平和を願ったロシア文学界の第一人者「トルストイ」の代表作を紹介

2019.06.22

近代文学史の中でも優れた作品を多く有しているロシア文学。その第一人者の1人と目されているのがレフ・トルストイです。帝政ロシア時代末期を生きた文豪の代表作はいずれも名作揃いです。この記事では執筆の背景にあるトルストイの人生を踏まえて、代表作品をご紹介していきます。

文豪レフ・トルストイとは

優れた思想家としても有名なトルストイ。蓄えたヒゲと鋭い眼差しは彼が生きた時代や作品を象徴するかのようです。まずはレフ・トルストイについてご紹介します。

平和、生き方を模索し続けた作家

トルストイは1828年にロシアのトゥーラで生まれました。実家は代々ロシア皇帝に仕えてきた伯爵家でしたが、親族の度重なる不幸や成績不振も重なり大学を中退することになります。その後トルストイは軍人になり、歴史的な対戦となったクリミア戦争にも従軍。ここでの壮絶な体験がトルストイの戦争への抵抗感を強めることになったのです。

その後は軍を退役し、教育者などの立場を経て経験を積みながら数多くの作品を執筆していくことになります。作家として大成したのちに、国のあり方などに疑問を呈し晩年まで思想家として活動を展開します。裕福な出自をもちながらも、生活に窮している人々の立場を重んじ活動したトルストイの葬儀には、出自関係なく大勢の人々が弔問に訪れたと言われています。

トルストイの代表作

数多くの名著を残したトルストイ。その中でも代表作と目されているのが「戦争と平和」です。従軍経験を元にしたリアリティと思想溢れる作品として世界的に認められています。トルストイ作品を読む上で最初の一冊としておすすめの作品です。

戦争と平和

戦争と平和は1865年から4年の歳月をかけて執筆掲載された作品です。作者が誕生する約10年前に終結したナポレオン戦争を軸に当時のロシア貴族たちの興亡、恋愛などを描いた壮大な群像劇となっています。なお作品の中にはトルストイを思わせる登場人物が登場するなど、歴史小説の中にほのかなオリジナリティを盛り込ませている点も魅力となっています。

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その他の代表作

戦争と平和以外にもトルストイは恋愛劇や喜劇などの名著も数多く残しています。その中から代表的な2作品をご紹介します。

アンナ・カレーリナ

1873年から2年かけて執筆連載された作品です。当時のロシア帝国を舞台に政府勤務の夫を持つアンナと貴族の青年ヴロンスキー、田舎地主のリョーヴィンとアンナの親類であるキティからなる2組のカップルを軸に、それぞれの行動や周囲の環境の変化などで、かたや悲劇にかたやハッピーエンドに向かっていく様を描いています。

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イワンの馬鹿

1886年に発表された、ロシア文学に度々登場する道化役の「イワン」を主人公に据えた作品です。イワンを含む兄弟が争うように仕向けた悪魔が、イワンの馬鹿で無欲な態度に追い詰められていく様を喜劇風に描いています。

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復活

1899年に発表されたトルストイの人生最後の作品です。若い貴族がかつて孕ませた挙句に捨てた女性と刑事裁判で再開し、罪の意識を覚えた貴族が女性を救い旅に出るまでを、当時の社会悪を風刺しながら描いています。本作はドラマチックな展開からか日本においても映画かされるなどしています。

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トルストイ作品は現代にも問いを投げかけている

トルストイは、不条理な時代や世の中に疑問を呈し、思想家として民衆を導こうとした文化人でした。そんな彼の作品を通じて語られた思想は、死後1世紀以上経った現代に対しても問いを投げ続けているようです。ぜひこの機会にトルストイ作品に触れてみてはいかがでしょうか。

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