レコードから音が出る仕組みとは?基本情報から東京のおすすめ店まで

2019.06.23

近年、レコードで音楽を楽しむ人が増えており、人気が再燃しています。デジタル音楽が主流の現在において、アナログ音楽の楽しみ方が見直され始めているといえるでしょう。レコードの基礎知識やおすすめのプレーヤーやショップを紹介します。

長く愛されているレコード、その歴史は?

レコードの歴史は、1877年にエジソンが世界初の録音・再生機『フォノグラフ(蓄音機)』を発明したことから始まります。

1920年代に入り電気式蓄音機が実用化され、真空管の発達やICなどの発明により、レコードの電気化とともにレコードシステムは急激に発展していきます。

レコード盤の原料も発展し長時間録音や細かな記録が可能となり、1950年代半ばにステレオ盤、1970年に4チャンネルステレオ盤が実用化されました。

今またレコードに注目が集まっている

1980年代にCDが発売されて以来、レコードの生産量は減少していきますが、近年再び注目され始めています。

世界のレコード売上は、2006年から2015年の10年間で12倍に達しています。日本国内でも、この10年間で最も売り上げが落ち込んだ時期と比較して8倍の伸びを見せており、人気が復活してきているといえるでしょう。

デジタル化が進む現代においても、アナログの良さが認められる分野が存在し、レコードはその際たる例として市場も復活傾向にあります。

有名なミュージシャンや老舗のメーカーが、レコードが持つ魅力を世に発信し続けたことも、人気の再燃を後押しした一因として挙げられます。

形状別、レコードの種類と特徴

レコードの種類や特徴を、形状別に紹介します。記録できる時間が長いか短いかによって大別でき、『LP』と『SP』に分けられます。さらに、細かい違いにより、5種類に分けて扱われるのが一般的です。

LPレコード

『LPレコード』は、1948年にアメリカのコロンビアから初めて発売された、現在主流のレコード盤です。それまでのSPレコードに対し、素材がポリ塩化ビニルに変化したことで、丈夫で薄く軽量になり高密度で長時間の録音ができるようになりました。

仕様は直径12インチ(30cm)で収録可能時間は30分、33回転です。長時間の録音ができることから、『Long Play』の頭文字をとり、LPレコードと呼ばれます。

直径12インチは12インチシングルと同じ大きさで、最も大きな形状のタイプになります。

12インチシングル

『12インチシングル』は、LPレコードと同じく直径12インチ (30cm)サイズであるため、このような名称が付けられています。また、シングル盤同様に、片面1曲のみ収録可能です。

シングル盤に比べ音質が優れていることが特徴です。主にダンス用としてDJなどに用いられます。

シングルレコード

『シングルレコード』は、RCAビクター社が1949年に発売したレコードです。オートチェンジャーで1曲ずつ連続演奏する利用シーンを想定して企画されました。仕様は直径7インチ(17cm)で収録可能時間は5~8分、45回転です。

中央に大きく穴が開いているのが特徴で、ドーナツ盤といわれることもあります。直径7インチはEPレコードと同じ大きさで、最も小さな形状のタイプに分類されます。

EPレコード

『EPレコード』は、「収録時間がLPよりは短く、SPよりは長い」という「Extended Play」を略して、EPレコードと呼ばれます。45回転の7インチシングルレコードのことをEP盤とよぶこともあります。

回転数が33回転で、シングルサイズと同一のサイズのものについては『コンパクト盤』や『17cm LP』とも呼ばれています。

SPレコード

p、収録可能時間は4~5分、78回転です。『Standard Play』の頭文字をとり、SPレコードと呼ばれます。

材質はシェラック(樹脂)製で割れやすいため、取り扱いには注意が必要です。1963年に生産が終了しています。

材質別、レコードの種類と特徴

レコードの種類や特徴を、材質別に解説します。

ビニール盤

現在一般的に流通しているレコードは、塩化ビニル素材を使ったビニール盤と呼ばれるものです。ヴァイナル盤と呼ばれることもあります。SP盤に比べ耐久性や記録音質が高く、レコードの普及に大きく貢献したタイプの材質です。

