『シャンパン』の定義、ちゃんと知ってる?大人なら知っておきたい基礎知識

2019.06.13

お祝いの場やディナーなどで飲む機会があるシャンパンは、発泡性のワインの一種です。意外に知らないシャンパンの定義や豆知識、シャンパングラスや瓶の開け方に至るまで、詳しい基本情報を知り、もっとシャンパンを楽しみましょう。

シャンパンの特徴

発泡するタイプのワインはすべてシャンパン、と思っていないでしょうか。シャンパンという名称を付けるには、一定の条件が定められています。

そもそもシャンパンとは

日本では3気圧以上のガス圧がある発泡性のワインを総称してスパークリングワインとしています。シャンパンはスパークリングワインの一種ですが、すべてのスパークリングワインがシャンパンというわけではありません。

シャンパンとは、フランス北部に位置するシャンパーニュ地方で作られ、フランスの原産地呼称法(AOC法)にある規定を満たしたもののみに許された名称です。

シャンパーニュ地方は、ワインの原料であるブドウ作りに適した環境が整っており、品質の高いブドウの産地として知られています。

そして『原産地呼称法(AOC)』とは、フランスにおいてチーズなどの食品で特定の条件を満たしたものに付けられる品質保証をいいます。

シャンパンを含むワインにもこのAOC法の条件があり、生産地域はもちろん、ブドウの品種や栽培・剪定、製造方法に至るまで厳しい規定をクリアしたもののみが、シャンパンと名乗れます。

つまり、シャンパーニュ地方で製造されたスパークリングワインすべてがシャンパンではないのです。

シャンパンで使用するブドウの種類

上記のように、AOC法によってシャンパンと呼べるスパークリングワインに使用できるブドウは以下の7種類のみです。

  • ピノ・ノワール
  • ムニエ
  • シャルドネ
  • ピノ・グリ
  • ピノ・ブラン
  • プティ・メリエ
  • アルバンヌ

これ以外の品種のブドウを使ったスパークリングワインは『シャンパンではなく』、別の名称となります。

シャンパンのランク

シャンパンには、ランクが存在します。多くのシャンパン生産者は、複数のランクのシャンパンを製造しており、そのランクは『3種類』に分けられます。

  • ノンヴィンテージ
  • ヴィンテージ
  • プレステージ

ノンヴィンテージは最も一般的なランクで、生産量も最も多い『スタンダードなシャンパン』です。

ヴィンテージは同じ年に収穫されたブドウのみを使用し、『3年以上熟成したもの』です。年数の表記があるシャンパンは、このヴィンテージ以上のランクとなります。

そして最高級ランクに当たるプレステージは、最も良い品質のブドウを使い5年以上の熟成を行います。そのため、各生産者の個性が最も強く表れます。

シャンパン以外のスパークリングワインには何がある?

シャンパンは、フランス・シャンパーニュ地方で生産されたスパークリングワインを指しますが、その他にも世界のワイン生産国にはシャンパンと同様に独自のスパークリングワインがあります。

イタリアの場合

イタリア産のスパークリングワインとして知られるのが、『スプマンテ』です。炭酸が弱めの微発泡スパークリングワインは、これとは区別されて『フリッツァンテ』と呼ばれています。

スプマンテは、生産地ごとに生産方法や使用するブドウの品種、名称が異なります。イタリア北東部のヴェネト州産の『プロセッコ』やピエモンテ州産の『アスティ』などはスプマンテの中でも高い人気を持つ代表的な銘柄です。

スペインの場合

スペインでは、スパークリングワインを『エスプモーソ』と呼びます。イタリアのスプマンテと同様、スペインのエスプモーソも生産地とブドウの品種により種類が分けられています。

