『コンポート』は自宅で作れる!基本のレシピや意外なアレンジも紹介

2019.06.10

果物を砂糖やお酒で煮る『コンポート』は、賞味期限の短い生の果物をより長く楽しむための知恵といえます。そのままデザートにしたり、ヨーグルトに添えたりする使い道がありますが、アレンジ次第で全く違うスイーツに変身させることも可能です。

まずは知っておきたいコンポートの基本

旬の果物をたっぷり使った『コンポート』は、家庭でも気軽に作れ、いろいろな料理やおやつに使える万能選手です。コンポートにはどんな特徴があるのでしょうか?

コンポートとは

『コンポート(compote)』とは、カットした果物を砂糖やワインで煮たヨーロッパの伝統的な『果実の保存方法』を指します。保存期間は加える砂糖の量にもよりますが、冷蔵庫で4日~1週間程度でしょう。

荷崩れせずに果物の形が残るのが特徴で、そのまま食べたり、料理やデザートに添えたりするのが一般的です。

ヨーロッパの家庭では、生の果物を大量にもらって食べきれないときや、果実そのものに甘味がないときにコンポートを作ります。

使用される果物は多岐にわたり、もも・リンゴ・いちご・洋ナシ・いちじくなど、基本的に『ジャム』にできる果物はコンポートにも応用が可能です。

果物に風味を加えられる

甘みの少ない果物でも、アレンジ次第でおいしくなるのがコンポートの魅力です。

コンポートを作るときは、砂糖以外にレモンやバニラ、お酒などを使って風味づけする場合もあります。

たとえば、白ワインやリキュール・ラム・ブランデーなどを加えれば、大人の味のコンポートに仕上がり、バニラやキャラメル、シナモンスティックなどを加えれば、お菓子のような甘い香りが広がるでしょう。

こうして完成した香り高いコンポートは、タルトやケーキ、パイなどのアクセントにもなります。

煮込み料理の意味でも使われる

『コンポート』という言葉は、フランス料理店のメニューやレシピなどで見かけることが多いかもしれません。

フランス語で『コンポート』といえば、多くはフルーツのシロップ煮を指しますが、肉や野菜をブイヨンなどでやわらかく煮たものも含まれます。

メニューやレシピに『肉や野菜のコンポート』と書いてあっても、砂糖で煮込むわけではないことを覚えておきましょう。

また、果物やデザートを盛りつける『脚つきの皿』をコンポートと呼ぶこともあります。

ジャムとの違いは?

果物を砂糖で煮込むといえば『ジャム』を思い浮かべるのではないでしょうか?コンポートとジャムは作り方が似ていますが砂糖の量・見ため・保存期間などに違いがあります。

同様に『コンフィチュール』との違いも確認しておきましょう。

砂糖の分量が違う

コンポートもジャムも果物に水と砂糖を加えて作りますが、『砂糖の分量』が異なります。

コンポートは果物にごく少量の砂糖やシロップを加えるため、糖度は控えめで『果物本来の甘さ』が引き立っています。果物がほぼそのままの形で残っており、食べるとみずみずしさがあるのが特徴です。

一方で、ジャムは果物とほぼ同等の量の砂糖を入れるので糖度が高く、そのままで食するのにはやや甘すぎると感じるかもしれません。

水分がなくなるまでじっくりと煮詰めるので、果物の形状はほとんど残らず、味わいは濃厚でとろみがあります。パンやスコーン、ヨーグルトなどに添えて食べるのが一般的です。

ジャムは保存食向き

砂糖は防腐に優れた特徴があることをご存じでしょうか。

雑菌やカビなどが繁殖する原因となる水分を吸収して、食物を長く保つ働きがあります。砂糖を半分以上使用したものは防腐力が高く、逆に量が少なければ防腐効果は期待できません。

砂糖を加えてしっかりと煮詰めるジャムは、水分量が少なく『長期保存』に向いています。

もともとはヨーロッパの冬の保存食として発達してきた歴史があり、高糖度のジャムは未開封で2年、中糖度なら1年半程度保存可能といわれています。

コンポートも砂糖を使用しますが、量は少なく、水分量が多めです。生の果物よりは保存がききますが、ジャムと比べると防腐効果はほんの少しといえるでしょう。

コンフィチュールもある

フランスには、コンポートやジャムに似た『コンフィチュール(confiture)』があります。『コンフィ(confit)』とは、砂糖や油など、『食物の保存性を高めるもの』に浸すフランスの調理法の総称です。

一般的には『コンフィチュール(フランス語)』は、『ジャム(英語)』の同義語と見なされていますが、若干の違いもあります。

『ジャム』には『ぎっしり詰め込む』という意味合いがあるように、水分がなくなるまで煮詰め、レモン汁(ペクチン)でゼリー状にします。

一方、『コンフィチュール』は、果汁だけを煮詰めた後に果肉を漬ける製法で、ジャムのように凝固していないのが特徴です。

ハーブやリキュールなどの香料で風味を出したものも多くあり、ジャムよりも、砂糖の量・加える素材・煮詰め具合に幅を持たせたものといえるでしょう。

定番のリンゴのコンポートの作り方

リンゴは、『秋の果実』の代表です。蜜がたっぷり入ったリンゴは生のままでも甘くておいしいですが、大量におすそわけをいただくと食べきれない場合もあるでしょう。

コンポートにすればさまざまな料理やお菓子に使えて便利です。

準備する材料

リンゴ2個を使って4人分のコンポートを作る方法を紹介します。人数やリンゴの量に応じて砂糖の量などを調節しましょう。

リンゴは荷崩れしにくく、少し酸味のある品種がおすすめです。甘酸っぱくて濃厚な味わいの『紅玉』やジューシーな甘さと酸味が特徴の『ジョナゴールド』などが良いでしょう。

  • リンゴ:2個
  • 砂糖:150g
  • レモン:1個
  • 水:400ml
  • 白ワイン:200mⅼ
  • お好みでシナモンスティック:1本

基本の作り方

下準備として、リンゴの皮をむき種などの芯を取って、4等分にしておきましょう。彩りよく仕上げたい場合は皮つきのままでも構いません。表面をきれいに洗浄してから使用しましょう。

鍋に水・白ワイン・砂糖を入れ、砂糖が溶けるまで中火で加熱します。リンゴ・レモン汁・シナモンスティックを投入し、弱火で煮込みます。

25分ぐらい煮込み、リンゴが透明感を増してきたら火を止めてそのまま冷まします。粗熱が取れたら瓶に移し替え、煮汁にそのまま漬け込んでおきましょう。

完全に冷めた後は、冷蔵庫で保管すると味がしみ込んでよりおいしくなります。お好みで、ワイン漬けしたプルーンを入れても良いでしょう。

その他のアイデアレシピ

甘酸っぱいリンゴのコンポートは食後のデザートに最適です。リンゴと相性の良い『紅茶』を使って『リンゴコンポートの紅茶ゼリー』を作ってみましょう。

『基本の作り方』で漬け込んだコンポート以外に、以下の材料を用意します。

  • 紅茶のティーパック:1袋
  • 水:200ml
  • 砂糖:大さじ2
  • 粉ゼラチン:3g
  • ミントの葉:適量
  • リンゴのコンポート:適量

沸騰したお湯(200ml)に紅茶パック、砂糖を加えて『紅茶』を作っておきましょう。紅茶にあらかじめ少量のお湯でふやかしておいたゼラチンを加えてよくかき混ぜます。

グラスにリンゴのコンポートを入れ、ゼラチン入りの紅茶を注いだら、冷蔵庫で冷やし固めましょう。仕上げにミントを飾れば完成です。

リンゴのコンポートは焼き菓子との相性もよいため、タルトやケーキ、パンなどに入れるのもおすすめです。

優しい味わい、もものコンポートの作り方

柔らかくて香り高い『もも』もコンポートに適したフルーツの一つです。リンゴのような酸味はなく、まったりとした甘い味わいが口の中に広がります。

高級なフルーツでもあるので、じっくりと味わいながら食べたいですね。

準備する材料

もも2個を使った1~2人前のコンポートを作っていきましょう。ももが大玉の場合は、水やワイン、砂糖の量を増やして調節します。

白ワインは甘口、辛口のどちらでもOKですが、辛口の場合はレモン汁を少し控えめにすると良いでしょう。赤ワインを使うと色が鮮やかになり、料理やお菓子が一層華やかになります。

