日本近代文学の巨匠『川端康成』。絶対に読んでおきたい代表作を紹介

2019.06.09

日本の近代文学作家の中でも著名な人物といえば「川端康成」その人ではないでしょうか。卓越した言葉選びと固定概念にとらわれない幅広い作風は、まさに巨匠の名が相応しい人物と言えるでしょう。この記事では川端康成作品の中でも、知名度の高い作品をピックアップしてご紹介していきます。

唯一無二の小説家、川端康成

川端康成は多くの作家と交流をもっていたことでも知られ、彼に影響を受けた人物の数は計り知れません。川端康成が残した作品を読めば、彼自身の魅力についても少なからず興味が出てくることでしょう。

そこでまずは、川端康成とはどのような人物だったのかご紹介していきます。

日本初のノーベル文学賞

川端康成の文体の特徴は、なんといってもその美しい『言葉』の運び。高い芸術的観察力に裏付けられた言葉選びで、当時最先端とされていた欧州の文学の特徴を落とし込んだ新感覚派として知られています。

そうした優れた言語感覚は、日本を離れ世界中で認められることとなり、日本で初めてノーベル文学賞を受賞した人物としても知られています。

ベテランとなってからは後進の作家を支援することに前向きで、三島由紀夫や北条民雄などの後に有名になる作家への手厚い支援、指導を行なっていました。才能、人格ともに優れたまさに近代日本文学の祖とも呼べる人物です。

川端康成の最高傑作といえば?

名作と評される作品を多く残している川端康成の作品の中でも最高傑作と名高いのが『古都』です。川端ファンのみならず、近代日本文学を愛する人々が最高傑作としてその名を挙げるほど人気を誇る作品です。

ここからはそんな川端作品の最高傑作について紹介していきます。

古都

『古都』は1961年から1年間にわたって朝日新聞で連載された作品です。川端自身の作家人生の中では後期の作品に分類されます。

古都とは京都を指しており、京都の街を舞台に生き別れてしまった姉妹のもどかしい再会を、華やかな催事や風景を交えながら描いています。

日本の美しさを純粋に描いている本作は、海外での評価が非常に高くノーベル文学賞にノミネートされるきっかけにもなりました。また映像化などもされており、近年では2016年に現代版にアレンジした映画作品が公開されるなどしています。

まだまだある珠玉の名著たち

数多く存在する川端作品には、古都の他にも傑作が多く存在しています。ここからはそんな川端作品に触れる上で外せない珠玉の名著を紹介していきます。

伊豆の踊り子

『伊豆の踊り子』は1926年、当時まだ若手だった川端康成が19歳の頃の実体験を元に執筆した作品です。

東京の学生である主人公が現実逃避の旅で訪れた伊豆で、旅芸人の一座と旅をすることになり、その中で出会った踊り子との恋と別れを美しく描いています。川端作品の中では国内で最も人気がある作品です、

雪国

『雪国』は1913年から執筆が開始され、完結までに13年の月日をかけた川端康成の最長編作品です。「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」という有名な冒頭部分でも知られています。

雪国に来た主人公と芸者である女性が数年をかけて愛し合う中で、様々な人間模様を描いています。全体的にゆったりとした印象の作品ですが、ラストは壮絶なものとなっています。

抒情歌(じょじょうか)

『抒情歌』は、川端作品にしては珍しいテイストで、超常的な設定のもと、死生観を主題に据えた作品です。川端本人は「本作を気に入っている」と過去のインタビューで述べています。

幼少の頃から霊能力があった主人公が、未来予知で出会った青年と愛し合うも非業の別れを遂げてしまい、自身の霊能力に関することやそれに関連する資料絵を読み漁って、考えをまとめていく姿を描いています。

川端作品で日本の「言葉」に触れる

川端康成の作品は、小説家を志す人のお手本とも言える完成度を誇っています。川端作品を読み進めていけば「日本語」の美しさに触れるきっかけになるのではないでしょうか。まだ川端作品を読んだ事が無い方も、ぜひこの機会に巨匠の作品に触れてみてください。

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