囲碁とはどんなゲームか。基本を押さえて楽しく学んでいこう

2018.07.31

囲碁にはどんな印象をもっていますか?囲碁の歴史は古く、世界各国に囲碁ファンがいます。また、囲碁は碁盤が広く、多くの手が使えるため、最初は難しく感じるかもしれません。基本的なルールの解説と、ゲーム以外の囲碁の楽しみ方をまとめました。

囲碁の基礎知識

囲碁の発祥はとても古く、日本だけではなく世界中に愛好家がいます。 また、囲碁は脳の働きを良くすることでも注目されており、小学校や大学の授業で取り入れている学校もあるほどです。

碁盤と碁石があれば楽しむことができる囲碁は、ルールもとてもシンプルなので、子供から年配者まで幅広い年齢層が楽しめるゲームです。

囲碁とはどのようなゲームか

ルールはとてもシンプルで、一人が白、もう一人が黒の碁石を持って対戦し、お互いに陣地を広げながら、より広い陣地を獲得した方が勝つというゲームです。

『相手の石を囲って取る』という囲碁独自のルールがあり、陣地を広げるには一筋縄ではいかないところが、よりゲームを複雑でおもしろくしています。

囲碁の由来

囲碁は2500年以上前に中国で生まれた、世界で最も古いゲームと言われています。

囲碁のルーツは非常に古く、紀元前5000年頃の新石器時代、中国、トルコなどで行われていた狩猟法がヒントになったのではないかと言われています。

当時は、張り巡らせた捕獲ネットに動物を追い込んで囲い込み、動きを制約したところを猟犬に威嚇させ、脅えるところをヤリで仕留めるという方法で狩りをしていたようで、この狩猟法が、囲碁の敵陣を囲う戦略の原点ではないかと考えられています。

また、現在の囲碁では白と黒の石が使われていますが、当初は木が使われていたとされます。碁盤の木と駒の木が打ち合う音も楽しみながら行うゲームだったようです。

囲碁の道具

囲碁に必要な道具といえば、『碁盤』と『碁石』です。 『碁盤』は、縦19本、横19本の線があり、正式には19路盤と言います。縦横の線の数によって、9路盤、13路盤、15路盤があり、入門者や初心者向けとして使われます。

『碁石』には白と黒がありますが、白は貝から作られるものが、黒は石から作られるものが多いです。また、碁石を入れる器のことを『碁笥(ごけ)』と言い、上ふたは、対局中の相手の石を入れるのに使われます。

囲碁大会では『対局時計』が使われます。1台の中に2つの時計があり、各自の持ち時間を表わします。自分側のボタンを押すと自分の時計が止まり、相手側の時計が動き出すような仕組みです。

基本的な囲碁のルール

囲碁が、将棋やオセロと大きく違うのは、石の置き方や勝敗の決め方です。また、石を置いては行けない場所もあるので、1つ1つ確認していきましょう。

碁石の置き方

碁石は、線と線の交わっているところ『交点』に置きます。オセロや将棋と違って、マスの中に置いたり、線の上に置いたりはしません。

最初に黒石を交点に置いたら、次は白石をと、一手ずつ交点に置いていきます。正式には石を置くことを『打つ』と言います。

囲碁のルールでは、一度石を打ったらその場所から石を動かすことはできません。石を動かしてしまうと負けになるので、石を打つ場所はよく考えましょう。

打てない場所

石を打つ場所ですが、交点であればどこでも打てるわけではありません。

例えば、空いている交点の隣、上下左右の交点全てが相手の石で囲まれている場合があります。囲碁のルールでは、相手の石に囲まれている場所に自分の石を打っても、その石は相手に取られてしまうため、相手がこの交点に石を打つことはできますが、自分は石を打つことができません。

この場所を囲碁では『着手禁止点』と言い、自分の石を打ってはいけない場所と決められています。

空いている交点、上下左右の隣の交点のいずれかに自分の石があり、空いている交点に自分の石を置くことで、相手の石を囲い込むことができれば、その交点には自分の石を置くことができます。

