有名なオペラ歌手とは?基礎知識を知ってオペラを鑑賞してみよう

2019.06.23

中世ヨーロッパで貴族の娯楽として発展したオペラには、華やかで格調高いイメージがあります。人気の歌手が出演する舞台なら尚更、その迫力に圧倒されるでしょう。オペラを観劇するならぜひ知っておきたい、人気の男性歌手を紹介します。

オペラの基礎知識

日本語で『歌劇』と訳されているオペラについて、コンサートやミュージカルと混同している方も少なくないのではないでしょうか。

オペラでは伴奏に合わせて歌手が歌っているため、コンサートのようにも見えますが、実際はストーリーのあるお芝居です。また、ミュージカルはオペラの一種『オペレッタ』を元に発展したと言われています。

オペラは、コンサートともミュージカルとも違う歴史ある舞台芸術です。オペラの特徴と歴史、種類について詳しくみていきましょう。

オペラとは歌による劇のこと

オペラは劇全体に楽曲がつけられており、セリフをメロディーに乗せて歌うことでストーリーが進みます。日常会話のようなセリフもメロディーで表現されるため、初めのうちはなかなか内容を理解できないかもしれません。

オペラの魅力は、ストーリーの内容はもちろんですが、歌手の歌声やオーケストラの演奏にあります。磨き上げられた歌声や音楽によって、登場人物の心の動きが自然に伝わり、一般的な劇とは異なる感動を得られるのです。

また、オペラでは歌手の豪華な衣装や優美な動作、凝った舞台装置などの要素も楽しめます。オペラは最高の音楽と最高の劇を、同時に堪能できる総合芸術と言えるでしょう。

オペラの歴史

オペラは16世紀末に、イタリアの都市フィレンツェで誕生しました。古代ギリシャで演じられていた悲劇を復活させようと、貴族や芸術家が始めた音楽劇が、オペラの起源とされています。

当初は貴族の娯楽でしたが、ヴェネツィアに公開のオペラ劇場ができると市民階級にも一気に広まり、ほかの国でも続々と上演されるようになります。とくにドイツやフランス、ロシアでは独自のオペラが生まれ、有名な作曲家も多く輩出しました。

20世紀にはアメリカや日本でもオペラが作られるなど、誕生から400年以上たった現在でも、世界中で人気を集めています。

オペラの種類とは

オペラには、ストーリーの内容や作られた国によって、いくつかの種類が存在します。イタリアで最初に演じられていたのが『オペラ・セリア(まじめなオペラ)』と呼ばれる、神話や歴史をテーマにしたオペラです。

その後喜劇的な内容の『オペラ・ブッファ(滑稽なオペラ)』が登場し、さらに19世紀末には、殺人のような生々しい事件をテーマにした『ヴェリズモ・オペラ』が流行します。

イタリア以外の国で発展したものには、バレエを取り入れたフランスの『グランド・オペラ』や『オペラ・コミック』、会話部分がセリフで進むドイツの『ジングシュピール』があります。

また、ウィーンで発展した『オペレッタ』にはダンス音楽が多く使われており、ミュージカルの元祖となりました。

男性オペラ歌手の音域を知ろう

続いて、男性のオペラ歌手が担当する音域について紹介しましょう。オペラでは、歌手の音域や声質によって登場人物の個性を表現します。

子どもや若者は高音域の歌手が演じ、低くなるにつれて年配の人物や重厚な役どころとなるのが一般的です。

主役級のテノール

『テノール』は、のびやかな高音が魅力の音域です。主にヒーローとなる、若い男性の役柄を演じます。

テノールの中でも、声の質によって、軽やかな『レッジェーロ』、一般的な『リリコ』、重々しい『ドラマティコ』などの分類があります。

渋味のバリトンと重厚なバス

中音域の『バリトン』は、悪役や中年の男性など、渋味のある役柄を主に演じます。かなり幅広い役をこなす声域と言えるでしょう。

『バス』は男性の声の中でも、もっとも低い音域です。国王や高位の僧侶など、重厚な役柄に適しています。滑稽なキャラクターを演じる『バッソ・ブッフォ』と呼ばれるバスもあります。

ソプラノ並みの高音を歌うカウンターテナー

オペラによっては、テノールよりも高音の『カウンターテナー』が登場します。『ファルセット』と呼ばれる裏声を駆使して、女性のもっとも高い音域『ソプラノ』と同じくらいの高い声で歌います。

人気の有名男性オペラ歌手を紹介

最後に、世界的に有名な3人のテノール歌手と、人気の日本人歌手を紹介します。より深くオペラの歌唱を楽しむきっかけになれば幸いです。

世界三大テノール

『世界三大テノール』とは、故ルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスの3名のことです。1990年のFIFAワールドカップイタリア大会の開会式で、この3名によるコンサートが行われ、大人気となりました。

ルチアーノ・パヴァロッティは世界でもっとも売れたテノール歌手です。その明るく美しい歌声は、『神に祝福された声』と讃えられています。

プラシド・ドミンゴとホセ・カレーラスの2人は、現在も現役の歌手として世界中を飛び回り、精力的に活動を続けています。

人気の日本人歌手

日本人歌手では、テノールの錦織健(にしきおり けん)、バリトンの大西宇宙(おおにし たかおき)、バスの平野和(ひらの やすし)、『ソプラニスタ』である岡本知高 (おかもと ともたか)らが人気です。

錦織健は、NHK紅白歌合戦に出場したこともあり、ご存知の方も多いのではないでしょうか。1986年のデビュー以来、数々の有名作品に出演しているほか、最近ではオペラのプロデュースも手がけています。

ソプラニスタはカウンターテナーよりも高い音域で歌う、男性版ソプラノ歌手のことです。岡本知高は世界的にも珍しい、天性のソプラノボイスを持っています。稀有な才能で、オペラ以外の分野でもさまざまな楽曲を手がける人気歌手です。

男性歌手を知れば、オペラはさらに面白く

同じストーリーの劇や映画でも、演じる俳優が変わればイメージが変わります。オペラもまた、演じる歌手によって違った趣きを楽しめるでしょう。人気男性歌手の特徴を知って、オペラの奥深さに触れてみてはいかがでしょうか。

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