ジンとはどんなお酒?歴史から美味しい飲み方・おすすめ銘柄まで徹底解説

2019.06.15

カクテルの材料として使用されることも多いジンは、どのようなお酒なのかを知らない人も多いのでしょう。4大スピリッツの一つであるジンにはいろいろな種類があり、ボタニカルな香りと爽やかな味が特徴です。そんなジンを楽しむための基本を紹介します。

まずは押さえたいジンの基本

まずはジンがどのようなお酒なのかについて、その基本から押さえていきましょう。

ジンとはどういうお酒?

ジンとは、蒸留してアルコール度数を高め、薬草や香草で香り付けをした蒸留酒のことです。

代表的な銘柄はイギリスのドライジン、オランダのジュネヴァジン、そしてドイツのシュタインヘーガーの3種類で、カクテルの材料としてよく使われる他、ストレートでも楽しむことができます。

元々はオランダで薬用酒として造られていました。大麦やとうもろこしなどを原料に作った原酒を蒸留し、その際にジュニパーベリーなどのボタニカル薬草成分を加えています。

口に入れた際に香るさわやかな風味や、ミントのような味は、それらの薬草成分が由来となっているのです。

世界4大スピリッツの一つ

ジンは、ウォッカ・テキーラ・ラムとともに世界4大スピリッツの一つとされています。

このスピリッツとは、ビールやワインなどの度数の低いお酒を火にかけて蒸留し、よりアルコール度数を高めたもののことです。

ウォッカとの違いは?

ジンとウォッカは無色で似ているため、混同されやすいスピリッツです。ウォッカも原料はジンと同じで大麦、じゃがいも、ライ麦などから作られています。

ですが、両者には大きな違いがあります。それが香りです。

ジンは香り高く、『お酒の香水』と呼ばれる品であるのに対し、ウォッカは蒸留した原酒を白樺の炭によってろ過させほぼ『無味無臭』です。また、ウォッカはクセが少ないため、カクテルにしたとき柑橘類との相性は特に抜群といわれています。

ジンができるまで

ジンの基本的な知識を知ったところで、どのようにジンが作られていくのかを見ていきましょう。先述でも簡単に紹介しましたが、ここからはさらに詳しく、その成り立ちについて解説します。

ジンは元々薬用酒だった

ジンの起源は1660年に遡り、オランダが発祥の地です。ライデン大学医学教授のシルヴィウス氏が薬用酒として研究、開発したとされています。

植民地の熱病対策のために、利尿・解熱効果、健胃剤のあるジュニパー・ベリーをアルコールに浸漬して蒸溜し『ジュニエーブル』の名の薬酒を作りました。

ジンの語源は何?

その後18世紀になると、ジュニエーブルはロンドンで爆発的な人気を得てイギリスでも愛されるようになり、名称も『ジン』と短縮されて呼ばれるようになりました。

ただ、このときのジンは輸出の際に腐らないよう、『砂糖を加えた甘口』が主流でした。現在のような鋭い切れ味を持った辛口のジンが生まれたのは、19世紀はじめに連続式蒸溜機が開発されたのがきっかけです。

これにより、雑味のないクリーンなスピリッツが製造できるようになりました。この当時のイギリスは、ジン生産においてオランダをしのぐ量を誇り、『ブリティッシュ・ジン』、『ロンドン・ドライジン』と呼ばれるようになりました。

ジンの種類

ここからはジンの種類と、それぞれの特徴について見ていきます。

ジンには4つの種類があり、特徴や製造方法などに違いがあります。種類の違いを知ることで、ジンに対する見方が変わるかもしれません。

ロンドン生産ドライジン

ドライジンは前述したとおり、ロンドンで生まれました。現在の主流となっており、ジンを頼めば主に提供されるのもこちらです。

植物香料を使っているため、味にクセがあり、好みがはっきり分かれるスピリッツです。冷やすことで香りが抑えられるので、ロックで少しずつ飲む方法もおすすめでしょう。

カクテルにしてもその香りが強く出ますが、ジントニックやジンバック、マティーニなどのカクテルとして飲むと、クセが緩和されるので、おいしく飲むことができます。

昔ながらの製法ジェネヴァ

ジュネヴァはクラシックジン、オランダ・ジンとも呼ばれ、オランダで古くからある製法で作られるジンです。

製造方法はドライ・ジンと同じですが、麦芽が多めに混合されており、醸造酒にジュニパーベリーを漬け込んで糖化発酵させ、蒸留回数1回で作り上げます。

ドライジンよりも濃くなるため、より風味が強くとろりとしたテクスチャが特徴です。甘みとコクが広がります。

こちらは、冷凍庫でとろみが出るなるまでキンキンに冷やし、ストレートで少しずつ飲むのもいいでしょう。

ドイツ生まれのジン シュタインヘーガー

シュタインへーガーはドイツにあるシュタインへーガーの街で生まれました。ドライ・ジンやジュネヴァは香り付けに乾燥ジュニペーベリーを使用しているのに対しシュタインへーガーは『生のジュニパーベリー』を使用して作られます。

この生のジュニパーベリーを発酵させて蒸留し、スピリッツを製造します。さらに麦芽、とうもろこし、ライ麦などの穀物で高濃度のスピリッツを作り、この2つのスピリッツをブレンドして、再蒸留することで完成します。

生のジュニパーベリーは控えめな風味と甘味があり、ドライ・ジンよりマイルドでスムースな味わいです。ストレートやロックもいいですし、カクテルとして飲むのも華やかな香りが立ちおいしいでしょう。

砂糖を加えたオールド・トム・ジン

イギリスでドライジンが生まれる前に広く民衆に飲まれていたジンが、オールド・トム・ジンです。

雑味を抑えるために砂糖を加えてあるので、他のジンとは全く異なる味わいを楽しむことができます。カクテルのトム・コリンズの材料として使われることでも有名です。

名前の由来は、18世紀に流行った猫の口にコインを入れるとジンが飲めるというかわいらしい自動販売機『トムキャット』から来ています。

製造方法はドライ・ジンと同じですが、砂糖やサトウキビ由来のスピリッツを添加することでオールド・トム・ジンとなります。

ストレートでもいいですが、やはりカクテルのトム・コリンズとして味わうことがベストでしょう。ジンのきつさがなく、まろやかで味わい深いカクテルなので、女性でも飲みやすいのが特徴です。

ジンのお酒の特徴

ここからは、ジンというお酒がどのような特徴を持っているかを解説していきます。特徴を知れば、悪酔いを防ぐことができます。お酒を楽しむために、しっかり知識を備えておきましょう。

ジンのアルコール度数は40%前後

ジンのアルコール度数は40%と高く、ストレートで飲む際は注意が必要です。

日本でよく飲まれているビールは5%、缶チューハイが3〜9%、ワインや日本酒でも15%です。強いといわれる焼酎でも25%程度なので、それらと比べても、アルコール度数の高さがわかるでしょう。

ちなみに、ジンと同じスピリットであるウォッカやテキーラ、ラムも同じようにアルコール度数が40%を超えるので、これらを飲むときにも注意が必要です。

酔いつぶれないための飲み方

アルコール度数が高い人を大量に飲むと、アルコール中毒になってしまう危険性もあります。

もともとジンは強いお酒のため、アルコールに耐性がある人でも飲み過ぎは禁物です。酔いつぶれずいおいしく飲むために、ジンの正しい飲み方もマスターしましょう。

ジンを初めて飲む場合は、ジンと自分の体質との相性を確かめる必要があります。ワインは飲めてもウィスキーが飲めない人がいるように、ビールが飲めてもジンが飲めない人はいるのです。まず、ジンをどれくらい飲むと酔うのかを把握しましょう。

