近代文学史のビッグネーム「芥川龍之介」の代表作品を紹介

2019.06.15

近代日本文化史にその名を遺した文豪「芥川龍之介」。今なお芥川作品は世界中で愛され読み手を魅了し続けています。なぜこれほどまでに芥川龍之介作品は愛さて続けているのか。名前は知っていても、実はまだどの作品も読んだ経験が無い方も多いのではないでしょうか。この記事では芥川龍之介の生涯やぜひ読んで欲しいおすすめの代表作品をご紹介していきます。

芥川龍之介の短い生涯

バサリとかきあげた髪型が印象深い芥川龍之介。芥川作品をご紹介する前に、芥川龍之介その人のことについて簡単にご紹介していきます。

繊細かつ文化人すぎた天才

芥川龍之介は1892年に東京中央区で誕生しました。生みの母親は精神疾患を患っていたため、伯母、伯父に引き取られ成長していくこととなります。その後は東京帝国大学(現在の東京大学)に進学し、当時すでに著名であった夏目漱石に弟子入りをします。同学を卒業後は英語教師として働く側で執筆業を営み、芥川作品の中でも最も有名な「羅生門」を発表します。

その後も、数多くの作品を世に送り出しますが、その側で不眠症や数多くの精神疾患を患い、心身ともに疲弊していきます。1927年7月に自宅で帰らぬ人となってしまいました。幼少期より並外れた繊細な感性の持ち主だった芥川は文化人として世間の評価を集めながらも、埋めることができない心の隙間を抱えながら生きることへの葛藤があったのかもしれません。

初期の代表作

芥川龍之介の作品の多くは、師事していた夏目漱石と同じく知識人の苦悩を題材にしています。劇的な描写の合間に緻密かつ自然な心理描写を描く彼の作風は初期の代表作に顕著に現れています。まずは初期の代表作をご紹介します。

羅生門

羅生門は、芥川龍之介の初期の代表作であり最も知名度の高い作品です。平安期を舞台とした説話を集めた今昔物語集を軸に執筆されています。そのストーリーは、平安京の正面門にあたる羅生門で失業した下人が、遺体から髪を抜いて生計を立てる老母と対立してから、悪人へ変わっていく様を描いています。正義感が悪心へと変わっていく心理描写は、芥川龍之介の真骨頂とも呼ぶべき高い表現力があります。

鼻は、羅生門と同じく今昔物語集をベースにした時代物の作品です。自分の長い鼻にコンプレックスがある僧が人に笑われることに耐えられず、医者から教わった方法で鼻を短くするも、さらに笑われてしまう展開を生々しい心理描写とともに描いています。人間の感情の起伏を、簡潔な方法で作品に封じ込めています。

商品名:羅生門・鼻 (新潮文庫) 文庫 参考価格:400円(税込) Amazon商品ページはこちら

後期の代表作

芥川龍之介の後期の代表作は、自身の疲弊感を表現するように、死生観について描写する作品が多くなっています。後期作品の中から2作品ご紹介します。

河童

河童は芥川龍之介が作品と通して世間を批判したとも言われるほど、当時の社会を緻密に風刺した作品です。精神病患者が語った物語として始まる本作は、山登りをしている際に河童を発見し、追いかける中で河童の世界に迷い込んでしまうファンタジーのような展開が続きます。しかし河童の国では人間世界とは真逆の論理、社会制度が存在しておりその世界観に主人公が飲まれていく様を描いています。

商品名:河童・或阿呆の一生 (新潮文庫) 参考価格:432円(税込) Amazon商品ページはこちら

歯車

歯車は芥川がこの世を去った後に発見された遺作です。主人公が幽霊を目撃して以降次々の周囲で起こる不可解な出来事に翻弄されていく様子が描かれています。作中で描かれている事は実際に現実社会で起きたことも含まれており、芥川龍之介本人を主人公に描いているとも言われています。

商品名:歯車(青空文庫PODポケット版) 参考価格:540円(税込) Amazon商品ページはこちら

繊細な心理描写が魅力の芥川作品に触れてみよう

芥川龍之介の作品は、繊細な心理描写が描かれた作品が多いのが特徴です。ある種完璧とも言える表現力の豊かさに触れることで、近代文学の根幹のようなものを感じることができます。ぜひ実際に芥川龍之介の世界観に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

「小説」のその他の記事
その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME