サイダーにまつわる豆知識、あたなはいくつ知ってる?

2019.06.17

日本人にとってサイダーは身近な飲み物ですが、ラムネとの違いやソーダとの違いをはっきりいえる人は少ないのではないでしょうか。ご当地サイダーや海外における意味など、サイダーにまつわる豆知識に詳しくなりましょう。

サイダーの基本

『サイダー』と聞いて誰もが思い浮かべるのは、瓶やプラスチック容器などに入った甘くて爽やかな炭酸飲料でしょう。昔からある人気の清涼飲料ですが、サイダーの定義やラムネと違いなどを明確に答えられる人は多くないでしょう。

そもそもサイダーとは

『サイダー』は、炭酸ガスを含むソーダ水の一種で、ソーダ水にクエン酸・香料・砂糖などを加えた清涼飲料を指します。

サイダーの語源は、フランス語で『リンゴ酒』を意味する『cider(シードル)』ですが、日本のサイダーにはアルコールは含まれていません。

日本において、サイダーが登場したのは、1868年(明治元年)といわれています。横浜の外国人居留地で設立されたノース&レー商会が「シャンペン・サイダー」の製造と販売をはじめました。

しかし、このシャンペン・サイダーは上流階級や特権階級以の人々には飲むことができなかったといいます。その後、日本人の手によって国内で流通される初のサイダー『金線サイダー』が生み出されました。

以降、さまざまなメーカーからサイダーが登場し、長く愛される飲料として親しまれています。

ちなみに2019年で現存する炭酸飲料の中では、『三ツ矢サイダー』が最も長い歴史を歩んできました。

イギリス人化学者ウィリアム・ガウランドが平野鉱泉を飲み物として「理想的な鉱泉」と認め1884年に『平野水』として発売されたのが、そのルーツです。現在の『三ツ矢サイダー』の名称となったのは1968年。130年以上の年月が流れました。

その途中には、製造会社の合併によって三ツ矢サイダーと金線サイダーが兄弟銘柄となり、その後、三ツ矢サイダーが残された歴史があります。

ラムネの由来

サイダーにそっくりな清涼飲料といえば『ラムネ』です。現在のラムネとサイダーに関していえば、中身はほとんど同じで明確な違いはありません。

あえて違いを挙げるとすれば、容器の形でしょう。『ラムネ』は瓶の口をビー玉で密閉する独特の形状で、イギリスのハイラム・コッドにより開発されました。

ラムネという名前の由来は、レモン水を意味する『レモネード』が訛ったものです。

もともとのラムネは炭酸水にレモンやライム、砂糖を加えたものだったそうで、当初は、サイダーは『リンゴ』、ラムネは『レモン』という違いがありました。

しかし、時代を経るうちに両者の差はなくなっていったのです。

ソーダとの違いは?

『サイダー』と似た飲料には『ソーダ』もあります。両者には明確な違いがあるのでしょうか?

『サイダー』は砂糖や香料で味付けされた炭酸飲料を指し、『ソーダ』は水に無機塩類と炭酸ガスを混ぜた純粋な炭酸水を指します。

ソーダには甘味料や香料などが含まれていないのでほぼ無味無臭です。この点がサイダーとの大きな違いといえるでしょう。

ちなみに、『ソーダ(soda)』は、『水酸化ナトリウム』や『炭酸水素ナトリウム』の意味をあらわすオランダ語が語源とされています。

サイダーは英語で何と言う?

海外に旅行に行ったとき、お店でサイダーを頼んで、思った通りのものが出てこなかったという経験はありませんか?『サイダー(cider)』という単語は、日本語と英語では意味が異なる点に注意しましょう。

英語はsoda pop

サイダーなどの炭酸飲料は英語で『soda pop』と呼ぶのが一般的です。

アメリカの場合は地域によって若干呼び名が変わり、『soda』という地域もあれば、『pop』というところもあるようです。南部にはコーラ以外の炭酸飲料も『coke』と一括りにする地域もあり、地域によって差があるといえるでしょう。

イギリスでは、炭酸飲料を『soda pop』や『fizzy pop』と呼びます。どちらにしろ、『サイダー』といういい方はしないことが分かります。

英語のサイダーは意味が違う

日本語で『サイダー』というと炭酸の入った清涼飲料水のことですが、英語では意味合いが違います。

アメリカやカナダには、主に『soft cider』と『hard cider(dry cider)』があります。『cider』または『soft cider』を注文すればリンゴジュース、『hard cider』なら、リンゴ果汁を発酵させて作った発泡酒が提供されるでしょう。

イギリスやオーストラリアでは『cider』といえば、アルコールが入ったリンゴの発泡酒(シードル)を指します。

日本と同じ感覚でサイダーを頼むと、全く違うメニューが出てくるため、現地でのサイダーの頼み方を覚えておく必要があるでしょう。

知っておくと便利、英語での注文方法

英語圏で炭酸飲料を飲みたくなったら、お店で『Can I have some soda pop(fizzy pop)?』または『I’ll have a glass of soda pop. 』といって注文しましょう。

『cider』と頼んだ場合はジュースやお酒が出てくる可能性が高いです。気をつけてください。

サイダーのアレコレ サイダーミルって?

アメリカと日本の『サイダー』が示す意味の違いが分かったところで、今度はアメリカでの『サイダー』の使われ方をいくつか紹介しましょう。

ミシガンの名物リンゴジュース工場

『サイダーミル』とは、ミシガンにある『リンゴジュース工場』のことです。

リンゴの収穫の時期になると、期間限定のサイダーミルがオープンし、とれたて・絞りたてのリンゴを使った『リンゴジュース』がふるまわれます。

ここでは、リンゴジュースを『アップルサイダー』と呼びますが、基本的には炭酸は入っていません。リンゴを圧搾した無濾過の100%ジュースで、子どもから年配者までおいしくいただけます。

『Parmenter’s Northville Cider Mill』や『Three Cedars Farm』などミシガンの各地には有名なサイダーミルがいくつもあり、親子でサイダーミルめぐりをする人も多いようです。

秋の味覚を楽しめる

サイダーミルでは、リンゴジュースと一緒にドーナツやパイを頬張るのが定番です。

場所にもよりますが、もぎたての生のリンゴやワイン、カボチャなども販売されており、まさに『秋の実り』がたっぷり楽しめる場所といえるでしょう。

リンゴやパンプキンなどの『味覚狩り』を行っているところもあります。ちょうどハロウィンの時期が近いことから、賑やかな雰囲気が味わえるでしょう。

映画の舞台にもなったサイダーハウス・ルール

『サイダーハウス・ルール(The Cider House Rules)』という映画をご存じですか?

1940年代のアメリカを舞台としたヒューマンストーリーで、99年に制作されて以来、『泣ける映画の代表作』として多くの人に愛されてきました。

『サイダーハウス・ルール』は、サイダーハウス内に設けられたルールやさまざまなできごとに向き合いながら生きる主人公たちを描いた作品です。

ここでいう『サイダーハウス』とは、リンゴ農園の季節労働者が寝泊まりする納屋のような場所を指します。日本でいう『サイダー』とは全く意味合いが違うことが分かるでしょう。

意外な使い方?サイダーを使ったネーミング

シュワシュワと湧き上がる泡や刺激の強い炭酸など、『サイダー』の持つ特徴やイメージからインスピレーションを受けた面白いネーミングも誕生しています。

炭酸系バンド サイダーガール

『サイダーガール』は、2017年にメジャーデビューを果たした日本のロックバンドで、『炭酸系サウンド』という新たなサウンドジャンルを掲げています。

公式HPによると、シュワシュワとはじける炭酸の泡のような『爽快感』や『儚さ』、『変幻自在』などをあらわしているそうで、澄み切ったメロディと躍動感のあるビート、そして青春時代をイメージした爽やかなPVは、まさにサイダーを彷彿させます。

PVには、サイダーガールの名前にふさわしいイメージガールが登場しているのにも注目しましょう。

サイダーガール オフィシャルサイト

劇場版アニメ サイダーのように言葉が湧き上がる

2020年に公開予定の劇場オリジナルアニメ『サイダーのように言葉が湧き上がる』にも、サイダーという言葉が使われています。

内容やあらすじは公開されていませんが、公式HPのティザームービーでは、白い雲が浮かぶ真っ青な空や、みずみずしい青田、そして2人の主人公が並ぶ様子が描かれています。