囲碁の勝敗

囲碁は碁石を使って自分の陣地を広げていくゲームです。そのため、より広い陣地を獲得したほうが勝ちとなります。どちらがより広い陣地を獲得したのかは『一目』(いちもく)の数を数えます。

『一目』とは、碁盤の縦線と横線が交わる点で、かつ、碁石が置かれていない場所のことを言います。言い換えれば、自分の陣地の中で、碁石が置かれていない交点の数が多いほうの勝ちということです。

囲碁の主な用語

囲碁には様々な専門用語があります。一気に覚えるのは難しいと思いますが、初心者が覚えておきたい4つの用語について解説します。

呼吸点

『呼吸点』とは、碁石が置いてある交点から見て、上下左右の4つの交点のことを言います。斜めにある交点は呼吸点ではありません。

ですので、碁盤の角に碁石がある場合は、上と右か左の2点、辺に碁石がある場合は、上と左と右の3点が呼吸点になります。

また、碁石が複数並んでいる場合は、呼吸点も増えます。呼吸点を相手の碁石に囲まれてしまうと、相手に石を取られてしまうので、どこに石を打つかが勝負の分かれ目になります。

アタリ

『アタリ』とは、呼吸点が一つしかなく、その他の呼吸点を、1色の石が囲んでいる状態のことを言います。例えば、ある呼吸点が空いており、その呼吸点の上下左右の隣を黒石が囲んでいる状態がアタリです。黒石に囲まれた状態なので、その呼吸点に白石を打つと、白石が取られてしまいます。

石が複数の場合もアタリは同じです。相手の石を囲んでしまえば、複数の石を取ることができ、自分の石が囲まれてしまうと、複数の石を取られてしまいます。

ツナギとキリ

『ツナギ』とは、自分の石と自分の石の間に空いている交点があった場合、その空いている交点に自分の石を置いて、石を連結させることを言います。自分の石を連結させることで、相手の石が連結できなくなった場合、相手が孤立状態になり、相手は石を取られたり、陣地が作れなくなったりします。

ツナギは縦方向、横方向だけではなく、斜め方向にも作ることができます。ただし、斜め方向のツナギの場合、完全にはつながっていないので、相手の石がくっついて来た場合に、石を取られることもあるので注意しましょう。

コウのルールとは

『コウの形』になった場合、最初に石を取った人の次の人は、コウの形から連続して石を取ることができないことを『コウのルール』と言います。コウの形にも様々な形があるので、まずは基本のコウの形から見ていきましょう。

コウの形

『コウの形』とは、アタリの状態になっている色石があり、もう一方の色の石がアタリの状態になっている石の1つを囲んでいる状態のことを言います。

例えば、白石がアタリになっていて、白石の1つを黒石が囲んでいる状態の場合、空いている呼吸点に黒石を置くと、白石が取られます。

すると今度は、黒石がアタリの状態になって、黒石の一つを白石が囲む状態になるので、空いている呼吸点に白石を置くと、黒石が取れます。これが繰り返されるとゲームは進まなくなってしまいます。

この場合、最初に白石が取られたため、同じ場所に白石を打って黒石を取ることはできないというのが『コウのルール』です。

コウは様々ある

コウの形は、碁盤のどこでおこるかによって、様々な形があります。例えば、白5つ、黒5つの石で囲うように石が置かれている場合、囲いの中に、縦もしくは横に2つの呼吸点があれば、コウの形になります。

辺でコウの形になる場合は、どちらか1色の石が3つあればアタリになるので、もう1色の石2つと合わせて5つの石でコウの形ができてしまいます。また、隅にコウの形ができる場合は、隅を囲むように1色の石が2つでアタリができるので、もう1色の石1つと合計3つの石でコウの形になります。

最初はコウの形になっていても、わからないかもしれませんが、慣れるにしたがって、わかるようになります。

コウができたら

例えば、1つの呼吸点の上下左右の隣を白石が囲っており、そのうちの1つの白石を黒石が囲っている、黒のアタリができている状態で、黒の打つ番がきているとします。

黒はアタリの交点に石を打ち、白を取ります。白は取られた石の場所に石を打つことで、黒を取ることができますが、コウは連続して取ることができないため、別の場所に石を打たなければなりません。