また、最初からストレートで飲むよりも、カクテルで飲む方が多少緩和されるのでおすすめです。味や酔い方などをしっかり見極め、その上で適量を飲むようにしてください。

ジンのカロリー

アルコールを飲む上で、気になるのはそのカロリーです。カクテルはカロリーが高くハイボールは低いといいますが、ジンはどうなのでしょうか。

ジンにも当然カロリーがあります。無色透明ではありますが、もともとの原材料が穀物のため、100mlあたり264kcalものカロリーがあり、他のスピリッツやリキュール類に比べても高い値が出ています。

このカロリーがどのくらいの値なのかというと、同量のビールで40.5kcalほどであるのを見ればその5倍近い数値が出ているのが分かるでしょう。

ラムやテキーラも同じように穀物からできていますが、ジンが4大スピリッツの中でも一番カロリーが高くなっています。好きだからといって飲みすぎると、肥満の原因にもなるので注意が必要です。

ジン定番の飲み方

ジンは、カクテルでもストレートでも、おいしく楽しめるお酒です。

ジンをベースにしたカクテルの種類も非常に豊富なので、ジンを使った定番の飲み方を3つ紹介していきます。今後ジンに挑戦したい人は、ぜひ参考にしてみてください。

最も王道ジントニック

ジンの王道カクテルといえば、『ジントニック』をおいて他にはないでしょう。本格的なバーでなくとも居酒屋で注文することもできるので、気軽にジンを試せるメニューです。

ジントニックの作り方はいたってシンプルです。氷を入れたグラスにジンを注ぎ、トニックウォーターを注いでライムを搾り入れたら完成します。ジンとトニックの割合は、1:3程度にするのがベストバランスです。

ジンの味わいをマイルドに楽しめる爽やかなカクテルですが、その配合を変えてみてもいいでしょう。自分に合うおいしいジントニックを探してみてください。

キンキンに冷やしたストレート

ジンは冷やすことで角が取れ、まろやかな風味に変化します。ストレートで飲む際は、冷凍庫でキンキンになるまで冷たくしてから飲んでみてください。

凍るのではないかと不安な人もいるかもしれません。しかし、エタノールの融点は-114.5℃くらいなので、冷凍庫の温度で凍ることはありません。むしろとろみがつき、香りが華やかに立ち上ります。

ジンの香りが好きという人は、自宅の冷凍庫で冷やして飲んでみてください。ジンの新たな魅力が見つかるはずです。

カクテルの王様マティーニ

最後に紹介するのは、カクテルの王様と名高い『マティーニ』です。ショットやストレートが好きで、少しアレンジを加えたいという人におすすめの飲み方です。

マティーニは、ジンとベルモット、そしてオリーブを使い、芳醇な香りとキリッとした味わいが魅力的なカクテルです。氷の入ったミキシンググラスに材料を入れてステアし、マティーニグラスに注いだらお好みでオリーブを入れて完成です。

ジン特有の辛みを生かしつつ、ボタニカルな香りが鼻孔をくすぐる一杯です。バーカウンターで注文し、ゆっくり時間をかけて楽しみましょう。

おすすめのジン銘柄

ここからは、あまたある人の銘柄の中から、おすすめの3本を紹介します。どれもおいしく、ジン好きならぜひ一度は試してほしい逸品ばかりです。初めてジンを飲む人も、ぜひ参考にしてみてください。

ボンベイ・サファイア

定番のドライジンといえば、『ボンベイ・サファイア』でしょう。海を思わせるアクアブルーのボトルは目に美しいのが特徴です。

イギリス産のドライジンで、香りづけにはジュニパーベリーをはじめ、10種類のボタニカルがふんだんに使用されています。華やかなのにどこか涼やかな香りが魅力的で、のどを通ると柑橘類のようなクリアな味わいを感じられます。

