フランスの伝統菓子アマンディーヌとは?おすすめのレシピや人気店

2019.06.18

アマンディーヌは、フランス生まれの伝統的なアーモンドタルトです。現在でも多くの洋菓子店で提供され、通販で取り寄せが可能なお店もあります。おすすめの人気店や、自宅でも簡単に作れるアマンディーヌのレシピを紹介します。

アマンディーヌとは

アマンディーヌとはどのようなスイーツなのか、誕生の歴史と共に紹介します。

アーモンドが特徴のフランス菓子

アマンディーヌは、クッキー生地とアーモンドクリームが組み合わされた、クラシックなフランス菓子です。アーモンドを意味するフランス語『Amande』に、材料を意味する『ine』をつけた言葉に由来しています。

タルト型にシュクレ生地を敷き、アーモンドクリームを詰め、表面にアーモンドスライスをのせオーブンで焼きます。その後、表面にアプリコットジャムを塗りツヤを出せば、オリジナルの形をしたアマンディーヌのできあがりです。

アーモンドクリームに洋梨や赤いフルーツを加えて焼いたタルトも、アマンディーヌといわれることがあります。最近では、様々なタルトのベースとして使われることも多くなっています。

歴史のあるお菓子として知られるアマンディーヌは、日本でも根強い人気を誇るスイーツのひとつです。有名な洋菓子店やフランスの焼き菓子を専門に取り扱うお店で提供されるほか、高級ホテルやレストラン、喫茶店などで堪能できる場合もあります。

詩人で喜劇役者だったラグノーが考案

アマンディーヌは、パティシエ・詩人・喜劇役者であったシプリアン・ラグノーが、17世紀に考案した菓子です。

ラグノーは、世界中で人気を集めたE.ロスタンの戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』の中で、主人公である詩人のシラノが通っていた菓子屋の店主として登場します。

シラノもラグノーも、17世紀のパリに生きた実在の人物です。ラグノーはパリで店を構える菓子職人で、シラノら芸術家たちがラグノーの菓子屋を頻繁に訪れ、詩人でもあったラグノーと芸術論を交わしたといわれています。

E.ロスタンの戯曲に当時のレシピが登場

E.ロスタンの戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』の中で、菓子職人ラグノーがアマンディーヌのレシピを詩にして披露するシーンがあります。

使う材料や道具、手順までこと細かく書かれた詩の内容は、まるでレシピ本に書かれているような再現性の高い内容です。

『シラノ・ド・ベルジュラック』は、19世紀の初演以来、世界中の舞台で上演され、映画化もされています。シラノの物語が人気を高めていくとともに、アマンディーヌの知名度も高まり、現在では世界中に知られるスイーツとなったのです。

アマンディーヌを楽しめる全国の人気店

アマンディーヌは、フランス菓子専門店や焼き菓子の専門店、その他スイーツを取り扱う、全国各地にある多くのお店で提供されています。

アマンディーヌをはじめとするフランスの焼き菓子で人気のお店を紹介します。

東京仙川 ラ カンドゥール

2016年に東京都調布市の仙川でオープンして以来、洋菓子人気店として話題の『ラ カンドゥール』では、フランスの伝統的なレシピをベースにした焼き菓子が数多くラインナップされています。

中でもアマンディーヌは、シェフ自慢のスイーツです。アーモンドタルトと甘酸っぱいグリオットチェリーの小気味良いコントラストで表現されたアマンディーヌを味わえます。

  • 店舗名:ラ カンドゥール
  • 住所:東京都調布市仙川町1-3-32
  • 電話番号:03-5969-9555
  • 営業時間:10:30~19:30
  • 定休日:火曜日
  • 公式HP

京都一乗寺 タンドレス

『タンドレス』は、京都で高い評価を得ている、こだわりの本格フランス菓子店です。週3日のみ営業している、隠れ家的パティスリーとして知られています。一見おしゃれな民家と見間違うような外観で、落ち着いた雰囲気の店内ではイートインもできます。

「柔らかさに重点が置かれ、味や香りも比較的単調な日本の洋菓子に対し、一つのお菓子に精一杯の要素を投げかけバランスを取る、フランス菓子の深淵さを感じてもらいたい」というコンセプトの元で、少品種のフランス菓子を提供する名店です。

