ルーブル美術館にピラミッドがあるのはなぜ?地下はどうなってるの?

2019.06.14

パリにあるルーブル美術館の中庭にはピラミッドがあります。ルーブル美術館が以前は宮殿だったことから「なぜピラミッド?」と不思議に思う人もいることでしょう。そこでこの記事では、ピラミッドが建てられた理由や地下の構造についてご紹介します。

ルーブル美術館のピラミッドとは?

ルーブル美術館の外観を思い浮かべた時に、まず最初にイメージするのが、中庭に堂々とたたずむ巨大なガラス張りのピラミッドでしょう。このピラミッドはどのような経緯で建てられたのでしょうか?

ルーブル美術館のピラミッド(通称ルーブルピラミッド)の建設計画が持ち上がったのは、1983年のことです。この年、大ルーブル計画公団という組織が設立され、ルーブル美術館の中庭(ナポレオン広場)に新たなメインエントランスを建てることが決まりました。

その結果、1989年にピラミッドが完成し、以来ルーブル美術館のメインエントランスとして使用されています。このピラミッドはガラスと金属でできているのですが、それによって批判を受けることとなってしまいます。

というのも、「ルーブル美術館は中世建築をベースとした造りになっており、そのエントランスが近代的なピラミッドでは似合わない」という指摘が出たからです。

この批判は徐々に大きくなり、最終的には大ルーブル計画を推進したフランスのミッテラン大統領を「エジプトのファラオに憧れているのではないか?」と揶揄する人まで現れたほどです。

現在ではルーブル美術館のシンボルマーク的存在になっているピラミッドですが、当初はかなり不評だったというのは少し意外な感じがしますね。

ルーブルピラミッドはなぜ建てられた?

さて、不評を買ってしまったルーブル美術館のピラミッドですが、ピラミッドといえばエジプトの象徴的な建築物。そもそも、なぜフランスのルーブル美術館にピラミッドが建てられる必要があったのでしょうか?

入館時の混雑解消のため

ルーブル美術館のピラミッドが建てられた理由としてもっとも一般的なのが、「入館時の混雑を解消するため」というものです。

ご存知の通り、ルーブル美術館には大勢の観光客が訪れ、ほぼ毎日のように入場待ちとなります。なかでも特に混雑するのがメインエントランス部分だったため、新しく造り直し、混雑を解消することになった訳です。

こうして造られたルーブル美術館のピラミッドは、近代的で開放的な雰囲気がありながらも、どこか古代の建築物を思わせるような造りになっています。

ピラミッドという『古代』のモチーフを使用し、『中世』的なルーブル美術館の建物の前に、あえて『現代』的なガラス張り建築を用いることにすることによって、古代・中世・現代の融合と昇華をイメージさせたかったともいえるでしょう。

サタンに関連するという噂もある

混雑解消が目的とされる一方で、「ルーブル美術館のピラミッドはサタンに関連している」という不吉な噂もあります。

この噂の発端は、建築中に出版された公式案内書に、「ピラミッドのガラスの総枚数は666枚である」と記載されたことにあります。

キリスト教圏では、「666」という数字はサタンと関連がある不吉な数字だと解釈されています。にもかかわらずあえてガラスの枚数を666枚にすることに、何か悪意があるのではないかという指摘がまきおこったのです。

また、後に映画にもなった大ヒット小説『ダ・ヴィンチ・コード』の作中に、「ミッテラン大統領の指示により、このピラミッドには666枚のガラス板が使われている」という記述があることも、噂の拡散を加速させました。

もっとも、(オカルト好きの人には興ざめかもしれまんが)実際のガラスの総枚数は673枚であることが分かっており、現在では単なるフランス版都市伝説として解釈されています。

ルーブル美術館のピラミッドの地下はロビー

エジプトのギザにある大ピラミッドの地下は、墓荒らしなどの侵入者を阻むために幾重にも罠が張り巡らされていたり、迷路状になっていたりと、とても謎めいた造りになっています。そのため、「ルーブル美術館のピラミッドの地下はいったいどうなっているのか」と、気になる人もいることでしょう。

しかし、メインエントランスという目的からもわかる通り、ルーブル美術館のピラミッドの地下に特に謎めいたものはありません。ピラミッドの地下は、メインエントランスから繋がる広々としたロビーとなっています。

このロビーを通ってルーブル美術館内部へと入っていく訳ですが、広々とした作りだけあって、入館時の混雑解消という目的はかなり果たせているのが感じられます。

ちなみに、ルーブル美術館正面の地下街には、ピラミッドを縮小して逆さにした「逆ピラミッド」 が造られており、天窓の役割を果たしています。

ルーブル美術館のピラミッドで混雑解消

ルーブル美術館のピラミッドは混雑を解消する目的で建てられたメインエントランスとなっています。合理的な目的もさることながら、そのデザインには、古代と近代を融合させるという設計者の意図が感じられます。

「似合わない」などと批判されることもあるようですが、いまやルーブル美術館のシンボルマークといっても過言ではないピラミッド。ルーブルにお立ち寄りの際は、この記事で紹介した内容を頭に入れておくと、また違った見方ができるかもしれません。

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