野球のルールは複雑?ルールを知って球場で観戦してみよう

2018.08.13

一見複雑そうな野球のルールですが、基本はとてもシンプルです。「野球観戦に興味はあるけどルールが難しそう」と二の足を踏んでいる人のために、野球の基本ルールや用語、そして球場での観戦方法などをわかりやすく解説します。

野球とは

『野球』とは、19世紀に米国から日本に伝わってきたスポーツです。歴史も古く、日本ではサッカーと二分される人気の高いスポーツといえます。

9人でするスポーツ

野球は2つのチームに分かれて、得点を競うスポーツです。1チームの選手の数は9人で、先攻チームと後攻チームに分かれます。

両チームがそれぞれ攻守を行う単位を『回(イニング)』と表し、さらに先攻が攻撃する時を『表』、後攻が攻撃する番を『裏』と呼びます。

先攻の最初の攻撃が『1回表』、後攻の最初の攻撃が『1回裏』となり、攻撃側が3つアウトを取られると攻守が入れ代わるルールです。

攻守のやり取りを9回裏まで繰り返し、最終的に『得点の多い方が勝者』となります。

9回表終了時に、後攻チームの得点が先攻チームを上回っている場合、9回裏は行われません。

ポジションとは

『ポジション』とは、守備側の人員がそれぞれ守る場所のことです。9人それぞれにポジションが与えられています。ポジション名は以下の通りです。

  • 投手(ピッチャー):打者に対して球を投げる役割で、最も重要なポジション
  • 捕手(キャッチャー):投手の投げた球を受ける役割を持つ
  • 一塁手(ファースト):1塁付近を守る
  • 二塁手(セカンド):1塁と2塁の真ん中辺りを守る
  • 三塁手(サード):3塁付近を守る
  • 遊撃手(ショート):2塁と3塁の間を守る
  • 左翼手(レフト):外野向かって左側を守る
  • 中堅手(センター):外野の中心を守る
  • 右翼手(ライト):外野向かって右側を守る

一塁手から遊撃手までの4人を総称して『内野手』、左翼手・中堅手・右翼手の3人を『外野手』と呼びます。

また、捕手・投手・二塁手・遊撃手・中堅手の5人の『センターライン』が守備の要です。この5つのポジションには、特に守備の上手い選手を配置します。

打者と打順

攻撃側のチームは、打席に立つ順番が決まっています。打席に立つ人を『打者(バッター)』と呼びます。打順の決め方も戦術のひとつとして非常に重要です。

オーソドックスな作戦として、まず『上位打線』と呼ばれる1番から6番には、攻撃の要となる選手を配置します。そして『下位打線』の7番から9番の打順には、捕手や投手など重要な守備を受け持つ選手を配置する傾向が強いです。

上位打線の中でも3番・4番・5番は『クリーンナップ』と呼ばれ、塁上の走者をホームへ返す役割を担っています。クリーンナップには、好打者や長距離打者が選ばれるのが一般的です。

ルールや用語

野球にはルールや用語が非常に多く、野球を複雑に感じさせる理由のひとつでもあります。ここでは、最低限知っておきたい主な用語やルールについてまとめてみました。

主な野球用語

以下の表は主な用語です。

用語 内容
ストライク 投手が投げた球がストライクゾーンを通って捕手が捕る、または打者が空振りする
ヒット 打者が球を打って出塁すること※エラーは含まない
ファウル 打球の1バウンド目がファウルラインの外側に落ちること
ホームラン 打球が外野フェンスをノーバウンドで超えること
ボール 投げた球がストライクゾーンを外れた球

『ストライクゾーン』とは、ホームベース上の打者のワキ下から膝下あたりのゾーンになります。ここを球が通ればストライク、外れるとボールです。

『ファウルライン』とは、ホームベースから1塁・3塁方向に引いている白線を指します。外野フェンス上にはポールが立ち、スタンドに入った球がポールより内側ホームランです。

主な攻撃のルール

攻撃の基本は『打つ・走る・点を取る』です。これらを基本に、細かいルールが重なることで、野球の奥深さへとつながっていきます。

打者の主なルールは以下の通りです。

  • バッターボックスの中で打ち、ラインを踏み越えて球を打ってしまうとアウト
  • ストライクを3つ取られると『三振』となりアウト
  • ボールを4つ選ぶと『フォアボール』で1塁に進める
  • 投手の投げた球が打者に当たると『デッドボール』で1塁に進める
  • ヒットを打つと塁にでることができ、ホームランは塁を一周できる

