昭和を代表する文豪「太宰治」。代表作品を一挙公開

2019.06.16

文豪「太宰治」が心血を注いだ珠玉の作品は、どれを読んでも感動を得ることをができます。その一方で私生活では退廃的で波乱万丈な人生を送った作家としても有名です。太宰作品がなぜ今なお注目を集め続けているのか、その人生のご紹介とともに作家としての初期・後期の代表作をご紹介していきます。

執筆に生きた人生

太宰治は当時の文学界でもその名を知らない人はいないほど有名な作家でした。文化人らしい奔放さと、誰にもつけ込ませない雄弁さは今でも広く語り継がれています。

太宰治は1909年に青森県で生まれ、幼少の頃から優秀な子供として育つものの、雑誌の懸賞で落選して自殺未遂を図ってしまうなど、精神的に不安定な面がありました。東京帝国大学に進学し、上京した後にも結婚相手とは違う女性と駆け落ちし心中を図るなど、自死に走ろうとする傾向は晩年まで続きます。1948年に38歳の人生に幕を閉じますが、遺書には「小説が書きたくなくなった」と書かれており、まさに作家として生まれ、作家としてだけ生きた人生とも言えるかもしれません。

初期〜中期の代表作

太宰作品は大きく初期、中期、後期の3つに分類することができます。その中でも初期から中期は、挫折を繰り返した青年時代から家庭を持って幸せを得るまでの期間に執筆されており、彼の人生における破滅から再生までの道筋を色濃く感じることができます。ここからはそんな太宰作品の初期から中期までの代表作を紹介していきます。

ダス・ゲマイネ

ダス・ゲマイネは1935年に発表された太宰治の初期作品の1つです。その内容は大学生の主人公が知り合った4人の仲間と雑誌を制作することになり、順調な滑り出しを見せるも、団結にほころびが生じて計画が頓挫し、無意味に走り回る主人公が電車に轢かれて死んでしまうという後味の悪いものとなっています。

走れメロス

走れメロスは1940年に発表された作品です。太宰治作品の中でも明るい作風が特徴となっています。主人公メロスが人間不信の暴君を暗殺しようとするも捕らえられてしまい、妹の結婚まで3日欲しいと懇願して、人質にした親友との帰る約束を果たすべく必死に走る様を描いています。親友との深い友情で暴君を改心させる展開は、現代においても道徳教育の現場に積極的に取り入れられています。

後期の代表作

太宰治の後期作品は堕落した生活に溺れ、家庭を顧みない生活を送る中で自身のことを題材とした破滅的な作品が多くなっています。ここからはそんな太宰治の後期代表作をピックアップして紹介していきます。

斜陽

斜陽は太宰治作品の中で唯一ベストセラーとなった作品です。自身の実家をモチーフにしたと明言されており、その生々しさゆえの美しさが評価されています。戦後に没落していく貴族たちが、多種多様な理由で破滅に向かっていく姿を描いてます。本作の題名は太宰治の記念館の名前として採用されていることでも有名です。

人間失格

人間失格は太宰治が人生に幕を閉じる1ヶ月前に書き上げた作品です。その内容は破滅的に知り合った女性と自殺未遂を繰り返す青年の手記となっており、太宰が送ってきた人生と一致する部分が多く「これは自白小説だ」と評する方も多いようです。

人間の儚さや脆さを感じる作品たち

太宰治の作品は、人の内面の内側にある深い闇を描写し、悲劇的なストーリーが多いのが特徴です。人のもつ儚さや脆さは、きれいごとでは語れない現実味を帯びています。この記事をきっかけに文豪「太宰治」作品に改めて注目してみてはいかがでしょうか。

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