剣道場や、9つの忍術をクリアすると免許皆伝の巻物がもらえる忍術道場などで忍者体験もできます。

忍者の貸衣装サービスもあるので、忍者の衣装を着て本物の忍者になった気分で忍者体験を楽しみましょう。

  • 施設名:甲賀の里 忍術村
  • 住所:滋賀県甲賀市甲賀町隠岐394
  • 電話番号:0748-88-5000
  • 営業時間:10:00~16:00 ※月により異なる
  • 定休日:月曜日(不定休)
  • 公式HP

忍者をテーマにした作品や商品も多い

人気が高い忍者をテーマにしたアニメやゲームなども多く、日本だけでなく、世界でも忍者のファンは多くいます。

ここでは、忍者をテーマにした作品や商品4点を紹介します。

アニメの忍者タートル

のんびりとした動きのカメと、素早い動きの忍者のミスマッチから誕生したアニメの『忍者タートル』は、アメリカで大人気となり、コミックだけでなくテレビ化・映画化されています。

忍者タートルのストーリーは、ニューヨークのある家でペットとして買われていた4匹のカメが、1匹のネズミと出会うことから始まります。

ネズミの飼い主であった忍術家の仇を取るために、ネズミから忍術を教えてもらい戦っていくというストーリーです。

ゲームの忍者龍剣伝

アーケードゲームとして1987年に発売された『忍者龍剣伝』は、のちに家庭用ゲーム機・ファミリーコンピューター(ファミコン)のソフトとして販売されました。

ゲームのストーリーは、アーケードゲームとファミコンとで全く異なっており関連性はありません。

アーケードゲームのストーリーは、ノストラダムスの血を受け継いだブレードダムスの暗殺のために、東京から忍者を呼び任務を遂行するというストーリーです。

一方、ファミコンでのストーリーは、主人公である龍一族の末裔のリュウ・ハヤブサが、父の遺言で渡米し、事件に巻き込まれますが龍剣を使って戦っていくというストーリーです。

戦隊モノの忍者戦隊カクレンジャー

小さな子供に大人気の戦隊モノにも忍者は登場します。

1994~1995年にかけて、テレビ朝日で放送されていた『忍者戦隊カクレンジャー』は、真田十勇士の猿飛佐助や霧隠才蔵などの子孫5人たちが、現在を舞台に忍者に変身して妖怪を倒していくというストーリーです。

パッケージイラストで使われている忍者めし

UHA味覚糖が販売する『忍者めし』は、パッケージに忍者をイラストしたハードタイプのグミです。

『忍者式ダイエット、現代忍者たちの小腹満たし』をコンセプトに開発された忍者めしは、巨砲・もも・レモンのフルーツ系のほか、ラムネ・コーラ・梅かつおのフレーバーが展開されています。

フレーバーごとにパッケージの忍者を変えるなど、遊び心が満載のお菓子です。

遊、観、食を楽しむおすすめ忍者レストラン

忍者の世界観を楽しみながら食事をできる忍者レストランもあります。忍者体験・忍者ショーが満喫できて、食事も楽しめるおすすめの忍者レストランを2店紹介します。

NINJA KYOTO

忍者気分を満喫できる『NINJA KYOTO』には、忍者に変身したサンリオキャラクターたちが詳しく紹介する無料の忍者ミュージアムのほか、4つのレストランがあります。

隠れ里のようなインテリア空間の『京極忍びの里』は、美味しさだけでなく、見た目も忍者スタイルにこだわった創作料理レストランです。

大宴会場『戦いの間』では、忍者たちが集まった陣のような雰囲気の中で約300種の中から自由にドリンクを選び、しゃぶしゃぶ・すき焼きの食べ放題が楽しめます。

忍者に扮したサンリオキャラクターが店内のいたる所に飾られた『サンリオキャラクターズ 忍宴乱舞』は、ブッフェレストランです。

サラダ・食事・デザート・ドリンクなどから好きなだけ選べるブッフェに、サンリオの人気7キャラクターから1品選べる特製キャラメニュー(高校生以上)がついたコースで楽しくお腹いっぱいになりますね。

シアターレストラン『幻術桟敷』では、平日は伝統楽器の演奏ショー・土日祝日にはダンスを取り入れた忍者ショーが開催されています。京極忍びの里の料理を味わいながらショーも楽しめるレストランです。

  • 店舗名:NINJA KYOTO
  • 住所:京都府京都市中京区新京極通 四条上る中之町583-2
  • 電話番号:075-253-0151
  • 営業時間:17:00~23:00
  • 定休日:なし
  • 公式HP

NINJA SHINJUKU

『NINJA SHINJUKU』は、忍者をコンセプトとした『料亭YASHIKI』と『居酒屋AJITO』の2店を展開したレストランです。NINJA KYOTOと同じく、スタッフ全員が忍者の格好をしてゲストをもてなしてくれます。

料亭YASHIKIは、きらびやかなゴージャス空間の全個室となっており、石窯料理をはじめとする本格的な料理が堪能できます。忍者の里として知られる伊賀・甲賀で作られた日本酒や、炎に包まれたサザエの塩山焼きなどのエンターテイメント料理も楽しめます。

居酒屋AJITOは、まるで洞窟にいるかのような雰囲気のバーです。空中に浮いているイメージで作られた刺し身などこちらでもエンターテイメント料理が楽しめます。

どちらのレストランでも上級忍者によるマジックショーが行われます。

  • 施設名:NINJA SHINJUKU
  • 住所:東京都新宿区西新宿1-11-11 河野ビル1F&B1F
  • 電話番号:料亭YASHIKI 03-6304-5057、居酒屋AJITO 03-6304-5035
  • 営業時間:ランチ11:30~15:00、ディナー17:00~23:00(居酒屋AJITOは23:30まで)
  • 定休日:日曜日(居酒屋AJITOは日曜日ディナーは営業)
  • 公式HP

 

忍者レストランは海外にも展開されているほどの人気ぶりで、コンセプトの奇抜さだけではなく料理やサービスの質からも高い評価を受けています。

忍者と出会えるレストラン。NINJA WORLDの魅力とは

忍者の魅力を再認識しよう

昔、日本で人知れず活躍した忍者は、精神面・肉体面を鍛え忍術の習得に励んでいました。

忍者体験できるスポットを訪れて、日本が世界に誇る文化の1つである忍者の様々な魅力を、再認識してみてください。

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