次に再度、黒の番が来るのですが、この時黒が石を打つのに良い場所は、取った白石があったコウの場所です。コウの場所に自分の石を置くことで黒石がつながり、コウの場所がなくなりました。これで黒はあたりの石を取られる心配がなくなります。

囲碁のタイトル

囲碁の大会には大きく分けて、プロだけが参加できる7大棋戦と呼ばれる大会と、アマチュアも参加できる大会があります。アマチュアも参加できる大会は、年齢や所属、タイトル保持者などに参加者が限定されるものも数多くあります。

そんな中、井山裕太九段は、2度も7大棋戦全てに優勝するという快挙を成し遂げています。

7大棋戦

囲碁の大会には様々なものがありますが、中でも、棋聖戦・名人戦・本因坊戦・王座戦・天元戦・碁聖戦・十段戦の7つの大会を7大棋戦と呼んでいます。いずれの大会も全プロ棋士が出場できます。

棋聖戦は、S・A・B・Cリーグの4段階制になっています。リーグ優勝者とSリーグ準優勝者がパラマス戦を行い挑戦者を決めます。

名人戦、本因坊戦は、まずリーグ戦が行われ、各リーグの優勝者が挑戦手合に出場します。 王座戦、天元戦、碁聖戦、十段戦は、最初にトーナメント戦が行われ、優勝者が挑戦手合に出場します。

その他の主な棋戦

7大棋戦以外の囲碁の大会としては、阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦、新人王戦、王冠戦、NHK杯、竜星戦、フマキラー囲碁マスターズカップ、広島アルミ杯・若鯉戦があります。これらの大会は、参加者が限定されている大会が多いことが特徴です。

王冠戦は、日本棋院中部総本部所属棋士に限定されており、NHK杯は、前期優勝者、準優勝者、名誉NHK杯、タイトルホルダー、女流タイトルホルダーが参加できます。

フマキラー囲碁マスターズカップは、50歳以上の現役7大タイトルホルダーおよび経験者に限定されており、広島アルミ杯・若鯉戦は30歳以下・七段以下の棋士に限定されています。

井山裕太は7冠達成を2回

井山裕太九段は、2017年10月16日から静岡県熱海市で打たれた第42期名人戦で高尾紳路名人を破り、7大棋戦全てのタイトルを獲得しました。井山裕太九段は、2016年4月に囲碁界初の7冠を達成し、197日間保持していましたが、名人戦で高尾紳路名人に敗れました。

名人戦以外の6冠は保ったまま、高尾紳路名人にリベンジし、2回目の7冠獲得を達成しています。

囲碁に親しむためのコンテンツ

囲碁はとても奥深いゲームです。そのため、すぐにルールや仕組みを理解するのは難しいかもしれません。

対局しているうちに、ルールやコツがわかってきますが、ルールや仕組みをもっと理解したい、もっとコツを知って勝てるようになりたいという方は、囲碁の番組や漫画から、ルールや勝てるためのコツを学ぶことができます。

NHK囲碁フォーカス

NHK囲碁フォーカスは、NHKのEテレで毎週日曜日、午後0:00〜0:30に放送されている番組で、毎週金曜日の午後3:00〜3:30に再放送されています。司会はアメリカワシントンD.C.出身で、囲碁が大好きなダイアナガーネットさん、講師は泉谷英雄八段が務めています。3

毎週、泉谷秀雄八段が1つのテーマについてユーモアを交えて解説しています。毎月16日にはテキストも発売されています。テキストを見ながら番組を視聴することでより理解が深まり、囲碁の上達に繋がります。

また、後半では、囲碁にまつわる人物やグッズにフォーカスした特集もあります。囲碁を始めたばかりの初心者でも楽しめる番組です。

囲碁将棋チャンネル

囲碁将棋チャンネルでは、24時間囲碁と将棋に関する番組を視聴できます。インターネットの番組表では、囲碁番組が青色に、将棋番組が赤色に塗りつぶされているので、囲碁に関する番組なのか、将棋に関する番組なのかが一目でわかるようになっています。

