ビジネスシーンになくてはならない存在であるネクタイ。常に相手の視界に入る重要な部分ですから、シワなんて一切ないようにしておきたいところです。衣類のシワ伸ばしにはアイロンを使うのが一般的ですが、デリケートな生地が多いネクタイにアイロンを使ってもいいものなのでしょうか?この記事で詳しく解説していきます。
ネクタイのシワはアイロンで伸ばせる?
常に綺麗なシルエットを保っておきたいネクタイ。しかし日ごろから結んで、解いてと繰り返すうちにどうしてもシワがよってしまうものです。そんなネクタイにアイロンがけはしてもいいものなのでしょうか?
ネクタイが汚れてしまったり、シワだらけになってしまったときに、クリーニングに出しているという人は意外と多いものです。アイロンがけ可能であれば、クリーニング代も節約できることでしょう。ここからは、ネクタイのアイロンかけの可否について解説します。
アイロンを直接当てるのはNG!
結論から言えば、ネクタイは「直接アイロンかけをすることはできません」。特に、他の様々な衣類と同じ要領でガシガシとアイロンかけしてしまうと、ネクタイに大きなダメージが残る可能性があります。
やり方さえ守ればOK
ただし、全くアイロンかけをすることができないかというと、そういうわけではありません。詳しくは後述しますが、蒸気でシワを伸ばす『スチームアイロン』を用い、正しい手順を踏むことで、ネクタイのシワをきれいに伸ばすことができます。
繰り返しますが、通常のアイロンを使って無理にシワを伸ばそうと試みると、逆にネクタイへダメージを与えてしまう可能性があります。これから紹介する正しいネクタイへのアイロンがけ方法を学び、ネクタイをいつも美しくパリッと着こなせるようになりましょう。
ネクタイのアイロンかけのあれこれ
ここからは、ネクタイのアイロンかけの方法と、気を付けておきたい注意点を解説していきます。
ネクタイのアイロンかけに必要なもの
ネクタイのアイロンかけに必要なものは以下の通りです。
- スチームアイロン
- アイロン台
- 菜箸
- 当て布
通常のアイロンではなく、スチーム機能のあるアイロンを使用するのがコツです。スチームアイロンさえあれば、菜箸以外は通常のアイロンかけで使用する道具ですので、特別な準備は不要です。
ネクタイにアイロンをかける方法
ネクタイにアイロンをかける際には『シワ伸ばし』と『整形』の2ステップがあります。シワ伸ばしの詳しい方法は以下の通りです。
- アイロン台にネクタイを置き、しわを軽く手で伸ばす
- 当て布越しに、中温(140度前後)に設定したスチームを当てる(※蒸気のみを当て、アイロン自体は少し浮かすようにする)
- ネクタイの温度が下がらないうちに再びしわを手で伸ばす
- 再び当て布をして、スチームを使わずにネクタイを熱する(※この時も少し浮かせながら、熱だけを当てるようにする)
- 完成
最も気をつけるべきポイントは、アイロンを直で当てないようにすることです。これを忘れて通常のアイロンかけをしてしまうと、たとえ当て布越しであってもネクタイに大きなダメージが及ぶ可能性があります。
続いて整形の方法を紹介します。
- シワ伸ばしをしたネクタイに下から菜箸を通し、片端の折り目にぴったりと合わせる
- 当て布をかぶせ、菜箸を持ちながら、中温に設定したスチームを当てる(※『シワ伸ばし』の2. 同様、アイロン自体は当てない)
- 中温に設定したアイロンで熱する(※『シワ伸ばし』の4. 同様、実際には当てない)
- 反対も同様の方法で行う
- 完成
菜箸を使ってネクタイをまっすぐにした状態で脇にアイロンをかけることで、生地の折り目に膨らみがつくため、新品に近い状態に戻すことができます。クローゼットの奥に長くしまってあった、ぺちゃんこのネクタイにも使うことができる方法です。
シルク100%のネクタイでもできる?
ネクタイにアイロンかけができると解ったところで、気になってしまうのが材質による可否でしょう。特に高級ネクタイに使われているシルクは一般的に熱に弱くデリケートなため、流石に自宅でアイロンかけはできないと思う方もいるはずです。
しかし上記で紹介したネクタイのアイロンかけの方法は、直接の干渉がなく、アイロン自体への負荷が少ないため、シルク100%のネクタイであっても行うことができるとされています。
とはいえ、もちろんメーカーごとの違いなどもありますから、絶対とは言えません。どうしても心配という場合はアイロンかけをあきらめて、クリーニングに出す方が無難かもしれません。
もしも失敗してしまったら
ここまで紹介したネクタイのアイロンかけですが、デリケートな方法だけに失敗してしまうこともあるかもしれません。もしもアイロンを直に当ててしまうなど、失敗してしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。ここからはそんなネクタイのアイロンかけに関する、トラブルシューティングについて解説していきます。
濡らしてからもう一度アイロンを当ててみる
ネクタイに誤ってアイロンをつけてしまった場合、繊維が潰れて『テカリ』や『アタリ』などの状態になってしまう場合があります。
もしもそのような状態に陥ってしまった場合は、その箇所にもう一度スチームをかけてから上記の正しいアイロンかけをすると、生地の質感が元どおりになる可能性があります。失敗してしまった場合は焦らずに対処してみてください。
専用薬品を使ってみる
スチームを当ててもテカリやアタリが治らない場合は、専用の薬品を吹きかけてみることをおすすめします。制服やスーツ用品などの売り場に販売されているため、失敗することを念頭に入れて購入しておくと良いでしょう。
ネクタイのアイロンかけは慎重に
自宅で出来るネクタイのアイロンかけ。簡単そうに思えて実際は慎重さが求められます。万が一失敗してしまった場合でも、修復することができる可能性もあるため、焦りは禁物です。
どうしても失敗する不安がある方は今まで通りクリーニングに出してみるのも一つの手ですが、ぜひネクタイのアイロンかけをマスターしてネクタイを美しく維持してみてはいかがでしょうか。