ミステリーサークルはどうしてできる?日本でできた事例も紹介

2019.06.19

多くの人が一度は耳にしたことのあるミステリーサークルは、1990年頃に世界的なブームとなりました。さまざまなメディアでも取り上げられ、多くの謎を残したミステリーサークルとはどのように作られたものだったのか、概要や仮説を含めて解説します。

ミステリーサークルとは

そもそもミステリーサークルとは一体どのようなものなのでしょうか? ミステリーサークルの概要と歴史について解説します。

農作物が倒れてできる円形の模様

ミステリーサークルは、畑の農作物などが円形状になぎ倒されて、模様となっているものです。

単純な円だけでなく、円を複数組み合わせた複雑な形状のものもあり、さまざまな模様のミステリーサークルが発見されています。

なお、ミステリーサークルは英語ではクロップサークルと呼ばれることが一般的です。

1970年代にイギリスで発見されブームに

世界初のミステリーサークルは、1966年にオーストラリア・クイーンズランドで見つかったものだと言われています。

その後、1970年代になるとイギリスでミステリーサークルが発見されるようになります。当初はシンプルな円形状のサークルでしたが、時代が進むにつれて複雑な図形が描かれるようになり、ミステリーサークルは世界的にブームとなりました。

1990年代にになるとアメリカでもミステリーサークルが流行します。イリノイ州のコーン畑に表れたミステリーサークルをきっかけに、1990年だけでも60件の発見報告があったそうです。

また、ミステリーサークルがブームになるとともに、宇宙人説や超常現象説などの多数の原因仮説が議論されるようになりました。

発生する理由として考えられていたもの

ミステリーサークルはその不可思議な存在から、発生の原因についてさまざまな説が発表されました。有力とされていた主な仮説を紹介します。

宇宙人からのメッセージ説

ミステリーサークルは宇宙人が地球人に残したメッセージ、あるいはUFOの離発着跡ではないかという説があります。

ミステリーサークルの奇妙でありながら幾何学的な模様であること、またミステリーサークル周辺でUFOの目撃情報が多かったことからこのような説が生まれたようです。

プラズマ説

宇宙人説よりも科学寄りな解釈をしているのがプラズマ説です。

プラズマとは、固体・液体・気体に続く第4の物質のことを指します。温度上昇によって気体が原子となり、さらに温度が上がることで原子から電子が離れることによって生じた荷電粒子を含む気体がプラズマです。

プラズマは自然界にも多く存在し、太陽やオーロラ、稲妻などはすべてプラズマであり、また宇宙を構成する物質の99%はプラズマであると言われています。

このプラズマの発生によってミステリーサークルが作られるという説が科学者を中心に展開されました。しかし、プラズマによって農作物が燃えた跡が発見されていないなど、さまざまな疑問が残る説です。

マイクロバースト説

気象的な観点から解釈をしたのがマイクロバースト説です。

マイクロバーストとは、積乱雲から発生した下降気流が威力を保ったまま地表近くまで吹き付け、放射状に広がるダウンバーストという現象のうち、広がりが4km未満のものを指します。

ダウンバーストは狭い地域内において突発的に発生し、破壊力の高い強風を巻き起こすため、特に航空機の離着陸に大きな影響を与える現象です。

1975年に起きたジョン・F・ケネディ空港での航空機事故や、1985年のダラス空港での航空機事故はマイクロバーストが原因だと言われています。

マイクロバーストの発生によって農作物がなぎ倒され、ミステリーサークルが作られたというのがマイクロバースト説ですが、突発的な気象現象できれいな幾何学模様ができるとは説明しにいため、いささか疑問の残る説です。

ミステリーサークルの真実はイタズラ

ミステリーサークルの原因について、さまざまな仮説を紹介してきましたが、もっとも現実的なのが人為的に作られたものであるという説です。実際にミステリーサークルを作っていた人物を紹介します。

イギリスの2人組が公表

ミステリーサークルはイギリスの老人、ダグ・バウワーとデイブ・チョーリーの2人組によるイタズラであり、2人は1991年に『自分たちが作った』と公表しています。

彼らは1978年頃からミステリーサークル作りを始め、世間に注目されたことに気を良くして次々とミステリーサークルを作っていったそうです。最終的には250ものミステリーサークルを作ったと発表しています。

複雑な模様をあっさりと再現

自分たちがミステリーサークルを作ったという2人の老人の話に疑問を持つ専門家も少なくなく、2人は監視のもとで実際にミステリーサークル作りを行いました。

このとき作ったのは複雑なデザインのミステリーサークルでしたが、複雑なデザインであるにも関わらず、2人は簡単な道具を使ってあっさりと再現したそうです。

また、2人が再現したということを知らない多くの専門家たちは、そのミステリーサークルを『本物』だと鑑定しました。2人の老人によるミステリーサークル作りは専門家の目をも騙すことができるほどクオリティの高いものだったのです。

公表した理由

2人がミステリーサークル作りを公表したのには理由があります。もともと画材屋と売れない画家という関係だった2人は、当時流行していた映画『未知との遭遇』をヒントに、何か宇宙人の痕跡を残すようなイタズラを思いつきます。そこで産まれたのがミステリーサークルだったのです。

その後、2人は多くのミステリーサークルを作りますが、ミステリーサークルが国会で取り上げられ、国の調査対象となったことを知り、自分たちのイタズラに税金が使われるのは申し訳ないと思い、公表することを決意したそうです。

この公表以降、『自分もミステリーサークルを作った』と公表する人が多く表れ、ミステリーサークルは人為的なものであるという一つの結論にいきつきました。

ミステリーサークルはどうやって作る?

ミステリーサークルを作ることはそれほど難しいことではありません。簡単な道具とある程度の人数が用意できれば比較的簡単に作ることができます。ミステリーサークルの作り方について簡単に説明します。

必要な道具

ミステリーサークルを作るのに特別な道具は必要ありません。基本的には畑の作物を倒すベニヤ板、目印として使うポール、ミステリーサークルの設計図、設計図通りに作るためのメジャーなどがあれば十分です。

また、ミステリーサークルは深夜に複数人で作ることが多いので、作業のしやすいヘッドランプや、スマートフォンなどの連絡手段、多くからデザインを確認する双眼鏡などがあると便利でしょう。

端から畑の茎を倒していく

ミステリーサークルは、まず大まかに形を作ることから始めます。作物を倒して製作する係と、指示を出す係に分かれ、製作係がベニヤ板を使って作物の茎を端から倒していきます。

指示を出す係は、ある程度離れたところから製作中のミステリーサークルを眺め、設計図と見比べながら形をチェックします。このとき、形が崩れてきたら随時スマートフォンを使って修正指示を出すことが重要です。

なお、事前に倒していく順番を決めておくと、余計な部分を倒してデザインが崩れてしまうというミスを防ぐことができます。

内部の細かい部分を作成する

大まかなデザインが完成したら、次は内部の細かい部分に取りかかります。この時点では遠くからデザインをチェックする必要もなくなっているので、指示を出す係も畑に入って作業をします。

また、ミステリーサークルは人目につかない畑で、夜中にこっそりと作るものです。周囲に人の気配を感じたら身を隠し、日が昇る前までに作業を完了させる必要があります。

なお、他人の所有地に勝手にミステリーサークルを作ることは、不法侵入や器物破損になる可能性があるため注意しましょう。

ミステリーサークルは日本にもある?

ミステリーサークルといえば海外のものが多く取り上げられていますが、日本にもミステリーサークルがあることをご存知でしょうか?日本のミステリーサークルについて紹介します。

福岡県粕屋郡篠栗町のミステリーサークル

福岡県粕屋郡篠栗町のミステリーサークルは1990年に突如表れたミステリーサークルです。

1990年といえばイギリスを中心に世界的なミステリーサークルブームが起きていた頃です。このミステリーサークルもメディアで取り上げられ、多くの見物客が訪れました。一部では町おこしとしても利用されていたようです。

その後もしばらくは話題となり、早稲田大学名誉教授の大槻義彦教授が『プラズマによって作られた』と発表、大きな話題となりました。

しかし、翌年になって高校生グループのイタズラであったことが判明し、これをきっかけに日本のミステリーサークルブームは下火になっていきます。

宮崎県日南市のミステリーサークル

2018年12月、宮崎県日南市にある飫肥杉植林場で不思議な円形模様が発見されました。

飫肥杉植林場は、日南市の特産品である飫肥杉(おびすぎ)の生育調査を目的として1973年に作られた植林場です。この植林場は植栽密度の変化によって杉の成長や材質がどう変わるかを観察・検証するために作られました。

今回ミステリーサークルとして話題となったのは、杉を円形に植林し、中心から外に向かって徐々に密度を変える実験をしていた場所です。密度の高い中心部の木は低く、密度の低い外周に向かうほど木が高くなり、美しい円形模様を描いています。

こちらは畑の作物が倒されたことによってできたミステリーサークルではありませんが、自然の神秘を感じるものとして話題となりました。

ミステリーサークルは人が作ったものだった

畑の作物を倒して作られたミステリーサークルは、ほとんどが人の手によるものだったというのが一般的な説になっています。

しかし、人の手で作られたものとして片付けるには説明がつかないような事象があることも事実です。ミステリーサークルは地球外生命体によるものなのか、それともすべて人為的なものなのか、まだまだ解明すべき謎は多く残っていると言えそうです。

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