  • もも:2個
  • グラニュー糖:50g
  • 水:200ml
  • 白ワインまたは赤ワイン:50ml
  • レモン汁:大さじ2

基本の作り方

ももは流水で丁寧に洗い、縦半分に切れ目を入れた後、アボカドの種を取る要領で種をくるんと回して種を取り除いておきましょう。皮は煮込んでいる途中に剥がれやすくなるので、ここでは剥かずに二等分しておくだけでOKです。

鍋に水・レモン汁・砂糖・ワインを入れて沸騰させ、皮を下向きにしたももを並べます。適度にひっくり返しながら、弱火で10~20分煮込みましょう。

火を止めてそのまま粗熱をとり、トングなどを使って皮を剥いておきます。シロップごと瓶に移し替え、冷蔵庫で冷やしましょう。

その他のアイデアレシピ

もものコンポートを使ったアイデアレシピはたくさんありますが、手軽に作れて暑い夏にぴったりの『もものレアチーズケーキ』を紹介します。

  • もものコンポート:1個分
  • クリームチーズ:200g
  • ヨーグルト(プレーン):200g
  • 砂糖:60g
  • レモン汁:大さじ1
  • ゼラチン:10g
  • ミントの葉:適量

ゼラチンはあらかじめ少量のお湯で溶かしておきます。全ての材料をミキサーに投入しシェイクした後、ザルで濾してなめらかさを出しましょう。

型またはグラスに流し込み、冷蔵庫で冷やし固め、お好みでミントの葉を飾って完成です。上に薄く切ったもものコンポートを添えるとより美しく見えます。

他にもあるコンポートにおすすめの果物

基本的にジャムにできる果物はコンポートにも向いています。煮込んでも形が崩れにくいもの、色が鮮やかに出るもの、甘みが増すものなど果物によって個性があり、いろいろ試してみると楽しいでしょう。

チーズケーキなどに添えたい洋梨

リンゴやももと並び、コンポートにしやすい果物といえば『洋梨(ラ・フランスなど)』があります。煮込んでも形が崩れにくく、梨を丸ごと食べているようなみずみずしさと程よい歯ざわりが魅力です。

品種にもよりますが、くどい甘さがないので食後の口直しのデザートに出したり、ヨーグルトやアイス、チーズケーキなどに添えたりするのも良いでしょう。

コンポートにするときは白ワインやレモンで煮込むのが定番ですが、レモンと赤ワインで『サングリア風』にしてもおいしいです。

ヨーグルトなどに合うイチゴやイチジク

『いちご』は冬から春に実をつける果物で『ビタミンC』が豊富なことで知られます。

デリケートですぐに傷んでしまうので、大量にもらったときはコンポートにして冷蔵・冷凍保存しておきましょう。ヨーグルトやパンケーキに添えたり、牛乳に混ぜて『いちごミルク』にしたりするのもおすすめです。

『いちじく』は初夏から秋にかけて実る果物でスーパーはもちろん、庭先で見かけることも多いでしょう。

『不老長寿の果物』とも呼ばれ、カリウム・カルシウム・鉄分・ポリフェノールなどたくさんの栄養が含まれています。

ドライフルーツにして食べる人も多いですが、皮を剥かずにまるごとコンポートにすると肉厚でジューシーな食感が楽しめます。赤ワインやシナモンを入れて大人の味に仕上げるのもよいでしょう。

まるごと使えるミカン類

意外かもしれませんが、『みかん』や『金柑』などの柑橘類もおいしいコンポートになります。

『みかん』は外皮や筋を取り除いてから、小さく分けずにまるごと鍋で煮詰めましょう。煮込む前に沸騰したお湯に少量の重曹を加え、みかんを1~2分湯がくと白い筋がきれいに取れます。

『金柑』は洗浄後、皮を剥かずにそのまま鍋に入れてOKです。種が気になる人は半分に割って種を取り除いておきましょう。

みかんも金柑も濃厚な味わいとジューシーさが特徴の果物なので、食後のデザートにはぴったりです。凍らせてシャーベットにしてもおいしいでしょう。

コンポートを使ったアレンジ方法

果物のみずみずしさや甘酸っぱさが存分に堪能できるのがコンポートの良さですが、たまには少し手を加えて、『コンポートのアレンジ』に挑戦してみませんか?

