ドビュッシーの代表作。型破りで革新的な試みから生まれた作品の数々

2019.06.20

クロード・ドビュッシー(1862年~1918年)はフランスの作曲家です。伝統に捉われない自由な作曲技法を用い、独自の作曲を貫きました。印象主義音楽とよばれるジャンルの第一人者と目されており、その独創的な音楽はのちのクラシック界のみならず音楽の展開全体に影響を与えたといわれています。そんな音楽界の重要人物、ドビュッシーの代表作にスポットライトを当てていきましょう。

ドビュッシーの人気ピアノ曲

ドビュッシーの代表作でもあり、人気のあるピアノ曲をご紹介いたします。すっかりポピュラーとなっているお馴染みの曲です。

ベルガマスク組曲

4つの小品から成る初期の作品です。「ベルガマスク」とはベルガモ地方のという意味です。詩人ヴェルレーヌの詩集「雅びた宴」のなかに出てくるベルガマスクと関係してるといわれています。

第3曲 月の光 変ニ長調

ドビュッシーの作品中、最も有名な曲です。8分の9拍子の柔らかいアルペジオにに乗って切なく美しい旋律がうたわれます。透明感のある響きがドビュッシーならでは。とても印象に残る曲です。

2つのアラベスク

アラベスクとは「アラビア風の」という意味です。イスラム美術では唐草模様のこと。ドビュッシー初期の作品で最も有名な作品の一つです。

アラベスク第1番 ホ長調

2つの対照的な曲で、第1番は流麗な流れに美しく旋律がうたわれます。CMなどでもよく耳にする曲で人気があります。学習者にとってそんなに難しくありませんが、8分音符の伴奏に3連符の旋律をバランスよくのせてうたえるかがポイントです

子供の領分

6曲の小品から成る組曲で、当時3歳の娘(愛称はシュシュ)のために作曲しました。シューマンの「子供の情景」のように、子供が演奏することを意図したものではなく、大人から見た子供の世界を作品にしたものです。

ゴリウォーグのケークウォーク 変ホ長調

「ゴリウォーク」とは黒人の男の子の人形のキャラクターの名前。「ケークウォーク」とはジャズの原型の音楽です。グロテスクでユーモラスは恰好のにんぎょうが踊ったりしている様子を表現しました。中間部ではワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」が引用されています。

ピアニスティックな華やかな曲

ドビュッシーのピアノ作品には超絶的な難曲はありませんが、オーケストラを感じる華やかな曲をご紹介します。

ピアノのために

3曲からなるピアノ曲集です。「ベルガマスク組曲」から10年の歳月が経ち、この曲集は技巧的なピアノ書法が駆使されています。

プレリュード イ短調

「とても活き活きと、リズミックに」と冒頭に書かています。インパクトのある激しさとレガートでうたう2つの正反対の部分によって構成されメリハリがあります。鍵盤を滑らせる奏法「グリッサンド」が華やかです。

喜びの島 イ長調

ドビュッシーのピアノ曲の中で最も高度な技術が要求される曲です。ワトーの名画「シテール島への船出」からシンスピレーションを受け書かれました。旅立ちのワクワクとした気持ち、波に揺られるリズムなど鮮やかな色彩感に満ち溢れた傑作です。

プレリュード(前奏曲)集第2巻

2集から成るプレリュード集。それぞれ12曲から成ります。合わせると24曲となり、ショパンの「24のプレリュード集」を意識して構成されたものといわれています。

花火

第12曲「花火」はトッカータ風のとてもテンポの速い難曲です。一音一音鮮明に輝かしい音で花火を描いた作品です。上行系と下降系のグリッサンドが出てきますので演奏者は指を怪我しないような奏法で演奏しなければなりません。アンコールで演奏されることが多いです。

映像第1集

交響詩「海」を完成させ円熟期の作品である「映像」は2集から成る曲集。それぞれ3曲から成ります。

水の反映 変ニ長調

第1曲「水の反映」はラヴェルの「水の戯れ」よりも絵画的要素が強い作品です。印象派の画家モネの「睡蓮」にインスピレーションを得て書いたといわれています。水に映る光と影を見事に表現した作品です。

葛飾北斎からの影響も?神秘的な管弦曲

葛飾北斎に強く惹かれたドビュッシー。1905年に完成した交響詩「海」のスコアの表紙に選びました。神秘的で深く美しい音の世界を感じる作品です。

牧神の午後への前奏曲

詩人マラルメの「牧神の午後」に感銘を受けて書かれた作品です。ギリシャ神話の牧神を象徴するパンの笛をイメージする楽器としてフルートが重要な役割を担当。甘美な旋律を歌い優雅な午後へといざなわれます。

「海」管弦楽のための3つの交響的素描

「作曲家でなかったら、船乗りになりたい」と考えていたほど、ドビュッシーは海が好きでした。「海」は副題の付いた3つの楽章から成る管弦楽曲です。第1楽章「海上の夜明けから真昼まで」- 第2楽章「波の戯れ」- 第3楽章「風と海の対話」

フランスで出版された「海」の表紙のデザインにはドビュッシー自身の希望により葛飾北斎の「冨嶽三十六景」から有名な「「神奈川沖浪裏」が使われました。

東洋に憧れを抱いていたドビュッシー

伝統に捉われずに独自の作曲法を貫いたドビュッシー。日本の美術品などにも興味をもち影響をけました。ドビュッシーは近現代の音楽史の中でも最も影響力のある作曲家の1人とされており、ジャズからポップスまで幅広く多様な音楽に影響を与えました。

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