果物やハーブの味や香りを楽しむことができるフレーバーウォーターは、欧米を中心に日本でも人気のある飲み物です。フレーバーウォーターが人気の理由や自宅で簡単に作る方法、さらに市販品に含まれる糖質について解説します。
フレーバーウォーターとは
欧米を中心に人気のあるフレーバーウォーターは、近年日本でも見かけるようになりました。フレーバーウォーターの概要について解説します。
味や香りをつけた水
フレーバーウォーターとは、水(一般的にはミネラルウォーター)に果物やハーブなどを入れて味や香りをつけた飲み物のことを指します。
ジュースほどではありませんが、ほんのりと味や香りがついており、また、通常の水のように無色透明で飲みやすいのが特徴です。
また、水に溶けだした果物や野菜の成分が体に良い影響をもたらすとも言われており、『デトックスウォーター』と呼ばれることもあります。
近年ではコンビニや自動販売機などでも気軽に購入できるため、水代わりのドリンクとして人気が高まっています。
市販のものは香料や甘味料が入っている
コンビニや自動販売機で買えるフレーバーウォーターの中は、香料や甘味料を使っているものがあり、厳密には水というよりジュースに近い飲料です。
ラベルの成分表を確認して、特に以下のようなものが含まれていたら注意が必要です。
- 果糖ぶどう糖液糖
- 糖類(果糖、砂糖、マルトオリゴ糖)
- 転化糖
- 甘味料(アセスルファムK、スクラロース、ステビア)
フレーバーウォーターは水だからジュースとは違って健康に良いだろうと、市販のフレーバーウォーターを飲みすぎてしまうと、思わぬところで糖質を摂りすぎてしまう可能性があります。
糖質の摂りすぎは肥満や生活習慣病の原因になりえるので、市販のフレーバーウォーターを飲むときは成分を確認した上で飲む方が安心でしょう。
フレーバーウォーターはなぜ人気?
フレーバーウォーターはなぜ人気を集めているのでしょうか? その理由について解説します。
場所を選ばずに飲める
仕事中の水分補給として、デスクの上にドリンクを置いている人も多いことでしょう。コーヒーやお茶、ミネラルウォーターであれば特に問題はありませんが、ジュースを持ち込むには周りの視線が気になることもあります。
フレーバーウォーターは無色透明なので、一見すると水と変わりがありません。これなら仕事中でも周りの目を木にせず飲むことができます。
コーヒーやお茶ではカフェインが気になるけど、ミネラルウォーターでは味気ないという人にとって、フレーバーウォーターは強い味方となることでしょう。
水よりも飲みやすい
人間が1日に必要としている水分量は2~2.5リットルと言われています。食事から1リットルほど摂取できますが、残りの1リットルは飲料水から摂らなくてはなりません。
水分補給が大切だと分かっていても、味のない水をたくさん飲むのはなかなか大変なものです。そんなときにフレーバーウォーターが役立ちます。
フレーバーウォーターは、ほんのりと甘みや香りがついているため、通常の水よりも飲みやすく感じることがほとんどです。こまめな水分補給に適した飲み物と言えるでしょう。
また、ジュースのような甘さがないので、口の中がすっきりし、リフレッシュにも適しています。
ジュースよりも健康なイメージ
ジュースに比べると味や香りは弱いものの、甘味料や香料が含まれていないフレーバーウォーターには健康的なイメージが人気の理由です。
ただし、前述のとおり市販のフレーバーウォーターには甘味料や香料を含むものが多く、こちらは水よりもジュースに近い飲み物です。
健康に気を使うのであれば、市販されているフレーバーウォーターを買うのではなく、自分でフレーバーウォーターを作る方がおすすめです。
フレーバーウォーターの糖質
市販のフレーバーウォーターにはどれくらいの糖質を含んでいるのか解説します。
他のジュースとの比較
フレーバーウォーターにはどの程度の糖質が含まれているのか、他のジュース類と比較をしてみましょう。
比較対象とした商品はコカ・コーラ(炭酸飲料)、カゴメ野菜生活(野菜ジュース)、いろはす長野県産りんご(フレーバーウォーター)、水の4種類です。なお、比較対象に挙げた商品は代表的なものであり、商品によって成分に差があります。
商品名 | コカ・コーラ | カゴメ野菜生活 | いろはす長野県産りんご | 水 |
内容量 | 500ml | 200ml | 555ml | – |
糖質 | 56.5g | 14.8g | 36g | 0g |
カロリー | 225kcal | 64kcal | 94kcal | 0kcal |
比較してみると市販のフレーバーウォーターは糖質を多く含んでおり、意外とカロリーが高い飲み物だということが分かります。
水の代わりに飲む場合は注意
市販のフレーバーウォーターは水よりも飲みやすいため、水代わりに飲んでいるという人も少なくないでしょう。
しかし、ジュースよりも少ないとは言え市販のフレーバーウォーターは糖質を含む飲み物です。水代わりに飲んでいるとあっという間に1日の糖質量を超え、糖質過多になってしまう可能性もあります。
糖質は体にとって必要な栄養素ですが、摂りすぎるとやる気が出なくなったり、体がだるく感じたりすることもあるので注意が必要です。
手作りをすることで糖質を抑えられる
水分補給に水が良いのは分かっているけど、味がないとちょっと物足りない、という人はフレーバーウォーターを手作りしてみてはいかがでしょうか。
市販のフレーバーウォーターと違い、自分で作れば余計な香料や甘味料の入っていない、安全で安心なフレーバーウォーターを飲むことができます。
フレーバーウォーターの作り方については後述するので、ぜひ参考にしてみてください。
フレーバーウォーターの作り方
フレーバーウォーターは容器と材料さえあれば自宅で作ることは難しくありません。フレーバーウォーターの作り方を紹介します。
果物を入れた容器に水を入れるだけ
フレーバーウォーターの作り方は非常に簡単です。
まずはお好みの果物や野菜、ハーブを適当な大きさに切ってボトルに入れ、そこにミネラルウォーターを注ぎ入れるだけです。冷蔵庫に残っている果物や、野菜の切れ端を入れても良いでしょう。
切った果物やハーブを水に入れておくことで、味や香りだけでなく、さまざまな栄養成分が水に抽出されます。
ただし、果物に含まれる糖質も抽出されてしまうので、糖質やカロリーが気になる人はなるべく糖分の少ない材料を使う方が安心です。
また、フレーバーウォーターは生の材料を使うものですから、作ったらその日のうちに飲み切る必要があります。残ってしまったら必ず廃棄しましょう。
フレーバーウォーターの素を使う
果物やハーブを買ったり切ったりするのが面倒だという人は、フレーバーウォーターの素を使ってみるのも良いかもしれません。
フレーバーウォーターの素は、あらかじめカットされた果物や野菜、あるいはドライフルーツなどをパッケージしたものです。パッケージの中身を水に入れるだけなので、生ゴミが発生しないというメリットもあります。
水出しのお茶感覚で使えるので、家に常備しておけばいつでもフレーバーウォーターを楽しむことができるでしょう。主に通信販売で購入することができます。
手作りの場合に使われる果物
せっかくフレーバーウォーターを作るのであれば、何か体に良い影響があるものを飲みたいものです。果物には多くの栄養成分が含まれていますから、さまざまな効果が期待できます。
柑橘系はビタミンC・クエン酸が豊富
柑橘系の果物には、積極的に摂りたいビタミンCやクエン酸を多く含んでいます。フレーバーウォーターに特に適している柑橘系の果物は以下のとおりです。
- レモン
- オレンジ
- グレープフルーツ
- みかん
- ライム
合わせてミントやバジルなどのハーブを一緒に入れると、香りを楽しむこともできます。ただし、缶詰のみかんはあまりおすすめできません。缶詰のシロップには糖質が多く、また加工の過程で栄養素が流れ出てしまっている可能性があります。また、ドライフルーツも砂糖をまぶしているものは使わない方が無難です。
りんごにはペクチンが豊富
りんごにはペクチンが多く含まれています。ペクチンは水に溶けるとゼリー状になるため、ジャムのとろみ成分として使われるものです。ペクチンは食物繊維なので、腸内環境を整える作用があると言われています。
りんごでフレーバーウォーターを作る際には皮ごと入れてしまうのがおすすめです。りんごに限らず果物の皮や、皮と身の間には栄養素が豊富に含まれています。皮についた農薬や防腐剤が気になる場合は、重曹などでしっかり洗えば落とすことができますので試してみてください。
りんごと一緒にシナモンスティックを割り入れると、一層香りが引き立つはずです。
バナナやキウイにも栄養成分が豊富
バナナにはビタミンB1やトリプトファン、キウイにはビタミンCやミネラルが豊富に含まれています。トリプトファンやミネラルは精神を安定させる作用があるようなので、ほっと一息つきたいときや就寝前にはおすすめです。
フレーバーウォーターを飲んでみよう
味や香りを楽しむだけでなく、フルーツを入れることでフルーツに含まれる栄養成分も一緒に摂ることができるフレーバーウォーターは、日本でも注目されている飲み物です。
特に普段の仕事が忙しく、疲れやストレスを感じている人は、缶コーヒーの代わりにフレーバーウォーターを飲んでみてはいかがでしょうか?