中国から日本に入ってきた囲碁は、全国にプレイヤーがいる人気のボードゲームです。囲碁を楽しみたいけれど、ルールが分からないという方必見です。歴史やルール、iPhone、android別のおすすめアプリなどを紹介します。
囲碁とは
囲碁とは2500年前以上に中国で生まれたゲームで、人類史上最も古いゲームとされています。元々、中国では木の駒が使われており、木と木がぶつかる意味である『棊』と呼ばれていました。
しかし、時代の流れと共に木から石へと変わり、漢字も『棊』から『碁』と変わって日本に伝わってきたと言われています。
いまや囲碁は、ヨーロッパやアメリカなど世界中で知られている人気のゲームとなっています。
陣を取るゲーム
囲碁を簡単に説明すると『陣取りゲーム』です。白と黒の駒で陣地を広げていくシンプルなゲームです。そして、シンプルなのに複雑という奥が深いのも特徴です。
囲碁は2人で遊ぶゲームで、碁盤を挟む2人の対局者が石を交互に置いていきます。そして名前の通り相手の駒を囲って取るというルールがあります。これが囲碁を複雑に、そして面白くしているルールです。
由来
囲碁の由来は諸説紛々ではありますが、広く知られているのは、陰陽道が盤上を宇宙に見立てて行っていた占いが囲碁の起源という説です。そこから、その盤を使ったゲームや賭博の遊びへと変わっていき、現在のような囲碁が生まれたと言われています。
また、紀元前5000年頃の新石器時代の狩猟方法にヒントを得た遊びという説もあります。狩りをする際に、獲物を囲いながらじわじわと追い詰めて仕留めていたことから、囲碁のヒントを得た可能性も高いでしょう。長い年月をかけて今の囲碁があり、歴史あるゲームです。
道具
囲碁の道具は基本的に『碁盤(ごばん)』と『碁石(ごいし)』『碁笥(ごけ)』の3つです。
碁盤は碁石を置いていく盤のことで、正式な碁盤はたてよこ19本の線が引かれています。これを『19路盤』と言います。
他にも9路盤、13路盤、15路盤があり、プレイヤーのレベルに合わせて変えていくと良いでしょう。9路盤が一番簡単で、入門者におすすめの碁盤です。
碁石は白と黒で分かれています。石でできたものが一般的ですが、中にはガラス製の碁石やプラスチック製の碁石もあります。白が180個、黒が181個あり合計361個で1セットです。
また、碁石の厚みは約7ミリが基準ですが、碁盤の厚さに合わせて変えると良いでしょう。石の打ちやすさが違うのでいろいろな厚さを試してみてください。
囲碁の基本ルール
ここで、囲碁の基本的なルールを学びましょう。囲碁のルールはとてもシンプルです。要点を覚えるだけですぐに遊ぶことができます。
碁石を置くのは交点
まずは碁石の置き方から説明します。碁石は、碁盤に引かれている線が交差している『交点』に置いていきます。オセロや将棋のようにマスの中に置くのはNGです。
交差していない線の上もNGです。必ず、交差している交点に置きましょう。白石と黒石を、交点に交互に置いていきます。これが基本的なルールなのでとてもシンプルです。
また、碁石を置くことを『打つ』と言います。将棋では指すと呼ばれていますが、囲碁では呼び方が違います。他にも一度置いた碁石は動かしてはいけません。その時点で負けとなります。
碁石は、基本的に交点であればどこに置いても構いません。どこに置けば良いか最初は悩みますが、これは慣れて感覚を掴みましょう。
着手禁止点
ゲームが流れていくにつれ、碁石が置けない場所というところが出てきます。これは『着手禁止点』と呼ばれています。
例えば、1つの交点が開いており、それを囲うように相手の碁石が置いてあるとしましょう。その空いた交点に自分の碁石を置くとどうなりますか?
