最高級の塩と濃厚バターの焼き菓子「ガレットブルトンヌ」とは?

2019.06.15

ガレットブルトンヌは、塩作りと酪農が盛んなフランス・ブルターニュ地方ならではの伝統菓子です。サクッとした食感とバターの濃厚な風味は老若男女に好まれるでしょう。ガレットブルトンヌの作り方や購入できるお店を紹介します。

ガレットブルトンヌの基本

『ガレットブルトンヌ』という名前に聞き覚えがない人でも、実物を見たらピンとくる人は多いでしょう。

伝統的で素朴なフランスの郷土菓子ですが、日本の洋菓子店でも見かけることが多いポピュラーなスイーツです。

ガレットブルトンヌとは

『ガレットブルトンヌ』とは、フランスのブルターニュ地方に古くから伝わる伝統的な焼き菓子のことです。

『ガレット』とは丸くて平たい形をしたお菓子の総称で、ブルトンヌはフランス語で『ブルターニュの』という意味があります。

ブルターニュ地方は、昔から酪農や伝統製法による塩作りが盛んな地域で、家庭ではバターやチーズなどの乳製品を使ったお菓子や料理が多く作られてきました。ガレットブルトンヌはその代表格といえるでしょう。

厚焼きのクッキーにそっくりですが、バターがたっぷり使われているのでサクッとやわらかく、塩味がきいているのが特徴です。

洋菓子専門店などで扱っており、フランス国内はもちろん、日本でも購入ができます。

コーヒーや紅茶との相性が良く、ティータイムに添えたりお土産にしたりすると喜ばれるでしょう。

フランスのブルターニュ地方から発祥

ガレットブルトンヌには『ブルターニュのガレット』という意味があるように、フランス西北部にあるブルターニュ地方で誕生しました。

良質な酪農の産地として知られるブルターニュ地方では、昔からバターやチーズなどのさまざまな乳製品が生産されています。

また、西海岸にあるゲランド塩田はローマ時代から続く世界有数の製塩地帯で、ここでとれる『ゲランド塩』は世界中の有名シェフも絶賛するほどのクオリティの高さです。

このような背景の中で生まれたのが、『有塩バター』をふんだんに使ったさまざまな伝統菓子です。

ブルターニュには、ガレットブルトンヌのほかにも、キャラメルブールサレやサブレなど、有塩バターを使った有名なお菓子が多くあります。

バターと塩味が重要なお菓子

食べた人ならわかるように、ガレットブルトンヌは、香ばしい風味と程よい塩味、そしてサクサクとした食感が魅力です。『バター』と『塩味』がなければガレットブルトンヌではないといっても過言ではないでしょう。

塩味といっても、お菓子に塩を入れているわけではなりません。この独特な味わいの鍵を握っているのが『有塩バター』です。

ブルターニュ地方でバターといえば有塩バターが一般的で、バターを使ったお菓子は自然と塩味を帯びたものになり、主に2つの種類があります。

  • ドゥミ・セル:0.5~3%の塩分を添加したバター
  • サレ:3%以上の塩分を添加したバター

日本では癖のない『非発酵バター』が多いですが、ヨーロッパのバターは『発酵バター』が主流です。発酵バターは原料を乳酸菌によって発酵させるため、独特の風味と深いコクもあります。

加えて、フランスのバターは日本よりも塩味がかなり強めなことも特徴です。

ゲランド塩の特徴

ブルターニュ地方の有塩バターには、グランド塩田から採取された『ゲランド塩』が含まれます。この『ゲランド塩』とは、どんな塩なのでしょうか?

人工的な製塩方法が多い中、ゲランド塩田では自然の力を最大限に生かした伝統的な製法が用いられます。

これは、潮の干満の差を利用して海水を塩田に引き込み、太陽と風の力だけでゆっくりと結晶化するという方法(天日塩)で、採取された塩からは、ほのかな甘みとコクが感じられるのが特徴です。

ブルターニュではバターを作る際に、この海塩をたっぷりと練り込んでいきます。

ガレットブルトンヌは、こうした最高級の塩と濃厚なバターで作られた上質な焼き菓子ともいえるでしょう。

ガレットブルトンヌのカロリー

バターを使った焼き菓子は「食べ過ぎると太る」といわれますが、ガレットブルトンヌは、どの程度のカロリーなのでしょうか。

1個あたり200kcalほど

ガレットブルトンヌのカロリーは1個あたり200kcal前後です。バターをふんだんに使っている分、ほかのクッキーやビスケットよりも脂質が多く、塩分含有量も多めです。

市販の板チョコ(75g)1枚のカロリーが400~500kcalなので、ガレットブルトンヌを2個食べただけで、板チョコ1枚と同等になるでしょう。

白米中盛り1膳分もおよそ200kcal弱です。

食べ過ぎには注意

ガレットブルトンヌは、紅茶やコーヒーとの相性が良く、1枚また1枚と手が伸びてしまうでしょう。バターがたっぷり使われているので、中には1枚食べただけでお腹いっぱいに感じる人もいるかもしれません。

しかし、1枚だけでも白米1膳分ほどのカロリーがあるため、たくさん食べると太る可能性があります。

ブルターニュ地方のお土産でもらうことも多いですが、太るのが気になる人は食べる量をセーブしましょう。物にもよりますが、個装されているものは、20日~1カ月ほど日持ちします。

ガレットブルトンヌのレシピ

ガレットブルトンヌは家庭で食べ続けられてきた庶民的なお菓子なので、オーブンと材料があれば日本の家庭でも比較的簡単に作れます。

オーブンから漂う香ばしいバターの香りも手作りならではの楽しみでしょう。

必要な材料

約6cmの丸セルクルを使って約8個のガレットブルトンヌを作るときの、主な材料を紹介します。

  • 無塩バター:100g
  • 塩:小さじ1/2
  • 粉糖:60~80g
  • 薄力粉:100g
  • ベーキングパウダー:1/2
  • 卵黄:1個
  • アーモンドプードル:20g
  • バニラエッセンス:1/2
  • ラム酒:小さじ1
  • 仕上げ用の卵黄:適量

ブルターニュでは強い塩味のきいた『有塩バター』を使うのが一般的ですが、ここでは料理に使いやすい『無塩バター』に適量の塩を加えて作る方法です。

基本的な作り方

  1. バターは1cm角に切り、常温でやわらかくしておきます。バターに塩、粉糖を加えて混ぜた後、卵黄・バニラエッセンス・ラム酒を加えて混ぜ合わせましょう。
  2. さらに、ベーキングパウダーと薄力粉を加え、パサつきがなくなるまで混ぜ合わせたらひとまとめにし、ラップをかぶせて冷蔵庫で1時間寝かせます。
  3. 冷蔵庫から取り出した生地を約1cmの厚さに伸ばし、セルクルで型抜きします。
  4. 生地の表面に模様をつけ、ツヤ出し用の卵黄を刷毛で塗った後、セルクルに入れたまま、170度のオーブンに入れてこんがりと焼き上げましょう。

表面の模様の出し方

ガレットブルトンヌの特徴の一つとして、表面についた『筋状』や『格子状』の模様があげられます。

セルクルで型抜きをした後、フォークを使って表面をデザインしていきましょう。それが浅いか深いか、または細いか太いかによって焼きあがった際の模様の出方が異なります。

ただし、模様の付け方に厳密な決まりはないので、自由な発想でアレンジを楽しみましょう。

ガレットブルトンヌ作りのポイント

ガレットブルトンヌをおいしく、美しく作るためのポイントを紹介します。どんな焼き菓子にもほぼ共通するので覚えておくとよいでしょう。

薄力粉はしっかり振るう

薄力粉とベーキングパウダーは混ぜる前に、『ふるい』を使ってしっかりと振るっておきましょう。粉のかたまりを除くと同時に、粉に空気を含ませてふんわりと仕上げる目的があります。

2回ほど繰り返してふるっておくと、混ぜたときにダマができにくいです。

また、『薄力粉』と『ベーキングパウダー』の2種類の粉を一緒にふるうことで、両者が均等に分散されます。

無塩バターは空気を含ませる

最初の作業は、室温で戻しておいた無塩バターを混ぜることですが、泡だて器を使い『白っぽくなるまで混ぜる』のがポイントです。

バターは空気をたっぷり含むと、黄色から白色に変わります。焼き上がりがふんわりとおいしく仕上がるので、この一手間を大切にしましょう。

なお、バターは電子レンジを使うとドロドロに溶けてしまい、混ぜても空気を含ませることができなくなってしまいます。

『常温』か『解凍モード』で、少しやわらかくする程度にとどめましょう。

薄力粉を混ぜる時はさっと混ぜる

バターに薄力粉を混ぜるときは、練らずにさっと混ぜるのがポイントです。

ガレットブルトンヌに限らずクッキー全般にいえることですが、混ぜすぎると『グルテン』というネバネバ成分が生成され、焼きあがった後のサクッとした歯触りが半減してしまうのです。

粉を混ぜるときは、ぐるぐると回さず切るように混ぜていきましょう。めん棒で伸ばすときも、練らずに『重ねる・押さえる』の繰り返しで平らにしていきます。

セルクルがないときの代用型

ガレットブルトンヌの丸く整った形は『セルクル』で丁寧に型抜きされたものです。セルクルが自宅にない場合は身近なものを代用してみましょう。

アルミカップを使う方法と、牛乳パックを利用した代用型の二つのアイディアを紹介します。

代用はアルミカップを使う

用意するものは、直径5cmほどの『グラスコップ』と、お弁当のおかずを乗せるときに使う8~9号サイズの『アルミカップ』です。

  1. まず、アルミカップ2枚を重ね、広げてしわを伸ばします。グラスの上に2枚一緒にのせ、縁をなぞるようにして直径5cmの入れ物を作りましょう。
  2. 『生地抜き』するときは、ここで使用した『直径5cmのグラス』を使って抜いていきます。すると、生地は、先に作ったアルミカップの入れ物にぴったり収まるサイズになります。
  3. オーブンで焼く際は、アルミカップに生地を入れたまま焼き上げましょう。生地が熱でダレたり、膨張したりすることがなく、綺麗な形に焼きあがります。

代用型の作り方

今度は、『牛乳パックとアルミホイル』を使い、セルクルの代用型を作ってみましょう。

  1. 牛乳パックを1面ずつ切り離し、1面をさらに縦に二等分にカットします。このカットした部分をさらにホチキスで縦につなげ、セルクル型の直径ができる長さ(30cm前後)でカットします。
  2. 次に、カットした牛乳パック全体にアルミホイルを巻きましょう。
  3. アルミホイルを巻いた後は、くるっと曲げて丸いセルクル型を作ります。接合部分は約1.5cmほど重ね、ホチキスでしっかりと止めて完成です。コップなどで型抜きした生地を代用型に入れて焼き上げましょう。

作り方のポイント

『アルミカップを使った型』の場合は、アルミカップを必ず2枚重ねるのがポイントです。強度が出て、ガレットブルトンヌが膨張したときにも型崩れしません。

また、アルミカップには、白い薄紙が付いているので、くれぐれも取り除くのを忘れないようにしましょう。

『牛乳パックを使った型』の場合は、牛乳パック全体にアルミホイルを隙間なく巻くようにします。

隙間があるとパックの印刷の色が天板に写ってしまったり、ラミネートが溶けてしまったりする場合があるためです。

ガレットブルトンヌが購入できるお店

「ガレットブルトンヌを手作りする暇がない」という人は市販のものを購入しましょう。ブルターニュ地方の特産品として現地やネットで購入できるほか、日本国内では以下の場所で手に入ります。

ロイズなどのお菓子販売店

ガレットブルトンヌが最も手に入りやすいのは、洋菓子を中心に扱う菓子販売店です。

たとえば、札幌市に本社を構える大手菓子メーカーの『ロイズ』では、発酵バターをふんだんに使ったブルトンヌを取り扱っています。箱入りで個装されているので、友人に配るのに最適です。