コンポートゼリーにする

『リンゴのコンポート』の章でも触れましたが、コンポートはゼリーにすると爽やかな食後のデザートになります。

特に、もも・洋ナシ・みかんなどはゼリーに最適で、カットせずに丸ごと使用すると見ためが豪華です。

コンポートゼリーの基本の作り方は、果汁やシロップをベースにしたものにゼラチンを混ぜ、コンポートが入ったグラスに注いで冷やし固めれば完成です。

フルフルとしたやわらかい食感が好みの場合はゼラチンを少なめにしましょう。

タルトやケーキと合わせる

どんなコンポートもタルトやケーキなどの焼き菓子と合わせることができます。焼きあがったものに添えるのも良し、あらかじめ混ぜ込んで一緒にオーブンで焼き上げるのも良し、レシピはさまざまです。

たとえば、市販されている『冷凍パイシート』にカットしたリンゴのコンポートを敷き、半分に折りたたんでオーブンで焼けば『アップルパイ』ができます。

パン生地に混ぜて焼き上げれば、果実がゴロゴロ入った甘い香りの『ちぎりパン』が家庭でも簡単に作れるでしょう。

残ったシロップでアレンジ

コンポートを漬け込んでおいた『シロップ』には果物の香りと甘さが溶け込んでいます。シロップは捨ててしまわずお菓子やデザートに活用しましょう。

たとえば、シロップをバットに流して冷凍庫で固めれば、『シャーベット』になります。炭酸水でシロップを割って『果物のソーダ』にするのもおすすめです。

その他、紅茶に入れて香りを楽しむなどアイデアは無限大です。

作ったコンポートの保存方法

コンポートは生の果物よりも日持ちしますがジャムほど保存期間は長くありません。作ったコンポートをできるだけ長くおいしく味わうための保存方法を紹介します。

日持ちする期間

コンポートは果実の保存方法の一つではありますが、『長期保存』を目的としているわけではありません。防腐効果のある砂糖を加えるといってもジャムに比べて少量で、水分もたっぷり残ります。

日持ちする日数は冷蔵庫で4~5日、長くても1週間といったところでしょう。風味が落ちる前に早めに使い切るのが基本です。

なお、市販の瓶詰のコンポートは未開封の状態で半年ほどもつものもあります。

保存する方法

コンポートは鍋で煮た後、そのまま常温になるまで冷まし、清潔な瓶にシロップごと入れて冷蔵庫で保存します。

瓶はあらかじめ熱湯消毒をして乾かしておきましょう。このひと手間により雑菌の繁殖が抑えられコンポートが長持ちします。

さらに長持ちさせたい場合には、砂糖の量を増やして煮ましょう。冷蔵庫にしまうときは、フタをしっかり密閉するのがポイントです。

冷凍すれば長期保存も可能

密閉容器やジッパーなどにシロップごと入れて冷凍保存すれば、約3週間はおいしく食べられます。

お菓子作りなどに使用したい場合はあらかじめ使う分量を小分けにし、その都度解凍して使うと無駄がありません。解凍したものを再度冷凍するのは風味を損なう恐れがあるので控えましょう。

コンポート作りに挑戦しよう

生の果物の消費期限を少しでも長くのばしたいときは、コンポートにして冷蔵・冷凍保存するのがよいでしょう。

ヨーグルトやミルクに加えたり、料理やお菓子に使ったりと、アイデア次第でさまざまな食べ方ができる上、好きなときに使えて便利です。

コンポートにはスパイスやお酒を加えると深みのある大人の味に仕上がります。生の果物やジャムと違って風味がプラスできるのもコンポートの魅力なので、自由にアレンジを楽しんでみましょう。

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