強制的に相手に取られてしまうのは分かるのではないでしょうか。このように打った時点で相手に石を取られてしまうような所を『着手禁止点』と言います。
勝敗の決め方
囲碁の勝敗の決め方は『どれだけ多くの陣地を作ることができたか』で決まります。まず、陣地の見方ですが、自分の碁石で囲ってあるスペースを数えます。まとまった陣地もあれば小さい陣地もあるでしょう。
陣地を数える際は、マスや碁石を数えるのではなく『交点を数えてください』。1つの交点を『一目』と数えます。黒の陣地が23目、白の陣地が25目ある場合は白の勝ちとなります。
いかに自分の陣地を広げるかで勝負が決まります。相手も容赦なく陣地を広げてくるので、囲碁というゲームがいかに頭を使うか理解できたのではないでしょうか。
中国ルールと日本ルールの違い
囲碁は中国から伝わったゲームです。日本と中国ではルールが少し違います。地方や人によっては中国のルールで勝負することもあるので覚えておいて損はないでしょう。
中国の場合、勝敗は『陣地の目数+置いてある石数-碁盤の総交点』という計算がされます。
例えば、黒の碁石が15個、黒の陣地の目数が15目あるとします。9路盤を使用していたとして、総交点は81目です。15+15=30で、黒目の点数は30点となります。
総交点から、黒目の点数を引くと81-30=51で、白目の点数が51となります。この場合、黒30・白51で、白の勝ちとなります。この基本のルール以外にも、実際にはもっと複雑なルールがあります。
日本の場合はとても簡単です。陣地の目数と相手から取った石の数を足した数が多い方が勝ちとなります。
しかし、不思議なのが中国式も日本式も同じ答えになるということです。勝敗を判断する際には、是非試してみてください。
囲碁の主な用語
囲碁には専門用語があり、これを知っておくとベテランの風格が出るのでぜひ覚えておいてください。
呼吸点
囲碁には『石は生きている』という表現がされることがあります。それは、石には『呼吸点』と呼ばれるものがあるからです。この呼吸点がない石は死んでいると表現されます。
呼吸点とは、石の周りにある交点のことです。囲碁は、相手の石を囲んで取っていきます。囲うことで呼吸点が無くなり、石が死んでしまうので取ることができるということです。
呼吸点は1つの石に対して四方の最大4つの呼吸点が生まれます。これが相手の石によって塞がれてしまうと自石は取られてしまいます。
自石を死なせないために、呼吸点に自石を置いて生きさせたり、相手の石の呼吸点を塞いで殺したりと攻防戦が繰り返されます。
アタリ
先ほど呼吸点を説明しましたが、1つの石に対して1つしか呼吸点がない状況を『アタリ』と言います。あと1つの交点に敵石が置かれると自石が死んでしまう状況です。
アタリはとても危険な状態なので、早急に対処しなければなりません。自石を置いて呼吸点を増やすか、その自石を見捨てるかは状況次第で変わってきます。
また、相手の石が四角形の形で置いてあり、真ん中に呼吸点があるとします。この呼吸点には石を置くことができません。これは上記で説明した『着手禁止点』です。
どうしても真ん中の呼吸点に自石を置きたい場合は、四角形に並んだ敵石の周りを自石で相手の真ん中以外の呼吸点を埋めてしまいます。そうすると真ん中に自石を置いて敵石を一掃することができるでしょう。
ツナギとキリ
石を一直線に連結させることを『ツナギ』と言います。例えば、敵石と自石が+の形に一直線にならんでおり、真ん中に交点が余っている場合、真ん中の交点に置けば敵石を一刀両断できます。
この、相手の石を一刀両断した状況はとても有利になるのでツナギという1つの技でもあります。しかし、一刀両断した後もまだ油断できません。相手が『キリ』をしてきた場合、状況は一気に混乱します。
+の状態であなたが一刀両断してツナギをしたとします。真ん中の自石には呼吸点が4つあり、この呼吸点に相手が石を置いてくること『キリ』と言います。
相手のキリの後、あなたが間違った呼吸点に自石を置いてしまうと、相手の石がまた繋がってしまいます。キリはなんとしても防いでおきたいものです。
コウ
碁石で遊んでいると『コウ』の形になってしまう状況が稀にあります。形にはさまざまあり、相手の石を取ったあと、また相手が自分の石を取る、そして相手の石を取る、また相手が自分の石をとるという状況です。
これが同じ場所で起こることを『コウの形』と言います。コウの形ができた場合は、最初の石を取ることができますが、相手は次の石は取ってはいけないというルールが『コウ』です
これが繰り返されると勝敗がつかないので、この無限ループを無くすために作られたルールとなっています。このコウになった場合の対処法も練習しておくと、あなたの囲碁のレベルも上がるでしょう。
レベル差があり難しい場合でも楽しめる囲碁
囲碁は初心者とベテランとでは戦略、プレイ回数、知識が違うので天と地の差があるでしょう。しかし、ベテラン相手でも対等に楽しめるのも囲碁の良さです。
置き碁
『置き碁』とは文字通り、碁石を置くという意味です。これは最初から碁石を置いておいてハンデをつけるという意味になります。相手がベテランなら置き碁をすることで対等に楽しめるでしょう。
囲碁にもプレイヤーのレベルを表す言葉があり、初級~上級・初段・有段・高段の順にレベルが高くなります。