また、全国にチェーン展開する『シャトレーゼ』や『銀座コージーコーナー』でも購入が可能です。それぞれの店舗ごとに個性があるので食べ比べてみるのもいいでしょう。

業務スーパーでも購入可能

最近では、業務用向けにさまざまな食材を扱う『業務用スーパー』でもガレットブルトンヌが手に入るようです。

特に、欧米の輸入食材を扱う業務用スーパーや輸入食品店で見つかる可能性が高いので、店内をくまなくチェックしてみましょう。

業務用スーパーのお菓子は、洋菓子専門店で購入するよりもリーズナブル、かつ大容量なので普段のおやつ用にぴったりです。

シンプルな材料のみで作られ、添加物も少なめのものが多いですが、カロリーが高いので食べ過ぎには注意しましょう。

パレットとガレットの違い

店内を眺めていると、ガレットブルトンヌに似た名前の『パレットブルトンヌ』というお菓子があることに気づく人もいるでしょう。

前述した通りブルトンヌは「ブルターニュの」という意味がありますが、『パレット』と『ガレット』違いはなんでしょうか?

本場では、焼き菓子の中でも比較的薄いものをガレット、より厚みのあるものをパレットと呼び分けているそうです。

ガレットブルトンヌでも日本人にとってはかなりの厚焼きなので、パレットブルトンヌは『超厚焼き』に見えることでしょう。

ガレットブルトンヌよりも、バターの量がやや多めで、ざっくりとした食感と濃厚な風味が楽しめます。

ガレットブルトンヌがおいしいおすすめ店

おいしいガレットブルトンヌが購入できる洋菓子店を紹介します。

自分用としてはもちろん、友人へのギフトや職場の同僚への差し入れにすると喜ばれます。他の焼き菓子との詰め合わせにしてもいいですね。

東京 エシレパティスリー オ ブール

エシレパティスリー オ ブールは『エシレバター』をふんだんに使った焼き菓子の専門店で、東京新宿区に店舗を構えています。

エシレバターはフランス中西部のエシレ村で作られる発酵バターで、なめらかな口当たりとの濃厚な香りが特徴です。高級バターとして知られ、世界のパティシェや料理人も絶賛するほどです。

エシレバターを使ったガレットブルトンヌはホロホロとした食感で、バターの旨みがゆっくりと口の中に広がります。円筒状のケースに入った5枚入りは1200円で、ちょっとしたギフトにぴったりでしょう。

そのほかにも、『サブレ ナンテ』や『バトン フロマージュ』などエシレバターを使ったいろいろな焼き菓子が購入できます。

  • 店名:エシレパティスリー オ ブール
  • 住所:東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿店 本館B1F
  • 営業時間:10:30~20:00
  • 定休日:不定休

大阪 ビスキュイテリエ ブルトンヌ

ブルトンヌという店名からもわかるように、フランス・ブルターニュ地方の焼き菓子を中心に扱う専門店で、阪急うめだ(本店)・新宿・池袋に店舗を構えます。

オンラインショップもあり、素朴で温かみのあるたくさんの焼き菓子を扱っているのが魅力です。

ブルターニュの古きよきおいしさを大切にすることをコンセプトに掲げているので、本場にかなり近いガレットブルトンヌが味わえるでしょう。

ビスキュイテリエブルトンヌのガレットブルトンヌの特徴は、ブルターニュ特産の『ゲランドの塩』をほんのりきかせて焼き上げていることです。

こんがりとした焼き目や模様が美しく、頬張るとほのかにラム酒の香りがします。

  • 店名:ビスキュイテリエ ブルトンヌ
  • 住所:大阪府大阪市北区角田町8-7 阪急うめだ本店 地階1F
  • 電話番号:06-6313-0206
  • 公式HP

フランスの伝統菓子を味わおう

美食の国といわれるフランスには、さまざまな料理やスイーツがあり、その多くは色とりどりです。一方で、昔ながらの素朴でシンプルな伝統菓子も多く愛されています。

特に、ガレットブルトンヌは、風味豊かなバターの香りとサクサクの食感が特徴で、子どもから年配者まで幅広い層に好まれるでしょう。

スーパーや洋菓子店、通販などで手に入るのでぜひじっくりと味わってみましょう。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME