カクテルに使用されるリキュールには、さまざまな種類があります。その中の1つがライチリキュールの『ディタ』です。ディタを使ったカクテルレシピにはどのようなものがあるのでしょうか。また、ディタ以外のライチリキュールとの違いについて紹介します。
ディタとはどんなお酒か
ディタは1980年代、フランスのペルノ・リカール社によって開発されたリキュールです。日本では1991年から販売されており、今ではスーパーやコンビニなどでも手に入るほど流通しています。
では、ライチリキュールのディタとはどのようなお酒なのでしょうか。
ライチを使ったリキュール
ディタは、楊貴妃が愛した果実とされるライチをもとに、世界で初めてライチリキュールとして製造されました。アルコール度数は21%で、上品なライチの香りが特徴です。
口当たりが非常に滑らかなことから、『マジックタッチ』とも形容されます。色は無色透明で、さまざまなカクテルに利用されており、特に柑橘類との相性は抜群です。
ちなみに、ディタは日本のみでの商品名で、日本以外では『SOHO』という名称で販売されています。商標登録の関係上、SOHOの名称が使用できなかったため、日本での販売が開始される際に、ディタの名称が使われるようになりました。
- 商品名:ディタ ライチ [ リキュール 700ml ]
- 価格:2767円(税込)
- Amazon:商品ページ
ディタを使ったシンプルなカクテル
さまざまなカクテルに使用されるディタですが、その中でもライチの香りや味わいをダイレクトに味わえる、シンプルなカクテルを紹介します。
ディタソーダ
『ディタソーダ』は、その名のとおり氷をいれたグラスにディタとソーダを注いで混ぜ、レモンを添えるだけのカクテルです。シンプルなので、ディタの風味をしっかりと味わえます。
炭酸が入ることでのどごしが良く、飲みやすいのも特徴です。簡単ですが、あまり混ぜすぎると炭酸が抜けてしまうので注意しましょう。特別な材料も必要ないので、自宅で気軽にディタを使ったカクテルを楽しみたいときにおすすめのレシピです。
- ディタ 30ml
- ソーダ 適量
- レモン 輪切り1枚
ディタトニック
『ディタトニック』は、氷を入れたグラスにディタを入れてトニックウォーターで割り、軽く混ぜて作ります。トニックウォーターは、カクテルによく使用される清涼飲料水ですが、ソーダと異なり苦みが少し出るのが特徴です。
ディタの甘みとトニックウォーターの苦みで、ディタソーダとは違った味わいになります。お好みでレモンやライムなどを添えても良いでしょう。
- ディタ 45ml
- トニックウォーター 適量
ディタとグレープフルーツのカクテル
ディタは柑橘類との相性が良いのですが、その中でもグレープルーツとの相性は抜群です。グレープフルーツを使用したカクテルの中から、4つを紹介します。
ディタグレープフルーツ
氷を入れたグラスにディタとグレープフルーツジュースを注ぎ、軽く混ぜたカクテルが『ディタグレープフルーツ』です。ディタの甘みとグレープフルーツの爽やかさがあいまって、飲みやすいさっぱりとしたカクテルに仕上がります。
グレープフルーツジュースとディタの比重の違いによって混ざりにくいので、縦に混ぜるのがポイントです。100%のグレープフルーツジュースでも良いですが、生のグレープフルーツを絞って作るとよりフレッシュな味わいになります。
また、お好みでレモンやオレンジの輪切りを添えるのもおすすめです。
- ディタ 30ml
- グレープフルーツジュース 適量
ディタモーニ
『ディタモーニ』は、同量のディタとグレープフルーツジュースをトニックウォーターで割ったカクテルです。カンパリを使って作るカクテル『スプモーニ』のディタバージョンのため、ディタモーニと呼ばれています。
ディタの甘みとグレープフルーツのさっぱりした風味にトニックウォーターの苦みが加わり、大人の味わいのカクテルです。
作るときには、まずディタとグレープフルーツジュースのみで混ぜておき、トニックウォーターを入れた後は炭酸が抜けてしまわないよう、軽く混ぜるように注意しましょう。
- ディタ 30ml
- グレープフルーツジュース 30ml
- トニックウォーター 適量
チャイナブルー
『チャイナブルー』は淡いブルーのカクテルで、味だけでなく見た目も楽しいのが特徴です。氷をいれたグラスにディタ、グレープフルーツジュース、ブルーキュラソーを入れて混ぜ、トニックウォーターを注いで、軽く混ぜましょう。
チャイナブルーのレシピは複数あり、トニックウォーターを使わないレシピもあります。また、作る段階ではブルーキュラソーを混ぜず、最後にグラスの縁からゆっくり入れて底に沈めることで、グラスの中にグラデーションを作るのもおすすめです。
ブルーキュラソーの種類や量によって青の色合いも調整できるので、好みの色や味を探してみてください。
- ディタ 30ml
- グレープフルーツジュース 45ml
- ブルーキュラソー 10ml
- トニックウォーター 適量
ライトオンディタ