内容も、プロ棋士同士の対戦や、記憶に残る過去の一戦を振り返る番組、囲碁の解説を中心とした番組や、韓国のプロ棋士同士が対戦する番組、囲碁の講座に関する番組も、入門・中級・上級に別れているため、どんなレベルの囲碁ファンでも楽しめる番組構成になっています。

ヒカルの碁などの漫画

囲碁をテーマとした漫画から、テクニックを学ぶのも面白いと思います。漫画はオリジナルのストーリーもあるため、テレビとは違った楽しみ方もできるかもしれません。

囲碁をテーマとした漫画で有名なのは『ヒカルの碁』です。

ある日、小学校6年生の少年、ヒカルが家の中で古い碁盤を見つけます。その瞬間、碁盤に宿っていた平安の天才棋士・藤原佐為の霊がヒカルの意識の中に入り込み、佐為の囲碁に対する想いが、徐々にヒカルを囲碁の世界へと導いていくというストーリーです。

そのほかにも『星空のカラス』も囲碁をテーマにした漫画です。

囲碁が大好きな主人公、13歳の烏丸和歌は、プロ棋士だった祖父から囲碁を教わり、年齢も性別も関係なく人とつながれる囲碁の楽しさを知ります。

ある日、天才棋士の鷺坂総司に出会い、その対局に感動した主人公がプロ棋士を目指すというストーリーです。

囲碁とAI

プロ棋士がAIと勝負している場面を見たことはありますか?囲碁は碁盤が広く、手順も長いため『囲碁でコンピュータが勝つのは、10年以上先』と言われていました。しかし、2016年にはAIがプロ棋士に勝つまでに進歩しています。

急速に強くなったAI

2016年3月9日~15日、世界チャンピオンを何度も獲得したプロ棋士、韓国の棋士・李世ドル(イセドル)九段と、米グーグルグループ・ディープマインド社製AI(人工知能)『AlphaGo(アルファ碁)』の五番勝負が行われ、4勝1敗でAIが勝ち越し、囲碁界に衝撃を与えました。

囲碁は、碁盤の状況が変化するのが、将棋の桁数よりも140個も多く、石の価値が状況や場面ごとに変化していき、コンピュータに認識させにくいため、時間がかかると思われていました。

そのため『囲碁でコンピュータが勝つのは、10年以上先』と思われていたのです。

自己学習するAIの強さ

アルファ碁を開発した開発者には『李世ドル(イセドル)九段と戦わせたい』という思いがあったようです。おそらく、開発者は、李世ドル(イセドル)九段の対局を何度も見て研究し、AIに覚えこませたことでしょう。

しかし、この対局を見た小川誠子六段が、こんなコメントを残しています。

『アルファ碁の強さに驚きました。中盤から後半がとくにしっかりしています。』 『1局目を打ってみて、李世ドルさんはアルファ碁をそんなに強いと思わなかったかもしれません。アルファ碁は1局ごとに強くなっていくようでした。』

このコメントを見ると、AIは、対局中も李世ドル九段の打ち方を自己学習し続けていたのではないでしょうか。

人間の棋譜の必要性

囲碁AIには『人間のデータを使い、効率よく強くなった、人間らしい棋風の強い囲碁AI』と『囲碁以外への応用も考えて作られた囲碁AI』の2つがあります。

このことは、機械的に進歩を遂げたAIにとって、これまでの人間の知識や知恵がどの程度有効なのかを見極める、実験になっているとも言えます。新たなイノベーションを起こすためにも、機械的にAIが進歩するだけではなく、これまでの人間の知恵や知識と融合する必要があるようです。

基本を押さえて囲碁にチャレンジしてみよう

囲碁は歴史も古く、碁盤も将棋やチェスよりも広いため、手数が多く、とても奥が深いゲームです。

この奥深さが囲碁をやったことがない人にとって、難しく感じる理由かもしれませんが、最初は小さな碁盤を使ってみたり、囲碁番組や漫画で覚えたりする方法もあるので、まずは基本的なルールをマスターしながら囲碁を楽しみましょう。

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