走者のルールは、主に次のようなものがあります。

  • 走者は、1塁→2塁→3塁→本塁とベースを踏んで進む
  • 打者が打ったら1塁に向かって走る。1塁に向かう際には『スリーフットレーン』と呼ばれる1塁手前に引かれている細いレーンの中を走るのが原則

主な守備のルール

守備には主に次のようなルールがあります。

  • ポジションごとに守備位置はほぼ決まっているが、前後左右ずらして守ることもある
  • 投手が投球動作を行う際には、マウンド上の白いプレートに触れている必要がある
  • 捕手の守備位置はキャッチャーボックス内側で、投手の投球前にボックスから出ると『ボーク(※)』となる
  • 打球が地面に落ちる前に捕球すればアウト
  • グラブや帽子を投げたりユニフォームなどで捕るのは捕球とみなさない
  • 走者をタッチアウトにする時は、必ず球を球を持っている手または球をつかんでいるグローブでタッチする

(※ボーク:投手・捕手による反則とみなされるプレイへの宣告。ボークを宣告されると、塁上の走者全員が1つ進塁する)

プロ野球の歴史や仕組み

日本のプロ野球で最も知名度の高いリーグは『セントラルリーグ(以下、セ・リーグ)』と『パシフィックリーグ(以下、パ・リーグ)』の両リーグです。

その他に『独立リーグ』や『日本女子プロ野球リーグ』もありますが、今回は主にセ・リーグとパ・リーグについて紹介します。

歴史

日本に野球が伝わったのは、1872年です。野球は、西洋文明の広がりとともに国民的人気スポーツとなりました。

昭和初め頃には、2度来日した米大リーグとの対戦をきっかけに『大日本東京野球倶楽部(現:読売ジャイアンツ)』が誕生し、1936年には7球団によるペナントレースが始まりました。

ペナントレースは戦争の激化で一度休止しましたが、その後46年に再開し、50年からは、セ・リーグとパ・リーグの2リーグ制となりました。平成に入ってからは、近鉄の野茂投手の海外挑戦を皮切りに、日本人選手がどんどん海外へと進出し活躍しています。

この流れは現在まで続いており、今後も日本人選手によるワールドワイドな活躍が期待できそうです。

順位の決定方法

プロ野球の順位は、3月末から10月頃まで行われるペナントレースの成績で決まります。基本的に『勝率の最も高い球団が上位』となる点は、セ・リーグ、パ・リーグともに同じです。ただし勝率が同じ場合、セ・リーグとパ・リーグで規定が異なります。

セ・リーグの場合

  1. 勝利数が多い球団
  2. 直接対戦時の勝率が高い球団
  3. 前年度の順位が上の球団

パ・リーグの場合

  1. 直接対戦時の勝率が高い球団
  2. 交流戦を除くリーグ戦の勝率が高い球団
  3. 前年度の順位が上の球団

規定の優先順位はどちらも1が最も高く、2、3と続きます。

チームと本拠地

プロ野球では各球団ごとに本拠地があります。球団名と本拠地は以下の通りです。

セ・リーグ

パ・リーグ

本拠地周辺地域にはその球団のファンも多く、本拠地での試合は地元ファンの楽しみのひとつです。

高校野球の歴史や仕組み

プロ野球とはまた違った面白さを持つ高校野球、その歴史と仕組みについて見ていきましょう。

歴史

高校野球が始まったのは1915年の夏のことで、当時は『全国中等学校優勝野球大会』の名称でした。24年春には『全国選抜中等学校野球大会』が始まります。

春夏の高校野球が甲子園球場で行われるようになったのは、25年からです。42年から戦争により中止し、46年から再開となりました。

その後、53年にはNHKによる実況中継が開始され、65年にはカラー放送も始まります。その後、数多くの名勝負をくり広げながら、100年が過ぎた現在も、昔と変わらない球児たちの汗と涙、そして笑顔が全国の高校野球ファンを魅了し続けています。