基本的なプレスの方法は、最初にマスター音源を調整した音を機械で刻み、金属メッキを施します。そのメッキを剥がして作ったマザースタンパーを使い、プレスしていきます。

外側よりも内側の方が高域周波数帯が減っていく特徴があるため、例えば、LPレコードでは外側の溝と内側の溝では外側の方が音質が高くなります。

ピクチャー盤

『ピクチャー盤』は、盤面にアーティストの写真やイラストを印刷した紙を挟みこんだレコードです。ビニール盤に比べ製作に手間がかかり、ミュージシャンのプレミアム盤などに多く使用されます。

通常のレコードより重く、音の鮮明さも劣ることがデメリットとして挙げられます。音を楽しむという側面よりも、ビジュアル面を重視したディスクといえるでしょう。

ソノシート

片面のみ録音された、薄いシート状の塩化ビニル製レコードです。一般的なレコードに比べ音質の面では劣るものの、安価で作れ折り曲げられるほど薄く、子供向けの雑誌の付録などに多用されました。

このタイプのレコードを、日本では『ソノシート』と呼んでいます。ソノシートは、日本の出版社により商標登録されています。

なぜレコードから音が出るのか?

レコードから音が出る仕組みと、音を聴くために必要な機器を解説します。

音が出る仕組み

音は空気が振動し、波となり耳に伝わることで、音と認識されます。音を形成する空気の振動を波形化し記録しておくことで、何度も同じ音を再生できます。この考え方を利用して音を出す方法が、レコードから音が出る仕組みです。

レコード盤の表面には、振動を記録した溝が掘られており、この溝にレコード針が触れると、溝の形状に合わせてレコード針が小さく動きます。

レコードから音を出す機器は、アンプやスピーカーと呼ばれる装置です。レコード針の小さな振動を電気信号に変換し増幅することで、アンプやスピーカーから音として再生できます。

レコードの溝はV字形状に掘られており、右側にRチャンネル、左側にLチャンネルの音の信号が記録されています。

レコードを聴くために必要な機器

まずはレコードを置いて回すためのプレーヤーが必要です。ターンテーブルと呼ばれることもあります。

レコード針も必要です。正確には、『カートリッジ』と呼ばれる器具にレコード針がついているため、レコードを聴くにはカートリッジが必要ということになります。

カートリッジはレコードプレーヤーに付属している場合とそうでない場合があるため、プレーヤーを選ぶ際は必ず確認するようにしましょう。

レコードプレーヤーだけでは音が出ないため、音を出すためのアンプやスピーカーも必要です。フォノイコライザーと呼ばれる信号を増幅する装置も、場合によっては必要となります。

レコードプレーヤー選びのポイント

プレーヤーを選ぶ際にチェックすべきポイントを解説します。

フォノイコライザー内蔵の有無

レコードプレーヤーは、レコードに刻まれた溝からカートリッジがアナログ音声の信号を読み取りますが、記録された信号はそのまま増幅するだけでは音が弱すぎるため、『音楽としての音』を聴くことはできません。

出力された音をしっかりと聴ける状態にするには、信号をフラットな状態に戻す『フォノイコライザー』という機器が必要です。

フォノイコライザーは、初心者向けのレコードプレーヤーには内蔵されていることがほとんどですが、中にはフォノイコライザーが別途必要な機器もあるため注意が必要です。

また、音質にこだわる場合は、フォノイコライザーのグレードアップが求められるケースもあります。将来的な拡張性を考えるなら、フォノイコライザーを外付けで対応するレコードプレーヤを選択する必要があるでしょう。

