絶対に読みたいミステリー小説11選。最新作から名作・話題作まで

2019.06.14

ミステリー小説は、定番の名作から最新作まで、多くの人に長く愛されています。人気の作品をチェックすれば、お気に入りを見つけるきっかけとなるでしょう。注目しておきたいミステリー小説もあるので、選ぶときの参考にしてみてください。

2018年刊行の人気作からピックアップ

まずは、2018年刊行のミステリーから、話題となった3作をピックアップして紹介します。それぞれに異なる味わいなので、ぜひチェックしてみましょう。

それまでの明日/原尞

ミステリー界の生ける伝説とも言われている作家、原尞(はら りょう)のデビュー30週年記念作品として刊行されたのが、『それまでの明日』です。

人気のある『探偵・沢崎シリーズ』としては14年ぶりの新作で、完成までに経過した時間によって、円熟味のある内容が注目を集めています。

物語の発端は、私立探偵の沢崎のもとに持ち込まれた身辺調査です。なんということもない依頼から発展していく謎が謎を呼ぶストーリーは、金融絡みの大きな事件に行き当たり、波乱の展開を見せていきます。

気軽に受けた依頼から巻き起こされる、ミステリーとサスペンスの入り交じる展開は、14年の歳月を経ての刊行にも十分に満足できる、熟達の仕上がりと言えるでしょう。

  • 商品名:それまでの明日
  • 価格:1944円(税込)
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火のないところに煙は/芹沢央

芦沢央(あいざわ よう)の『火のないところに煙は』は、2019年本屋大賞にノミネートされて注目を集めている作品です。

読み始めると引き返せない、戦慄の暗黒ミステリーは、従来のミステリーとは違った魅力を感じられると話題を呼びました。

物語は、神楽坂を舞台に怪談を書かないか、との依頼を持ちかけられた主人公の作家が、解けない謎・救えなかった友人・逃げ出した自分と向き合っていく、というものです。

予想を超える展開と、どんでん返しの連続に、ハラハラドキドキした気持ちで読み進めてしまうでしょう。

  • 商品名:火のないところに煙は
  • 価格:1728円(税込)
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スケルトン・キー/道尾秀介

道尾秀介(みちお しゅうすけ)は、ミステリー色の強めな作品や、ホラーの味わいが強い作品など、さまざまな分野の小説を生み出している作家です。

中でもサイコパスを題材とした『スケルトン・キー』は、道尾作品の中でもダークな要素が強く、残酷な描写が目立ちます。同時に、スピーディな展開でテンポよく読み進められるミステリーに仕上がっていると言えるでしょう。

週刊誌記者の手伝いをしている主人公の平穏な毎日は、ふとかかってきた一本の電話から徐々に崩れていきます。

必死に守ってきた平穏が壊れてしまったときの恐怖と衝撃は、主人公の人間性をあらわにし、見どころ満載の謎とともに、読者を作品世界に没頭させていくことでしょう。

  • 商品名:スケルトン・キー
  • 価格:1620円(税込)
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おすすめの日本ミステリー小説

次は、日本ミステリー小説の中でも、初心者も読みやすく人気の作品を3つピックアップして紹介します。国内のミステリーだからこそ味わえる身近さと謎は極上です。ぜひチェックしてみてください。

双頭の悪魔/有栖川有栖

本格推理作家の有栖川有栖(ありすがわ ありす)は、創作塾の塾長を努めながらも多くの名作を生み出しています。

エッセイや評論などの作品なども手がける中、ベスト・オブ・ベスト国内編1988〜2008年版でも紹介されたほどの人気作が『双頭の悪魔』です。

作者と同名の大学生を語り手とするシリーズ第3作の本作は、前作『孤島パズル』の事件の影響で姿を消したヒロイン麻里亜を連れ帰るべく出かけた、有栖たち推理小説研究会が巻き込まれる、2つの殺人事件を描いています。