春のセンバツと夏の選手権

高校野球には『春のセンバツ』と『夏の選手権』があります。大きな相違点は下表の通りです。

主催 毎日新聞社と高野連 朝日新聞社と高野連
第1回大会 1924年 1915年
出場方法 選考委員会による選抜 地区予選からトーナメント
出場校数 32校 49校
優勝旗の色 紫紺 深紅

(高野連=日本高等学校野球連盟)

春のセンバツの選抜方法は、秋季大会の結果や試合内容を選考基準のひとつとし、そこに地域性なども加味する方法です。春には、夏の大会にはない『21世紀枠』と『明治神宮枠』があります。

  • 21世紀枠…困難の克服や模範的マナーなどを基準に毎年3校選ばれる
  • 明治神宮枠…秋に行われる明治神宮大会優勝校の所属する地区の一般選考枠が1つ増える

タイブレーク制の導入

『タイブレーク制』とは、塁に走者を置いた状態など点の取りやすい状況から始めることで決着がつきやすくする制度です。

高校野球でもこれまで、延長18回を戦っても決着がつかず、引き分け再試合を行うことが何度もありました。球児の体へ大きな負担がかかると問題視されたため、2018年春のセンバツから導入に至ったのです。

タイブレーク制は、18年夏の全国高校野球選手権大会でも導入予定となっています。

野球日本代表について

ここでは『侍ジャパン』こと、野球日本代表について紹介します。

侍ジャパンの常設化

『侍ジャパン』とは、野球国際試合に出場する全世代の日本代表チームの総称です。プロとアマの垣根を取り払い、全ての世代が結束して世界一を目指すために結成されました。

ユニフォームは『結束の象徴』として全世代・男女全て統一されています。世代別は以下の通りです。

  • トップチーム:プロ選抜
  • 社会人:プロを含まない社会人
  • U-23 / U-21:若手プロ
  • 大学:大学生
  • U-18:18歳以下の高校生
  • U-15:15歳以下
  • U-12:12歳以下
  • 女子:プロ・アマを問わず女子選手

女子チームは『侍ジャパン女子代表』と呼ばれることもあれば『マドンナジャパン』の愛称が使われることもあります。

主な国際試合

侍ジャパンの出場する国際試合の中で、最もよく知られているものが『ワールドベースボールクラシック』です。

野球世界一を決めるために始まった大会で、2006年に第1回、09年に第2回大会が行われました。その後は4年に一度の開催となっています。日本は第1回第2回大会の優勝国です。

その他の主な国際大会は、以下の通りです。

  • BFAアジア野球選手権大会:アジアの国別対抗。過去にはオリンピックアジア予選になった年もある
  • アジア競技大会:アジアオリンピック評議会主催による野球競技大会
  • 野球ワールドカップ(23U・18U・15U・12U):世代別の野球ワールドカップ
  • WBSC女子野球ワールドカップ:女子野球のワールドカップ

球場で観戦してみよう

球場で実際に見る野球は、TVとは比べ物にならない熱気がたっぷりです。球場で野球観戦がしたい皆さんに、知っておくと役立つ情報を紹介します。

チケットの購入方法

プロ野球の場合、次のような購入方法があります。

  • 球場窓口で購入:最もわかりやすいが、前売りで売り切れも多い
  • コンビニ端末で購入:空き時間で手軽に購入可能、払い戻し・キャンセル不可
  • PC・スマホから購入:忙しい人でも購入しやすい、人気の対戦はアクセス集中でサーバーにつながりにくいことも
  • チケットセンターで電話購入:端末操作が苦手でも安心、人気チケットは電話がつながらない可能性有り

全国高校野球選手権大会の場合、当日券は甲子園球場入場券発売窓口で購入可能です。前売り券は、チケットセンターまたは各プレイガイドでの購入となります。

また、外野席は2017年までは無料だったのでチケット不要でしたが、18年夏の選手権から有料化が決まりました。そのため、外野席で観戦する場合もチケットの購入が必要です。

野球観戦に役立つグッズ

初めての球場観戦なら、何も持たずに観戦しても十分盛り上がりますが、持っておくといいのは『メガホン』です。打った選手への拍手、応援歌の手拍子、など使いどころがたくさんあります。

