男性浴衣の着方をマスターしよう。初心者にも分かりやすく解説します

2018.08.21

夏の暑い季節に、浴衣を着ている男性は涼しげに見えます。浴衣を着たことのない人は、浴衣の着方だけでなく、浴衣の選び方についても悩んでしまうことでしょう。そこで今回は、浴衣初心者でも簡単にできる着方と、浴衣の選び方を解説します。

夏の風物詩である浴衣とは

夏に行われる花火大会やお祭りなどで、女性だけでなく男性が浴衣を着ている姿も多く見られます。

そもそも浴衣は、どのように誕生したのでしょうか。

昔は風呂のときに着ていた

浴衣の始まりは、平安時代の貴族が入浴の際に着ていた『湯帷子(ゆからびら)』という麻でできた単衣着物だといわれています。帷子とは着物のことを指し、浴衣はこの湯帷子を略した呼び方です。

現在は、入浴といえばお湯に浸かるのが一般的なので、何も身に着けずに入浴しますが、当時のお風呂は、蒸し風呂だったことから、水蒸気で肌を火傷しないように麻の湯帷子を着用していました。

そして時代を経て、浴衣の生地は麻から木綿に変わっていきます。汗を吸収しやすいという点から、湯上りに木綿の浴衣を着て夕涼みをする湯上り着や、浴衣のまま就寝する寝間着として着用されていました。

なお、昭和初期ごろまでは、多くの人が浴衣を寝間着として使用しており、現在も旅館などで、その名残りがうかがえます。

着物との違いは?

着物と浴衣は、いくつかの違いがあります。着物は、外出するときに着る正装着です。素肌に直接着ることはなく、必ず長襦袢、もしくは半襦袢を着用してから着物を着ます。

一方、浴衣は外出時にも着ますが、主な用途は湯上り・寝間着として切ることを想定されています。長襦袢や半襦袢を着用せずに、素肌に直接着ます。また、帯も着物に比べると比較的簡単な結び方なので、手軽に着られる点が大きな違いです。

ただし、絹紅梅・長板中形など高級浴衣は、長襦袢を着用して外出着として着ることもできます。

浴衣を着るために揃えるもの

浴衣は、着物の中でも簡単に着られ、揃えるものもあまり多くありません。ここでは、浴衣を着るために揃えるものを紹介します。

浴衣

浴衣は、自分の好きな柄や素材を選びましょう。また、体型を考慮して色合いを決めることも大切です。

すっきりとした体形に見せたい場合は、紺地や黒字など、寒色系の濃い色合いのものを選びましょう。

逆に細身の体型の人は、白地などの淡色系や、全体に柄が入っているものがおすすめです。

肌着

浴衣は、素肌の上に直接着ても問題ありませんが、汗が浴衣に付いて汗ジミの原因となる場合があります。

また、着崩れ防止のためにも、肌着を着用することをおすすめします。肌着は、首回りがすっきりとした和装用の肌着と、ステテコを用意しましょう。

VネックのTシャツでも代用できますが、生地が厚いとやぼったく見えてしまいます。浴衣を格好よく着たいのであれば、和装用の下着を1枚用意しておきましょう。

ステテコは、下半身の汗を吸収してくれるため、歩きやすくなります。また、座ったときの下半身の露出を抑える役割もあります。

濃い色の肌着を着用すると、淡色の浴衣の場合には透けてしまう可能性があるため、白や薄いグレーなど、色が透けにくいものを選びましょう。

帯は、角帯と兵児帯の2種類があります。角帯はスタイリッシュな印象、兵児帯はカジュアルな印象となり、それぞれ特徴が異なります。よって、シーンや目的に合わせて選びましょう。

角帯とは、幅が10cm前後の固めの帯のことです。素材によって雰囲気が大きく異なるほか、柄も豊富にあるのが特徴です。結び方もバリエーションが豊かなので、コーディネートが楽しめます。

