映画の有名な賞、いくつ知ってる?それぞれの受賞作の傾向や日本人受賞者など

2019.06.19

映画の話で盛り上がる一方で『映画賞』の話になるとお茶を濁した曖昧な会話になりませんか。よく聞く映画賞について、実は内容を知らなかったということは珍しくありません。映画賞について基本的な知識を身につけておきましょう。

映画の賞、どれくらい知っていますか?

映画は1本完成するまでに数年かかることは珍しくありません。俳優・女優・スタッフなど多くの人と共に制作します。

多くの労力をかけて作った作品が映画賞を受賞するのは、監督や関わった人たちにとってとても名誉なことです。

まずは、映画賞の種類や受賞後のメリットについてご紹介します。

世界にはたくさんの種類の映画賞がある

世界にはさまざまな映画賞があり、審査方法や表彰する対象も映画賞によって異なります。主に3種類の映画賞があり、その違いを理解した上で受賞した映画を観ると、より楽しめるでしょう。

一つ目は観客や評論家が審査して監督や俳優を表彰する映画賞、二つ目は映画界関係者が選出して映画スタッフ全員に贈る映画賞です。三つ目は、映画祭独自に設けている映画賞です。

一般的にはすでにノミネートされた映画から表彰する作品を選考しますが、映画祭独自の映画賞では公募された作品から選ぶ場合もあります。

賞を取るとどんなメリットがあるのか?

映画賞を受賞することは、『作品として完成度が高い』と保証されることと同じです。

知名度が高まり多くの観客が映画館へ来場し、その結果興行収入が増えることにつながります。大きなメリットといえるでしょう。

2009年にアカデミー賞を受賞した大ヒット映画『スラムドッグ$ミリオネア』は、受賞決定後大幅に興行収入が増えたそうです。

大きな権威を持つ カンヌ国際映画祭

世界三大映画祭の一つといわれる『カンヌ国際映画祭』は、名前を聞いたことのある人も多いのではないしょうか。三大映画祭の中でも、一際権威を持つといわれるカンヌ国際映画祭についてご紹介します。

フランス・カンヌで1946年から開催

カンヌ国際映画祭は、1946年フランス政府の援助を受け、南部の都市カンヌにて始まりました。70年以上続く歴史ある映画祭で、毎年5月に2週間ほど開催されます。

選出方法は『公式選出』と『独立選出』の2種類です。公式選出は『コンペティション部門』『ある視点部門』『短編部門』『シネフォンダシオン部門』、独立選出には『国際批評家週間』『監督週間』などがあります。

カンヌ国際映画祭と同時に『カンヌ・フィルム・マーケット』が開催され、世界中から映画関係者が1万人以上訪れます。映画にまつわる商談会が開かれるのです。日本の映画配給会社も参加し、邦画の魅力を世界へアピールしています。

芸術性や作家性を評価する傾向

カンヌ国際映画祭はほかの映画祭と比べ『芸術性』『作家性』を審査する傾向があります。あまり知名度がなかったのに、カンヌ国際映画祭で脚光を浴びた作品もありました。

作家性のある映画が評価されるため、ハリウッド映画のような華やかな映画ではなく独特な作風の映画が評価されます。ノミネートされる監督も常連が多く、カンヌ国際映画祭の特色が表れているでしょう。

2018年に万引き家族がパルム・ドール受賞

2018年、カンヌ国際映画祭の最高賞である『パルム・ドール』を邦画が受賞し、話題になりました。受賞したのは是枝裕和監督の『万引き家族』です。

是枝裕和監督は家族の絆をテーマに長年映画を製作し、その作家性から何度もノミネートされていました。『万引き家族』は家族の絆を超えたつながりを描き、カンヌ国際映画祭だけでなく世界中でさまざまな賞を受賞した大ヒット映画です。

万引き家族

骨太で上級者向け ベルリン国際映画祭

『ベルリン国際映画祭』は、社会問題を扱った作品や哲学的な作品が多く集まる傾向があります。

今までアクションやラブストーリーを観ていた人は、ぜひベルリン国際映画祭で評価された作品で社会派デビューしてはいかがでしょうか。

ベルリンで1951年から開催

ベルリン国際映画祭は1951年、ドイツ・ベルリンで始まりました。もともと夏に開催されていましたが、1976年以降2月開催に変更しています。最高賞はコンペティション部門の『ゴールデン・ベアー賞』です。

新人監督を発掘することに力を入れており、数多くの新人監督たちがベルリン国際映画祭で表彰された後に大きな成功を収めています。

社会派の作品が選ばれる傾向

ベルリン国際映画祭は、もともとは東西分断時代の政治的思惑から開催された映画祭でした。他の映画祭とは開催の意味合いが異なるせいか、ドキュメンタリーや哲学をテーマにした作品が評価されやすいようです。

短編映画に力を入れているのもベルリン国際映画祭ならではでしょう。鋭い内容の短編映画が多いといわれています。考えさせられるような作品が多く出品されるのが、ベルリン国際映画祭の大きな特徴でしょう。

2019年は新鋭の日本人監督の2作が受賞

2019年は日本人監督の映画が2作もベルリン国際映画祭で受賞しました。

『パノラマ部門観客賞』『CICAEアートシネマ賞』を受賞したHIKARI監督『37 Seconds』は、先天性脳性麻痺を持ち車椅子で生活する主人公を描いた作品です。

2作目はジェネレーション14プラス部門で特別表彰となった長久允監督の『WE ARE LITTLE ZOMBIES(ウィーアーリトルゾンビーズ)』です。両親を失った子どもたちが感情を取り戻す様子を描いています。

14歳以上の子どもたちが審査員として作品を評価し、選ばれました。

37 Seconds

WE ARE LITTLE ZOMBIES

世界で一番有名 アカデミー賞

映画をあまり観ない人でも『アカデミー賞』は、耳にしたことがあるのではないでしょうか。アメリカ・ハリウッドで開催されている映画祭です。

受賞者には賞金ではなく『オスカー像』というブロンズの像が贈られます。受賞者がオスカー像を持って記念撮影している姿は、メディアを通じて全世界に発信されます。

1929年から続くハリウッド主催の祭典

アカデミー賞は1929年より映画芸術科学アカデミー(AMPAS)主催で開催しています。審査員もAMPASの会員です。

もともとAMPASは、1920年代に映画制作会社の経営者側と製作スタッフが賃金交渉などで対立し、経営者側が立ち上げた組織でした。

ロサンゼルス市内で7日間以上上映された映画を対象としているため、アカデミー賞はハリウッド内部の映画祭という特徴があります。

エンターテイメント性や政治性を重視

アカデミー賞ではハリウッドらしいエンターテイメント性がある作品や、アメリカの政治を意識した作風の作品が選ばれています。

時代錯誤といわれた『白すぎるオスカー事件』以来、多種多様の作品がノミネートされるようになりました。2019年もさまざまなジャンルの作品がノミネートしされており、アメリカ国内の世論が強く影響しているのがわかるでしょう。

2019年は未来のミライがノミネート

2019年2月に開催された第91回アカデミー賞では、長編アニメーション映画賞に細田守監督『未来のミライ』がノミネートされました。

惜しくも受賞は逃しましたが、細田守監督にとって初めてのアカデミー賞ノミネート作品です。小さなお兄ちゃん・くんちゃんと未来からやってきたミライちゃんを通して家族の愛の形を描いています。

未来のミライ

映画賞の知識を深めてもっと鑑賞を楽しもう

世界中には多くの映画賞が存在し、それぞれ特徴があります。

受賞した映画を観るときに、どのような映画賞なのかを知っていれば、チェックするポイントがわかり、より映画鑑賞を楽しめるでしょう。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME