ノーベル賞2018年の受賞者は?日本からも医学・生理学賞で受賞者が

2019.06.12

人類の未来に役に立つ研究や活動をした人に与えられ、世界的に価値ある賞とされているノーベル賞は毎年1回、六つの部門において受賞者を発表しています。2018年のノーベル賞の受賞者は誰だったのでしょうか?ノーベル賞の内容と合わせて紹介します。

ノーベル賞の基礎知識

世界的に権威が高いと言われているノーベル賞は、20世紀初頭から始まり100年以上の歴史があります。

毎年12月、スウェーデン・ストックホルムで行われるノーベル賞の授賞式は、華やかで大掛かりなパフォーマンスがあることから、世界中で注目されています。今回はノーベル賞に関する基本的な知識について解説します。

ノーベル賞とは?

ノーベル賞とは、ダイナマイトを発明したスウェーデンの実業家であるアルフレッド・ノーベルの遺言によって1901年に創設された、世界的な賞です。

毎年1回、『物理学、化学、生理学・医学、文学、平和、経済学』の6つの分野において、過去1年間に人類に対して最大の貢献をした人に授与されます。

それぞれの分野で毎年最大3人まで選ばれ、日本はこれまでに経済学以外の5賞の受賞者を出しているのです。

過去の日本人受賞者

これまで、日本出身でノーベル賞受賞時に日本国籍だった方は24人です。時系列順に紹介しますので参考にしてください。

受賞年 部門 名前
1949年 物理学賞 湯川秀樹
1659年 物理学賞 朝永振一郎
1968年 文学賞 川端康成
1973年 物理学賞 江崎玲於奈
1974年 平和賞 佐藤栄作
1987年 化学賞 福井謙一
1994年 文学賞 大江健三郎
2000年 化学賞 白井秀樹
2001年 化学賞 野依良治
2002年 物理学賞 小柴昌俊
2002年 化学賞 田中耕一
2008年 物理学賞 小林誠
2008年 物理学賞 益川敏英
2008年 化学賞 下村修
2010年 化学賞 朝永振一郎
2010年 化学賞 根岸英一
2010年 化学賞 鈴木章
2012年 医学/生理学賞 山中伸弥
2014年 物理学賞 赤崎勇
2014年 物理学賞 天野浩
2015年 医学/生理学賞 大村智
2015年 物理学賞 梶田隆章
2016年 医学/生理学賞 大隅良典
2018年 医学/生理学賞 本庶佑

次に、日本出身で受賞時に外国籍の方を紹介します。

2008年 物理学賞 南部陽一郎(アメリカ)
2014年 物理学賞 中村修二(アメリカ)
2017年 文学賞 カズオ・イシグロ(イギリス)

ノーベル賞2018は日本人からも受賞者が

日本人のノーベル賞受賞者の数は現在6位です。アメリカが271人と突出しており、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン、日本と続きます。

2017年にノーベル賞を受賞した日本国籍の方は一人もいませんでしたが、ノーベル賞2018年は日本人からも受賞者が出ているのです。

ここでは、2018年にノーベル賞を受賞した日本人について詳しく解説していきます。

本庶佑氏が医学・生理学賞を受賞

2018年にノーベル賞を受賞した人は、京都大学特別教授の本庶佑氏です。医学・生理学の分野において日本人としては6人目の受賞でした。

本庶氏は京都大学医学部を卒業後、昭和46年にアメリカに渡ってカーネギー研究所や国立衛生研究所で免疫学の研究に取り組んでいました。

日本に戻った後は大阪大学医学部や京都大学の教授となり、現在は京都大学高等研究院の特別教授として副院長を務めています。

がん免疫療法の確立

本庶氏は、免疫の働きを抑えるブレーキ役となる物質を発見し、がんに対し免疫が働くようにする新たな治療薬の開発などに貢献しました。

免疫をつかさどる細胞にある『PD-1』というタンパク質を発見し、体の中で免疫が働くのを抑えるブレーキの役割を果たしていることを発見したのです。

オプジーボでがんの治療に期待

PD-1の発見は、新しい抗がん剤である『オプジーボ』の誕生につながりました。オプジーボは皮膚がんや肺がんなどの治療に使われ、多くの臨床現場で治療の効果を上げています。