代表的な銘柄が、カタルーニャ産の『カヴァ』で、これは白ブドウ3種のみを使用し、熟成方法の規定をクリアしたもののみに使用されている名称です。

ドイツの場合

ドイツのスパークリングワインの総称が『シャウムヴァイン』で、微発泡のワインは『パールヴァイン』と呼ばれます。

シャウムヴァインもランクがあり、最高級ランクの『ゼクト』はさらに細かな規定により、複数の種類に分けられるでしょう。

大人なら覚えておきたいハイクラス銘柄

多数あるシャンパンの銘柄の中には、高級シャンパンとして知られるハイクラス銘柄があります。その中から、代表的な3銘柄について紹介します。

高級シャンパンの代名詞 ドン・ペリニヨン

高級シャンパンとしてまず名前が上がる銘柄が、『ドン・ペリニヨン』ではないでしょうか。

シャンパンの産地であるシャンパーニュ地方において、17世紀にシャンパンを発明したことで知られる修道士のドン・ペリニヨンの名を冠したシャンパンです。

日本では『ドンペリ』と略した名称の方が馴染みがあるかもしれません。そんなドンペリは現在、世界有数の企業である『モエ・エ・シャンドン』社が製造するシャンパンです。

できの良いブドウが収穫された年のみ、そのブドウだけで作られるシャンパンなので、製造されない年も発生します。

最も低いランクの白でも8年は熟成を行い、ロゼやゴールド、エノテーク、P2などのランクによってさらに熟成期間は長くなります。当然、熟成期間が長いものは高額です。

人生一度は飲みたい サロン

『サロン』は1911年、毛皮商のウジェーヌ・エメ・サロンによって創業されました。

シャンパーニュの他の作り手が複数の品種や畑、収穫年のブドウを組み合わせてシャンパンを作るのに対し、サロンは単一品種、畑、収穫年にこだわったシャンパン作りを行っているのが最大の特徴です。

ブドウとその品質に強いこだわりを持つため、サロンもブドウの出来が悪い年にはシャンパンを作っていません。さらに熟成期間も最低で10年あるため、『100年の間に販売されたサロンのシャンパンはたった37回』といわれています。

このような理由から、サロンのシャンパンは希少価値の高い高級品で、一生に一度は飲んでみたいといわれるものなのです。

熱狂的ファンも多い クリュッグ

フランス・ランスのシャンパンメーカーである『クリュッグ』は、小規模な生産者でありながら高品質のシャンパンを世に送り出している、『シャンパンの帝王』と称される最高級シャンパンの一つです。

創業以来、一次発酵においてフレンチオーク樽を使用する伝統製法を守り続け、ブドウが収穫された区画ごとに樽を使い分けるという手間のかかる作業を行いながら、職人的なこだわりでシャンパンを生産しています。

一切の妥協をしない製法により作られた深い味わいの最高品質シャンパンは、世界中に愛飲家がいるほどです。

その他にも覚えておきたいシャンパン銘柄

高級銘柄以外にも、世界中で愛飲されている定番シャンパン銘柄として、以下の3種類があります。

ギフト用に大人気 モエ・エ・シャンドン

『モエ・エ・シャンドン』は、先述の高級シャンパンであるドン・ペリニヨンを傘下に置くメーカーです。年間出荷量が約3000万本という、世界中で定番のシャンパンとして広く知られているでしょう。

日本でも、ワインコーナーであればたいてい見つけることができる銘柄で、定番の『モエ アンペリアル』は3種類のブドウをブレンドしたフルーティーでフレッシュな味わいです。

どんな食事やデザートにも合いやすい、万人受けするシャンパンになっています。

『モエ アンペリアル』のほか、モエ・エ・シャンドンではロゼやヴィンテージなども販売しています。

美しいボトルデザイン ペリエ・ジュエ

200年以上に渡る長い歴史を持つ老舗『ペリエ・ジュエ』のシャンパンは、ビクトリア女王やナポレオン3世、モナコ公妃だったグレース・ケリーなどに愛された、世界一流の品質を誇ります。