そしてこのレベルの差を表す言葉を『○○子局』です。例えば、2級の人と5級の人が対戦する時は、3子局となります。3子局の場合は碁石を3つまで置き碁することができるということです。
このようにレベルの差に応じて置いておける碁石が変わってきます。
定先と互先
『定先(じょうせん)』は、レベルの差が1つしかない時につくハンデのことを言います。例えば、対戦者のレベルが4級と5級、初級と初段などに適応されるハンデです。
先手の黒と後手の白で対戦が始まります。そして、白には『コミ』というハンデがついてきます。しかし、定先ではコミがつきません。その為、1つレベルの低い対戦者は、有利な黒をそのまま有利に使って対戦できるということです。
一方、『互先(たがいせん)』は、囲碁のレベルが同じ対戦者に適応されるハンデなしの対戦のことをいいます。しかし、後手の白はコミのハンデがつきます。分かりやすく言えば通常の対戦です。
コミ
黒側が白側に与えるハンデのことを『コミ』と言います。囲碁は、先手の黒が有利だということが今までの歴史の中で証明されているのです。その為、必然的に白にはハンデが与えられます。
コミのハンデは、対戦が終了して最後に陣地の計算をするときに、白には『6目半』が加算されます。例えば、計算の結果、黒が10目、白が10目の場合にはコミの6目半が白にはつき、黒10、白16目半となるので白の勝ちです。
コミがつくなら白が有利なのでは?と感じる人もいるでしょう。しかし、長い歴史の対戦結果からして6目半のハンデがついて平等だと考えられているのです。
子供や初心者などわからない人向けのゲーム
さて、一通り囲碁のルールや特徴を説明してきましたが、おそらくピンと来ていない人が大半なのではないでしょうか。そこで初心者でもわかりやすいゲームを紹介します。
まずは『習うより慣れよ』です。プレイしながら感覚を掴んでいきましょう。
囲碁九路盤ソフト
初心者にも優しい5路盤や基本の19路盤を使っての対戦ができます。相手CPUのレベルも設定できるので自分に合った対戦ができるでしょう。
操作も簡単なので子供でも楽しめます。まずは5路盤で最弱のCPUレベルで対戦の流れを掴みましょう。最初はヒントを見ながら対戦すると良いでしょう。
囲碁のおすすめアプリiPhone
囲碁のおすすめアプリiPhone版を紹介します。
みんなの囲碁 DeepLearning
まずおすすめしたいのが、こちらの『みんなの囲碁 DeepLearning』です。棋譜の保存ができるので、対戦の復習や敗因などを分析して次の対戦に活かすこともできます。
CPUレベルは14級~三段まで幅広く設定が可能です。自分のレベルに合わせて対戦できます。自分で好きなところに碁石が置ける『盤面編集機能』で、苦手なシチュエーションなどの練習もできます。
リアル碁盤
非常に綺麗でリアルな囲碁が楽しめます。例えば、木目まで見える碁盤や碁石を打つときにパチッと音がする、リアル感を求めたアプリとなっています。
また、勝敗を決める地の計算も自動的にしてくれたり、置き碁などのハンデ設定もできたりと、状況に合わせて対戦が設定できます。
さまざまなシチュエーションを想定して対戦を重ねることで囲碁のレベルも徐々に上がってくるでしょう。
囲碁クエスト
CPU対戦はもちろんオンラインで対人対戦も可能です。
アプリを使っているユーザーも多く、対戦を申し込むとすぐに対戦相手が見つかります。また、他の人達の対戦も鑑賞できるので、さまざまな対戦を参考にできるのもポイントとなっています。
もちろん自分の対戦を他の人から見られていることもあります。他人に見られているという緊張感を持って対戦ができるので、実践練習としても良いでしょう。
囲碁のおすすめアプリandroid
次に、androidでダウンロードできる囲碁アプリを紹介します。
ぐんぐん強くなる囲碁
道場モードという遊び方ができて、対戦に勝っていくとどんどん昇格していくシステムになっています。
囲碁の上達がグラフで確認できるので、日々の積み重ねや囲碁の上達具合など一目で確認することができます。脱初心者を目指すならこのアプリがおすすめです。
対戦を途中でやめて、続きからでも再開することができるので仕事や遊びの合間にサクッとプレイできるのもポイントです。
囲碁ウォーズ
世界でもトップレベルのAIを搭載しており、棋神降臨システムで対戦中にAIが的確にあなたをサポートしてくれます。
AIのすごさはこれだけではなく、あなたの早打ち・攻撃力・守備力・逆転力・安定力を5段階で分析してグラフで表してくれるので、苦手な分野を鍛えることも可能です。
オンライン対戦型のアプリなので全国のユーザーと対戦できます。いろんな人とたくさん対戦してどんどん経験を積みましょう。
Go Free
ゲームのカスタマイズ性にも優れたアプリです。自分の好きなハンデや状況で、囲碁を楽しめるのはポイント高いです。
CPUのレベル10段階調整可能です。石を置くことができる場所を表示してくれたり、1つ前に戻れたりと、初心者に嬉しい機能も充実しています。9・13・19路盤でプレイ可能です。
ルールを覚えて囲碁の奥深さを体感しよう
囲碁の深さは1戦2戦では理解できません。最初は負けて当然ですが、対戦の回数をこなしていくと徐々に理解してきます。まずは体感することが大切です。
対戦しながらルールを覚えていき、戦略を練ることができて、激しい攻防戦を楽しめるようになってきます。練習して囲碁の深さを実感しましょう。