リキュールのすべてが分かる。基礎知識からおすすめの飲み方まで解説

2019.06.16

リキュールの味わいは、原材料によって大きく異なります。自分好みのリキュールを見つけたいなら、まずはリキュールとはどんなものかを知っておく必要があるでしょう。リキュールの基本知識や飲み方のほか、人気のリキュールも併せて紹介します。

リキュールとはどんなお酒?起源は?

リキュールとは、スピリッツ(蒸溜酒)に様々な果実や草花の香味を移し、甘味料を加えて仕上げたお酒です。

酒類では『混成酒』に分類されますが、すべての混成酒がリキュールに該当するわけではありません。

混成酒でもビールがベースならビールに、ワインがベースならワインに分類されます。つまり『リキュール』と呼ばれるものは、ベースがスピリッツのものに限られるのです。

近年日本で人気の『第3のビール』も、何らかのスピリッツがベースになっていれば、『リキュール』に分類されます。

薬酒として作られたのが始まり

スピリッツベースのリキュールを作り広めたのは、中世ヨーロッパの修道士や錬金術師です。彼らは様々な香草や薬草をスピリッツに合わせることで、より体によい薬酒を造ろうと努めました。

15世紀になると大航海時代が始まり、リキュールの原材料は大幅に変化します。アジア産のスパイスや植物、砂糖などが使われるようになり、リキュールは嗜好品として好まれるようになりました。

さらに、18世紀に入って医学が進歩すると、リキュールの医学的価値は低下し、より味重視の傾向が強まります。加えて蒸留技術の発展により、19世紀後半以降は高濃度アルコールをベースにした、洗練されたリキュールも多数登場しました。

ちなみに、日本に西洋リキュールが入ってきたのは秀吉の時代で、当時『利休酒』とよばれていたものがリキュールではと推測されています。

リキュールの種類を知ろう

種類が多く分類は困難といわれるリキュールですが、多くの場合リキュールに使われた『芳香性原料』によって四つに大別されます。

それぞれの種類について特徴や風味を理解しておけば、飲みたいリキュールを選ぶ際、大いに役に立つでしょう。

薬草、香草系

『薬草・香草系』に分類されるのは、ハーブや薬草、スパイスなどを主原料としているリキュールです。リキュールの起源が薬酒であったことを考えると、最もオリジナルに近いリキュールといえるでしょう。

代表的なものとしては、以下のようなリキュールがあります。

  • グリーンティーリキュール:緑茶
  • イェーガーマイスター:56種類のハーブ
  • イザラ:ハーブ、花液

風味としては、ハーブの香りや独特の苦みが特徴です。他種のリキュールのアクセントとして、隠し味的にごく微量が混ぜられることも珍しくありません。

果実系

『果実系』に分類されるのは、果肉や果汁、果皮を主原料としているリキュールです。甘く飲みやすいため嗜好品として好まれるほか、お菓子作りにも重宝されます。

代表的なものとしては、以下のようなリキュールがあります。

  • キュラソー:オレンジの果皮
  • リモンチェッロ:レモン
  • 梅酒:梅

果実系リキュールは、風味が華やかで甘いのが特徴です。ストレートやソーダ割など、多様な飲み方で楽しまれています。

ビーンズ、ナッツ、カーネル系

『ビーンズ、ナッツ、カーネル系』に分類されるのは、ナッツや果実の種、コーヒー豆などを主原料としているリキュールです。

代表的なものとしては、以下のようなリキュールがあります。

  • コーヒーリキュール:コーヒー豆
  • アマレット:アンズの核
  • ヘーゼルナッツリキュール:ヘーゼルナッツ

これらのリキュールは、濃厚な風味と甘みが特徴です。個性的な味わいのものが多いため、主に食後酒として親しまれています。

その他

『その他』に分類されるのは、近代技術の発展によって誕生した比較的新しいリキュールです。代表的なものを以下に紹介します。

  • クリームリキュール:クリーム
  • アドヴォカート:卵

その他に分類されるリキュールは、卵やクリームのほか、原材料も様々です。

リキュールの主な製造方法

リキュールは、『香味抽出』『ブレンド』という過程を経て製造されます。さらにこの後、『熟成』『濾過』までが終われば、リキュールは完成です。

これらの工程のうち、リキュールの性質を決める重要な工程が香味抽出ですが、その方法は大きく分けて四つあります。それぞれについて、抽出方法とその特徴を紹介します。

蒸溜法

『蒸留法』は、『単式蒸留機』を使用する抽出方法です。

この方法では、ベースとなるスピリッツと原材料を『単式蒸留器』に入れ、アルコール分と一緒に香気成分を溜出します。

果実皮や種子類など『精油分』を多く含む原材料で採用されることが多い一方、熱によって成分が変化する原材料については、不向きとされる抽出方法です。

浸漬法

最も古いリキュール製法の一つが『浸漬法』です。これは蒸留を行わない抽出方法で、『冷浸法』『温浸法』の二つがあります。

まず、冷浸法とは、ベースのスピリッツに原材料をそのまま浸けて、香気成分を抽出する方法です。浸ける期間は原材料や環境によって異なりますが、数日~数カ月が一般的です。

一方、温浸法では、あらかじめ原材料を湯に浸けて成分を抽出します。その後、湯が冷えたところにスピリッツを加え、さらに浸漬させて成分を抽出するのです。

一般的に、果肉がデリケートなベリー系の原材料は冷浸漬法が、ハーブ系の原材料には温浸法が適しているといわれています。

パーコレーション法

『パーコレーション法』とは、ベースとなるスピリッツを循環させて、原材料から成分を抽出する方法です。

スピリッツは一定速度で原材料を循環するため、ただ浸すだけの浸漬法と比較すると、抽出できる成分はより多くなります。

主に、焙煎コーヒーやカカオから成分を抽出する際に用いられる抽出方法です。

エッセンス法

『エッセンス法』とはベースとなるスピリッツに天然、あるいは合成の香味精油を溶かし込み、『香味液』を作る方法です。

単独で使われることは稀で、通常は蒸留法や浸漬法と併用されることが多いでしょう。

リキュールの美味しい飲み方

リキュールの飲み方に決まりはありませんが、たとえばストレートで飲む場合とソーダで割った場合では、味わいは全く異なります。

気分やスタイルに合わせてリキュールを楽しむには、どんな飲み方があるのか知っておくべきでしょう。

リキュールを美味しく飲める、五つの飲み方を紹介します。

ストレートはリキュールグラスで

ストレートとは、何も混ぜたり足したりせず、そのままリキュールを味わう飲み方です。小ぶりで飲み口の狭い『リキュールグラス』に注げば、リキュール本来の味や香りをしっかりと堪能できるでしょう。

リキュールは『何かで割る』というイメージを持つ人が多いですが、ストレートで飲んでも十分に美味しいお酒です。

ただし、中には『アルコール度数40度以上』というようなアルコール度数の高いリキュールもあります。このようなリキュールをストレートで飲む際は、ゆっくり少量ずつ飲むよう注意してください。

味の変化を楽しめるロック

『ロック』は、リキュールに加えた氷によって味わいの変化を楽しめる飲み方です。

飲み始めは強く感じるリキュールの味や香りは、氷が溶けるにつれて薄まっていき、やがてすっきりとした飲み口に変わります。

時間が経つごとに味わいが変化していくので、時間をかけてリキュールを味わいたい時におすすめの飲み方です。

さっぱり飲みやすいソーダ割り

軽快にリキュールを味わいたい人は、『ソーダ割り』を試してみてはいかがでしょうか。

『ソーダ割り』は炭酸の飲み口がさっぱりと心地よい一方で、リキュールの風味も損なうことなく楽しめる飲み方です。喉ごしがよく飲みやすいので、リキュールの飲み方としては非常にポピュラーといえるでしょう。

お酒が弱い人はグラスに氷をたくさん入れて飲むと、飲みやすくなります。

一方、リキュールの美味しさもしっかり味わいたい人は氷を入れず、キンキンに冷やしたソーダで楽しんでください。

アルコール度数が気になるなら水割りで

「ストレートのリキュールは強すぎる」という人は、リキュールに水を加えた水割りで味わってみましょう。水で薄めればアルコール度数も下がるので、ゴクゴク飲みたい時にもおすすめの飲み方です。

ソーダ割りと比較すると口に残る刺激が少ない分、リキュール本来の香りや味わいをしっかりと楽しめます。

色々なアレンジができるカクテル

他のお酒やリキュール、ジュースなどを合わせたものが『カクテル』です。同じリキュールをベースに使っても、アレンジによって味や色味は全く異なるので、多種多様な楽しみ方ができます。

中にはジュースのように甘く飲みやすいものもあるため、普段お酒を飲まない人でも比較的抵抗なくリキュールを満喫できるのではないでしょうか。

リキュールの賞味期限と保存のコツ

基本的にアルコールと甘味料で作られるリキュールは、賞味期限が長く設定されているものが多くあります。しかし、美味しく飲むなら、開封後はやはり早めに飲みきるのがよいでしょう。

リキュールの賞味期限と、保存方法について紹介します。

未開封、開封後の賞味期限

リキュールの賞味期限は、『未開封か開封後か』で異なります。

まず、未開封のリキュールについては、適切な環境で保管されていれば、数年間は変わらぬ味を楽しめるでしょう。

一方、開封したリキュールは、空気に触れたことにより酸化が始まり、痛みやすくなっています。賞味期限は原材料やアルコール度数、糖分含有量によって異なりますが、いずれにしても、開封したら早めに飲みきるのがよいでしょう。

また、アルコール度数が低く糖分含有量も少ない『クリーム系』『果実系』リキュールは、他のリキュールと比較して、原材料の劣化に伴う味の変化を感じやすい傾向にあります。

フタをしっかり閉め、冷暗所で保存する

リキュールを保管する際は、フタをしっかりと閉めて酸化を防ぎ、冷暗所で保存するのが基本です。

直射日光や高い湿度・温度はリキュールの質を著しく低下させます。リキュールを保管する際は、『保管するのに向いている場所かどうか』を意識して、置き場所を選びましょう。