本格推理らしい『読者への挑戦』が組み込まれた、犯人当ての限界に挑む大作は、読み進むたびに謎が広がり、時間を忘れて引き込まること必定です。

  • 商品名:双頭の悪魔 (創元推理文庫)
  • 価格:1123円(税込)
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すべてがFになる/森博嗣

工学部の助教授でもあった理系作家・森博嗣(もり ひろし)が描くミステリー小説は、作者本人も執筆途中では犯人を決めないなど、独特の工夫を凝らして書かれていると言われます。

中でも人気なのがデビュー作『すべてがFになる』です。研究所内で、両手両足を切断された死体が発見されるところから始まる本作では、不可思議な密室殺人の謎を、コンピューターを研究する主人公が究明していきます。

不可解な死体と密室というミステリの王道でありながら、理系的にアレンジされた謎と、読み進めていかなければわからない衝撃的な結末は、どっぷりと楽しめる逸品と言えるでしょう。

  • 商品名:すべてがFになる(講談社文庫)
  • 価格:853円(税込)
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満願/米澤穂信

米澤穂信(よねざわ ほのぶ)は、数多くの文学賞受賞・候補選出歴を持つ実力派の作家です。中でも史上初めてのミステリーランキング三冠を達成したミステリー短篇集『満願』は、読みやすく、初心者でも楽しめます。

本書は6つの短編から成り立ち、そのどれもが戦慄を覚える謎と衝撃が詰まったものです。2018年には、6編のうち『夜警』『万灯』『満願』はNHKでドラマ化もされ、より注目を集めました。

衝撃の結末を短篇集で味わえるので、ちょっとした隙間時間にも最適なミステリー小説とも言えるでしょう。

  • 商品名:満願(新潮文庫)
  • 価格:724円(税込)
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人気の海外ミステリー小説

日本国内のミステリーには、謎とどんでん返しの楽しさがあります。しかし、それに負けない衝撃とスケールで描かれている海外ミステリーも見逃せません。特に注目しておきたい2つの作品をチェックしてみましょう。

羊たちの沈黙/トマス・ハリス

トマス・ハリスが生み出し、映画化も話題となった衝撃のミステリー小説が『羊たちの沈黙』です。

悪の金字塔とも呼ばれるその内容は、心理面まで事細かに描かれていることから、深い印象とその世界観観に引き込まれる魅力を持っています。

物語は、獲物の皮を剥ぐことから、バッファロウ・ビルと呼ばれる連続女性誘拐殺の謎に立ち向かうFBI捜査官の苦悩と、衝撃の展開を描いたものです。小説と一緒に映画を楽しんだり、旧訳と新訳を比べてみるのも楽しめるでしょう。

  • 商品名:羊たちの沈黙(上)(新潮文庫)
  • 価格:680円(税込)
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天使と悪魔/ダン・ブラウン

作家のダン・ブラウンの作品『天使と悪魔』は、『ダ・ヴィンチ・コード』が有名なラングドン・シリーズの第1作に当たります。

サスペンスとミステリーの融合した内容で、推理と追跡を繰り返し、謎を追い求める主人公の活躍が描かれています。架空の近未来技術が登場しますが、物語の根幹はローマやバチカンなどを舞台にした、宗教や美術作品を交えたものです。

脱線しすぎず、謎を残しながらも進んでいくストーリーの展開は、初心者でも読みやすい内容にまとまっており、ミステリーへの入り口としても最適です。

  • 商品名:天使と悪魔 (上)(角川文庫)
  • 価格:691円(税込)
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定番の名作ミステリーを紹介

さらに、定番の名作ミステリーもチェックしてみましょう。ミステリー小説が初心者の人でも楽しめる内容でありながら、深い世界観を楽しめる名作が勢揃いしています。

江戸川乱歩傑作選/江戸川乱歩

江戸川乱歩(えどがわ らんぽ)は、大正から昭和期の推理小説を得意とした作家です。本格派と呼称される短篇集を多く執筆し、トリックや題材に独創性があることから、現在も根強い人気を誇っています。