  • 店舗名:パティスリータンドレス
  • 住所:京都府京都市左京区一乗寺花ノ木町21-3
  • 電話番号:075-706-5085
  • 営業時間:テイクアウト 11:30~19:00、イートイン 13:00~18:00
  • 営業日:土・日・月曜日
  • 公式HP

兵庫六甲 アマンディーヌ

『アマンディーヌ』は、素材の味を生かしたシンプルな甘さが人気のケーキ店です。店名にもなっているアマンディーヌタルトをはじめ、季節の素材を活かした種類豊富なタルトが評判を集めています。

女性の菓子職人を指す『パティシエール』のみで作られるお菓子は、こだわりの詰まった優しさが感じられるものばかりです。日持ちさせる為のものは一切使用せず、全てのお菓子を丁寧に時間をかけて手作りしています。

  • 店舗名:アマンディーヌ
  • 住所:兵庫県神戸市灘区篠原北町2-2-12
  • 電話番号:078-861-0008
  • 営業時間:10:00~20:00
  • 営業日:不定休
  • 公式HP

愛知名古屋 CHANDELIER シャンドゥリエ

愛知県名古屋市にあるフランス焼菓子店『シャンドゥリエ』は、旬のフルーツや素材を活かした本格的な焼き菓子のお店です。

店内は落ち着いた大人の空間で、ショーケースとその前の台には、本場フランスで愛される、季節の素材を生かした本格的な焼菓子が色とりどり並んでいます。

旬の素材を使ったタルトが楽しめ、アマンディーヌをはじめ四季を通していろいろな焼き菓子を味わうことができます。遠方からのリピーターも多く、スイーツ好きなら一度は足を運びたいお店です。

  • 店舗名:シャンドゥリエ
  • 住所:愛知県名古屋市西区那古野町1丁目34-14
  • 電話番号:052-485-7698
  • 営業時間:11:00~18:00
  • 営業日:月・火曜日
  • 公式HP

アマンディーヌのお取り寄せなら

アマンディーヌが食べられるお店が近くになくても、オンラインで取り寄せて味わうことが可能です。アマンディーヌの取り寄せが可能なショップを2店紹介します。

京都ホテルオークラ

『伝説のアップルパイ』で有名な京都ホテルオークラは、ホテル伝統のフレンチトーストや旬の食材を使ったスイーツが楽しめることで知られ、スイーツファンから高い評判を得ています。

京都ホテルオークラで購入できるアマンディーヌは、香ばしく深みのあるアーモンドがたっぷり入った、パティシエ特製のアーモンドタルトです。カリッとした食感と、素朴であたたかく懐かしい味わいが特徴です。

  • 商品名:アマンディーヌ
  • 価格:2376円(税込)
  • 京都ホテルオークラ:商品ページ

トゥッティ フルッティ

『トゥッティ フルッティ』は、2000年7月に富山でオープンした、タルトを中心に提供するパティスリーです。タルトの他、ミルクレープやパリブレストの生菓子以外にも、焼き菓子などギフト用のお菓子も取り扱っています。

『トゥッティ フルッティ』のアマンディーヌは、折パイ生地に発酵バターを使ったアーモンドクリームをたっぷり入れて焼き上げ、香ばしいアーモンドを散らしたタルトです。

  • 商品名:アマンディーヌ
  • 価格:3186円(税込)
  • トゥッティ フルッティ:商品ページ

アマンディーヌを手作りするには?