『グラン・ブリュット』はフローラルな香りに柑橘や桃のようなフルーティーさにバニラを加えた複雑な味わいの、スッキリとした辛口シャンパンです。

アール・ヌーヴォー風のボトルデザインは見た目にも優雅で、女性へのプレゼントにも最適でしょう。

女性向けにはこれ ヴーヴ・クリコ

ペリエ・ジュエと共に女性向けにおすすめのシャンパンとして挙げられるのが、『ヴーヴ・クリコ』です。

『イエローラベル』はヴーヴ・クリコの定番であり、シンボル的シャンパンです。ピノ・ノワールを元にした複雑な味わいが魅力で、かすかに甘さが感じられます。

ファッションブランドとのコラボレーションなども行っており、甘みを感じる風味やボトルの可愛らしさと併せて、手土産などにも喜ばれるシャンパンです。

その他シャンパンの豆知識

シャンパンを飲む人でも、シャンパンについての知識を知らずに飲んでいることもあるでしょう。知っていて損はない、シャンパンの知識をまとめました。

アルコール度数は12%前後

シャンパンはアルコール度数が高そう、と考えがちですが、実は11~12%程度が平均的なアルコール度数です。例として、一般的なシャンパンであるモエ・エ・シャンドンは12%前後、高級シャンパンのドン・ペリニヨンが12.5%です。

ビールよりも高い度数ですが、ワインや日本酒よりも低めなので、比較的飲みやすいでしょう。

なお、『シャンパン』と名乗れるのはアルコール度数11%以上のものに限られるため、11%未満のシャンパンは存在せず、スパークリングワインに分類されます。

飲みやすいだけについ飲みすぎてしまうことも多く、いつの間にか酔ってしまう場合も多いので、シャンパンを飲む量はきちんとコントロールしておくことをおすすめします。

シャンパンのカロリー

シャンパンは比較的飲みやすいだけに、飲みすぎてしまとカロリーが気になることが多いのではないでしょうか。

シャンパンは専用のシャンパングラスで飲むことが多いですが、シャンパングラス1杯あたりの量は100~120ml程度です。この量で換算すると、平均的なシャンパンのカロリーは約80~100kcalとなります。

カロリーはシャンパンに含まれる糖分量やアルコール度数によって変動しますが、一般的にビールやワインより高め、日本酒や焼酎、ウイスキーより低めです。

シャンパンは飛行機に持ち込める

フランスなど、海外でシャンパンを購入する機会もあるでしょう。その場合、シャンパンを持ち込むことはできるのでしょうか。

飛行機で運ぶ荷物には、貨物として飛行機に積んでもらう預け入れ荷物、機内に持ち込める手荷物の2種類があります。基本的に瓶入りの飲み物は預け入れ荷物、手荷物どちらも持ち込みが可能です。

ただし機内への荷物については、液体の持ち込み制限があります。

一つあたり100ml以上のものは持ち込み禁止、100ml以下でもジッパー付きの透明な袋に入れて持ち運ぶ必要があるので、シャンパンのボトルをそのまま手荷物として機内へ持ち込むことは不可と考えていいでしょう。

シャンパンを飛行機に持ち込むときは、必ず預け入れ荷物に入れ、割れないようにしっかり梱包しておくと安心です。

例外として、出国手続き後の免税店で購入したシャンパンであれば機内持ち込みができます。しかし、乗り継ぎがある場合は乗り継ぎ先で没収される恐れもあるので、利用する航空会社や空港のルールを事前に確認しておくべきです。

シャンパンタワーは自分で作れる?

タワーのように積み上げた多数のグラスの最上部からシャンパンを注ぐ『シャンパンタワー』は、結婚式などで行われることもある、とてもゴージャスで、一度はやってみたいパフォーマンスでしょう。

一見、難易度が高いと思われるシャンパンタワーは、自作して行うことも可能です。そのために準備しておくものは、以下の4点です。

  • グラス シャンパングラスではなく、底が浅めの『クープタイプ』と呼ばれるグラスを用意します。ガラスのグラスは割れやすいため、足の部分にゴムが付いたグラスまたはプラスチック製グラスが良いでしょう。
  • バット グラスの最下部に置き、注いだシャンパンを受け止めるために使います。並べたグラスの幅よりも大きめのものを選びましょう。
  • テーブル シャンパンタワーは、安定感を保つのがポイントです。できるだけ安定感のある水平のテーブルを準備します。
  • 水平器 グラスを並べるテーブルが少しでも傾いていると、バランスが崩れます。テーブルとグラスがきちんと水平になっているかをチェックするために使用します。