『江戸川乱歩傑作選』は、乱歩の初期を代表する傑作9編が収録された一冊です。巧妙なトリックを用いた処女作から、一度は読んでおきたい乱歩の怪奇趣味を代表する作品までを収めています。

ミステリー小説が初めてという人でも、その独自の世界作品には魅力を感じられるでしょう。古き良き日本の情緒も味わえます。

  • 商品名:江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)
  • 価格:594円(税込)
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十角館の殺人/綾辻行人

綾辻行人(あやつじ ゆきと)の作品『十角館の殺人』は、館シリーズと呼ばれる作品の第1作で、指折りの人気作でもあります。情景や雰囲気を巧みに伝える文章で、読むほどに癖になるでしょう。

堂々とトリックを描くそのスタイルで描かれた作品には、学生たちを襲う連続殺人が引き起こす謎と、驚愕の結末が待ち構えています。最後にあっと驚くミステリーを楽しみたい人におすすめです。

  • 商品名:十角館の殺人 <新装改訂版>(講談社文庫)
  • 価格:810円(税込)
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火車/宮部みゆき

宮部みゆき(みやべ みゆき)が生み出した『火車(かしゃ)』は、山本周五郎賞に輝いた、ミステリー史に残る傑作と言われる作品です。

社会問題としての消費者金融のありかたをテーマに描かれた『社会派ミステリー』と呼ばれるジャンルの作品で、いわゆる名探偵ものとは異なる、現実味のある内容で引き込まれます。

サラ金やカード破産など、多重債務をめぐる取り立てに翻弄される女の生き様を追う刑事の視点から描かれており、その展開と謎解きの巧みさは抜群と高評価を受けています。

実際の社会の問題に根差した、リアリティに溢れたミステリーを楽しみたい人におすすめできるでしょう。

  • 商品名:火車(新潮文庫)
  • 価格:1069円(税込)
  • 新潮社公式:商品ページ

各社のミステリー大賞に注目しよう

幾つかの出版社が主催しているミステリー大賞は、優れたミステリ―小説に贈られる名誉の称号です。新しい作品や作家を探すときにも役立つので、代表的なものをチェックしておきましょう。

宝島社 このミステリーがすごい!

宝島社が行っている『このミステリーがすごい!』大賞は、大賞1200万円、優秀賞200万円という大きな金額が目を引く賞です。

新しい才能や、面白い作品を発掘・育成するシステムを構築するために行われており、プロ作家によるコメントも付けられることから、作家を目指す人の励みにもなっている賞と言えるでしょう。

新潮社 新潮ミステリー大賞

新潮社の『新潮ミステリー大賞』は、プロ・アマ問わず、自作やインターネット上も含めて未発表の作品を募集対象とした、新しい作品を発掘する賞です。

大賞受賞作品には賞金300万円が贈られ、最終候補に残った作品には映像化のチャンスが与えられる、夢のある賞と言えます。

講談社 江戸川乱歩賞

講談社が主催する『江戸川乱歩賞』は、江戸川乱歩の寄付を基金として、探偵小説を奨励するために制定された文学賞です。

現在では、推理作家への登竜門として知られており、正賞として江戸川乱歩像、副賞として1000万円が贈呈されます。

受賞作はフジテレビがドラマ化・映画化することもあり、見逃せないミステリーの大賞と言えるでしょう。

ミステリー小説の世界に浸ろう

ミステリー小説の世界は、作家が独自に広げる世界観を、非日常として体験できる素晴らしいものです。休日のひとときにページを繰れば、忙しい毎日を忘れて没頭してしまうほどの面白さと、ハラハラドキドキの世界を体験できるでしょう。

小説としては比較的読みやすいものも多いので、今まで読んだことがないという人も、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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