美しい背景の中でどんなストーリーが展開されるのか、2020年に期待しましょう。

劇場版オリジナルアニメ『サイダーのように言葉が湧き上がる』公式サイト

飲むのが楽しくなるご当地サイダー

旅の醍醐味の一つといえば、その地でしか手に入らない『ご当地サイダー』を味わうことでしょう。旅先で味わうのもよし、お土産にするのもよし、楽しみ方はさまざまです。

ご当地サイダーとは

『ご当地サイダー』とは、地域性や話題性をアピールするために、各地域で開発・商品化されたオリジナルサイダーのことです。

ほとんどは、その地域の中小企業や地域から委託を受けた業者が開発を手掛けており、全国規模で流通する製品との違いを明確にするために、『ご当地サイダー』または『地サイダー』という名前をつけています。

一部のインターネット通販を除き、基本的にその地元でしか販売していないのが特徴で、希少性があり、かつ話題作りにもなることから、旅のお土産やグルメとしても人気です。

日本全国150種類以上ある

ご当地サイダーの数は、日本全国で150種類以上にものぼります。都道府県ごとに数が決まっているわけではないため、7本、8本とご当地サイダーを多く出している県もあれば、少ない県もあるようです。

全国のご当地サイダーをグループ分けしてみると、『定番』『フルーツ系』『変わり種』に大別されます。いくつか例をあげてみましょう。

たとえば、『フルーツ系』は、『北海道産はすかっぷのサイダー』や『かぼすサイダー(大分)』など、特産品のフルーツを使ったものがほとんどです。

一方、話題作りや町おこしのために開発された『変わり種』は、『牛タンサイダー(宮城)』、『桜えびサイダー(静岡)』、『オリーブサイダー(香川)』など、味の想像がし難いサイダーも少なくありません。

サイダーの兄弟、ラムネなどもある

全国には、ご当地サイダーならぬ『ご当地ラムネ』や『ご当地コーラ』と呼べるものも多く販売されています。

たとえば、昔懐かしい『柴又ラムネ(東京)』や日本一大きい『富士山ラムネ(静岡)』、たこ焼きをイメージした『たこ焼き風ラムネ(大阪)』など、定番から変わり種までどれも個性豊かです。

『ご当地コーラ』では、ご当地カレーをイメージした『金沢カレーコーラ(富山)』、沖縄県伊江島の『黒糖コーラ』、八女抹茶とコラボした『八女抹茶コーラ(福岡)』などがあります。

パッケージはデザイン性が高く、どれも地元愛にあふれたものばかりなので、旅先ではぜひチェックしてみましょう。

爽やかなサイダーゼリーを作ってみよう

夏にぴったりで老若男女に好まれるスイーツといえば『ゼリー』でしょう。サイダーとゼラチンがあれば、爽やかなサイダーゼリーが自宅に簡単に作れます。

シュワっとした食感は夏のデザートに最適

炭酸の含まれるサイダーゼリーは、ゼラチンと果汁で作った通常のゼリーと一味違い、シュワッとした炭酸の食感を舌に感じます。

炭酸といっても、飲料のように強烈ではないので、強い刺激が苦手な子どもや年配者でも安心しておいしく食べられるでしょう。

ゼリーを作るには動物性由来の『粉ゼラチン』を使います。ゼラチンは味に癖が少ないので、サイダーの風味と甘みがしっかり味わえるはずです。

準備する材料

サイダーゼリーの材料はごくシンプルです。ゼリーを入れる器は、自宅にあるグラスやアルミのお弁当箱などどんなものでも構いません。ここではシンプルな材料のみを使った最も簡単なレシピを紹介します。

  • サイダー(加糖):200ml
  • 粉ゼラチン:5g
  • 水:小さじ4(ゼラチンを溶かすため)
  • ミントの葉:適量

粉ゼラチンおよび板ゼラチンの量は、水分量に対して2~3%の割合が理想です。詳しくは使用するゼラチンのパッケージを確認しましょう。

サイダーは好みのものでOKですが、ゼリーになるとシュワシュワ感が若干薄くなるので、炭酸が強めのものがおすすめです。

基本の作り方

それでは作り方を見ていきましょう。

  1. まず、冷水に粉ゼラチンを入れて溶かす作業を行います。電子レンジで20秒程度加熱すると液体になるので、すばやくかき混ぜましょう。
  2. ゼラチンの粗熱を十分にとり、『常温』のサイダーに溶かした粉ゼラチンを注ぎます。
  3. グラスにゼラチンが溶けたサイダーを注ぎ、ラップなどをして冷蔵庫で冷やし固めましょう。仕上げにミントの葉を飾って完成です。

サイダーを入れてから固まるまでが長いと、サイダーのシュワシュワ感は失われていきます。ゼラチンが固まる直前の少しとろみがついた状態でサイダーを入れるのがポイントです。

さらにおいしいアレンジレシピ

ゼラチンが固まる前にフルーツを投入したり、固まった後にさまざまなものをトッピングしたりして、自由なアレンジを楽しみましょう。少しリッチな気分になれるとっておきのアレンジレシピを紹介します。

フルーツをトッピング

みかんやピーチなどの『缶詰フルーツ』または旬の生フルーツを、固まった後のサイダーゼリーにトッピングするだけで見ためも味も豪華になります。

フルーツインゼリーを作りたいときは、ゼラチン入りのサイダーをグラスに流し入れる前に、あらかじめグラスの中に角切りにしたフルーツをセットしておきましょう。

小さじ1杯程度のレモン汁を加えるとほのかな酸味がプラスされます。

なお、生のパイナップルやキウイフルーツ、マンゴー、生桃などは、ゼラチンのタンパク質を分解する酵素が含まれています。

ゼリーが緩くなる恐れがあるため、別の果物に変えるか、『缶詰に加工されたもの』を使いましょう。

簡単でおいしい クリームソーダゼリー

ソーダゼリーに生クリームやアイスをトッピングすれば、見ためにも涼やかな『クリームソーダゼリー』になります。まずは以下の材料を用意しましょう。

  • メロンソーダ:200ml
  • 粉ゼラチン:5g
  • 水:小さじ4
  • ナタデココ:適量
  • 生クリーム:適量

まず、上記で紹介した『基本の作り方』を参考にして、ゼラチンを溶かし、メロンソーダと混ぜ合わせます。

グラスにナタデココをセットし、静かに流し込んだ後、冷蔵庫で冷やし固めましょう。メロンソーダがない場合は、普通のソーダにブルーキュラソやかき氷シロップを少量加えて色味を出す方法もあります。

アガーを使った透明感溢れるゼリー

「アガー」は、海藻の抽出物とマメ科の種子の抽出物の混合物で、90℃以上で溶け、30~40℃の常温で凝固しはじめます。

ゼラチンよりも炭酸のシュワシュワ感が抜けにくく、かつ透明度が高いので、素材の色合いを綺麗に出したい炭酸系のゼリーに最適です。なお、アガーの量についてはメーカーごとの記載を参考にしましょう。

  • ぶどうサイダー:150ml
  • 水:100ml
  • アガー:5g~
  • 砂糖:適量
  • デラウェア:適量

砂糖を使うときは、砂糖とアガーを顆粒の状態から混ぜておくとムラになりません。アガーを溶かす水は90℃前後に加熱し、アガーと砂糖を加えて手早くかき混ぜます。

さらに常温のサイダーを加えた後、果肉が入ったグラスに注ぎましょう。2種類の色のサイダーを使えば、美しい2層のゼリーも作れます。

リキュールを使った大人のゼリー

人気のカクテル『モヒート』を使って、ちょっぴり大人の味のさわやかなゼリーを作ってみましょう。最後の仕上げに、ふわふわに泡立てたゼリー、ミント、ライムを飾るとよりおしゃれになります。

  • サイダー:200ml
  • 粉ゼラチン:5g
  • 水:小さじ4
  • グラニュー糖:大さじ2
  • ラム酒:大さじ1
  • ミントやライム:適量

上記で紹介した基本の作り方と流れはほぼ同じです。グラニュー糖とゼラチンをお湯で溶いた後、サイダーとラム酒を混ぜ合わせてグラスに注ぎます。

全量の1/3量を他の容器に移し、泡だて器でふんわりと泡立てたものを上層にのせ、冷蔵庫で冷やし固めれば完成です。

身近にあるサイダーを楽しもう

昔からあるサイダーは日本人にとってなじみ深いものですが、文化が変われば意味が大きく変わります。

また、日本国内においても、『サイダー』と一括りできないほど多種多様なご当地サイダーがあり、その奥深さやサイダーへの並々ならぬこだわりに驚いたのではないでしょうか?

暑い夏やお風呂上りに飲むサイダーはスカッとしておいしいですが、食感や味の変化を楽しみたいという人は、ぜひ『サイダーゼリー』や『アレンジレシピ』に挑戦してみましょう。

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