回転方式と回転数をチェック

レコードプレーヤーの回転方式は二つのタイプに分かれます。

ターンテーブルの下に直接モーターを配置して回転させる『ダイレクトドライブ方式』は、立ち上がりが早いDJプレイなどに用いられる回転方式です。ターンテーブルを直接回すため、より精度の高いモーターが必要となり、高価になりやすい特徴があります。

アナログレコードを載せるターンテーブルとモーターをベルトでつなぎ、ベルトを使ってモーターの動力を伝える『ベルトドライブ方式』は、一般的なレコードプレーヤーに採用されている回転方式です。ベルトドライブ方式のプレーヤーは比較的安価で購入できます。

回転数に関しては、1分間あたり33、45、78回転などがあるため、事前に対応回転数も確認しておきましょう。

カートリッジの種類

カートリッジは針がついている部分で、信号を読み取る重要なパーツです。プレーヤーとセットになっているものや、自由に交換できるユニバーサルカートリッジもあります。

カートリッジには、マグネットを振動させる『ムービングマグネット型(MM型)』と、コイルを振動させる『ムービングコイル型(CM型)』の2種類があります。マグネット型は安価で使いやすく、コイル型は音質にこだわる上級者に人気です。

音質を大きく左右するカートリッジの交換は、プレーヤーの醍醐味ともいえますが、慣れないうちは一体型でも十分楽しめます。

デジタル機器に対応可能か

アナログオーディオ機器であるレコードプレーヤーは、本体だけで音楽を楽しめるタイプの他に、USBケーブル経由でデジタル出力できるタイプがあります。

また、Bluetoothスピーカーに音楽を出力できるタイプや、光ケーブルなどでデジタルアンプに出力できるタイプなどもあります。

レコードならではの音質をPCやスマートフォンで聴きたい場合は、デジタル機器に対応可能なプレーヤーを選ぶようにしましょう。

レコードプレーヤーのおすすめ3選

初心者向けのレコードプレーヤーを三つ紹介します。

DENONアナログレコードプレーヤーフルオートエントリークラスDP29F

『DENON』は、日本ではじめてレコードプレーヤーを販売した、老舗のオーディオメーカーです。当商品は、コンパクトで扱いやすいボディに、オンとオフが切り替え可能なフォノイコライザーが内蔵され、簡単に取り扱えるシンプルさが魅力です。

ボタンを押すだけで針が自動で下がり、自動で再生を終了してくれるフルオートシステムを採用しています。ライン入力のミニコンポなどにつなぎ、気軽にアナログサウンドを楽しめます。

基本的な機能を十分に備え、比較的安価でもあることから、レコードプレーヤー初心者におすすめの商品です。

  • 商品名:DENONアナログレコードプレーヤーフルオートエントリークラスDP29F
  • 価格:6,789円(税込)
  • Amazon:商品ページ

D&L SOUL レコードプレーヤー スーツケース型 USB端子

『D&L SOUL』のレコードプレーヤーは、素材から設計・製造・包装に至るまで厳しい品質管理の下で作られた商品です。

木目調のスーツケース型デザインはレトロでおしゃれな見た目をしており、蓋を閉じれば持ち運びにも便利なため、好きな場所で楽しめます。

充電池やステレオスピーカーが内蔵されたオールインワンタイプで、室内だけでなく野外でも使用可能です。自宅ではRCA端子を使ってコンポなどで再生できるほか、夜間はヘッドホンを利用すれば音を気にせず楽しめます。

  • 商品名:D&L SOUL レコードプレーヤー スーツケース型 USB端子
  • 価格:6,989円(税込)
  • Amazon:商品ページ

オーディオテクニカ ステレオターンテーブルシステムAT-PL300

オーディオテクニカの『AT-PL300』は、手頃な価格やシンプルで簡単な操作性、シックでインテリアに馴染みやすいデザインなど、総合力の高いレコードプレーヤーです。

