しっとりとした食感と、ふわりとした甘さが魅力のバウムクーヘンは、性別や世代を問わず人気の高いお菓子です。贈答品としても用いられることの多いバウムクーヘンの由来や、都内で買えるおすすめのお店、さらにはお取り寄せ可能なお店について紹介します。
バウムクーヘンの基礎知識
そもそもバウムクーヘンとはどのようなお菓子なのでしょうか。まずはバウムクーヘンの基礎知識について解説します。
バウムクーヘンはドイツのお菓子
バウムクーヘンはドイツ発祥のお菓子です。バウムは木、クーヘンはお菓子を表すドイツ語で、輪切りにした姿が木の年輪のように見えることからバウムクーヘンと呼ばれるようになったと言われています。
年輪には幸福を積み重ねるイメージがあることから、日本では贈答品の定番として喜ばれるバウムクーヘンは、本場ドイツでも幸福を運ぶと言われています。
ただしバウムクーヘンは熟練の職人の技術と、特殊なオーブンが必要なことから、ドイツでは専門店以外で見かけることはあまりないそうです。
バウムクーヘンの歴史
今でこそ日常的に見かけるバウムクーヘンですが、どのような歴史をたどって日本にやってきたのでしょうか? バウムクーヘンの歴史と日本へやってきた経緯について解説します。
紀元前にギリシャで生まれた
バウムクーヘンの歴史はかなり古く、紀元前のギリシャまでさかのぼります。木の棒にパン生地を紐状に巻き付けた『オベリアス』と呼ばれる食べ物があり、これがバウムクーヘンの原型であるという説が一般的です。
その他、中世ポーランド・リトアニア連合王国の『シャコティス(別名セカンチュ)』を起源とする説や、フランスの『ガトー・ア・ラ・ブロッシュ』を起源とする説もあります。
日本に伝えたのはユーハイム
日本にバウムクーヘンを伝えたのは、洋菓子店の名前としてもおなじみのユーハイムです。1919年広島で開催された『ドイツ俘虜製作品展覧会』で、ユーハイム創始者であるカール・ユーハイム氏が焼いたものが最初だと言われています。
捕虜生活から開放されたユーハイム氏は横浜に店を構えるものの関東大震災で壊滅、その後神戸に移り現在のユーハイムに至ります。
日本では繁栄の意味を持つ
年輪模様はバウムクーヘンの最大の特徴だと言えます。木の年輪が長い年月をかけて刻まれるように、バウムクーヘンの年輪模様に日本人は『長寿』や『繁栄』、『成長』といった意味を見出しました。
日本での贈答品にバウムクーヘンが愛されているのは、このようなおめでたい意味が込められているからなのです。
バウムクーヘンのカロリー
お菓子を食べるときに気になるのがカロリーです。特にバウムクーヘンはどっしりとした重みと、その甘さからカロリーの高さがうかがえます。バウムクーヘンのカロリーについて解説します。
100gあたり400〜500キロカロリー
バウムクーヘンのカロリーは100gあたり400~500kcalです。ちなみに茶碗1杯のご飯(140g)が235kcal、6枚切りの食パン1枚(60g)が158kcalですから、かなりカロリーの高いお菓子だと言えます。
一般的な大きさのバウムクーヘン(直径約13cm、約250g)を4等分しても270kcalあります。バウムクーヘンの成分はほとんどが糖質と脂質なので、おいしいからと言って食べ過ぎないよう注意しましょう。
コンビニで買えるバウムクーヘンの平均カロリー
バウムクーヘンはコンビニ各社からも販売されていますので、手軽に食べたいときに便利です。
300gあるホールタイプのものから、発酵バターを使ったプレミアムなもの、ホワイトチョコレートを練り込んだものなど多彩な種類のバウムクーヘンが選べるのはコンビニならではと言えるでしょう。
使っている材料によってカロリーは上下するため一概には言えませんが、シンプルなものほどカロリーが低い傾向にあります。
中には低糖質のバウムクーヘンを販売しているコンビニもあるので、バウムクーヘンが食べたいけどカロリーが気になるという人は試してみてはいかがでしょうか。
バウムクーヘンの作り方とは?