室内に適切な場所が見つからない場合は、冷蔵庫で保管し、早めに飲みきることをおすすめします。

人気はコレ、おすすめリキュール7選

リキュールの種類は豊富で、名前を聞いただけでは味が想像出来ないものも多々あります。好みのリキュールを見つけて楽しむには、まずはどんなリキュールが人気なのか知っておくとよいでしょう。

人気の高いリキュールの中から、選りすぐりの7品を紹介します。

ルジェ クレーム ド カシス

『ルジェ クレーム ド カシス』は、フランスのプレミアムリキュールブランド『ルジェ』が製造しているリキュールです。

なかでもこの『ルジェカシス』は1841年年から製造されており、カシスリキュールの元祖とも言われています。

厳選されたフランス産カシスのみを使用したリキュールは、カシス本来のフルーティさや香りを存分に味わえる逸品です。保存料や添加物は一切使用されていないので、ナチュラル製法にこだわる人にもおすすめです。

  • 商品名:サントリー ルジェ クレーム ド カシス
  • 価格:1484円(税込)
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カルーア  コーヒー

『カルーア  コーヒー』は、数あるコーヒーリキュールの中でも最もポピュラーなコーヒーリキュールの一つです。

コーヒーの風味をしっかり残しつつまろやかで口当たりのよいリキュールは、普段お酒を飲まない人でも飲みやすく感じるのではないでしょうか。

基本的にはミルクで割った『カルーアミルク』が定番ですが、コーラと合わせたり紅茶と合わせたりなど、様々な楽しみ方があります。ただし、アルコール度数は20度と高いので、飲み過ぎには注意しましょう。

  • 商品名:サントリー カルーア コーヒー
  • 価格:1278円(税込)
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マリブ

『マリブ』は1980年にイギリスで開発された、ラムベースのココナッツリキュールです。開発当初のコンセプトは、『カジュアルでミキサビリティーの高いお酒』というだけあって、どんな飲み物に合わせても美味しく頂けるでしょう。

特に人気の組み合わせは、コーラを合わせた『マリブコーラ』や、パインジュースを合わせた『マリブパイン』です。

マリブコーラはマリブの定番とも言える飲み方で、コーラの爽快感とココナッツの甘みが絶妙にマッチしています。

一方、マリブパインは、トロピカルムード満点の飲み方です。見た目もカラフルで美しいので、ちょっとおしゃれに飲みたい時にいかがでしょうか。

  • 商品名:サントリー マリブ キューティーボトル
  • 価格:1580円(税込)
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ディサローノ アマレット

アマレットとは、アーモンドやココナッツのような香りが特徴のリキュールです。

原材料には『杏の核』が使用されており、香りを嗅ぐと、杏仁豆腐を思い出す人も多いのではないでしょうか。口に含むとほろ苦さも感じられ、甘過ぎず後味のよいリキュールです。

『ディサローノ アマレット』は、アマレットの元祖と言われる『ディサローノ社』が製造するアマレットです。口に含むとアーモンドやバニラの上品な甘さと香りが広がり、フルーティーさも感じます。

どんな飲み物とも好相性のアマレットですが、ソーダやミルクで割るのが一般的です。特にミルク割りは杏仁豆腐のような味わいで、デザート感覚で楽しめるでしょう。

  • 商品名:ディサローノ アマレット
  • 価格:2138円(税込)
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カンパリ

『カンパリ』は、『カンパリ社』が1860年代に生み出した、ハーブリキュールの代表格です。カンパリ社はレシピを非公開としているものの、味わいはハーブ特有のほろ苦さや風味が特徴です。クセが無く、すっきり飲みたい時に最適でしょう。

定番は、ソーダで割った『カンパリソーダ』ですが、甘みが欲しい人にはオレンジジュースで割った『カンパリオレンジ』も人気です。

さらにさっぱり飲みたい気分なら、トニックで割った『カンパリトニック』も試してみてはいかがでしょうか。

  • 商品名:サントリー カンパリ
  • 価格:1600円(税込)
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ルジェ クレーム ド ピーチ

『ルジェ』が製造するピーチリキュールが『ルジェ クレーム ド ピーチ』です。原材料には南仏の陽光をたっぷりと浴びたピーチが使用されており、ピーチ特有のフルーティな甘さと芳醇な香りを楽しめます。

柔らかいピーチの甘みはソーダやレモンを加えると風味がさっぱりし、甘すぎる味が苦手な男性も飲みやすい味になります。

  • 商品名:ルジェ クレーム ド ピーチ
  • 価格:1487円(税込)
  • Amazon:商品ページ

その日の気分に合ったリキュールを楽しもう

リキュールはハーブやフルーツ、ナッツなどを原材料としたバリエーション豊かなお酒です。選ぶリキュールによって味わいや風味は全く異なるため、基礎的な知識は得ておいた方がよいでしょう。

家族や仕事仲間、あるいは恋人と一緒に、お気に入りのリキュールを飲みながら楽しいひとときを過ごしましょう。

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