  • 商品名:ボンベイ・サファイア
  • 参考価格:2014円(税込)
  • Amazon:商品ページ

サントリー ビーフィーター ジン

ロンドン・ドライ・ジンの代表格である『ビーフィータージン』は、1820年から変わらぬ味を守り続けている老舗のジンです。

ロンドン市内で蒸溜を行っており、針葉樹の森林を想像させるような清涼感のある味わいは、ベーシックなジンともいえるでしょう。

ストレートで飲んでもジン特有のつんとした風味は薄めなので、ジントニックにしてもおいしく、初めてジンに挑戦する人にぴったりです。

  • 商品名:サントリー ビーフィーター ジン
  • 参考価格:1210円(税込)
  • Amazon:商品ページ

タンカレー ナンバーテン

今回紹介する中では最も値段の高い『タンカレー ナンバーテン』。ライムグリーンのボトルは高級感があり、目を奪われます。

厳選されたボタニカルとフレッシュなフルーツが醸し出す華やかな香りや、度数の割には繊細な口当たりがこのボトルの特徴です。

奥深くエレガントな風味を楽しめるため、カクテルに使ってもおいしいですが、冷凍庫で冷やしてストレートで飲むと、より深い香りを楽しむことができます。

  • 商品名:タンカレー ナンバーテン
  • 参考価格:4877円(税込)
  • Amazon:商品ページ

その他クラフトジンもおすすめ

ジンの中には他にも、クラフトジンと呼ばれる種類があります。こちらもおいしいものが多いので、クラフトジンにまつわる情報を紹介します。好みによって飲み分けてみてください。

クラフトジンとは

クラフトジンとは、端的にいえば『ボタニカルにとらわれない新たなジン』です。

主に家族経営の農場や小規模生産者が作っているもので、原料や製法、産地に至るまでこだわりを持って作られるジンを指し、個性豊かな味わいを楽しめます。

作り手のこだわりがたっぷり詰まったジンは、どれも風味豊かな味わいを持っています。

ヘンドリックス ジン

クラフトジンの中でも、特に個性的なのが『ヘンドリックス ジン』です。

ジュニパー、コリアンダー、シトラス系フルーツなどが入っているのは普通のジンと大差ないように見えますが、ユニークなのが『キュウリとバラの花びらのエキス』が含まれている点です。

日本でキュウリといえばサラダに使われたり、お漬物にしたりと野菜のイメージが強いですが、実はヨーロッパでは、カクテルや化粧品にも使われている有能な野菜なのです。

キュウリのみずみずしく青みのある香りと、ダマスクスローズの上品で優しい香りがマッチして、独自のフレーバーを楽しめる逸品です。

  • 商品名:ヘンドリックス ジン
  • 価格:3979円(税込)
  • Amazon:商品ページ

No.3 ロンドンドライ・ジン

クラフトジンのブームに火をつけたのが『ロンドンドライ・ジン』です。

その中でも『No.3ロンドン・ドライ・ジン』は、ジュニパーをメインに据えてロンドン・ドライ・ジンの本質を表現することと、クラシックドライマティーニに最適であることを目的に作られました。

ジュニパー以外に、グレープフルーツピールやオレンジピール、カルダモンなど6種類のボタニカルが使われており、フローラルな香りとスパイシーな味わいが感じらる1本です。

  • 商品名:No.3 ロンドンドライ・ジン
  • 価格:5547円(税込)
  • Amazon:商品ページ

スピリッツの王道ジンを楽しもう

ジンは、アルコール度数が高く、独特の香りがあるため、苦手に感じる人も多いでしょう。しかし、4大スピリッツの一つだけに、その深い味わいを知れば、ジンの魅力に取りつかれることでしょう。

カクテルやストレートなど、さまざまな飲み方ができ、スピリッツの中でも比較的リーズナブルなので、いろいろな飲み方にトライしてみてください。

きっとお気に入りの味わい方が見つかるでしょう。

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