お店で売られているバウムクーヘンは芯棒に生地を巻き付け、特殊なオーブンで回転させながら焼き上げます。
個人がこのオーブンを使うことは一般的ではありませんが、フライパンを使えば比較的簡単にバウムクーヘンを作ることが可能です。
バウムクーヘンの材料
バウムクーヘンは主に以下の材料で作られます。
- 小麦粉(薄力粉)
- 砂糖(グラニュー糖)
- 卵(卵黄と卵白に分けておく)
- 無塩バター
- 蜂蜜
なお、グラニュー糖を上白糖に変えるとしっとりとした生地になり、きび砂糖や黒糖にすると風味のあるバウムクーヘンができあがります。
下準備で芯を作る
バウムクーヘンは芯棒に生地を巻き付けて作るお菓子ですから、下準備として芯を作る必要があります。
筒状に丸めた紙や割り箸を用意し、アルミホイルを巻き付けます。アウトドアでバウムクーヘンを作るのであれば竹の棒を利用しても良いでしょう。なお、金属の棒を使うと熱が伝わりやすいため焦げるだけでなく、火傷の恐れがあるので使用は避けた方が無難です。
棒にアルミホイルを巻き終えたら、その上からまんべんなく油を塗りつけます。油を塗っておかないと、生地が芯にくっついてしまい、きれいなバウムクーヘンを作ることができません。
材料を混ぜて焼くだけ
材料が揃い、芯棒の用意ができたら材料を混ぜていきます。
まずは室温に戻したバターをボウルに入れて練り、柔らかくなったら砂糖と蜂蜜を入れて混ぜます。色が白くなってきたら卵黄を加えて混ぜ、なめらかになったら小麦粉を入れます。そこに別のボウルで作ったメレンゲを加えたら生地のできあがりです。
油を薄く塗ったフライパンを熱し、温まってきたところで生地を平らに入れます。生地表面が乾いてきたら端に芯棒を乗せ、生地を巻き付けます。これを数回繰り返せばバウムクーヘンの完成です。
バウムクーヘンをアレンジして味わう
バウムクーヘンはしっとりとした食感と適度な甘みがおいしいお菓子ですが、量が多いと飽きてくるかもしれません。そんなときはちょっとしたアレンジを加えることで、いつもとは違うバウムクーヘンを楽しむことができます。
バウムクーヘンラスク
バウムクーヘンを貰ったけど量が多くて食べきれないという時はバウムクーヘンラスクを作ってみてはいかがでしょうか。バウムクーヘンを薄く切り、オーブンで焼くことで簡単にラスクを作ることができます。
何も付けずにプレーンで食べても良いですが、バターを塗って砂糖をまぶしてみたり、チョコクリームを塗ったりすればよりおいしく食べることができるでしょう。塩をまぶせばお酒のおつまみにもぴったりです。
バウムクーヘンは薄く切れば切るほどサクッとした食感が強くなり、逆に少し厚めに切ればしっとりとした感触を残したラスクになります。切る厚さによって食感が変わるので、お好みの厚さを見つけてみてください。
バウムクーヘンのフレンチトースト
バウムクーヘンの特徴といえばそのしっとりとした食感ですが、ある程度日にちが経ってしまうと乾燥してしまいます。そんなときに試してみたいのがバウムクーヘンのフレンチトーストです。
食べやすいサイズにカットしたバウムクーヘンを、卵と牛乳を混ぜた液に浸し、しばらく冷蔵庫で漬け込みます。その後、バターを引いたフライパンに乗せて弱火で焼き、両面に焼き色が付いたら完成です。
バウムクーヘンの持つ甘さとバターの香りに加え、カステラやパウンドケーキのようにふわっと柔らかい食感がやみつきになるおすすめの一品です。
また、冷蔵庫で冷やせばプリンのような少し固めの食感になります。1つのバウムクーヘンでさまざまな味の変化を楽しめるフレンチトースト作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
バウムクーヘンティラミス
バウムクーヘンのしっとりとした生地を活かし、ティラミスを作ることも可能です。
薄く切ったバウムクーヘンを濃いめのコーヒーと洋酒に漬けたものを容器の底に敷きます。マスカルポーネチーズと卵黄、ホイップクリームを混ぜたクリームとバウムクーヘンを層になるよう交互に容器に詰め、冷蔵庫で冷やせば完成です。最後にココアパウダーやトッピングを乗せれば、より本格的なティラミスになります。
ティラミスに入れるクリームは、生クリームの量を増やせばずっしりと重く、卵白を混ぜればふわっと軽い食感になるので、お好みで調整しましょう。
都内で人気のバウムクーヘンのお店
バウムクーヘンを販売しているお店は多数ありますが、特に都内で人気の高いバウムクーヘンのお店を紹介します。
ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ 新宿伊勢丹店
『ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ』はドイツの都市ハノーファーで創業し、100年の歴史を持つドイツ伝統菓子の店です。新宿伊勢丹店は日本一号店として2009年にオープンしました。ちなみに『ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ』はドイツ語で『オランダ風のカカオのお菓子』という意味だそうです。
『ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ』のバウムクーヘンは、バター以外の油脂を使わない、ベーキングパウダーを使わないなど、国立ドイツ菓子協会が定めるバウムクーヘンの厳格な基準に則って作られています。
厳格な基準に則って作られているバウムクーヘンはまさに王道だと言えるでしょう。しっとりとした生地にバニラの香りがふわっと漂う定番のものから、チョコレートをふんだんにかけたものなど、手土産用にも自宅用にも嬉しいバウムクーヘンが揃っています。
- 店舗名:ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ 新宿伊勢丹店
- 住所:東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹本館地下1階
- 電話番号:03-3352-1111
- 営業時間:10:00〜20:00(新宿伊勢丹に準じる)
- 定休日:無休(新宿伊勢丹に準じる)
- 公式HP
クラブハリエ B-スタジオ 日本橋三越店
『クラブハリエ』は滋賀県近江八幡市にある和菓子店『たねや』のグループ企業として1951年にパンや洋菓子を作る店として創業しました。人々が集まる『クラブ』と『玻璃絵(ガラス絵)』が店名の由来となっているそうです。
地元近江で人気商品だったバウムクーヘンが話題となり、『クラブハリエ』は全国の百貨店へと出店していきます。その関東初となるバウムクーヘン専門店が『クラブハリエ B-スタジオ 日本橋三越店』です。
店内には工房とカフェが併設されており、眼の前で焼き上がるバウムクーヘンの甘い香りを感じながら、できたてのバウムクーヘンをコーヒーや紅茶などと一緒に楽しむことができます。
- 店舗名:クラブハリエ B-スタジオ 日本橋三越店
- 住所:東京都中央区日本橋室町1-4-1 日本橋三越本店新館B2F
- 電話番号:03-5205-1080
- 営業時間:10:00〜19:00(日本橋三越に準じる)
- 定休日:無休(日本橋三越に準じる)
- 公式HP
バウム 尾山台
『バウム 尾山台』は、2015年世田谷区等々力にオープンしたバウムクーヘン専門店です。
従来とは全く違う製法で作られたバウムクーヘンは、塩バター・プレーン・ブランデー・レモンチェロ・カルヴァドスの5種類の味から選ぶことができます。特にブランデー味のバウムクーヘンは濃厚なブランデーの風味を楽しむことができる大人のバウムクーヘンとして人気の商品です。
『バウム 尾山台』では使用する素材にもこだわっています。小麦や牛乳、バターはすべて北海道産、ベーキングパウダーもアルミニウムフリーのものを使い、子どもからお年寄りの方まで誰もが安心して食べることができるバウムクーヘンを目指しているそうです。
- 店舗名:バウム 尾山台
- 住所:東京都世田谷区等々力4-1-14 小野澤ビル1F
- 電話番号:03-6809-8539
- 営業時間:10:00〜18:30
- 定休日:不定休
- 公式HP
ねんりん家 大丸東京店
『ねんりん家』は銀座に本店を置くバウムクーヘンの専門店です。大丸東京店は明るくて落ち着いた店内の奥にガラス張りの厨房があり、バウムクーヘンが一つひとつ丁寧に手作りされている様子を見ることができます。
ドイツ発祥のバウムクーヘンを日本人の口に合うよう試行錯誤を繰り返し誕生した『ねんりん家』のバウムクーヘンは、しっとりとしていながらサクッとした食感が最大の特徴です。
フランスパンのように外は香ばしく、中はしっとりとした食感の『マウントバーム しっかり芽』、日本人の口に合うカステラのような『ストレートバーム やわらか芽』のほか、季節限定のバウムクーヘンが用意されています。
また、スフレのようなみずみずしいしっとり感が特徴の『モア モイストバーム もっとしっとり芽』は、大丸東京店の限定商品となっており、東京土産として人気の高い商品です。
- 店舗名:ねんりん家 大丸東京店
- 住所:東京都千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店 1階
- 電話番号:03-3212-8011(代)
- 営業時間:平日 10:00~21:00、土日祝 10:00~20:00
- 定休日:無休(大丸東京店に準じる)
- 公式HP
お取り寄せ可能な美味しいバウムクーヘン
都内以外にもバウムクーヘンの名店はたくさんあります。その中からお取り寄せ可能なお店を紹介します。
せんねんの木 とろなまバウムクーヘン
『せんねんの木』は、千葉県を中心に展開しているバウムクーヘン専門店です。公式サイトにはオンラインストアが用意されており、バウムクーヘンのお取り寄せをすることができます。
同店のバウムクーヘンの中でも特に人気の高いのが『せんねんの木 とろなまバウムクーヘン』です。バウムクーヘンとチョコムースを二層にし、さらにビターなチョコレートでコーティングした『せんねんの木 とろなまバウムクーヘン』は、口に入れると濃厚なチョコムースがトロっと溶け、チョコレートフォンデュのような食感を楽しむことができます。
チョコムースとバウムクーヘンのバランスも絶妙で、バウムクーヘン好きだけでなくチョコレート好きの人にも支持されている商品です。
- 商品名:【とろなまバウムクーヘン】とろなまチョコ
- 価格:1533円(税込)
- オンラインストア:商品ページ
シェ・タニ 山樵
『シェ・タニ』は熊本県に本社を置く洋菓子店です。バウムクーヘンを始め、ケーキやクッキー、マカロンといった洋菓子を製造・販売しているほか、オンラインストアではさまざまなお菓子のお取り寄せをすることもできます。
『シェ・タニ 山樵(やましょう)』は黒糖の香ばしさと風味、そして独特の食感が楽しめるバウムクーヘンです。黒糖をたっぷりと使い通常のバウムクーヘンよりも時間をかけて生地を作り、この生地を低温でじっくりと焼くことで、外側はサクッとしていながら中はふわっとした食感を実現しています。
外側のシュガーコーティングにも黒糖が使われており、自然な甘さに仕上がっているのが特徴です。
- 商品名:山樵(2本入り)
- 価格:1500円(税込)
- オンラインストア:商品ページ
ラ・ファミーユ 黄金バウムクーヘン
『ラ・ファミーユ』は香川県高松市の洋菓子店です。香川県産の卵や蜂蜜、和三盆糖、小麦、高知県産の塩など四国の厳選素材を使い、さらに熟練の職人がその日の気候や湿度を見ながら焼き方を変えるなど、徹底したバウムクーヘンづくりを行っています。
『ラ・ファミーユ 黄金バウムクーヘン』は、黄金の名が示すとおり通常のバウムクーヘンよりも濃い黄色をしているのが特徴です。この黄色の秘密は、洋菓子用に開発された香川県産の濃厚でコクのある卵を使用していることにあります。
口に入れると卵の濃厚な甘さと、溶けるようなしっとりした食感が口いっぱいに広がる『ラ・ファミーユ 黄金バウムクーヘン』は、地元の厳選素材と職人の熟練技が作り上げた結晶だと言えるでしょう。
- 商品名:黄金バウムクーヘン Mサイズ
- 価格:2808円(税込)
- 楽天:商品ページ
フルールきくや はちみつバウムクーヘン
『フルールきくや』は岩手県を中心に展開する洋菓子店です。地元岩手の素材を使ったお菓子作りにこだわっています。
『フルールきくや はちみつバウムクーヘン』は厳選された奥州産の蜂蜜と卵を使い、30年以上培われたバウムクーヘン作りのノウハウによって作られています。しっとりと柔らかな食感と、蜂蜜の自然で優しい甘さが特徴のバウムクーヘンです。
- 商品名:奥州はちみつバウムクーヘン Sサイズ
- 価格:1320円(税込)
- オンラインストア:商品ページ
美味しいバウムクーヘンは贈り物にも最適
バウムクーヘンは縁起の良さから贈り物としても最適なお菓子です。さまざまな企業がこだわりのおいしいバウムクーヘンを販売しているので、人にプレゼントしたくなるようなお気に入りの一品を探してみてはいかがでしょうか?