リキュールの中でも人気の高いカシスを使ったカクテルが、『ライトオンディタ』です。氷を入れたグラスにディタ、カシスリキュールを注いで混ぜた後、静かにグレープフルーツジュースを注ぎます。
最後のグレープフルーツジュースを静かに注ぐことで、夕焼けのような美しいグラデーションを楽しめるのが、このカクテルの魅力です。実際に飲むときには、混ぜて味わいましょう。
ライチとカシスが甘くフルーティーな味わいを作り出し、そこにグレープフルーツの爽やかさが加わるので、飲みやすく飽きのこないカクテルです。
- ディタ 20ml
- カシスリキュール 20ml
- グレープフルーツジュース 適量
ディタとオレンジジュースのカクテル
ディタには柑橘類がよく合いますが、グレープフルーツの次におすすめなのがオレンジジュースです。ディタとオレンジジュースを使ったカクテル3種を紹介します。
ディタオレンジ
氷を入れたグラスにディタとオレンジジュースを注いで混ぜるだけのカクテルです。グラスの縁に、くし形にカットしたオレンジを添えると見た目も楽しめます。
グレープフルーツジュースの場合と同様、比重が違って混ざりにくいので、縦にまぜるのがポイントです。簡単なレシピですが、オレンジジュースの味によっても味がかわります。オレンジジュースではなく、生オレンジを絞って使うのもおすすめです。
- ディタ 30ml
- オレンジジュース 適量
ディタサンライズ
テキーラサンライズのテキーラの代わりにディタを使用したカクテルが、『ディタサンライズ』です。氷の入ったグラスにディタとオレンジジュースを入れて混ぜ、最後にグレナデンシロップをグラスの縁から静かに注ぎます。
グレナデンシロップはザクロの果汁から作られたシロップで、深い赤色が特徴です。最後に静かに入れることで、グラスの底にグレナデンシロップの層ができ、赤とオレンジのグラデーションが非常に美しいカクテルになります。
グレナデンシロップが入ることで、見た目の美しさだけでなく、味わいにも深みが出てくるのがディタサンライズの特徴です。
- ディタ 30ml
- グレナデンシロップ 10ml
- オレンジジュース 適量
ディタ ドリーミー
『ディタ ドリーミー』は、オレンジジュースに加えてヨーグルトを使用した、まろやかなカクテルです。氷を入れたグラスにディタとオレンジジュース、ヨーグルトドリンクを入れ、混ぜ合わせます。
比重の違いで混ざりにくく、グラスの中で層が分かれてしまうので、ヨーグルトを入れたら縦にしっかりと混ぜましょう。誰かにふるまうときには、カットオレンジをグラスの縁に添えるとおしゃれです。
オレンジとヨーグルトの酸味が、ディタの甘味をより引き立ててくれます。ヨーグルトのまろやかさもあり、非常に飲みやすいカクテルなので、飲み過ぎには注意しましょう。
- ディタ 30ml
- オレンジジュース 30ml
- ヨーグルトドリンク 40ml
ディタと炭酸を使ったカクテル
ディタをベースにしたカクテルの中では、炭酸を用いたものも人気です。炭酸を使用したディタベースのカクテルの中から、3つを紹介します。
ディタサクラドロップ
『ディタサクラドロップ』は、その名のとおり、春の桜のような美しい色が特徴で、女性に人気のカクテルです。
ディタとカルピスの原液、グレナデンシロップを混ぜ、そこにソーダを注ぎます。ソーダを注いだ後は、炭酸が抜けないようにゆっくりと縦に混ぜましょう。
グレナデンシロップの赤とカルピスの白できれいな桜色ができるのも、無色透明のディタならではのことではないでしょうか。ライチの風味とカルピスがマッチした甘い味わいで、カルピス好きな人には特におすすめのカクテルです。
- ディタ 30ml
- カルピス(原液) 20ml
- グレナデンシロップ 1tsp
- ソーダ 適量
173°トラスト
『173°トラスト』は、モデルの冨永愛さんプロデュースのディタカクテルです。173°という名称は、『180°までは達しないが、それほど勢いがある様子』を表現しています。
氷を入れたグラスにディタ・ペルノ・ライムジュース・クランベリージュースを入れてかき混ぜた後、ソーダを注いで軽く混ぜたら完成です。お好みでカットライムをグラスの縁に飾っても良いでしょう。
- ディタ 30ml
- ペルノ 2tsp
- ライムジュース 10ml
- グランベリージュース 45ml
- ソーダ 60ml
ディタインペリアル
『ディタインペリアル』は、ディタをスパークリングワインで割った、シンプルかつ贅沢なカクテルです。シャンパングラスにディタを入れ、そこにスパークリングワインをゆっくりと注いで軽く混ぜましょう。
他のカクテルと違い、氷を使用しないのでスパークリングワインをあらかじめよく冷やしておくのがポイントです。ディタの香りや風味を損なわないよう、フレーバーのついていないスパークリングワインを使用しましょう。
ディタとスパークリングワインのみでも良いですが、グレナデンシロップやブルーキュラソーなどを使用すると、見た目でも楽しめます。
- ディタ 45ml
- スパークリングワイン 60ml
ディタ以外のライチリキュール