グラスの数は、タワーの段数や形によって必要な数が変わります。目安ですが、三角形で5段なら35個、四角形の5段なら55個のグラスを並べていきましょう。

必要なシャンパンの量もタワーの大きさによって異なり、5段のタワーなら3~5本、大きめの7段のタワーなら10~14本は必要です。

もう一つの必須アイテム シャンパングラス

シャンパングラスは、シャンパンを飲むために適したグラスです。細長い形状が定番ですが、これ以外の形状でシャンパンを楽しめるグラスもあります。

グラスには4種類ある

シャンパングラスは、形状により4種類があります。

  • フルートタイプ 最も一般的な細長いグラスで、炭酸が抜けにくい、シャンパンの気泡を長く楽しめるよう作られた形状です。
  • ふくらみのあるフルートタイプ フルートタイプの中には、ワイングラスのようなふくらみを持ったグラスもあります。こちらは、シャンパンの香りを楽しみたい人に適したグラスです。
  • クープタイプ 底が浅めで飲み口が広くできています。先述のシャンパンタワーで用いられることが多いタイプで、炭酸が抜けやすいものの乾杯のときに一気にシャンパンを飲みたいときには最適の形です。
  • ステムなしタイプ グラスの脚の部分である『ステム』がない、コップのようなシャンパングラスは、他のタイプよりも安定感があり倒れにくいのが特徴です。

素材や容量からグラスを選ぶ

シャンパングラスの素材はガラス製が多いですが、割れやすいのが難点です。そんな問題を解決できる、割れにくいプラスチック製のシャンパングラスも人気です。

プラスチックより強度と透明度が高い、ポリカーボネートを採用したタイプなどを利用すれば、アウトドアなどでも気軽にグラスを持ち出してシャンパンを楽しみやすくなります。

シャンパングラスは、メーカーによって容量の幅も比較的広く、大きいものでは200mlを超えるものもあります。グラスの大きさと容量によって選ぶのも一つの方法です。

状況によって使い分けよう

シャンパングラスは、さまざまな形状と素材の製品が販売されています。どこでどんなときに使うかを考えて購入し、そのときどきで使い分ければ使い勝手が良くなり、シャンパンをより楽しみやすいでしょう。

シャンパンの正しい開け方は?

シャンパンはコルクで栓がしてあるので、スムーズに開けることは難しいものです。また、開けた途端に中身が吹き出してしまうこともありがちでしょう。シャンパンを楽しむために、上手な開け方と注意点をまとめました。

開栓時の注意ポイント

シャンパンを開けるときは、まず十分に冷やします。開ける直前までコルク栓を止めるストッパーを外さず、絶対に瓶を振らないことがポイントです。

また、ストッパーを外すときはコルクを指で押さえておきましょう。

シャンパンを開けるときはワインオープナーを使いたくなるものですが、素手で行うのが基本です。完全に栓が抜けるまで、コルクと瓶から手を離さないようにしましょう。

シャンパンの基本的な開け方

コルク栓を覆うシールを剥がし、コルクを指で押さえながらストッパーを緩めます。中身が吹きこぼれたときのために、栓の周辺をナプキンなどの布で覆い、瓶を立てます。

栓を抜くときはコルクを引っ張りがちですが、コルクは手で押さえたまま瓶をゆっくり回します。すると次第にコルクが持ち上がってくるので、静かに栓を緩めていきます。最後に、瓶を少し傾けて内部のガスを逃がしましょう。

開栓後はグラスへ素早く注ぐ

栓を開けたあとのシャンパンは、ボトルの口から泡が流れてしまうことがあります。そのため、できるだけ早くグラスに注ぐのがポイントです。

シャンパンの基本を押さえておいしく飲もう

普段何気なくシャンパンを飲んでいるけれど、シャンパンについて知らないことも多かったのではないでしょうか。今回紹介した基本情報を頭に入れておけば、シャンパンをもっとおいしく飲めるでしょう。

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