アマンディーヌは手作りでも味わうことが可能です。特別な材料をそろえる必要はなく、スーパーなどで購入できる材料でまかなえます。

作り方も比較的簡単で、自宅でお菓子を作る機会が多い場合は、スムーズに作業を進められるでしょう。自宅でアマンディーヌを作るために必要な材料と基本的な作り方を解説します。

用意する材料

アマンディーヌは、タルト生地にアーモンドクリームを詰めて焼いた菓子です。まずはそれぞれの材料を用意しましょう。分量は7cmのミラソン型7~9個分です。

<タルト生地>

  • 薄力粉:125g
  • バター(食塩不使用):62g
  • 粉砂糖:50g
  • 塩:1g
  • 卵:25g(Mサイズ1/2個分)
  • 強力粉:適量

<アーモンドクリーム>

  • バター(食塩不使用):75g
  • 粉砂糖:75g
  • 卵:75g(Mサイズ1+1/2個分)
  • アーモンドパウダー:90g
  • アーモンドミルク:大さじ1杯(加糖のもの)
  • レモン汁:小さじ1杯
  • レモンの表皮:1/2個分

<仕上げ用>

  • アーモンドスライス:1個に9枚
  • アプリコットジャム:250g
  • 水:50ml

タルト生地の作り方

まずはタルト生地を作る下準備をします。材料の下ごしらえを事前に行っておくことで、あとの工程をスムーズにできるでしょう。

  • 薄力粉、粉砂糖、アーモンドパウダーはふるっておく
  • タルト生地の材料は冷蔵庫で冷やしておく
  • レモンの表皮をおろし金で削っておく
  • レモンは絞ったら茶こしでこしておく
  • オーブンは170℃に温めておく

タルト生地を作る手順は以下の通りです。

  1. 冷やしておいた薄力粉・バター・粉砂糖・塩を、フードプロセッサーでよく混ぜる
  2. バターの塊がなくなったら、卵を加えて混ぜる
  3. 生地がまとまったらラップで包み、冷蔵庫で4時間以上冷やす
  4. 冷やした生地を麺棒で叩き硬さを調節し、強力粉をふりかけて延ばす
  5. 28cm×28cmくらいの正方形に延ばし、冷蔵庫で10分以上冷やす
  6. 冷やした生地を9cmの抜き型で抜き、フォークで穴を開ける
  7. ミラソン型に敷き込み、冷蔵庫で15分以上冷やす
  8. 型から出ている余分な生地をカードで切り取る

アーモンドクリームの作り方

アマンディーヌの特徴の一つとも言えるのが、濃厚なアーモンドクリームでしょう。レモンの皮の爽やかな香りと、ナッツの香ばしい味わいがマッチしたクリームは、くせになる味わいです。

  1. やわらかいバターに粉砂糖を加えて混ぜる
  2. すりおろしたレモンの皮を加えて混ぜる
  3. 軽く温めた卵を少しずつ加えて混ぜる
  4. アーモンドパウダーを加えて混ぜる
  5. アーモンドミルクを加えて混ぜる
  6. レモン汁を加えて混ぜる
  7. 冷蔵庫で30分冷やす

アマンディーヌの仕上げ

基本となる生地が焼けたら、アーモンドクリームを入れて仕上げます。基本的な工程は以下の通りです。

  1. 型に敷き込んだタルト生地の中に、型の8割くらいまでアーモンドクリームを絞る
  2. スプーンで真ん中がくぼむようにならす
  3. はみ出したクリームを指で拭う
  4. 表面にアーモンドスライスを花模様に並べる
  5. 170℃のオーブンで30分焼く
  6. 焼けたら型から外し、網にのせて常温で冷ます
  7. アプリコットジャムと50mlの水を混ぜ合わせ、火にかけて煮詰める
  8. ジャムが熱いうちに、冷めたタルトの表面にはけで塗る

完成後は、常温で3日間美味しく食べられます。

タルト生地を手作りする場合のポイント

タルト生地は材料と作り方がシンプルですが、より美味しく仕上げるためにはいくつかのポイントをしっかりとおさえておく必要があります。

生地用のバターと卵は常温に戻しておく

生地用のバターは冷蔵庫から常温に出し、指で押した際に簡単に押し跡がつく程度までの状態に戻しておきましょう。

卵も冷えすぎるとバターと混ざりにくかったり、バターが固まったりします。冷蔵庫保存している場合は、冷たいままの状態ではなく、少し常温に戻しておきましょう。

ただし、夏場の暑い時期やバターを柔らかくしすぎたときは、あえて冷たい卵を使って生地が引き締まるようにする方法もあります。

粉類はしっかりと振るっておく

粉類を混ぜる際に塊が入ると、クリーム状になったバターの中で塊がほぐれにくく、最後までダマの状態が残りやすくなります。粉類は見た目がさらさらした状態でも、必ずふるいで振るっておきましょう。

粉類を振るう際は、粗めのこし網で手早く振るおうとすると、大きな粒子がそのまま入ってしまい、生地にダマが残る原因になります。細めのふるいで丁寧に振るうことを意識しましょう。

タルト生地は作り方がシンプルなため、材料をできるだけ均一に混ぜ合わせていくことが大きなポイントになります。バターの柔らかさと粉類がダマのない状態であることは、材料を均一に混ぜるための前提といえます。

生地は練らない

口どけのよいさっくりとしたタルト生地を作るためには、生地を練らないようにすることと、必要以上に混ぜすぎないことが重要です。

生地を必要以上に練り過ぎたり混ぜ過ぎてしまうと、その後の工程でさらに生地を練るため、焼き上がりが硬くなる可能性があります。

逆に、生地の混ぜ方が足りず細かいそぼろ状のような状態で生地を冷やすと、その後の工程で生地を練って成型する際に、生地をひとまとまりにする作業がしにくくなります。

タルト生地は4時間以上寝かせる

タルト生地を4時間以上冷やし寝かせることで、生地が冷えて固まり、その後練り直して成型する作業がしやすくなります。また、薄力粉のグルテンが休まり、焼いた後にさっくりとした口どけの良い生地に仕上がりやすくなります。

自宅で4時間以上寝かせる場合は、前日の夜のうちに生地を仕込み、夜間に冷蔵庫で寝かせておけばよいでしょう。翌日に次の工程に移る際は、十分に寝かせた状態の生地を扱えるようになります。

アーモンドクリームを上手に作るポイント

アーモンドクリームもタルト生地と同じく、作る際に注意すべきポイントがあります。美味しく仕上げられるよう、しっかりと確認しておきましょう。

アーモンドパウダーと粉砂糖は振るっておく

タルト生地と同様に、アーモンドパウダーと粉砂糖は、細かな目のこし網でしっかりと振るっておきましょう。塊が残っていると、ダマがある状態のまま最後まで工程が進んでしまう可能性があります。

バターと卵は常温に戻しておく

アーモンドクリームを分離しないようにうまく混ぜ合わせるためには、バターと卵の温度が重要です。特に、バターは固い部分が残っていると、最後までバターの塊が溶けない可能性があります。

バターは使う数時間前に冷蔵庫から出し、常温に戻しておきましょう。泡だて器で混ぜられるくらいの固さを目標にし、柔らかくしすぎないようにすることがポイントです。

卵はときほぐして、冷たく感じない程度にしておきましょう。温度は30℃くらいが適温です。

アマンディーヌを上手に焼き上げるポイント

仕上げで焼き上げる際に、ひと手間かけてタルト生地が固くならないようにする方法を紹介します。

焼き途中に天板ごと取り出して落とす

焼き上がった直後のタルト生地は、生地内の気泡に蒸気を含んでいます。そのまま冷やすと蒸気の体積が小さくなり気泡が縮むため、全体が固くなることがあります。

オーブンで30分焼く工程の中で、途中15分ほど経過したら、天板ごと取り出して10~20cmの高さから天板ごと落とし、生地に衝撃を与えましょう。生地内の気泡に含まれる蒸気が冷たい外気と瞬時に入れ替わり、気泡が縮むのを防げます。

タルト生地には一切触れず、天板を取り出したらそのままの状態で落としましょう。落とす際は、床に新聞紙やふきんを敷いておけば、床を傷つけにくくなります。

タオルなどクッション性のあるものは、衝撃を吸収してしまうため、薄いものを敷くようにしましょう。

クラシックなフランス菓子をお家で堪能

アマンディーヌはアーモンドが特徴の、クラシックなフランス菓子です。全国にある有名な焼き菓子店の中には、美味しいアマンディーヌを提供しているお店もあります。

アマンディーヌは自宅でも作ることが可能です。使う材料は比較的容易に入手できるものばかりなので、作り方を覚えれば美味しいアマンディーヌを家庭でも楽しめます。

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