兵児帯は柔らかい帯で、帯結びが角帯よりも簡単にできます。また、締め付け感があまりないため、浴衣を着ることに慣れていない人におすすめです。

下駄

男性の場合、浴衣に似合う履物としては、草履・雪駄・下駄などがありまが、浴衣には、下駄を合わせるのが一般的です。

男性の浴衣に合う下駄には、主に以下の種類があります。

  • 二枚歯下駄(駒下駄)
  • 八割下駄
  • 右近下駄

二枚歯桐下駄は、1つの板を切り抜いて作られ、履き心地の軽さが特徴です。歯の高さがあるので、雨天時でも履けますが、地面への接地面積が狭く安定感がないため、履き慣れない人にとっては、足が疲れる可能性があります。

下駄を履きなれていない人は、地面への接地面積が広い八割下駄や右近下駄を選ぶとよいでしょう。

八割下駄は『しなり』があり、草履のような履き心地です。右近下駄は、足の裏にフィットするようにカーブしています。どちらのタイプも足が疲れにくく、歩きやすいのでおすすめです。

腰紐

腰紐は、帯の下に締める細い紐のことです。浴衣の着崩れを防ぐ役割があるので、必ず用意しましょう。

また、腰紐を結んでから帯を締めることで、帯が格段に締めやすくなります。

失敗しない浴衣の選び方

基本の形がほとんど同じ浴衣は、サイズ・柄・素材などで自分に合ったものを選ぶことがポイントです。ここでは、浴衣の選び方について解説します。

サイズは着丈と裄の長さを確認

一般的に、着丈はくるぶしよりも少し上あたり、裄(袖下)は手首よりも少し短めぐらいが適正サイズといわれています。

浴衣は、着丈や裄の長さを調整できません。反物を買って、自分のサイズに合わせて作る場合には、自分に合った長さに仕立ててもらえるため心配はいりません。しかし、既製品を購入する場合には、着丈と裄の長さを確認する必要があります。

また、裄の長さは男性の浴衣の場合、バリエーションが多くありません。そのため、着丈に合わせてサイズを選びましょう。

着丈の目安は身長から26.5cm引く

ほとんどの既製品浴衣は、S・M・L・LLのサイズ展開をして販売されており、それぞれのサイズには、必ず浴衣の着丈が表示されています。

着丈の目安は、『身長(cm)から26.5cmを引いた長さ』です。自分の身長から着丈を計算して、最も近い数値のものを選びましょう。

ただし、先述したように、浴衣は着丈の長さを調節できません。自分の着丈サイズが、2サイズの中間にある場合には、1サイズ小さめのものを選ぶとよいでしょう。着丈が少し短くても、粋な印象になるので心配ありません。