フルオート再生機能を搭載し、フォノイコライザーが内蔵されているタイプで、再生やスピーカー接続も簡単におこなえるのが魅力です。

音質や耐久性を上げるため、ターンテーブルにはアルミダイカストが採用されています。回転ムラを押さえ、安定したクリアな音質で音楽を聴くことが可能です。

  • 商品名:オーディオテクニカ ステレオターンテーブルシステムAT-PL300
  • 価格:9,970円(税込)
  • Amazon:商品ページ

東京で見つけたおすすめレコードショップ

都内にある人気のレコードショップを4店紹介します。

渋谷 next records

渋谷にある『next record』は、ダンスミュージック・ブラックミュージックのオリジナル盤12インチシングル専門の中古レコード店です。

70~80年代のディスコや90年代のクラブ・ラジオでDJたちがプレイしたレコードまで、クラブミュージック系のレコードを全てオリジナル原盤で取り揃えています。

また、あまり知られていない隠れた名曲を独自のセレクションで紹介しています。全曲試聴できる豊富な在庫レコードリストから、お気に入りの1枚を探せるショップです。

  • 店舗名:next records
  • 住所:東京都渋谷区宇田川町11-11 柳光ビル本館2階
  • 電話番号:03-5428-3501
  • 営業時間:13:00~20:00
  • 定休日:無休
  • 公式HP

下北沢 フラッシュ・ディスク・ランチ

下北沢にある『フラッシュ・ディスク・ランチ』は、レアグルーヴを中心に、ロックやジャズ、ニューウェイブ、ハウスなども揃う、アナログ輸入中古盤専門店です。

広々とした店内には大量のレコードが並べられ、ヴィンテージなサウンドシステムから大音量のBGMが流れています。

入店後は気さくな人柄で知られる名物店主に迎えられ、有名DJやアーティストにもファンが多いショップです。

  • 店舗名:フラッシュ・ディスク・ランチ
  • 住所:東京都世田谷区北沢2-12-16 三鈴ビル2F
  • 電話番号:03-3414-0421
  • 営業時間:12:00~22:00
  • 土・祝日 14:30または15:00~22:00
  • 日曜日 14:30または15:00~21:00
  • 定休日:水曜日
  • 公式HP

渋谷 FACE RECORDS

1994年創業の老舗店『FACE RECORDS』は、通称「シスコ坂」上にある、宇田川町のレコードショップです。時が経った現在まで、老若男女のレコードファンたちに親しまれています。

ジャズ・ソウル・レゲエ・ワールドミュージックなどのLP、7インチを中心に販売しており、フロア向けから部屋聴き用まで幅広くセレクトすることが可能です。

  • 店舗名:FACE RECORDS
  • 住所:東京都渋谷区宇田川町10-2 新東京ビル
  • 電話番号:03-3462-5696
  • 営業時間:13:00~20:00
  • 定休日:無休
  • 公式HP

代々木上原 エラレコーズ

代々木上原の『エラレコーズ』は、2016年7月にリニューアルオープンしたヴィンテージレコードショップです。

ロック・ソウル・ジャズ・レアグルーヴ・クラブ・和モノなどのジャンルが揃い、ブラックミュージックやジャズ系のDJにとっては定番ショップとなりつつあるショップです。

木材をいかしたぬくもりのある内装が特徴的で、ロープライスコーナーでは思いがけない1枚を探せます。

  • 店舗名:エラレコーズ
  • 住所:東京都渋谷区西原1-14-10
  • 電話番号:03-6407-0013
  • 営業時間:14:00~20:00
  • 定休日:月曜日
  • 公式HP

レコードが奏でる音を楽しもう

アナログの音楽を楽しめるレコードは、形状や材質で種類や特徴が細かく分かれます。レコードプレーヤーを選ぶ際は、レコードから音が出る仕組みを理解することが重要です。

まずは初心者でも楽しめるレコードプレーヤーを用意し、レコードショップに足を運びレトロな音楽で楽しみましょう。

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