ライチリキュールとして有名なディタですが、日本国内ではライチのお酒の人気は高く、数多くのライチリキュールが販売されています。
サントリー パライソ
パライソはフランスのジュール・プレマン社が1980年代より製造・販売しているライチリキュールです。『パライソ』はスペイン語で『楽園』を意味しています。
パライソのアルコール度数は24%で、数あるライチリキュールの中でも高めです。ディタと共にライチリキュールとして有名で、ディタと同様にスーパーやコンビニなどでも手に入ります。
- 商品名:サントリー パライソ ライチ [ リキュール 700ml ]
- 価格:1818円(税込)
- Amazon:商品ページ
キリン 茘枝酒 ひんやりライチ
キリンの『ひんやりライチ』は、グループ会社の永昌源の協力を得て、メルシャンの設備を使用して開発されたライチリキュールです。
アルコール度数は10%で、ディタやパライソに比べてかなり低めになっています。カクテルベースにするというよりは、氷を入れたグラスにそのまま注いですぐに飲めるのが、ひんやりライチのコンセプトであるためでしょう。
ひんやりライチは、ライチを凍らせてお酒に漬け込む『凍結ライチ浸漬製法』を採用して製造されており、ライチのみずみずしい味わいを実現しています。
- 商品名:キリン 茘枝酒 ひんやりライチ [ リキュール 500ml ]
- 価格:862円(税込)
- Amazon:商品ページ
アサヒ ボルス ライチ
ボルスは、オランダのアムステルダムに本社を置き、440年以上続くリキュールのメーカーです。数々のリキュールを開発してきたボルスは、ライチリキュールの一大市場である日本で調査を重ねた末、ライチリキュールを開発しました。
ボルス独自の抽出法により、ライチの甘くてフルーティーな味が存分に味わえるリキュールになっています。色は無色透明で、アルコール度数は17%と、少し低めです。
- 商品名:アサヒ ボルス ライチ 700ml
- 価格:1348円(税込)
- Amazon:商品ページ
サントリースクエア ライチ
サントリーのスクエアは、サントリーが製造・販売するリキュール類のシリーズです。スクエアシリーズには、カシスやピーチ、ライチなどのフルーツ系があります。『スクエア ライチ』のアルコール度数は24%で、パライソと同程度です。
- 商品名:サントリー SQUARE【ライチ】 [ リキュール 700ml ]
- 価格:2010円(税込)
- Amazon:商品ページ
パライソとの違いは?
数あるライチリキュールの中でも、特に良く知られているのがディタとパライソです。どちらもフランスで1980年代に生まれたライチリキュールで、世界中で流通しています。では、ディタとパライソにはどのような違いがあるのでしょうか。
ライチエキスはパライソの方が強い
ディタとパライソの違いの一つめは、ライチエキスの量です。ディタは25%、パライソは26.5%と、パライソの方がやや強いことが分かります。ライチエキスの成分が多いためか、パライソの方がライチの甘味や香りは強めです。
ディタはクセがなく飲みやすい
両者を飲み比べた場合、ディタはパライソよりもクセがありません。全体的にあっさりしていて、後味もすっきりしています。ライチの香りも上品でふんわりと香るため、万人受けするタイプです。
一方、パライソはディタに比べるとエキゾチックな香りを強く感じ、甘みも強く複雑な味わいになっています。味も香りも主張が強めなので、人によって好みが分かれるかもしれません。
ふんわりと香るライチを楽しみたい人はディタ、ライチの強い香りや野性味を感じたい人はパライソを試してみると良いのではないでしょうか。
ディタはカクテルとして相性がいい
ディタはパライソに比べてクセがないこともあり、さまざまなカクテルに相性が良いのが特徴です。ライチの香りや味が強すぎることがないため、ジュースやシロップと合わせてもぶつかり合うことがありません。
主張が強すぎないため、あまりカクテル作りに慣れていない人が作っても、バランスの良いカクテルができるのが、ディタの利点です。
パライソはそのエキゾチックな香りや野性味が、カクテルにも表れてきます。もちろん好みがありますので、個性的なカクテルを作りたいときには、パライソを使ったカクテルにチャレンジしてみても良いでしょう。
ディタを使っておいしいカクテルを飲もう
ディタは無色透明でクセがなく、上品なライチの香りが楽しめるので、カクテルに使いやすいリキュールです。ジュースやソーダを使って混ぜるだけでも、簡単においしいカクテルができるので、自宅でも気軽に楽しめます。
ディタを使用したカクテルはたくさんありますが、同じカクテルでもレシピは1種類ではありません。目安はありますが、好みに合わせて材料の比率を変えたり、使用するジュースやソーダを変更したりすることで、カクテルの味は変わります。
特に今回紹介したレシピは、シェーカーなども必要なく、材料さえあればおいしいカクテルが作れるものです。好みでアレンジを加えるなど、いろいろと試して、自分好みのディタのカクテルを見つけてみましょう。