この薬は、がんの免疫療法を医療として確立し、本庶氏は同じくがんの免疫療法で貢献したアメリカのジェームズ・アリソン博士とともに共同でノーベル賞を受賞したのでした。

そのほかの受賞者

2018年は10人が新たにノーベル賞を受賞しました。ここではそれぞれの分野別に具体的な受賞者を紹介します。

経済学賞はアメリカの研究者2人

経済学賞はアメリカの研究者2人が選ばれました。イェール大学の教授ウィリアム・ノードハウス氏と、ニューヨーク大学の教授、ポール・ローマー氏です。

彼らは技術革新と気候変動が経済の成長に与える影響についての研究を切り開いた点が高く評価されました。

化学賞は進化分子工学の研究者3人

化学賞では、アメリカのカリフォルニア工科大学のフランシス・アーノルド博士と、同じくアメリカのミズーリ大学のジョージ・スミス博士、さらにイギリスのMRC分子生物学研究所のグレゴリー・ウィンター所長の3人が受賞しました。

自然界で起きる進化の仕組みを活用して、バイオ燃料や関節リウマチなどの薬をつくる技術につながる研究を行った点が評価されて受賞に至りました。

物理学賞はレーザー研究の研究者3人

物理学賞には、アメリカのベル研究所のアーサー・アシュキン博士と、フランス理工科学校のジェラール・ムールー博士、カナダのウォータールー大学のドナ・ストリックランド准教授の3人が選ばれました。

生物学の実験や目のレーシック手術などに応用されているレーザー技術の開発に貢献したことが受賞の理由でした。

平和賞は性的暴力の根絶に携わった2人

平和賞は、アフリカ中部のコンゴ民主共和国で、性的暴力を受けた女性の治療などを続けてきた医師のデニ・ムクウェゲ氏と、自らも過激派組であるISによって性的暴力の被害にあったにも関わらずその実態を訴えてきた、イラクの少数派ヤジディ教徒であり女性人権活動家のナディア・ムラド氏の2人が受賞しました。

戦争や武力紛争での女性に対する性的暴力の根絶に力を尽くした点が高く評価された結果として、ノーベル平和賞の受賞となりました。

2019年の日本人受賞者候補

人類の発展に寄与したとされる人物に与えられるノーベル賞は毎年注目されており、受賞者が誰になるのか気になるところです。しかしノーベル賞受賞者は毎年10月に発表され、受賞者の名前が事前に公表されることはありません。それでは、2019年の受賞者候補は一体誰になるのでしょうか。

物理学賞と化学賞

2019年の物理学の受賞候補者は、賞鉄系の超伝導体を発見し、リニアモーターカーなどの超電磁技術の開発に貢献した、東京工業大学教授の細野秀雄氏が有力視されています。

また化学賞では、がん治療における高分子薬物の血管透過性・滞留性亢進効果の発見をした前田浩氏(熊本大学名誉教授)が受賞候補となっています。

生理学・医学と経済学

生理学・医学の分野での2009年の物理学の受賞候補者は、世界で初めて生きたままの細胞でオートファジー現象を可視化した水島昇氏です。また、病院で診断に使われるMRI装置の基本原理を発見した小川誠二氏も同じ分野での候補者となっています。

経済学の分野では、住宅などの資産価値の下落が経済活動全般位及ぼす影響を数式で具現化した、ブリンストン大学経済学部教授の清滝信宏氏が候補者にあげられています。

文学賞と平和賞

2019年ノーベル文学賞の候補者は、かつて谷崎潤一郎賞を受賞し、これまで 『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』などの大ヒット作を執筆した村上春樹氏が最有力候補になっています。

また、ノーベル平和賞の候補者には、スウェーデンの女子高校生であるレタ・トゥーンベリ氏が候補にあがっています。トゥーンベリ氏は気候変動の危機を訴える活動を積極的に行い、英国議会でおこなったスピーチが話題になっている女性活動家でもあります。

2019年の受賞者にも注目しよう

2018年には本庶佑氏が医学・生理学賞を受賞したことにより、これまでに合計26人の日本人がノーベル賞を受賞しました。しかし、選考関係者のトラブルによりノーベル文学賞の選考が行われなかったことは特筆すべきポイントです。

2019年は、ノーベル文学賞の最有力候補である村上春樹氏が受賞するか注目が集まります。その他にも今回紹介した方々が果たして受賞するのかに着目しながら、2019年のノーベル賞に注目してみてはいかがでしょうか。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME