音楽史に残る歴史的な作曲家、モーツァルト。あまりクラシック音楽について知らない方でも、誰もが名前を知っている著名な人物ですね。そんなモーツァルトの数々の作品の中でも、特に重要な代表作をご紹介していきます。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの生涯
モーツァルトはその作品はもちろん、波乱の多い人生や数々の逸話でも知られる人物です。そのプロフィールや有名なエピソードを見てみましょう。
幼少期から才能を発揮した天才作曲家
モーツァルトは1756年、オーストリアのザルツブルクで生まれました。著名な音楽家の父親のもとに生まれ、5歳で初めて作曲をするなど非凡な才能を見せたことから、英才教育を受けて育ちます。
若い頃から作曲家・ピアニストとしてその才能を発揮しており、ゲーテやハイドンなどの芸術家からも実力を絶賛されました。
音楽史の上では古典派に属していて、その作品は明るく優美なものが多いことから、現在でも聴きやすいクラシック音楽として人気を集め続けています。
困難な生活を送った一面も
数々の名曲を生み出す天才作曲家として当時から人気を集めていたモーツァルトですが、その報酬は決していいものではなく浪費癖もあったことから、経済的には意外にも困窮していたことで知られています。
また、幼いころから公演の旅を続ける生活が持病を抱えることに繋がったとされていて、わずか35歳で生涯を終えるなど、苦難の多い人生を送ったことでも有名です。
モーツァルトを代表する名曲
先述のように、モーツァルトの音楽は耳に残る優美な作風で知られています。聴き手を情景やストーリーの中に惹き込む、有名な代表作を知っていきましょう。
交響曲第41番『ジュピター』
交響曲第41番、通称『ジュピター』はモーツァルトを象徴する作品で、モーツァルトが人生で最後に書いた交響曲でもあります。
ニックネームの『ジュピター』はローマ神話の最高神であるユーピテルにちなんでいて、神々しさを感じさせる壮大な旋律とアンサンブルから、この名前で親しまれるようになりました。
後世の音楽家からも高い評価を受けた作品で、現在も古典派音楽の歴史に残る名曲として愛され続けています。
レクイエム
死者を送るミサ曲として書かれた『レクイエム』も、特に有名なモーツァルトの作品です。モーツァルトが人生の最後に手がけていた曲のひとつであり、未完のままモーツァルトが死去したことから、弟子によって補完されて完成しました。
その旋律はモーツァルトの晩年の作品らしく優美さの中にも神秘的な仄暗さがあり、聴き手を圧倒する名曲として知られています。
また、依頼者が匿名であったこと、モーツァルトが死の間際に手がけた「死者のための曲」であることから、「あの世の使いからの依頼で、自分自身のためのレクイエムを書いていた」というやや不気味な逸話も広まりました。
オペラの世界で有名なモーツァルトの代表作
モーツァルトは交響曲やピアノ曲、協奏曲だけでなく、多くのオペラ曲を手がけたことでも有名です。そんなオペラの代表曲を見ていきましょう。
フィガロの結婚
『フィガロの結婚』は、フランスの劇作家ボーマルシェの戯曲をモーツァルトがオペラとして作曲したものです。スケールが大きく華やかな序曲のメロディは、誰もが一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。
優雅なサウンドの一方で、内容的にはオペラのメインの客層であった貴族を痛烈に皮肉った作品になっていて、当時はさまざまな反響を呼びました。
魔笛
『フィガロの結婚』と並んで、モーツァルトのオペラの代表作として知られているのが『魔笛』です。モーツァルトの生涯最後に作られたオペラで、原作となる台本はエマヌエル・シカネーダーによって書かれました。
内容的にはエンタメ色の強いストーリーで、モーツァルトの聴きやすい作風も合わさって、現在まで圧倒的な人気を集めています。
また、作中には秘密結社フリーメイソンを連想させる要素が多々あることから、モーツァルトとフリーメイソンの関わり合いという都市伝説を生んだ作品でもあります。
古典派を象徴するモーツァルトの世界に触れる
ベートーベンやバッハ、ハイドンなどと並んで、古典派を象徴する作曲家として知られるモーツァルト。記憶に残る名曲の数々は、西洋音楽の魅力を知る上で欠かせない存在です。
ぜひモーツァルトの代表作を聴いて、その世界に触れてみましょう。