屋外球場の場合、夏場は『スポーツタオル』を持っていくのがおすすめです。長時間の観戦を考えると『座布団』なども用意しておきたいアイテムですね。

大きめの『ゴミ袋』もいざという時に役立ちます。自分のゴミを入れる、急な雨の時に雨避けに使うなどです。一部の球場を除き、球場では傘はNGになります。

知っておきたいポイント

球場観戦では、マナーやルールなど知っておきたいポイントがあります。

  • 球場に入る時は『瓶・缶持込禁止』
  • 席取りの徹夜待機・横入り禁止
  • ダフ屋への転売・購入はしない
  • 雨の時はレインコートで対策
  • 球場の応援席には『ホーム』と『ビジター』がある
  • 自分の応援する球団のスタンドで応援が基本

ホームとは、本拠地にしている球団を応援するスタンドのことです。ビジターは相手側の球団になります。

ほとんどの球場が『ホーム=1塁側』ですが、一部異なる球場もありますので、初めての球場に行く時は確認をするようにしましょう。内野席は、基本的にどちらのファンも座ることができます。

本場アメリカで大谷選手を応援するには?

MLBで活躍をする大谷選手を、現地で応援したい人もいるでしょう。最も簡単に観戦する方法は『旅行会社のツアーに申し込むこと』です。旅行会社の中には、野球観戦ツアーを企画しているところもあります。

大谷選手が所属するエンゼルスの本拠地『エンゼル・スタジアム』があるのは、西海岸のアナハイムという町です。この町はロサンゼルスやディズニーランドも近いことから観光客も多く、治安も良いことで知られています。

初めてアメリカを訪れる日本人でも比較的安全に過ごせるでしょう。エンゼルスが本拠地で行うゲームを確認した上で、5日から6日ほどのツアーを選べば、大谷選手を直接応援できる確率はかなり高そうです。

野球に関するマメ知識

野球観戦に直接関わりはないものの、知っておくと観戦が楽しくなるマメ知識を紹介します。

プロ野球選手の年俸

プロ野球選手の年俸は、いわゆるピンからキリまでの世界です。超一流のスタープレーヤーになれば、4~5億円の年俸も珍しくありません。逆になかなか日の目を見ない選手の場合、300万円程度もあります。

ただしプロ野球では、1軍・2軍・育成選手のそれぞれに最低年俸が定められているので、それより低い年俸にはなりません。

項目 年棒額
1軍 1500万円以上
2軍 440万円以上
育成 240万円以上

ちなみにプロ野球全体の平均年俸は、約3800万円です。

プロ野球中継の移り変わり

一昔前までは、プロ野球中継と言えばテレビが当たり前の時代でした。しかし、IT技術の発展と、それに伴うテレビ離れなどの理由から、インターネットを使ったプロ野球中継がメインになってきました。

Webマーケティングの観点からも、プロ野球中継はインターネットで行う方が良いようです。

  • TVに比べてネットの方がCMの制作費も安価に済む
  • 視聴者のネット上の行動を把握し、ユーザーごとに興味を惹くCMを主に表示することができる

今後もこの流れはしばらく続くのではないかと考えられています。

野球ゲームの進化

初めて作られた野球のボードゲームは、1958年発売の『野球盤』です。バッターの手前でボールが落ちる『消える魔球』の仕掛けで話題になりました。

ファミコン人気の影に隠れた時期もありましたが、時代とともにデザインや機能も進化を遂げ、今でも根強い人気を誇っています。

ファミコンで初の野球ゲームは、83年発売の『ベースボール』です。ビジュアルもドットで操作も非常に簡単とシンプルな内容ですが、当時としては革命的でした。

その後は、ゲーム機の進化に従って野球ゲームも発展し、現在の野球ゲームは本物の映像と見間違えるほど美しく、複雑な操作もシンプルに行うことができるようになっています。

ルールを知って観戦に行き臨場感を楽しもう

実際に見る球場は、開放感があり、写真やテレビで見るよりもずっと迫力があります。選手のプレイも間近で見られるので、臨場感もたっぷりです。

今野球の基本的なルールや仕組みを覚え、観戦方法や観戦時のマナーも理解すれば、初めて球場を訪れる人でも、きっと楽しい野球観戦をすることができるでしょう。

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