また、最近の既製品浴衣は、少し大きめに作られているものが多いため、細身の体型人は、1サイズ小さめのものを選びましょう。

もし、適正サイズが分からない場合は、店員に相談すれば体型に合ったサイズを教えてもらえます。

素材は綿か綿麻がおすすめ

浴衣は、夏の暑い季節に着るため、汗を吸収しやすい綿か、綿麻混合の素材のものを選びましょう。

綿の浴衣は、滑らかな着心地が特徴で、肌が弱い人でも安心して着られます。また、吸水性にも優れており丈夫なので、汚れても自宅で洗濯が可能です。

綿麻素材の浴衣は、麻の程よい質感を残しつつ、綿の滑らかな肌触りも持ち合わせています。また、通気性に優れ速乾性も高いので、不快な思いをせずに長時間着用できます。

柄と色はシックでシンプルなものを

浴衣初心者の場合、色は紺地や黒地などのシックなものを、柄はシンプルなものを選びましょう。

刺子縞・縞・かすれ縞などのストライプ模様や、かすれ十字・亀甲などの格子柄がおすすめです。慣れてきたら、個性的なデザインの浴衣を選んでもよいでしょう。

浴衣の着方

男性の浴衣は、寸胴の人の方が格好よく決まります。ウエストが細い人は、下着の上にタオルを巻いて補正しましょう。

また、しっかりと補正しておくことで、腰紐や帯がしっかりと落ち着くため、長時間浴衣を着ても着崩れをしにくくなります。ここでは、浴衣の着方を紹介します。

浴衣をはおり、背縫いを背中の中心に合わせる

まず、肌着とステテコを身に着けましょう。体型にあまりボリュームがない人は、必要に応じてタオルを巻いて腰紐で固定します。

次に、全身が映る鏡の前で浴衣をはおり、両側の袖口を持って左右に引きながら裄を整えます。このとき、浴衣の背縫い部分を背中の中心に合わせましょう。

下前を合わせ、その上に上前を重ねる

浴衣の左右の襟を持ち、襟先に手をずらして襟を揃えます。そのまま襟先を持った状態で、下前の襟先を左わき腹の腰骨にくるように合わせます。次に、上前を右わき腹の腰骨に合わせます。

下前とは右手で持っている部分、上前とは左手で持っている部分のことを指します。このとき、首と襟が離れないように注意しましょう。女性は浴衣を着る際に、襟抜きをしますが、男性の場合はそのようにする必要はありません。

腰紐を結ぶ

腰紐を結んで、浴衣を固定しましょう。腰紐は前から締めます。

腰骨の辺りにくるように、腰紐を前から撒いて後ろで交差させて、左右に強く引いてから、また前に回して左右のどちらかに寄せて結びます。余った紐先は、上から腰紐に挟みましょう。

仕上げに、背縫いのところから両手の人差し指を入れて、腰紐周辺のしわを伸ばします。背中部分に緩みがあっても、下に引いて伸ばすと襟と首に隙間ができてしまうので、そのままにしておきましょう。

男性の帯結びの種類と結び方

男性の浴衣の帯には、角帯と兵児帯がありますが、それぞれ結び方が異なります。ここでは、角帯と兵児帯の結び方を紹介します。

貝の口

貝の口は、角帯を使用して結ぶ最もスタンダードな帯結びです。別名『男結び』とも呼ばれています。

まず、角帯の手先(片方の端)40cmほどを縦半分に折ります。折った手先を体の中心に当てながら、残りの帯を体に巻き付けます。

2~3回巻き付けたら、残りの帯を内側に半分に折り、体の中心のところで手先と半分に折った帯を結びます。このとき、半分に折った帯が、手先の上にくるように結びましょう。

そして、帯を垂直に立てて、手先を斜め上に持ち上げます。帯を下に下げて、貝の形を作ったら、その間に手先を通します。

帯を両手で持って、右から後ろに回して結び目が、やや左側にくるようにすれば完成です。

兵児帯

兵児帯の結び方は、いわゆるリボン結びが基本です。そのため、引っ掛けるとほどけてしまう可能性があるので、結び目はきつくしておきましょう。

兵児帯には裏と表があります。しぼりの凹凸の凸の方が表面です。まず、裏側を上向きに置き、両端を内側に折ります。さらに両端を縦に折り込んで、半分に折り長細い帯を作ります。

帯の手先の長さを60cmほどに決めて、体の中心に付けます。帯をそのまま手先が下から出るように、体に2回ほど巻きます。

そして、垂れ先を体に巻き付けた帯に下から通して手先とリボン結びをします。長い方の帯の先を、結び目の上に被せて形を整えましょう。

最後に、右から後ろ側へ回せば完成です。この場合も結び目を、左右どちらかに少し寄せましょう。

もっとわかりやすく動画で着方をチェック

浴衣の着方を説明しましたが、動画で着方を確認すると、より理解が深まります。初心者にも分かりやすく解説している浴衣の着方の動画を2本を紹介します。

浴衣の着方や帯の締め方を動画で確認しながら、実際に着てみましょう。

大丸、松坂屋 ゆかた着付け動画(男性編)

大手百貨店の大丸、松坂屋の浴衣の着付け動画(男性編)は、浴衣の着付けの仕方と、兵児帯の締め方を丁寧に説明しています。

大丸、松坂屋 ゆかた着付け動画はこちら

簡単!帯の結び方【貝の口編】男の浴衣の着付け帯の締め方の決定版

この動画は、角帯を使用して貝の口の帯結びをマスターしたい人におすすめです。帯の巻き方のコツや、貝の口の形の作り方などが、初心者でも分かるように解説しています。

貝の口の結び方動画はこちら

大人の男性におすすめ浴衣セット4選

粋に浴衣を着こなす男性は、それだけで素敵に見えます。浴衣は色や柄によって、印象が大きく変わりますが、浴衣に合わせた下駄や帯などの小物によっても、大人の雰囲気を演出できます。

ここでは、大人の男性におすすめ浴衣セットを紹介します。

KYOETSUメンズ浴衣4点セット しじら 綿麻

KYOETSUメンズ浴衣4点セット しじら 綿麻』は、大人の男性にふさわしいシックな浴衣に、腰紐・角帯(もしくはワンタッチ帯)・焼桐下駄がセットになっています。

小物類は、浴衣の専門家が浴衣に合うように選んでいるため、コーディネートの心配もありません。

素材は綿麻で、寒色系の生地に無地柄・縞柄などがあります。しじら織りの凹凸のある生地は、サラサラとしており快適な着心地です。

  • 商品名:KYOETSUメンズ浴衣4点セット しじら 綿麻
  • 価格:4,390円(税込)
  • Amazon:商品ページ

roshell 浴衣5点セット

『roshell 浴衣5点セット』は、浴衣・帯・下駄・扇子・巾着袋がセットになっています。帯は、手先にマジックテープが付いているワンタッチ帯なので、クルクルとお腹周りに巻き付けてピタッと止めるだけで固定可能です。

天然素材で作られた浴衣生地は、しじら・かすりなど、大人の粋を感じさせるシンプルな織り生地から選べます。

また、黒・紺・グレーなどの寒色系のほか、生成りなどのナチュラル感のあるカラーも展開しています。柄は定番の縞や無地柄など、シンプルなデザインが豊富です。

  • 商品名:roshell メンズ浴衣5点セット
  • 価格:4,995円(税込)
  • Amazon:商品ページ

SPU 浴衣 メンズ 男 浴衣セット

『SPU 浴衣 メンズ 男 浴衣セット』は、リーズナブルな価格でありながら、浴衣・ワンタッチ帯・下駄・扇子の4点がセットになっています。

カラーは、大人の男性に人気の黒・墨・薄墨などの寒色系のほか、ナチュラルな生成があり、好みのものを選べます。柄は、定番の千鳥・麻の葉・縞が展開されています。

  • 商品名:スプ 浴衣 メンズ 男 浴衣セット
  • 価格:5,940円(税込)
  • Amazon:商品ページ

KABUKU メンズ浴衣4点セット 市松ストライプ ブルー身頃切り替え

『KABUKU メンズ浴衣4点セット 市松ストライプ ブルー身頃切り替え』は、しじら織りに、歌舞伎でもお馴染みの、江戸時代から続く伝統的な柄・市松模様の、モダンな浴衣のセットです。

個性的なデザイン浴衣ですが、帯・下駄・巾着がセットになっているので、小物選びを心配する必要がありません。大人の夏の遊び着としても最適です。

  • 商品名:KABUKU メンズ浴衣4点セット 市松ストライプ ブルー身頃切り替え
  • 価格:8,629円(税込)
  • Amazon:商品ページ

浴衣を格好よくに着こなす男に

夏の暑い季節には、涼しく過ごせる浴衣を着てみるのもよいでしょう。浴衣の着方は、それほど難しくないですが、着方が分からないときは、動画で確認することをおすすめします。

また、浴衣は花火大会やお祭りのときだけ着るものではありません。夏の普段着として、浴衣を格好よく着こなす男性を目指してみてはいかがでしょうか。

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